第55話 またしても語り部になりかけたぜっ!(挿絵有り)
まさかあのルイルイがアイドル!?
一矢の父親仁志からの衝撃の告白!!
しっ……しっかし驚いたぜっ! まさかあのルイルイが俺の部屋の壁に貼ってあるポスターのアイドル張本人だっただなんて……
でもよ~く見たら、ポスターの右上のところにローマ字でしっかりと『ルイルイ』って書いてあるじゃねぇか!!
それにルイルイの特徴の一つの顎の下の『色気のあるホクロ』……。ポスターの顔にもちゃんとあるじゃねぇか! 一体俺は今までどこを見ていたんだ!?
けっ...決して胸ばかり見ていた訳じゃ無いからなっ!!
まぁ、親父が言うには今は『元アイドル』で、高校時代にスカウトされてデビューしたらしく数年で引退したそうだ。
そう、当時の『ポジティ部』での活動もしながら芸能活動もやっていたらしい。
おそらくルイルイの事だから子供の頃、うちの親父に『アイドルになれ』って言われたから、その言葉を忠実に守り『アイドル』になっただけで、芸能活動にあまり興味無かったんじゃないのか?
きっと『アイドル活動』よりも『部活動』の方が楽しかったんじゃないのか? だってあの『ポジティ部』だぜ!前向きな性格の奴等が集まったところだからなぁ……。きっと楽しいはずだ。
親父の時代も近所の幼稚園に訪問したり、色々と楽しそうな活動をしていたと思うしな。(ネガティ部とはえらい違う活動だぜ……)
でもまぁ、テンテン部長みたいなのが居ればちょっと引いてしまうがなっ!
それで結局、『アイドル活動』は中途半端な形になってしまって、最終的に人気もあまり出ず、仕事も無くて引退したんじゃないのかと俺は思っている。
えっ? 俺が分析の天才だって!? そんなに褒めるなよ~、照れるじゃねぇか……
ただ、ほんとにアイドル時代のルイルイは四歳児の俺から見てもメチャクチャ可愛かったんだ! ……それが今は何故!? って思ってしまうぜっ!! まぁ顔は超美人なんだけども……。
それにしてもルイルイはいつからあんなに口の悪い女になったんだろうかっ? 昔はあんなにも可愛らしかったのに……。今度、一度聞いてやるっ!!
それと、親父はここ数年ルイルイとは会っていないらしく、ルイルイの今の『本業』は知らないそうだ。まぁ、それも本人に聞けば済む事さ。別に俺はルイルイの本業なんて興味無いけどなっ!
あと、俺はルイルイがアイドルだったって事が驚きの中心だったけど、他の人達は親父の言う事、全てが驚きで美代部長なんか驚き過ぎて口が『あわあわ』していたからな。
まず、うちの親父が『元ポジティ部部長』兼『元ネガティ部初代副部長』って事に驚いてたよなぁ……
菜弥美先輩は自分が現在の副部長で目の前に初代副部長が居るとう事だけで感動しちまって涙まで流していたもんな。またその涙を流している表情が俺にはとても可愛くてたまらんかったな!
あと親父の旧姓が『丘志那一志』である事。親父が『ポジティ部部長』時代の時の一年生部員『布津野八芽』そう俺の母さんと数年後に結婚するが『婿養子』となり名前が『布津野一志』になった事。ついでに俺には二つ下の妹『八花』がいて現在アメリカに留学中である事など……
どの話もみんなにとっては驚きでしか無かったようだ。
ちなみに話の途中から母さんも参加し、間でテスト勉強の時と同じく母さんと女性陣とで夕飯の支度をやりだし、結局みんなで食卓を囲みながら話の続きが始まっちまったよ!
夕飯の時は妹の『八花』の話題が中心になってしまった。うちの両親も喜んで話をしてしまうんだ。
ただ俺にしてみれば妹の『八花』の事はあまり知られたくなかったんだ。
それは何故かって? そう、あいつは俺なんかよりもメチャクチャ頭が良いからだ。っていうかはっきり言って『超天才』なんだ! 俺みたいな『普通』……いや、『平凡』……いや、まぁ普通って事にしておこう。これじゃ話が進まん!
あいつは一体誰に似たのか、それとも『突然変異』か分からないが、小さい時から天才過ぎて小学生の時にはもう大学生レベルの知識があったんだ。
その天才っぷりは小学校の中だけではとどまらず、都内、国内、そして海外へと知れ渡る事になり、ついにアメリカの『どっかの有名な科学者』から八花を研究させて欲しいと両親に直にお願いをしてきたらしく、『あんな』両親だから喜んで当時小学五年生の娘をアメリカに送り出したんだ!(なんか昔にこれに近い内容の漫画があった気がするぜ!)
そんな妹に俺はずっとコンプレックスを持っていた。両親は俺も妹も平等に優しくしてくれていたし、妹も俺の事を『お兄ちゃんお兄ちゃん』となついてくれていたんだ。
でも、どうしても俺は妹を可愛がる事ができなかった。そう、妹の才能に対して嫉妬をしていたんだ。だからそんな妹がアメリカに行く事になっても俺は全然寂しい気持ちにならなかった。っていうか、どこかホッとしている自分がいたんだ。
そして俺は、そんな自分が嫌になった。
それから俺が中学三年になり、進路で悩んでいると、親父が自分の母校でもある『名染伊太学園』を勧めてくれたんだ。
前にも言ったが『行けばわかる』とだけ親父は言って、俺はそれ以上何も言わず自分を変えようという気持ちでこの学園に入学したんだ。
「しかし、一矢~。お前、学園に通い出して何か分かったみたいやな?」
「えっ? 何が? 俺はまだ何も分かってねぇよ」
「そんな事ないわ~、めっちゃ分かってるやん!ここに居る子らが全てやん!」
「へっ? 部活のみんなが全てってどういう意味だよ!?」
「まぁ、ええわ。俺に言われて分かってもオモロないからな。その内、ちゃんと理解できるわ~」
「なっ...何だよ。教えてくれても良いじゃんか!?」
「フフフ……」
「と、ところで一矢君のお父様」
「ん? どうしたん?ミヨミヨ」
「はい。一つ気になる事がありまして……」
「ほう、言うてみぃ~」
「はい。ネガティ部の初代副部長は一矢君のお父様だという事は分かりましたが、それでは初代部長はどういうお方がされていたのかなと思いまして……やはり現部長の私としてはとても気になります.....」
「あ、あぁ~。初代部長かいな~。それは簡単、みんながよく知ってる人やで!」
「えっ? そうなんですか? 一体どなた何でしょうか?」
「あぁ、ネガティ部初代部長の名前はな~…」
「はい、初代部長のお名前は?」
「『現名染伊太学園学園長』『名染伊太一郎』俺の同級生で親友や!!」
・・・・・・・・・・・・
えっ......えっ――――――――――――――――――っ!!??
お読み頂きありがとうございます。
今回も色々と謎が判明していきましたね(笑)
一矢の母親の名前
一矢の妹の存在
そしてネガティ部初代部長の正体
次回はその初代部長のお話をするのかしないのか!?
それは私のその時の気分次第です(笑)




