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第168話 おっさんじゃねぇか!!

 【次の日の朝】


 いやぁ、昨日は驚いたぜ。


 まさか津田先輩と根津先輩の親父さんが『初代クリエイティ部 部長』と『初代アクティ部 部長』だったとは……


 しかしこの学園の生徒は血縁関係者だらけだな!?

 ってか、俺もそうなんだけど……


 菜弥美部長の親父さんも『元ポジティ部 部員』で自称『学園最高の突っ込み師』って言っていたけど、調べてみたらまだまだ色んな人がいるかもしれないぞ。


「あら、布津野君じゃない? 何か考えている様な顔をしているけど、どうかしたの?」


「えっ? あっ、前妻木部長!! おはようございます。実はですね……」



「ふーん、そういう事かぁ……そうね。前に選挙演説で聖香ちゃんも言っていた通り、うちの学園は血縁関係者が多いのは事実だね。まぁ、私はそうではないけど……」


「テンテンさんはどうなんですか? あんな濃いキャラの人なら親もこの学園で濃いキャラだったってことは……」


「ハハハ……濃いキャラねぇ……でも天翔さんも私と同じで『初代組』よ。まぁ彼は昔、この学園の人に『救われた』事があって、それでその人に憧れてこの学園に入学したんだよ」


「えーっ、そうなんですか!? それは知りませんでした。ビックリです」


「布津野君がどこまで知っているかは分からないけど……あっ、これも前に聖香ちゃんが言っていたよね? この学園の生徒に助けられた人達が自分の子供を『名染伊太学園』に入学させている人も多いって……」


「そう言えばそんな事も聖香、言ってましたね。それと『文化部』が凄くてそれを目当てに入学している人も多いってことも言っていたような……やはり『クリエイティ部』なんかが代表格なんですかね?」


「フフフ、そうね。『クリエイティ部』は本当に『天才集団』だからね。高校生で日本中で活躍している人が多いのはうちの学園くらいじゃないかしら?」


「例えば『アニユニ』とかですか?」


「そうそう、『アニユニ』もそうね。あの子達は私と同学年だけど、一年生の頃から活躍していたわねぇ……」


「実はそのお二人が今日、うちの部室に来てコスプレ衣装の打ち合わせをする事になっているんですよ。なんだか緊張しますよ。ハハハハ……」


「ああ、そういえば『ネガティ部』は『コスプレ喫茶』をやるらしいね? 今までの『ネガティ部』を考えれば凄いことだよ」


「ハハハ、まあこれもルイルイが強引に勧めての事なんですけどね……」


「でしょうね。私からすればさすがルイルイ先輩って感じだよ」


「ところで『ポジティ部』は学園祭で何かされるのですか?」


「ああ、うちの部は毎年何もやらないのよ。『体育祭』の時の『アクティ部』と同じ立場かな……。他の部の『出し物』の応援というか、盛り上げ役というか……」


「えっ、そうなんですか? それじゃ前妻木部長はどこの応援をされるのですか?」


 もし、前妻木部長がうちの応援をしてくれるなら、前妻木部長にもコスプレ衣装を……


「私は今回、特別に『生徒会』が企画している催しのお手伝いをする事になってるの。聖香ちゃんからお願いされちゃってね……」


 はぁ、残念……先約がいたかぁ……


「あっ!! そうだ、その生徒会が企画しているやつって一体何なんですか!? 聖香の奴、全然教えてくれないんですよ!!」


「えっ? そうなんだぁ……。フムフム、そういうことね。それじゃあ私も教えてあげない」


「えーーーっ!? 何でですかーっ!?」


「今、布津野君に教えてしまったら他の『ネガティ部』の人達にも知られるかもしれないでしょ? 恐らく聖香ちゃんはギリギリまで教えたくないんだと思うわ。何となく彼女の気持ちも分かるしね。だから『学園祭』当日までのお楽しみって事にしておきましょうよ。ねっ?」


「は…はぁ……分かりました……」


 めちゃくちゃ気になって仕方ないけどな!!




 【放課後のネガティ部 部室】


 ガラッ…ガラガラッ


「皆さん、こんにちは!! 今日はうちの『アニユニ』を連れて来たのでよろしくです」


 これまた可愛いけど特徴のある人達が現れたぞ!!


 一人は顔つきはお姫様の様な上品な顔をしているけど、髪型が凄いよな!?

 三つ編みをしている髪を両サイドで輪にしていて遠くから見たらハートの形をしているし、一体どうやってあんな髪型にしているんだ?


