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第191話 アンタが諸悪の根源かよ!?

 ガラッ…ガラガラッ


「皆さん、おはよ~っ!!」

「お、おはようございます……」

「おはようで~す」


 あ、寿志光三姉妹が来たぞっていうか、来るの早くないか?


「ママ、来るの早過ぎるわよ!! まだ、コスプレ喫茶も開店していないのに」


「だって今日のミスコンが楽しみ過ぎて、居ても立っても居られなかったのよぉ」


 でもミスコンは午後からだぞ!!


「お、お母さんも凄く早いですが風羅おばさまに無理矢理連れて来られたのでしょうか?」


「そ、そうですね……そんな感じです……」


「ちょっと夢和お姉ちゃん、変な言い方は止めてよね? 昨夜、お姉ちゃんが私達に何時に学園に行くのか聞いてきたんじゃない?」


「ハハハ、そうそう、珍しく風羅お姉ちゃんの言う通りだよ。こう見えて夢和お姉ちゃんもミスコンがとても楽しみあんだよねぇ?」


 そっか。そう言えば今日の美代先輩の衣装は、昔お母さんが着た事のある衣装を着るんだったな?


 そりゃぁ、楽しみだよなぁ……


「でもママ達はこれからどうするの? 昼までかなり時間があるけど」


「それは心配しなくても大丈夫よ。昨日、私達は来るのが遅かったからあまり学園祭を楽しめていないのよ。ミスコンまでに完全制覇しようと思っているわ」


 か、完全制覇って……さすがは大企業の社長さんだな。


「お姉ちゃん達、まずはどこから攻めようか?」


 末っ子の柊さんも攻めるって言い方は大企業の専務っぽいな。


「舞奈、どこかお勧めはあるかしら?」


「うーん、そうねぇ……うちと似ているけど『エグゼクティ部』がやっているメイド喫茶はどうかしら? そこの元部長さんはとてもいじり甲斐があると思うわ」


 舞奈、花持先輩に知られたりしたら後で怒られるぞ。


「へぇ、メイド喫茶かぁ……私も一度、メイド服を着てみたかったのよねぇ……」


 へっ? 舞奈の母親は何を言っているんだ?


「あら、風羅お姉ちゃんもなのぉ? 私も一度着てみたかったのよぉ。よーし、それじゃぁ、今からそのメイド喫茶に行ってメイド服を着させてもらいましょうよ?」


「フフフ……そうね。行きましょう……今日も素敵な一日になりそうね?」


 俺は今日一日、不安しかないんだけどな!!


「ママ達、本気でメイド服を着る気なの!? と、歳を考えてよね!?」


「バカねぇ舞奈。私達姉妹は昔から美人三姉妹って言われているのよ。それは今も変わらないわ!! でもまぁ、客層は変わるかもしれないけどね」


 自分の事を分かっているのか、分かっていないのか掴みどころの無い人だな!?


 しかし舞奈と違って前向きというか……


 ん、待てよ?


 寿志光風羅すしこうふうら……風羅 寿志光……ふうら すしこう……


 ふうらすしこう……ぷらすしこう……


 まさに完璧なプラス思考な人だよな!?


 ―――――――――――――――――――



「しかし、舞奈ちゃんのお母さんってパワフルよね? 圧倒されて私、近くにいたのに何もお話できなかったわ……」


「菜弥美部長、申し訳ありません……ほんと、うちのママは昔からあんな感じでして……」


「いえ、別に舞奈ちゃんが謝る必要は無いのよ」


「私は全然、気にならなかったわ。だってうちにもパワフルな母親がいるし……」


 だよな? 


「テルマ先輩のお母さんもまた違ったタイプのパワフルな人ですもんね?」


「フッ、あの女はただのガラの悪い外国女よ……」


 ひ、酷い言われ様だな?



 ガラッ…ガラガラッ


「テルマ、今私の噂をしていなかったかい?」


 ギャーッ、出たーっ!!


