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第184話 センス無さ過ぎだろ!!

「マジでケシケシが脚本書いたんかいな?」


「ああ、そうだ。少し前に匿名希望の手紙がうちに届いたんだよ。で、その手紙はどうも学園関係者からみたいだったんだが、学園祭で発表する脚本がクソつまらないから是非ケシケシ先生に脚本を書き直して欲しいって書いてあったんだ」


「へぇ……で、ケシケシは快く引き受けたっちゅう訳かいな?」


「まぁな。学園関係者からだからな。邪険にもできないと思ってな。まぁ、その時期は連載の締め切りにも余裕で間に合っていたし、学生がやる演劇の脚本の手直しくらいなら簡単にできると思ってな……。でもまさかヒロミの息子が出る演劇の脚本っていうのは知らなかったけども……」


「フン、どうせお前の書いた脚本だから更にクソつまらん話になっているんじゃないのか?」


「うっ、うるせぇよ、激人!!」


「ハッハッハッハ!! いずれにしても楽しみだな!! そのケシケシが書いたクソつまらん脚本の劇を今から観に行こうじゃないか!!」


「だ、だからトラトラ先輩まで失礼なことを言わないでくれ!! 俺も一応、プロの作家なんだし、それなりのストーリーになっているんだ。お、俺を舐めちゃ困るぜ!!」


「フフフ、凄い自信じゃないか、ケシケシ~っ!! 俺はとても楽しみにしてるぞ~っ!! だから早く体育館へ行こうぜ!!」


「根津にぃだけかよ、俺の脚本を期待してくれているのは!? フン、まあいいさ。劇を観たら俺の実力が分かるんだからな!!」


「よし、ほんなら決まりやな。早速みんなでコメコメとロミロミの息子君の応援に行こうや!? ん? ルイルイどうしたんや? さっきから何かニヤニヤしてるけど……」


「えっ? いや、何でもないよヒトヤン様……フフフ……」



 【子龍達の演劇開演】


 おっ!? 今から子龍先輩のクラスの演劇が始まるぞ!!

 しかし子龍先輩、本当に大丈夫なのか?

 ちゃんと相手の顔を見てセリフを話せるのか?

 マジで心配だぜ……


『ここは『ヒトミン帝国』の城内……そしてその城内では一人の超イケメンだけど陰キャなシリウス王子が何やら悩んでいました……』


「ああ、今日は各国から僕のお見合い相手が城に来るらしいけど、こんな陰キャで人見知りの僕がちゃんとお見合いなんてできるのかなぁ……ああ、とても不安だなぁ……」


 おっ、出だしのセリフはちゃんと言えてるな。

 しかし『イケメンの陰キャで人見知り』って……

 現実と一緒だな!!


「シリウス王子、何を先程からソワソワされているのですか? 今日は王子にとってとても大事な日であります。それに各国から姫達が来られるのですからドーンと構えてもらわないと困りますぞ」


「す、すまない大臣……でもこんな僕が各国の姫達とお話なんてできるのだろうか?」


「大丈夫ですよ。シリウス王子は別にお話をされなくても各国の姫達が勝手に話をしてくれますので、王子はそ姫達のお話をしっかりと聞いていただくだけで結構です」


「えっ? 僕は聞くだけでいいのかい?」


「はい、その通りでございます。そしてシリウス王子が一番楽しい、また話をしてみたいと思われた方を選んでいただければお見合いは成立でございます」


「な、なるほどね。それであれば僕みたいな男でも大丈夫だね。よし、黙って姫達の話を聞く事にしよう……」


 なるほどな。

 これで子龍先輩は当分『うんうん』と頷くだけでセリフは無いってことか。

 この脚本を書いた奴はなかなかなもんだな。



『そして城内には各国の姫達が次々と訪れました』


「シリウス王子、初めまして。私は『ナゾメイタ国王』の娘でクレオパと申します」

「シリウス王子、初めまして。私は『オドロイタ国王』の娘でシンデレと申します」

「シリウス王子、初めまして。私は『カンガエタ国王』の娘でシラユと申します」


『城内には彼女達を含めた十名の姫がシリウス王子とのお見合いに訪れたのだった』


 なんなんだ、あのセンスの無い国名は!?

 それに姫の名前が全部、中途半端過ぎるだろ!!

 なんか、『イーッ』ってなるじゃねぇか!!

