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第169話 紙一重だな!!

「あーた、おっさんって何よ!? 失礼しちゃうわね!! こう見えてもアタシは君と同い年の『乙女』なんだからねっ!!」


「ハッ、ハ――――――ッ!!?? うっ…嘘をつくんじゃねぇよ!!」


「嘘じゃないわよ~っ!! まぁ、『乙女』は嘘だけどさ……」


 こ…こんな、おっさんみたいな奴が同級生なはずも無いし、絶対に……ん?


「ほら見て見ろ!! 『乙女』ってのは嘘じゃねぇか!! お前、男なのに何で女子の制服を着てるんだよ!?」


「でもアタシの心は『乙女』なのよん!!」


「あなた、もしかして同じクラスの『一光いっこう君』?」


「ああ、野家乃さん気付いてくれたのぉぉ!? 嬉しいわぁあ!!」


「く…紅伊奈、どういう事だ?」


「彼は私と同じクラスの『丼竹一光どんだけいっこう君』といって、日頃はちゃんと男子の学生服を着ているわ。それに教室では『こんなキャラ』じゃないし……」


「ウフフ、野家乃さん……いつもアナタが見ているアタシは『仮の姿』なの。今がアタシの『真の姿』だと思ってくれても構わないわ!!」


 はぁああ? 何を言っているんだ、コイツは!?


「それは部長の私から説明させてもらうよ」


「い...井羅須戸部長、お願いします」


「実はね、この『ドンちゃん』は心が女の子なの。でも学園の規則としてはやはり男の子は男性用の学生服を着ないといけないことになっていて……でもね、さすがは『名染伊太学園』といったところで、放課後や部活動からの服装は自由で構わないって学園長が言ってくれてさ……今の時代は『個性』を重んじているから、そういうドンちゃんみたいな子の個性も守ってくれているのよ」


「そ…そういう事ですかぁ……」


「納得してもらえたかな?」


「は…はい……とりあえず......」


「ハッハッハッハ!! このドンちゃんだけじゃないぞっ!! ボクだって性別は女だが今まで好きになった人は全て女性なんだからねっ!! だから『ネガティ部』にはボク好みの女子がたくさんいるから、もうさっきからよだれを止めるのに必死なんだよ!!」


「 「 「 「ヒエーーーッ!!!!」 」 」 」


 うわぁぁぁ……黒井先輩、別に今ここで『カミングアウト』しなくてもいいのに!!

 ほら見てみろ。うちの女子達が全員、ドン引きしているじゃないか!!


「ホッホッホ!! 私なんかどちらでもOKよ!!」


 恵須部先輩、あんたもかよっ!?


 ってことはこれから『学園祭』までこの『変態三人組』と一緒に活動するってことかよ?

 うわぁぁぁ……これは大変だぞ!!


 でも今の時代、こういった人達を『変態扱い』するのも本当はよくないんだよな……

 世界を見れば同性同士の結婚だって許されてる国だってあるんだからな……


 差別はよくねぇな……


「丼竹……」


「なぁに~? 布津野く~ん?」


「さっきは酷い事を言って悪かったな……俺の身近にお前のようなタイプがいなかったから少し戸惑ってしまったというか……」


「ウフッ、アタシは全然気にしてないから大丈夫よ~っ!! そんな事よりもアタシは布津野君に前から伝えたかったことがあるの。聞いてくれるかな?」


「えっ? ああ、別にいいぞ」


「ヤッター、あのね……実はアタシねぇ……『ドッジボール対決』の時からアナタの事が好きになっちゃったのよん!! だからお願い、アタシと付き合って~っ!?」


 お前もかっ!?


「ってか、絶対嫌だ!! お断りだ!! 悪いが俺にはそんな趣味はねぇよ!!」


「大丈夫よん!! 今は無くても直ぐに・な・れ・る・か・ら……ウフッ♡」


 うげぇぇぇっ!! やっぱ無理!!

 俺には無理だ!! もう今すぐにでも津田先輩の手伝いに行きたいぜ!!