「な、何でお母さんまでこんなに早くに来るのよ!? いつも朝は弱いクセに。私が家を出て行く時はまだ寝ていたはずなのに」


「ハッハッハッハ!! それは狸寝入りだ!! 引っかかったな、テルマ!?」


 引っかけて何が楽しいんだ!?


「早く来た理由は何なの? 舞奈ちゃんのお母さん達みたいに昨日はあまり回れなかったの?」


「まぁ、それもあるけどな。でも一番の理由は理事長に会おうと思ってさ。昨日は久しぶりに昔の仲間と会ってはしゃぎすぎてさ、理事長に会うのを忘れていたんだよ!!」


 理事長? あっ、そっか。


 理事長って『初代ポジティ部 部長』だったよな?


 だから同じ元部長として挨拶に行くのか? 


 へぇ……意外とテルマ先輩のお母さんは律儀な人なんだな?

 少し見直したかも……


「昔、理事長が学園長時代に占ってやったんだが、その占いのお陰で大儲けした事があってさ、その時のお礼をしてもらおうと思ったんだ!!」


 感心した俺の気持ちを返しやがれ!!



 ガラッ…ガラガラッ


「どんだけ~っ!!」


「うわっ。ドンちゃん!?」


「皆さ~ん、おはようございま~す!! 今日も一緒に頑張りましょうね~!?」


「ど、丼竹君……今日はよろしくお願いします……」


「ちょっと、越智子せんぱーい? 私の事はちゃんと『ドンちゃん』って呼んでくれないとダメですよ~っ!! はい、呼び直してくださ~いっ!?」


 う、うぜぇよ、ドンちゃん……


「申し訳ありません。今日はミスコンの時の衣装のお手伝いも宜しくお願い致します。ど、ど、ドンちゃん……」


「は~い!! オッケーですよ~!! 私のお任せあれ~!!」



「お、お前……いや、ドンちゃん!?」


「何、この直ぐに私の事を『ドンちゃん』って呼んでくれる素晴らしい外国のお方は!?」


「ハッハッハッハ、私か? 私は『元ポジティ部 部長』で、そこにいる木西テルマの母親の木西トランだ!! そして『元占い師』で現在はテレビ局のプロヂューサーをやっている!!」


「えーっ!? そうなの~!? それはスゴーイ!!」



 驚いたぞ。まさかテルマ先輩のお母さんがテレビ局のプロヂューサーをやっているなんて……


「ドンちゃん、私はお前を見た途端にビビビと感じたんだ。今度、局で来年の新番組の打ち合わせをやるんだが、私はお前をメインにした番組をやりたくなったから学園祭後に少しだけ時間をくれないか!?」


「えーっ!? わ、私がメインの番組ですって~!? これは驚きだわ~!! でも分かりました。喜んで時間を作らせていただきま~す!!」


 テルマ先輩のお母さんには申し訳無いが変わった人には変わった人が集まってくるという事がたった今、確認できた瞬間を味わった気がするな……


 あ、そうだ。一つだけ聞いてみようかな?


「あ、あのぉ……テルマ先輩のお母さん、一つ質問してもいですか?」


「おっ、何だヒトヤンの息子? 遠慮なんてせずに何でも聞け!!」


「あ、はい……テルマ先輩のお母さんが担当した番組ってどんな番組があるんですか?」


「ハッハッハッハ!! 何だ、そんな事か……まぁ、そうだな。今は担当を後輩に譲ったが私が担当した番組で一番有名なのは……」


「はい、有名なのは……?」


「朝の番組の『おはよう『館』です!』だな!! まぁ、ルイルイが占いを辞めてこの学園の教師になっちまったから最近は視聴率が低迷しているらしいがな!!」


 あ、あ、あんたが今まで俺達『ネガティ部部員』を振り回していた諸悪の根源かよ!?


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