 さっき脚本を書いた奴のセンスを褒めてしまったけど、撤回するぜ!!



「ハークショイ!!」


「ん? どうしたんやケシケシ? 風邪でも引いたんか?」


「い、いや……風邪は引いていなんだが、なんか陰で悪口を言われたような気がしてな……」


「ハッハッハッハ!! 心配するな、ケシケシ!! お前の悪口を言う奴は俺みたいに正々堂々と本人の前で言う奴ばかりだからな!!」


「うるせぇよ、激人!! 黙って劇を観やがれ!!」


「子龍、頑張れ~こんなオッサン達のことは気にしないでお芝居頑張るのよ~」


「ハハハ、ロミロミは相変わらずマイペースやなぁ?」


「ヒ、ヒトヤンだけには『マイペース』って言われたくないわよ!!」


「こ、こころちゃん? あんまり大きな声を出したらアカンで……」


「あっ、そうだったわね。ごめんなさい孔明君。私としたことが恥ずかしいわ……」


「そういえばロミロミの名前は『こころ』やったなぁ? 『ロミロミ』ってのは旧姓の『広見心ひろみこころ』の苗字から付けた呼び方やったというのをすっかり忘れとったわ。どやろか? もうそろそろ呼び方を『コロコロ』にしてもいいんとちゃうか? 今の体型的にも……あっ、しもた!!」


「ヒトヤン!! あ、あんた今めちゃくちゃ失礼なことを言ったわね!? それに私の呼び方は永遠に『ロミロミ』でいいわよ!! 絶対に『コロコロ』なんて呼ばせないから!!」


「だからぁ……こころちゃん他のお客さんに迷惑やから静かにしぃって言うたやんか」


「ご、ごめんなさい孔明君……。そ、それと八芽ちゃん? ほんと妻のアナタがヒトヤンのあの『悪ノリ』の性格なんとかできないの?」


「私がなんとかできるはず無いじゃないですか。私が彼にできるのは『家事』と『突っ込み』だけですから……」


「はぁああ……そうだったわね……」


「まぁ、ロミロミ。気を取り直して子龍君の演技を観ようやないか?」


「だ、だからアンタがっていうかもういいわ。ヒトヤンの相手をしていたらこっちが疲れちゃうし……ほんと気を取り直して息子の晴れ姿を見届けてあげないと……」




「丸聞こえね?」


「そうだな、舞奈……おかげで子龍先輩のお母さんの名前が『こころ』っていう情報は入ったけどさ……」


「そんな情報いるかしら!?」


「しかし、この演劇は一体どこから撮影しているのかしら? あの人達の直ぐ近くで撮影をしているんじゃないのかしら? ほんと、うちのお父さんの怒っている声も丸聞こえだし……私、めちゃくちゃ恥ずかしいわ……」


「お察しします、菜弥美部長……」


「菜弥美のお父さんはまだマシよ。私のママが口を開くとろくなことを言わないからさっきから私は胃が痛いのよ……」


「お察しします、テルマ先輩……」



「シリウス王子、初めまして。私は『クルシンダ国王』の娘でエリザベと申します」


「しかし、相変わらずセンスの無い国名と中途半端な姫の名前だな!!」



「ハ、ハ、ハークショイ!!!!」


「ケシケシ、やっぱり風邪とちゃうんか?」


「ヒトヤン、昔から『バカ作家は風邪を引かない』って言うからケシケシは絶対に風邪じゃねぇぞ」


「へぇ、そうなんやぁ……」


「そ、そんなことわざなんてねぇよ!! それにヒトヤンもそんな奴の言う事を信じるんじゃねぇ!!」



「 「 「・・・・・・・・・・・・」 」 」


「やっぱ、ケシケシ先生の『突っ込み』は最高だなぁ……」


「ひ、一矢君!! お父さんの『突っ込み』を感心している場合じゃないわよ!!」


お読みいただきありがとうございました。


いよいよ子龍のクラスの演劇が開演しました。

しかしモニター越しに観ている一矢達の耳にはカメラ付近にいる一志達の会話が聞こえてきて気になつて仕方がない。


尊敬するケシケシ先生が書いた脚本だとは知らずけなしまくる一矢。

その度にクシャミをするケシケシ先生。


そんな中、子龍は演技を頑張っている?


果たして子龍のクラスの劇は無事に終わるのか?

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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