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第36話 ラブコメアニメかよっ!

高校生最初の中間テストでいきなりヤバイ一矢はどうする!?

「という事で、舞奈はまだ来てませんが今日から中間テストが終わるまで俺に対してメールは禁止でお願いします! もし急な用事があればグループメールで連絡してもらって、俺以外の人で対応して下さい! 良いですねっ!?」


 えっ!え――――――――――――――――――――――――っ!!??


「そ…、そんな『え―――っ!』って言われても俺が困るんですよ!まさか皆さん、時間差で俺にメールをしていたとは…。ホント、俺マジで今度の中間テスト、ヤバいんです! いきなり『赤点』取ってしまいそうなんですからっ!」


「ひ…一矢君…。本当にすみませんでした。最初は私と菜弥美ちゃんだけで、たまたま時間もズレていましたが、他の方も一矢君にメールをする事になりましたので、一矢君の応対が大変だと思い…。それで、皆さんと話し合いメールをする時間決めたのですが…。まさか一矢君がそういう状態だったとは全然知りませんでした…。わ…私は本当に部長失格ですね…。そろそろ引退した方が良いかもしれません……。な…、菜弥美ちゃん…菜弥美ちゃんが今日から部長になって頂けないでしょうか?」


「み…美代部長…。なっ…何をおっしゃってるんですか!? 私は嫌ですよ! 今部長になったら、悩み事が今の十倍になってしまいます!!」


 美代部長も大袈裟だし、菜弥美先輩も毎回悩み事の増え方がおかしいだろっ!!


「別に美代部長が部長を辞める必要は無いんです !俺に対してメールを少しの間、止めてくれれば良いんですよ!」


「しゃ…写メもダメでしょうか…?」


「しゃっ、写メっ!? う~ん……。って俺、何を迷ってるんだ! ダッ、ダメです! 気が散って勉強に集中出来ませんからっ!」


 あぁ…別に写メくらいはとは思うけど......

 絶対、自撮り写メなんか送られたら数十分眺めてしまうからな~......


 う~苦しい選択だな……


「しかし困ったな…。私の『菜弥美の悩み事ランキング』に一矢君以外の人が相談に乗れるのだろうか?…。私はそれを考えただけで悩み事が増えそうなんだが…」


「な…菜弥美先輩、それなら昼休みも少しだけ悩み事の相談してくださいよ! 部活の時間もいつもより相談する時間を増やしたりして……。ねっ? それで行きましょうよ!?」


「そ…そうね。そうさせて貰うよ。私も一矢君に迷惑は掛けたくは無いしね。これで少しホッとしたよ。さすが私の唯一の相談相手の一矢君だわ!」(ニコッ)


 わ~っ!!


 菜弥美先輩のあの笑顔もメチャクチャ可愛いんだよなぁ~


 あの笑顔の自撮り写メが見たくて、ついつい相談事を聞いてしまうんだ!


 あの笑顔はまさに『罪』だっ!!


「ひ…一矢君…。私も無意味な『無言メール』を何回も送ってゴメンなさい…」


 テルマ先輩、無意味って自覚はあったんですねっ!?


「テ…テルマ先輩、あの『無言メール』で十五分くらい時間取ってましたからね。無意味と言われましたけど何か理由はあったんでしょ?」


「……ア、アレは…。私なりの『ボケ』というやつで…。ひ…一矢君に…つ…、つ…。『突っ込んで』もらいたくて……」


 ガ――――――――――――――――――――――ン!!!!


 そ…そうだったのか!!


 アレはテルマ先輩の会心かいしんの『ボケ』だったのかっ!


 わ…分からなかった......

 メッ、メチャクチャ可愛いじゃねぇかっ!!


「一矢君のあの『内容が無いよう!』っていう突っ込みはイマイチだけどね……」


 ワ――――――ッ!!


 テルマ先輩、今ソレ言う!!??

 メッチャ恥ずかしいんですけどっ!!


 っていうか、あの突っ込みはイマイチだったんですかっ!?

 それならそうだとメールで教えてくれよっ!!



「あの~一矢君? 僕はほとんど写メばかりだけど、やっぱり迷惑だったのかな?」


「はい、そうですね! 違う意味で迷惑でした! 自撮り写メはテストが終わっても止めてください!」


「え――――――っ!? 一矢君、最近僕に対して厳しくないかい?」


「そんな事は無いですよ。俺は子龍先輩が卒業するまでに何とか『顔を正面に向けてもらって俺とまともな会話をする』という目標をかかげていますからっ!!」


「そっ…、そうなのかいっ!? そんな目標を掲げていてくれていたのかい? なんか有難う、僕は嬉しいよ。まさか一矢君が僕の事をそこまで…」


「し…子龍先輩! 変な誤解はしないで下さいよ! くれぐれも変な誤解だけはしないように!」



 ガラッ…ガラガラッ……



「お――――――すっ! ひ弱で根暗なウジ虫共!! 今日も無駄に元気か――――――っ!?」


 相変わらず口が悪い女だな『ルイルイ』!!


「ルイルイ! 今日は良いところに来たなぁっ!」


「オイオイ、ヒトヤン…『今日は』って…。ホントお前は面白い奴だっ!」


「別に面白い事を言っているわけではないぜっ!」


「……内容が無いよう」(ボソッ)


「テッ…テルマ先輩! なんで今それを言うのかな!?」


「はぁ? 『内容が無いよう』だぁ? 何だそれは?」


「そっ…そんな事はどうでも良いんだっ! それよりルイルイ! 今日から中間テストが終わるまで俺にメールするのは禁止にしたから!!」


「えっ、えぇ――――――――――――っ!!?」


「こっ、子供みたいな言い方をするなっ! これは決定事項だからよろしく頼むぜっ!」


「はぁ…、せっかく本業の時間が早いのにも関わらず、それを我慢して深夜にメールしていたのに、お前は何て冷たい『普通の男』なんだ…」


「『普通の男』は余計だろっ! それに本業が朝早いんなら無理してメールなんかしないで、とっとと寝れば良いだろっ! っていうか本業は一体何なんだよっ!?」


「私の本業か?…それは『秘密』だ」


「秘密かよっ! 別に興味無いから良いけどさっ! いずれにしても、俺は今度の中間テストが非常にヤバイから勉強に集中する為に、全員俺へのメールは禁止にしてもらったところなんだ! だからルイルイも絶対に俺にメールをしないでくれよ!」


「な〜んだ、そういう事か。ヒトヤンは突っ込みはウマイが勉強は『普通に出来ない子』だったんだな?」


「ちっ、違う!! 俺は『普通にやればできる子』だっ!……あっ!『普通』を入れてしまった!!」


「まぁラインの件はともかく、ヒトヤンは知らないと思うがお前の先輩達は性格はウジ虫みたいな奴等だが、勉強は学年トップクラスなんだぞ。彼女等に勉強を教えてもらえば良いじゃないか。そうだな~……。よしっ! 今日からお前達はヒトヤンの家に行って勉強を教えてやれ!!」


 えっ?


 な…何?


 この人、一体何を言ってるんだ…?


 そ…そんな…。俺の家に先輩達が来て俺に勉強を教えるだと!?


 そ…そんなの…アレじゃないか……。まさに……



 俺が大好きな『ラブコメアニメ』にあるよくパターンじゃないか――――――――――――いっ!!!!


お読み頂き有難うございました。

さぁ次回はよくあるパターン回です(笑)

でも『ネガティ部』の部員達ですからね。一体どうなることやら...

次回も宜しくお願い致します。

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