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第176話 初代クリエイティ部部長だって!?

「ふ…布津野君……」


「つっ…津田先輩!? それに津田弟まで……」


「布津野君、ゴメンよ。うちの親父が『ネガティ部』の部室に一緒に来いって言うもんだからさぁ……」


「えっ? 親父さんだって?」


 もしかして二人の後ろにいる、津田弟にそっくりのイカツイ顔をした人が二人の親父さんなのか……?


「ようっ!! お前が布津野君か!?」


「はっ…はい、そうですが……」


「そうか、お前か……。お前がうちの娘をたぶらかせた男だな!?」


「えっ!?」


 シ――――――――――――――――――ン…………


 今の津田父の言葉で一瞬、『コスプレ喫茶』内が静まりかえってしまったぞ!!


「おっ…親父!! 布津野君に何て事を言うんだ!? 別に彼はアタシをたぶらかせたわけじゃぁ……」


「そっ、そうだぞ親父!! 布津野君は何も悪く無いぞ!! 姉貴の方から急に布津野君にキスをしたんだからなっ!!」


 津田弟!! お前、余計な事を……


「 「 「 「え―――――――――――――つ!!??」 」 」 」



「ひっ…一矢!! ど…どういうことなの!?」


「そ…そうね。これは『コスプレ喫茶』どころではない話よね!?」


「いや、舞奈も菜弥美部長も落ち着いてください……」


「一矢君……これは落ち着いていられない状態ですよ……」


 うわっ!! 美代先輩まで何かただならぬオーラを発しているぞ!!



「きっ…木西さん!? 俺の紅茶こぼれまくっているんですが!?」


「気にしないで……。今はあなたの紅茶はどうでもいいの……」


「気にするよぉぉおお!!」


「それじゃあ、自分で入れてちょうだい!!」


「え―――っ、そんなぁああ!!」



 イヤイヤイヤッ!! なんかとてもマズい事になってきたぞ……

 俺はこのピンチを乗り切れるのか!? いや、無理だな……


「いずれにしてもお前はうちの娘とキスをした。それは間違いの無い事だな!?」


 今更、嘘を言っても通用しないだろうなぁ……


「お…俺からではないですが、津田先輩とキスをしたのは間違いないです……」


「 「 「 「え――――――――――っ!!??」 」 」 」


 外野、うるせぇな!!


「おっ…親父!! アタシもどうかしていたんだ。生まれて初めて『お姫様抱っこ』をされたもんで舞い上がってしまったというか……でもまぁ、布津野君の事は嫌いではないけどな……」


 津田先輩、そこは『嫌い』って言ってくれた方が……


「 「 「 「お姫様抱っこですって~っ!!??」 」 」 」


「私もお姫様抱っこして欲しい!!」


 いや舞奈、色々な意味でお前は無理だ!!


 ドボドボドボ……


「やっ…野家乃さん!? 僕の手の上にお茶をかけ続けているんですが……これ熱いお茶だったら大やけどですよ!!」


「ご心配なく!! だからかけているから」


「わっ、ワザとかよっ!?」



「いずれにしてもお前は俺の娘に手を……いや、口を出したんだ!!」


 いや、口を出したのは津田先輩の方なんですけど……


「お前は責任を取る義務がある!! 卒業したら娘と結婚しろっ!!」


「 「 「 「え――――――――っ、結婚ですって!!??」 」 」 」


「いっ…いや、お父さん、ちょっと待って下さい!!」


「お前に『お父さん』と呼ばれる筋合いはねぇ!!」


 はぁ!? 今のおかしいだろ!? 結婚しろって言っておいて『お父さん』と呼ばれる筋合いはねぇってのは!!


「おいっ、激人げきと!! お前、いい加減にしないか!!」


「ん? 誰だ、お前は!?」


「はぁああ!? お前、俺の事を忘れたのか!? 俺だよ、俺!!」


「俺さんって誰だ?」


「激人、お前ふざけているのか!? 俺は大石武志だ!! 俺の事を忘れてるんじゃねぇよ!!」


「ああ、思い出したぞ!! なんだ『二流作家』の武志かよ!?」


「誰が『二流作家』だっ!? 俺は『一流ラノベ作家』だっ!!」


「何が『一流ラノベ作家』だっ!! お前の名前の作品など知らないぞ!! それに本来、自分で自分の事を『一流』なんて言うのもどうかしてるぜっ!!」


「バカ野郎!! お前は昔から自分の事を『一流』って言ってたじゃねぇか!!」


 そこんところは親子でソックリだな!!


「そうだったか?」


「そうだよ!! それに俺は本名で作家はやってないんだよ。俺は今、『ケシケシ』というペンネームで『ラノベ作家』をやっているんだ!!」


「 「 「 「え―――っ!? 大石さんのお父さんって、あの有名な『ケシケシ先生』なのかっ!!??」 」 」 」


「ほら見て見ろ!! 結構、俺も有名人になっているだろ!?」


「ハッハッハッハ!!」


「何がおかしんだ、激人!?」


「おかしいに決まっているだろ!! あれだけ『ケシケシ』っていうあだ名を嫌がっていたお前が今はその『ケシケシ』っていう名前で有名になっているんだからなっ!! これはもうヒトヤンに感謝しかねぇじゃないか!!」


 ひっ…ヒトヤンだって!? 俺の親父のことか!?

 ってことはケシケシ先生の名付け親は親父つてことか? それで津田先輩の親父さんも親父と同級生ってことなのか!?


「あのぉぉ、ケシケシ先生?」


「なんだね、布津野君?」


「もしかして津田先輩のお父さんもうちの親父と同級生なんでしょうか?」


「ああ、そうさ。同級生さ。それでこの男も俺と同じく『元ポジティ部』兼『初代クリエイティ部 部長』で津田激人つだげきとって言ってさ、『ポジティ部の問題児』で有名だった男さっ!!」


「えーっ!? この人が『初代クリエイティ部 部長』だった方ですか!?」


「おい、武志!! 問題児っていうのは余計だろ!! それに俺がこの少年の親父と同級生だと? それはどういう事だ? 俺の知っている奴なのか!?」


「バーカ、知ってるも何もこの布津野君はヒトヤンの息子なんだよ!!」


「なっ…何だと――――――――っ!!?? ヒトヤンの息子だと――――――――っ!!??」


 うわ――――――――っ!! 


俺が『ヒトヤン』の息子と分かった途端に、津田先輩の親父さんが更に怖い顔をしたぞっ!! 


親父、この人に何かしたのかっ!? 

俺は今からこの人に殴られるのか――――――――っ!!??


だっ…誰か、助けてくれ――――――――っ!!!!


お読みいただきありがとうございました。


津田姉弟の父親『津田激人』は『元ポジティ部』&『初代クリエイティ部部長』と分かり衝撃を受ける一矢。しかし激人の表情から今から自分は顔面に衝撃を受けるのかと恐怖を感じてしまう。


果たして一矢の運命は!?


どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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