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第175話 親父だらけだなっ!!

「獏葉!! 翔妬はともかく、お前までが『恋愛』にうつつを抜かすとは……俺は悲しいぞっ!!」


「ご…ゴメン、親父……」


「おっ…親父!! 翔妬はともかくってどういう意味だよ!?」


「黙れ、三流!! お前は別にいいんだよ。お前は好きなだけ『恋愛ごっこ』をやればいい……」


「れっ、恋愛ごっこって何なのさ!? それに俺だって今日の為に作品を彫ったんだぞ!! まだ見てないなら今から校門前まで行こうよ。そこに俺の作品があるからさ!!」


「フンッ!! お前の作品は確認済だ。何なんだアレは!? あの『犬』か『猫』かよく分からん彫刻は!!」


「しっ…失礼だな、親父!! アレは犬でも猫でも無いよ!! アレは『狼』だよ!!」



「 「 「えーーーっ!? アレって狼だったのか!?」 」 」



「アッハッハッハ!! ほら見て見ろ!! 部活仲間ですらお前の作品を狼だと分かっていなかったんだ。だからもういい、お前には『彫刻家』としての才能は無いんだ。だからもう諦めろ!!」


「いっ…嫌だ!! 俺は絶対に諦めない!! 俺は絶対に『彫刻家』になるんだ!!」 


「翔妬君……」


「君が翔妬の彼女兼部長さんか?」


「は…はい!! 井羅須戸麗奈と言います!! 主に『イラストレーター』として活動しています!!」


「もしかしてアレか? 本館一階ホールの壁に飾られているアノ絵かい?」


「は…はい、そうですが……」


「おーっ!! そっかそっか、アノ絵は素晴らしいぞ!! アレこそ『一流の絵』だっ!! 君は凄いぞ!! 才能が溢れている。これからの君の将来が楽しみだ!!」


「あ…有難うございます……」


「親父……れなっちは今でも『イラスト業界』では超有名なんだぞ……アタシがイラストから油絵に変更した理由でもあるんだ……」


「おう、そうなのか!? まぁ、獏葉もイラストを描かせたらなかなかなモノだったが、この子のイラストは更に凄いモノを感じたからな。獏葉が油絵に変更した気持ちはよく分かる。それにお前の『壁画』も見たが、アレは『最高傑作』だな。この俺の目から涙が流れたくらいだからな……」


「鬼の目にも涙だな……」


「バカ野郎、翔妬!! 『親父の目にも涙』だっ!! そんなことよりもお前は『彫刻』は諦めて他のモノを見つけた方がいいぞ!! 『塗り絵』とかな!!」


「『塗り絵』って何だよ!? おっ、俺は……」


「まぁ、お前の話はもういいから、俺と一緒に『ネガティ部 部室』まで来い!!」


「えっ? 『ネガティ部 部室』だって!?」





【ネガティ部 部室(現在コスプレ喫茶)】



 いっ…忙し過ぎるぞ!!

 何なんだ、この状況は!?


 学園の男子生徒全員が集まっているんじゃないのか!?

 こ…この『エロ男子共』がっ!!


 生徒全員ってのは大袈裟だけど俺の予想を遥かに超えている客数なのは間違いない。

 マジで掛端や落駒さんが応援に来てくれて助かったぜ……



「ひ…一矢君……」


「えっ? 美代先輩、どうかしましたか?」


 しかし、美代先輩に『金髪ギャルコスプレ』は最高だな!!


 常にロングスカートで地味な美代先輩が今日は超ミニのスカートをはいているんだからな!! もうレア過ぎて、レア過ぎて……


「私……常日頃、こんなにも短いスカートなんてはいたことが無いので、どうも足元がスースーして落ち着かないといいますか……あっ、あまり私の足元は見ないでくださいね? は…恥ずかしいですから……」


 見るなと言われたら余計に見たくなるのが男っていう生き物ですよ、美代先輩!!


