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第193話 夫婦漫才かよ!?

 【ミス名染伊太学園会場】


 はぁ……遂に緊張の時間がやって来たぞ。


「一矢君、誰が優勝すると思う?」


「いやぁ、さすがに分かりませんねぇ。子龍先輩は誰が優勝すると思っているんですか?」


「そうだねぇ……僕は舞奈ちゃんかテルマじゃないかと思うんだけど……」


「へぇ、その理由を教えてもらえませんか?」


「理由はねぇ……まぁ、あの二人が見た目、インパクトがあるんじゃないかと思ってさ。舞奈ちゃんは髪色がピンクで胸が学園一大きいって噂があるだろう? それとテルマは金髪ハーフで学園一小柄な美少女と言われているしさ」


 へぇ、二人共、そんな事を言われているのか?

 でも、言われている通り、この二人は参加者の中でもインパクトがある方だとは思うけど……


「ただ、子龍先輩はご存じないと思いますけど紅伊奈の衣装が凄いんですよ。マ、マ、マイクロビキニ姿で登場するんです!! ヤ、ヤバくないですか!?」


「マ、マイクロビキニだって!? それはヤバいね!! っていうか、紅伊奈ちゃんも舞奈ちゃんに負けず劣らずの巨乳なのに、その紅伊奈ちゃんがマイクロビキニで登場したら会場がとんでもない事になるんじゃないかなぁ?」


 逆に学園側がそんな恰好を許すのだろうか?


「フツオと子龍先輩、二人して凄いスケベそうな顔をしてどうしたんだい?」


「誰がスケベそうな顔だ、モブオ!? まぁ、子龍先輩はそうかもしれないけどな」


「オイオイオイッ、一矢君? 僕みたいな真面目な少年をつかまえて何を言っているんだい? それに僕なんかよりも一矢君の方がスケベそうな顔というか、スケベな事をやったじゃないかぁ?」


「えっ? お、俺は何もスケベな事なんて……あっ!?」


「だろう? 君はあの津田先輩とキ、キ、キスをしたじゃないか!! 僕はそれを聞いた時、凄くショックだったんだからね。まさか一矢君の初めての唇を奪ったのが津田先輩だなんてさ……」


「子龍先輩、なんか誤解されそうな言い方は止めていただけませんか? それにモブオも余計な事を言うんじゃねぇよ!!」


「まぁまぁ、怒るなよ、フツオ……それにしてもミスコン会場は開始三十分前から超満員だよなぁ? 外にも観客が溢れているくらいだぞ」


「へぇ、そうなのか……」


 これだけの観客を前に、うちのネガティ部女子達は大丈夫なんだろうか?


 特にテルマ先輩は耐えれるのかな?


「しかし、生徒会だけでは仕切れる規模じゃ無くなったよな? まぁ俺達『アーカイ部』が急遽、ミスコンを手伝う事になったからいいようなもんだけどさ」


「そういえば司会も前妻木部長じゃなくてアーカイ部でやるって聞いたけど、もしかして司会をするのは……」


「ああ勿論、部長の法曹さんがするぜ。法曹部長、今朝からめちゃくちゃ気合いが入っていたからなぁ……」


 げっ、やはりそうか。俺は法曹部長が苦手なんだよなぁ。俺をやたらとイジってくるし、ネガティ部女子達には色目を使って来る感じだし……


 今回俺は何も参加しないからイジられる要素は何一つ無いけど、司会の立場を利用してネガティ部女子達に何か変な事を言わなければいいんだけども……


「ところで多田野君は誰が優勝すると思うかな?」


「えっ、俺ですか? うーん、そうですねぇ……俺の美の基準はルイルイ先生なんで、それに一番近い人が優勝するというか、してほしいですけどねぇ……」


「いや、ルイルイに似ている人なんて参加しないだろ? ってか、モブオは今もルイルイみたいな女性が良いのかよ? どこが良いのか全然、理解できないぜ!!」


「放っておいてくれ!! 好みなんて人それぞれじゃないか!!」


「そうそう、多田野君の言う通りだよ、一矢君。でもさすがにルイルイ先生みたいな人は参加しないだろうけども……しいて言えば菜弥美が近いかなぁ……でもまだ大人の色気ってのが足りないかもしれないね。あと五年もすれば少しはルイルイ先生に近づけるとは思うけどさ……」


 この人はミスコン評論家か!? 言っている事が結構、的を得ているぞ。



「一矢君、多田野君、そして仁見君、こんにちは」


「え? ああ、前妻木部長こんにちは」


「男子三人で何を話していたの?」


「いや、今日のミスコンで誰が優勝するのか予想していたといいますか……」


「ウフ、そうなんだぁ……でも誰が優勝するのか私には全然、予想できないわねぇ……」


「前妻木部長も参加されていたら更に激戦になって予想が付かないと思いますが……司会もされないのなら今からでも参加申し込みをされてはどうですか?」


「ハハハ、一矢君ありがとね? お世辞でも嬉しいわぁ」


「いや、お世辞なんかでは……」


「でも参加は遠慮しておくわ。私は『ポジティ部部長』で皆を盛り上げる役目の人間だから……司会はやらなくても生徒会のお手伝いはするつもりだしね。それじゃぁ、私は舞台裏に行くわねぇ?」


 ポジティ部部長で皆を盛り上げる役目かぁ……


 親父といい、ルイルイ、そして入院中のテンテンさんもほんとポジティ部の人達は裏で何かするのが好きなんだなぁ……?



「おーい、一矢? 俺を呼んだかぁ?」


「えっ、親父!? よ、呼んでねぇし!!」


 ってか、親父はマジで俺の心の中が見えるんじゃないのかと最近、思ってしまうな。


「一矢、母さん達の席はあるのかしら?」


「ああ、ちゃんと二つ席をとってあるよ。しかし、本当に二人とも来たんだね? 仕事は大丈夫なのかい?」


「ハッハッハッハ!! 当たり前やん!! 俺は今日のミスコンが仕事よりも大事やと思っているねん!! 仕事なんて部下に任せておいたらええんやから」


「そうそう、母さんも昨日から楽しみにしていたのよ。なんてったって学園初のミスコンだしね。もし母さんが学生の頃に開催してくれていたら今頃母さんが『初代ミス名染太学園』って呼ばれていたのにねぇ……」


「ハッハッハッハ!! ほんまやなぁ、その頃にミスコンやっとったら当時、学園で『桃色突っ込み美少女』って言われていた八芽が絶対に優勝しとるよなぁ!? まぁ、俺は一票入れへんけどな!!」


 バシッ!!

「入れへんのかーい!?」


「ハッハッハッハ!! 八芽、突っ込みの腕落ちてへんなぁ?」


「ウフ、ありがとう♡」


 夫婦漫才かよ!?


「なんかさ……さすがフツオの両親って感じだな?」


「最近、父さんや母さんから一矢君のご両親の話をよく聞くんだけど、聞いていた以上のご両親だねぇ?」 


 何がさすがで何が聞いていた以上なんだよ!?


 はぁ……ミスコンが始まる前から疲れてきたぞ……


「おい、一矢? ミスコンのプログラムみたいなもんは無いんかいな? あとポップコーンも欲しいな」


「あ、それ、母さんも欲しいわ。あとコーラも!!」


「じ、自分達で買って来いよ!!」


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