第40話 久しぶりに出たーーーっ!
名染伊太学園、一年生の恒例行事『謎めいた合宿』の事が気に成るが、何とか我慢して勉強を頑張る決意をした一矢だが...。
く…くそーっ!
子龍先輩の言っていた『謎めいた合宿』がめっちゃ気になるぜっ!
でも勉強しないといけないしなぁ......
やっと皆の座る場所も決まった事だし…
合宿の事は明日、モブオにでも聞いてみるか……
ちなみに長方形のテーブルの窓側の長い方に俺と美代部長が並んで座り、迎え側に菜弥美先輩と舞奈、そして両サイドの俺に近い方がテルマ先輩、美代部長に近い方が子龍先輩という事で落ち着いた。
「ところで皆さん、得意な教科とかはあるんですか?」
「わ…私は数学が得意ですよ…」
「私は国語と保険体育かな!」
「菜弥美先輩、今日は保険体育はいいですので」
「私は社会…。特に日本史が得意よっ!…あとは家庭科かな」
「だから舞奈…。今日は家庭科はいいからっ! それなら後で夕飯の手伝いでもやってくれ!」
「私は…英語と書道…」
「え―――っ!? テルマ先輩は勿論英語は得意だとは思ってましたが、まさか書道も得意だとはっ! また今度、テルマ先輩が書いた作品を見せてくださいね!!」
「べ…別に良いけど…。でも、書道は奥深いから一矢君に私の書いた作品が理解できるかしら…」
「がっ…頑張って理解しますよ、テルマ先輩!!」
「あの〜一矢君? なんでテルマの書道だけは食いついたのかな? 私の保険体育と舞奈ちゃんの家庭科は軽く流したのに…。はぁ…、私の悩み事が増えそうだ……」
「スッ、スミマセン菜弥美先輩! 別に悪気があって軽く流した訳じゃ無くて…。まさかテルマ先輩がこの容姿で書道をされてると思ったら少し驚いてしまって、思わず食いついてしまったんですよ…」
「でも私は、一矢から夕飯の手伝いをしろって言われたので、それだけで大満足ですよ! 一矢のお母さんの料理のお手伝いが出来るなんて、何だかとても楽しみです!」
まっ、舞奈っ!
余計な事を言うんじゃねぇよっ!!
ほらぁっ!
菜弥美先輩の顔がドンドン赤くなってきたじゃないかっ!!
「ひっ…一矢君! 実は私も保険体育の次に家庭科が得意なんだが、私も夕飯のお手伝いをやっても構わないかなっ!?」
「あっ…、はい…。べ…別に構わないですよ。…っていうか菜弥美先輩にまで夕飯の手伝いをさせるなんて申し訳ないですが…」
「ぜっ、全然っ! 申し訳なくは無いぞっ! 私も一矢君のお母さんと一緒に夕飯を作れるなんて光栄だよっ!!」
「ひ…一矢君…ちょっと良いですか? 私は数学が得意と先ほど言いましたが、実は次に私が得意なのは『肉じゃが』なんです……」
美代部長!数学の次に『肉じゃが』って何なの!?
なっ、何で教科じゃなくて『おかず』限定で言うのかなぁ!?
それに世の中の男性の胃袋をわし掴みに出来ると言われたおかずの王様『肉じゃが』をチョイスするなんて…!!
アンタもしかして実は『策士』じゃ無いのか…っ!?
こ…これでテルマ先輩も黙っているはずが無いな……
「ひ…一矢君…」
ほら来たぁっ!
「な、何ですか?テルマ先輩…」
「私は皆と違って料理は苦手なの…。でもね、味見は得意なのよ……」
「は?…はぁ…」
「私は小さい頃から家族や周りの人達に『神の舌』と言われて恐れられてきた女なの…」
かっ、『神の舌』って…!?
どっかの漫画か何かで聞いた事あるような異名だなっ!!
「だから私が夕飯の味見役をして、最高の味の夕飯を一矢君に食べてもらいたいから、私も夕飯のお手伝いに行っても良いかな?」(ニコッ……)
ぅわ―――っ!
テルマ先輩がまたしても『小悪魔天使』の笑顔で俺を悩殺だぁー!!
「は…はい…。お願いします……」
「ひ…一矢君…。僕も…」
「子龍先輩は行かなくて良いですので!」
「え―――っ!? 僕はダメなのかい? 残念だなぁ…。僕も料理は得意なんだけどなぁ…。でも、まぁいっか~。夕飯の支度をしている間、この部屋には僕と一矢君の二人きりになるから、二人でゆっくり話が出来るよね……」
「お願いです!! どうか子龍先輩も台所に行って、思う存分手伝ってきて下さい!!」
「えっ!? 何?? 僕も行っても良いのかい?」
「はい! 五秒で気が変わりましたので!!」
「はっ、早いねぇ~…。わ…分かったよ。僕も夕飯の手伝いをさせてもらうよ…」
はぁ~っ…。危ないところだったぜっ!
俺の部屋に子龍先輩と二人きりだなんて…、恐ろし過ぎるぜっ!
別に何かある訳ではないけども…。万が一って事があるからなっ!!
それに、作者が違うファンの客層を増やす為に急に路線を変える可能性もあるしなっ!!
「あっ、ところで皆さん。皆さんが夕飯の手伝いをしている間、俺は何をすれば良いんですか?」
「そ…そうですねぇ…。自習していただくしかないですね」
「そうですよね。自習しかないわね。一矢君、しっかり自習しといてね!で、今何時かな? テルマ」
「もう五時半だわ」
「それじゃあ、もう夕飯のお手伝いをしないといけませんね!? 一矢、悪いけど自習やっといてね!」
オイッ!オイオイオイオイッ!!
……俺、まだ何の勉強もしてないんだけど……!!
ていうかアンタ達、俺んちに何しに来たんだよっ!!!!
ピンポーン…。
ピンポーン…。
ピンポーン…ピンポーン…。
んっ? 誰かな?
母さん出てくれないのかな?
ピンポーン…ピンポーン...ピンポーン…ピンポーン…
!?なっ、何だっ!?
一体、誰が来たんだっ!?
ちょっと怖いから、モニターから見るだけにしよう……
!!!!
「ミヨミヨ~っ!! この家に居るんだろう~っ!? 君に会いに来たよ~っ!! 早くそのドアを開けてくれないかなぁ~!! そして君の心のドアも、開けてほしいなぁ~っ!! 今日ね、ネガティ部の部室に行ったら誰も居なくて、僕超心配したんだよ~っ!!」
上手いこと言いやがるな…。って、そんな事より......
な…何で……
天翔部長がウチを知ってるんだ――――――――――――っ!!??
お読み頂き有難うございます。
ついに40話まできました。これも読者の方々のお陰です。本当に有難うございます。
これからも50話、100話と目指し、更に面白い内容にできるよう頑張りますので応援よろしくお願い致します。
また最近、各話毎に感想が書ける様になったみたいなので、よろしければどの話でも構いませんので感想を頂けたらメチャクチャ励みになります。どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m
そして、久しぶりに『テンテン』登場です(笑)
果たしてどうなることやら...。