 それともう一人は顔はそこそこ可愛いけど、これまた髪型がなぁ……

 今どき『刈り上げ』ってさ……女子の制服を着ているから女子だと分かるけど、男が女子の制服を着ている様にも見えなくは無いぞっ!!


「こんにちは、井羅須戸さん!! それに恵須部さんと黒井さんも今日はよろしくね」


「皆さん、ご機嫌用~っ!! 私が『クリエイティ部 衣装担当』の恵須部亜尼えすべあにで~す!! 特にティーンズ向けのお洋服を専門にデザインしているのだけれど、今回は久地川先生からめちゃくちゃ面白い衣装の依頼を頂いて凄く興奮しているところなの~っ!!」


「めちゃくちゃ面白い衣装ですか……」


 いや、美代先輩そこは落ち込まなくても……


「きっと私の衣装が一番面白いんだろなぁ……はぁ……」


 まっ…舞奈まで落ち込むなよな!!


「そこのお二人さん、そんなに落ち込まなくても大丈夫よ!! 私の言っている『めちゃくちゃ面白い』っていうのは私にとって『今まで手掛けた事の無い難易度の高い衣装』の事を言っているだけだから!! 私が『超一流デザイナー』になる為にも今回の依頼は凄く大切だと思っているの。だから久地川先生やあなた達にはとても感謝しているわ。だから一緒に頑張りましょうね!?」


「は…はい……」「有難うございます!!」


 うーん、やはり言う事は『一流』っぽいよなぁ……



「で……でもさぁ、私の衣装は『テニスウェア』だし、別にアナタ達が一から衣装を作らなくても『体育祭』の時の様に『女子テニス部』から借りたら済むことの様な気がするのだけれど……」


「何を言ってるのよ、大石さん!!」


「えっ!?」


「まずは皆さま、初めまして!! 僕も亜尼と同じく『クリエイティ部 衣装担当』の黒井由似くろいゆにと申します。特に私は『インナー関係』を得意としています。だから大石さん? あなたが着る『テニスウェア』はそんじょそこらの『テニスウェア』とは違うものになるから心配しないでちょうだい。この僕が『普通のテニスウェア』なんて作るはずないのだから……」


 いや、そこは『普通』でいいのでは? っていうか『僕』って言ったよな!?

 本当にこの人、男なのでは……それともよくアニメなどに出てくる『僕っ子』なのか!?


「だから主に私が『テニスウェア』と『戦隊もの衣装』のデザインを手掛けて、『芸者』と『ドレス』は亜尼が手掛ける事になっているの。それで『金髪ギャル』は私達二人の共同作業ってことになると思うわ。それと後は……あれ? 井羅須戸部長、あの子は来ないのですか?」


「えっ? ああ、呼んでいるぞ。もうすぐここに来るはずだ」


 えっ? もう一人来るのか?


「他にも協力してくれる人がいるの、井羅須戸さん?」


「ええ、そうよ。だってこの二人はあくまでも『衣装担当』だからね。女の子にはもう一つ大切なものがあるでしょ?」


 ん? 大切なもの?


「ヘアメイクのことよね……」


「そうそう、さすが木西さん!! そうよ。今回の『コスプレ喫茶』には彼女達だけでは成立しないのよ。絶対に『メイクアップアーティスト』がいないとコスプレは完成しないわ」


「私の苗字は忘れてちょうだい……」


 な…なるほど、そういう事か……

 コスプレ一つするだけで結構色々な人が関わらないといけないんだなぁ……


 ガラッ…ガラガラッ


「あっ、来たわね!!」



「お待たせ~っ!! 遅くなってゴメンなさ~い!! ちょっと良い男がいたから追いかけていたらつい……」


「オイオイ、またか。ホント、お前の『男好き』にも程があるぞっ!!」


「ウフッ、部長さ~ん、ゴメンなさ~い!!」



 ちょっ…ちょっと待て……


 こ…こいつは……


 女子の制服を着ているけど、どう見ても『普通』の……


「おっさんじゃねぇか――――――っ!!??」


お読みいただきありがとうございました。


『クリエイティ部』も『ネガティ部』に負けず劣らずの濃いキャラ揃いだという事が分かり困惑する一矢......


しかし最後に登場したキャラは一矢が今まで出会った事の無いキャラかもしれない!?


果たして一矢達の運命は!?(笑)


きっと面白いだけでしょう(笑)


どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆



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