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第174話 怖い顔の人が現れたらしいぞ!!

「一矢~っ!! 一体、何をしていたのよ!? もう『コスプレ喫茶』開店しているのよ!! それに予想以上の数のお客さんが殺到しているんだから!!」


「す、すまん!! ちょっと、『クリエイティ部』に寄っていたんだけどさ……」


「今はいいわ!! 話は後で聞くから、それよりも早く裏方の仕事をやってちょうだい!! 『ポジティ部』の人達が応援に来てくれていなかったら、お客さんからブーイングの嵐が起こるところだったんだから!!」


 えっ? 『ポジティ部』の人達が応援に……?



「よう、布津野君!! 君はどこで油を売っていたんだい!? でもまぁ、ご心配なく!! この『ポジティ部 副部長』の掛端英孝かけはしえいこうが来たからにはこの『コスプレ喫茶』が成功すること間違い無しだからさ~っ!!」


 げっ!! うるさい、掛端が来たのかよ!?


「掛端君!! しゃべっている暇は無いわよ!! 口を動かさないで手を動かしてちょうだい!! あっ、布津野君おはようございます。私は『ポジティ部』の落駒伊奈夜おちこまいなよって言います。今日はよろしくです」


「ああ、こちらこそよろしく……ん? あっ、君は体育祭の時に文化部対抗リレーに出場していた子だよね? それに俺と同じ一年生だったかな?」


「そ、そうです。私の事を『超有名人』の布津野君が知っていてくれているなんてとても光栄です!! 今日は皆さんに喜んで頂けるよう、精一杯頑張りますね!!」


 超有名人って……俺そんなに有名なのか?

 それに良いことで有名なのか悪いことで有名なのか、メッチャ気になるじゃないか。


 いずれにしても……


「いや、マジで助かるよ。掛端はともかく落駒さんは凄く期待しているよ」


「えーっ!? やだーっ!! 有難うございます!!」


「オイオイオイッ!! 伊奈夜ちゃんもさっきから口ばかり動いているじゃないか~っ!? まぁ、『超有名人』の布津野君とお話ができて興奮する気持ちはよく分かるけどさ~っ!! それに布津野君!? 『掛端はともかく』ってどういうことだい!? 僕の家はねぇ、『喫茶店』を経営していて僕もたまに手伝っているからこういう仕事は『プロ級』なんだぞ~っ!!」


「えっ、そうなのか? それは凄いじゃないか!! よし、掛端のことも大いに期待するよ!!」


「分かってくれて嬉しいよぉぉ!! これから僕は『ポジティ部』と『ネガティ部』の懸け橋になる為に精一杯頑張るからね~っ!!」


 ()()だけに()()()ってか?


 掛端、申し訳無い!!


 お前は上手いこと言ったつもりなんだろうけど今の俺はさっき『クリエイティ部』で起こったことが頭から消えなくてお前の言葉が心に響かねぇ!!



「一矢君、掛端君、落駒さん!! 注文入ったわよ!! コーヒー五杯、コーラ十杯、サンドイッチ三つにオムライス二つよろしくね!!」


「なっ…菜弥美部長、了解ですっていうか注文多過ぎないですか!?」


「何を言ってるのよ、一矢君!! これでも人数制限しているのよ!! 廊下までお客さんが並んでいるんだから!!」


 まっ…マジか!?

 まだ学園祭が始まって十五分も経っていないのに大盛況だよな……


 部室にこんな沢山の人が入った事って、今まであったのだろうか?


 これはさっきの事を考えている余裕なんて無いよな。

 とりあえず今は『コスプレ喫茶』に集中しなくては……


 でも……俺の『ファーストキス』が……まさか、津田先輩になるだなんて……

 俺も読者も想像していなかったことだろう……えっ? 読者って何だ?

 何で俺はそんな事を思ってしまったんだ?


 いかんかん!! 今は『コスプレ喫茶』に“全集中”だ!!

 パッ…パクリじゃないからな!!




 【クリエイティ部 部室内】



「あっ…姉貴!? さ…さっきのキ…キ…キスは……」


「はぁ? 何、お前が動揺しているんだ? ほんとお前は『二流』だな!!」


「いえいえいえ、津田君が驚くのも無理ないでしょう? 私だってとても驚いたんですから!!」


「ハッハッハッハ!! れなっちまで『二流』に成り下がりたいのかい?」


「言ってる意味が分かりませんよ!! それでアレですか!? 津田先輩は布津野君の事が好きだからキスをしたんですか?」


「うーん、そうだなぁ……好きだな。アタシは生まれて初めて『恋』というものをしたのかもしれないな。前から布津野君の事は人間として好きだったけどさ……あの『お姫様抱っこ』をされているうちにドンドン体中が熱くなってきて……彼の顔がまともに見れなくなってきてだな……そしていつの間にか彼を私のものにしたいという感情が芽生えてきてだな……」


「『お姫様抱っこ』半端ねぇな!! あの男みたいな性格の姉貴が『恋』をするだなんて……俺も井羅須戸部長を……」


「津田君、こんなところでバカなこと言わないでよ!! みんないるのよ!!」


「 「 「ハッハッハッハ!! 井羅須戸部長、別にいいじゃん!!」 」 」


「 「 「部員全員、部長達が付き合っていることは知っていますから!!」 」 」


「 「 「そうそう、いっそのこと井羅須戸部長も『お姫様抱っこ』をしてもらって津田君にキスしてあげたらどうですか?」 」 」


「バッ…バカなことを言わないでよ!! 私が津田君にキスなんてするわけないでしょ!?」


「えーっ!? そ…そんな……」ショボン……


「部長がそんな事を言うから津田君、落ち込んでますよぉぉ!! これは破局ですかねぇ?」


「えーっ!? ご…ゴメン、翔妬しょうと……私、そういうつもりで言ったんじゃなくて……普通はさぁ……彼氏の方からさぁ……」



 ガラッ…ガラガラッ


「えっ? あのぉ……どちら様でしょうか?」


「フンッ!! 『クリエイティ部』も落ちたもんだなっ!? 色恋話に花を咲かせるとは情けない限りだぜっ!!」


「だ…だから、あなたは誰なんですか!?」


 コソコソコソ……なんか、凄い怖い顔をした人が部室に入ってきたぞ!! 顔中、傷だらけだ!! この人、ヤバい人じゃないの?? 警察を呼んだ方が……コソコソコソ……


「 「お…お…」 」


「えっ? 津田先輩に翔妬? この人を知っているの?」


「 「おっ、親父~っ!!??」 」



「 「 「 「え――――――――――っ!!??」 」 」 」


お読みいただきありがとうございました。


突然、津田先輩にキスをされ動揺しながらの『コスプレ喫茶』となった一矢。

心が落ち着かないまま掛端達と共に裏方をする事に。


その頃、『クリエイティ部 部室』では色恋話で盛り上がっているところへ『怖い顔をした人』が入って来ていきなり怒鳴って来た。


そしてその人こそが津田姉弟の父親であった!!

果たしてこれからどうなるのか!?


どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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