「美代先輩、申し訳ありません。でも今日、明日の二日間だけの辛抱ですから……それにその衣装、とても似合ってますし、俺は日頃とは違う美代先輩が見れて嬉しいといいますか……」


(ポッ……)「えっ? この衣装、に…似合っていますか? それに一矢君は喜んでくださっているのですか……?」


「ええ、凄く似合っていますし、俺はめちゃくちゃ喜んでいます!!」


「そ…そうですか……。一矢君がそこまでおっしゃってくださるのでしたら、私も『前部長』として覚悟をしないといけませんね……」


 か、覚悟って……それは少し大袈裟なのでは?


「わっ…私、一矢君の為に『全身全霊』で『金髪ギャル』を演じてみたいと思います!!」


 俺の為にって……嬉しいけど、めっちゃ恥ずかしいんですが……



「一矢君!!」


「えっ? 菜弥美部長もどうかされましたか?」


 さすが、菜弥美部長は『テニスウェア姿』がめちゃくちゃ似合っているよな。


 元々、部員の中で一番、健康的でスポーツができそうな雰囲気もあったし、細くて長い足がこの『テニスウェア姿』にはピッタリなんだよなぁ……


「私も美代先輩と一緒でスカートが短いから、足元がスースーするのだけど……」


 いや、菜弥美部長は制服のスカートも常に短かったじゃないですか!!

 それともアレか? 美代先輩同様に俺から似合っていると言われたいのかな?


 イヤイヤイヤッ!! それはあまりにも俺が『調子に乗っている』みたいじゃないか。

 俺なんかに褒められても菜弥美部長が喜ぶはずがないし……


「一矢君? な…何か言ってくれないかな……」


「えっ!? すっ…すみません!! 菜弥美部長の『テニスウェア姿』めちゃくちゃ似合っていますし、『体育祭』以来の菜弥美部長の『テニスウェア姿』が見れて俺は最高に嬉しいのですが……。あっ、余計な事を言ってすみません。でも申し訳ありませんが今日、明日の二日間だけは辛抱していただけないでないで……」


「頑張るわ!!」


「へっ?」


「私、頑張るわ!! 一矢君が私の『テニスウェア姿』を見て最高に嬉しいのなら、私もっと頑張るから!!」


 あれ? やっぱり菜弥美部長も俺に褒められたかったのか?

 うーん……どうなんだろうか……


「ただ、この姿をお父さんに見られたら何て言われるかと思うと少し不安だけどね……」


 えっ? 何、そのフラグは??


「も……もしかして菜弥美部長のお父さんも『学園祭』に来られるのですか?」


 ガラッ…ガラガラッ


「なっ…菜弥美~っ!!?? 何なんだ、そのエロい衣装は!!??」


「えーっ!? お…お父さん!?」


 うわっ!! 『ケシケシ先生』フラグ通りにマジで来たじゃねぇか!?

 でも、『テニスウェア』をエロい衣装って言ったのは失言だぞ!!

 全世界の『女子テニスプレーヤー』に謝罪しろ!!


「ケシケシ先生、こ…これはですね……」


「菜弥美、その衣装めちゃくちゃ似合っているじゃないか~っ!! お父さん、最高の気分だよ~っ!!」


「いや、嬉しかったのかよっ!!??」


 しまった!! 思わず突っ込んで……


「おーっ!! グッドだ、布津野君!! 今の『突っ込み』はなかなか良かったぞ!! 短期間で腕を上げたじゃないか!! ハッハッハッハ!!」


 

 はぁ……何かケシケシ先生の登場で今日からの『学園祭』は嫌な予感しかしないんだけどなぁ……


 ただ、これだけバタバタしていたら津田先輩との『キス』の事は忘れられそうだけどなっ!!


 ガラッ…ガラガラッ


「ふっ…布津野君……」


 えっ?


 えーっ!?


「つ…津田先輩!? なっ…何で!?」



 忘れたくても忘れられない状況来た―――――――――っ!!!!

 


お読みいただきありがとうございました。


津田姉弟の父親、そして菜弥美部長の父親......

ぞくぞくと現れる現生徒達の親。

これは何かが起こるのか!?


どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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