表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/193

第53話 『仮部室』って何だよっ!(挿絵有り)

ルイルイから思い出話を聞かされた一矢だが、その話の中でまさかの父親の秘密を知る事に!

果たして一矢の心中はいかに......

挿絵(By みてみん) 


 

『謎めいた合宿』が無事に終わった帰りのバスの中……



「はぁ……」


「ん? どうした、フツオ? ため息なんかついて……」


「えっ、いや……何でもねぇよ。気にするな……」


「あっ、そう……」


 はぁ……しかし参ったな。いや、マジで参ったぞ。まさか、うちの親父が『元ポジティ部部長』で尚且なおかつ『初代ネガティ部副部長』だっただなんて……未だに信じられないぜ!


 それも、あのルイルイの『超憧れの人』で『ヒトヤン様』ときたら笑えるに笑えんわっ!

息子であるこの俺がこっぱずかしくてなぁっ!


 それに幼稚園児相手に結婚の約束までしやがって……で、思いっきり約束破ってるじゃねぇかっ!おい親父っ、お前『結婚詐欺師』かよっ!!

 でもまぁ、そのお陰で俺は母さんから生まれてこれたんだけども……


 あ~っ!何か複雑な気持ちになるわっ!!


「一矢、どうしたの? 何か顔色悪いわよ。もしかしてバス酔い?」


「えっ? 舞奈か……。いや別に何でもないよ。ちょっと考え事をしていただけだ」


「そうなの? なら良いんだけど……あっ、聖香、このお菓子食べない?」


 あっ、そうだった。今回の合宿での目的は舞奈と聖香を仲良くさせる事だった。

 そしてその目的は無事に達成し、更にモブオの機転のお陰でクラスのみんなと、舞奈は親しくなれたんだ!本当なら俺は今、『超満足感』の状態で帰りのバスに乗っているはずだったんだ……。それなのにルイルイの話を聞いた事で俺の心はおだやかで無い状態だ。


 帰ったら親父に色々と聞きたい事が出来ちまったな。でも最近、親父は出張が多くてロクに顔も見ていないんだよなぁ……。今夜は家に居るのかな?っていうか俺は、親父に面と向かって聞けるのか…?それに親父の事だから、いつもの様に訳の分からんギャグをかまして、話をはぐらかすんじゃないのか……?


 そうだ。いつも親父はそうなんだ。俺に『名染伊太学園』の受験を勧めて来たのは良いけど、理由は何一つ教えてくれなかったんだ。簡単に一言だけ、『行けば分かるわ~、ワッハッハッハッハ~』としか言わなかったもんな……


 親父っ!!俺は未だに全然分かってねぇぞ!!


 ピコンッ


「あっ、美代部長からのラインだ。一体なんだろう?」


『一矢君、お疲れ様です。もしかしたら今は帰りのバスの中でしょうか? また月曜日の部活でお土産話を聞かせてくださいね』(自撮り写メ付き)


 あ~、やっぱり美代部長は超美人だよなぁ……。また俺の『秘密のアルバム』の一ページ加わる事になるぜっ!


 ピコンッ


「ん?」


『追伸……。最近私の出番が少なくてとても寂しい気持ちになっています。私はやはり『ブス』で『のろま』で『面白くない女』で『部長失格』だから出番が少ないのでしょうか?』


 しっ…知らんわっ!!作者に聞いてくれっ!!それと、そういえば月曜日は俺達、振替で学校休みだった!美代部長にそれも連絡しておかないと!


 ピコンッ


「今度は何だよ!? って、菜弥美先輩からかっ!」


『一矢君、お疲れ~!合宿は楽しめたかな? 一矢君の事だから四六時中『突っ込み』まくって疲れ切っているんじゃないか~? そういえば昨日のお昼に私、初めて美代部長に突っ込んだわよ! 凄いでしょ? でも、一矢君みたいに上手に突っ込めたかどうか不安で、今私の中では悩み事になりつつあるから早く私の悩み事を聞いてちょうだいね!』(自撮り写メ付き)


 そっ、そんな事で悩むなよ!余計に俺が疲れるわっ!!

でも菜弥美先輩の突っ込みかぁ~……。俺もなまで見たかったなぁ……

それと菜弥美先輩の自撮り写メも相変わらず可愛いよなっ!あざーっす!いただきまーす!


 ピコンッ


「今度は誰だよ!? って、やっぱりテルマ先輩かっ!」


『        』(自撮り写メ付き)


 …って、やっぱり無言かよっ!そして自撮り写メは相変わらず『天使級』だなぁっ!!

『帰ったら抱きしめてやるぜっ』って返事をしたい衝動にかられるぜっ!!


 ピコンッ


「はいはい……どうせ次は子龍先輩だろ?」


『一矢君、お疲れ様。合宿は楽しかったかい? また月曜日にゆっくり教えてくれよな。それと昨日、僕は授業中に久しぶりにクシャミをしたんだけど、もしかしたら一矢君が僕の噂でもしてくれてるんじゃないかと思ったら、何だかワクワクしたよ。あっ、でも僕の悪口でも別に全然構わないからね』


 中途半端な悪口は言ったような……。まぁどうでもいいわっ!


 そんな事より、美代部長に月曜日は俺達一年は学校休みだってラインしないと……。って、面倒だからグループラインに送っておこう!よし、ポチっとな。


 ピコンッ


「おっ、早速先輩達からの返信だな?これは美代部長のラインだな…っと」


『緊急連絡です。月曜日の部室での部活動は中止と致します。そして代わりに夕方五時半に『仮部室』である『一矢君のお部屋』で部活動を行いますので、皆さんお菓子などは持参してお集まりくださいね! 以上』


「ん? フツオどうした?何か体震えてるぞ! だ、大丈夫かっ!?」


「だ、大丈夫じゃねぇよ……」



 何、勝手に俺の部屋で部活動するって決めてるんだ!?せっかくの休みなんだから休ませてくれよ―――っ!!


 っていうか、いつの間に俺の部屋が『仮部室』になってるんだよ――――――――――――――――――っ!!!!


お読み頂きありがとうございます。

無事に『謎めいた合宿編』も終わり、一矢はいつもの?日常に戻る事ができるのか?できないのか?

まぁ、どちらにしても一矢の心が落ち着く日は程遠いようです(笑)


どうか面白ければブックマークしてくださいね。

そして評価や感想など頂けると100話目指して頑張れますのでどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=192309388&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