「な…菜弥美部長、ちょっと俺、トイレで吐いてきます……」


「えっ!? 一矢君、大丈夫かい!? 私もついて行こうか?」


「い…いえ、一人で大丈夫ですから……」


「それじゃぁ、アタシが付いて行くわん!!」


「うげっ!! おっ…お前だけは付いて来るんじゃねぇよ!!」


「布津野く~ん!! アタシの事は『お前』じゃなくて『ドンちゃん』って呼んでくれないとイヤだわん!!」


「オイオイ、ドンちゃん!! 今から『ネガティ部女子』達と打ち合わせをやるんだからいてくれないと困るじゃないか!!」


「アラッ? そうでしたよねぇ……アタシとしたことが、ゴメンなさ~い」


 たっ…助かった!! 今日の俺はもうここにいるのは無理だ!!


「すっ…すみません、俺はもう今日はお役に立てる事は無いと思うので、今から津田先輩の手伝いに行ってきますね!? それでは失礼します!!」



 ガラッ…ガラガラッ ピシャンッ


「あっ、待ってよ一矢……って、もう行っちゃったわ……」


「一矢君にも私の『フランス人形風』のドレスの相談をしたかったのになぁ……


「私も『芸者風の着物の帯』の色とかを相談したかったのに……きっと『こいつ』のせいだわ……」


「ホッホッホッホ~ッ!! 布津野君って『うぶ』よね~? あんなに照れちゃってさぁぁ」


「 「 「 「うぶだけど、照れてないわよ!!!!」 」 」 」




 はぁ……久しぶりに疲れたというか、強烈なキャラに出会ってしまったぞ……

 こんな強烈なキャラに出会ったのはテンテンさん以来かもしれないな?


 しかしさすがは『クリエイティ部』だな。

 凄いキャラ……いや、凄い人達が揃っているよなぁ……


 まだ他にも凄い人達がいるんだろうけど、もういいな。

 今日だけでもうお腹一杯になったし……


 そういえばテンテンさんは大丈夫なんだろうか?

 まだ入院しているみたいだし、『学園祭』までには退院できるのかな?


 でもあの人が復活をしてしまうとまた『学園祭』もとんでもない事になりそうだしなぁ……あと……親父も怪しいよな。『初代四大茶部 部長』達を招集しているって事だから、きっと何か企んでいるに違いない……


 それと聖香達、『生徒会』主催の謎の企画も気になるところだし……

 前妻木部長は内容を知っているようだったが……


 副部長の掛端も知ってるのかな?

 あいつなら問い詰めれば吐きそうな気がするんだが……


 でも出来るだけあいつとは関わりたくないしなぁ……

 面倒くさそうな奴だからな。



「オーイ、布津野君!? 君はさっきから何をブツブツ言っているんだい?」


「えっ? あっ、津田先輩、お疲れ様です!! お手伝いに来ました!!」


「今日は来るのがやけに早いじゃないか? そんなに一秒でも早くアタシに会いたかったのかい?」


「そうなんです!! 今日はマジで一秒でも早く津田先輩に会いたかったんですよ!!」


「えっ!?」(ポッ……)


「今日は津田先輩のところの濃いキャラ達に出会って……それで俺としたことが思わず吐きそうになってしまいまして……それで一刻も早く部室から脱出したかったもんで……」


「フンッ、そういうことかい……少しでもときめいてしまった自分が嫌になるぜ……はぁ……アタシはこういう事は『二流』だな……」


「えっ? 何が『二流』何ですか?」


「何でもない!! こっちの話だ!!」


「それにしても『クリエイティ部』って色んな意味で凄い人達が集まっていますよね? 性別不明の変態……いや、個性豊かな人達が……。俺、めちゃくちゃ驚きましたよ……」


「ハッハッハッハ!! そうだな。そこがうちの学園の特徴でもあるからな!! それに昔から言うだろ? 『なんちゃらと天才は紙一重』ってな!! ハッハッハッハ!!」


 いや、笑い事じゃないでしょーっ!?


「なんか、井羅須戸部長が『普通の人』に見えてきましたよ……」


「いや、れなっちも相当なもんだぞ!! なんてったって、うちの『三流バカ弟』なんかと付き合っているんだからなっ!!


「えーっ!? やはりそうだったんですか!? っていうか津田先輩、二人が付き合っているのを知っていたんですか!?」


お読みいただきありがとうございました。


『ドンちゃん』こと『丼竹一光』......一矢の前にテンテンを超えそうなキャラが現れる。

そしてまたしてもこのドンちゃんもあの『ドッチボール対決』の頃から一矢の事が......


どうする、一矢!?

いや、どうもしないですが(笑)


そしてやはり井羅須戸部長と津田弟は付き合っていた。

津田弟と付き合っている井羅須戸部長も『なんちゃら』の人なのか?


ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆

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