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第166話 そんな衣装を着れるのか!?

「なっ…何で私がフランス人形風の格好をしなくちゃいけないのよ!?」


 いや、俺はテルマ先輩のそのフランス人形風の姿を見てみたいんだが……


「凄く動きにくくてメイドなんて出来ないじゃない!!」


 うん、一理あるな……


「ハッハッハッハ!! それは大丈夫だ、テルテル!! お前は動き回らなくてもいい。お前はテーブルの前にジッとして、来た客に紅茶を注ぐだけでいいんだ!! その方がテルテルも楽だろぉぉ?」


「えっ、そうなの? 私は動き回らなくてもいいの? まぁ、だったらソレでも良いんだけど……」


 えっ? ソレで納得するんですか!?


「ルイルイ先生? 私は納得できないのですが……。私の芸者姿もかなり動きにくいのですが……あっ!! もしかしたら私もテーブルの前でジッとして、来られたお客さんに日本茶を注ぐということですか?」


 紅伊奈の芸者姿って……

 めちゃくちゃ似合いそうだな!?


 テルマ先輩のフランス人形風も紅伊奈の芸者姿っていうのも、ルイルイの奴……なかなか目の付け所が良いんじゃないのか!?


「泥棒黒猫!! お前、私の意図をよく分かっているじゃないか!?」


「フフフ……でしょ? やはり同じ人を愛しているからでしょうか?」


 えっ!? 紅伊奈、何て事を!!


「フンッ!! 余計な事を言うんじゃないよ!! やはりお前はお茶を注ぐだけでは面白くないから芸者ということで『日本舞踊』でも踊ってもらおうか!!」


「ルッ…ルイルイ!? 何で私はテニスウェアなの!? 体育祭の時も恥ずかしかったのに、また学園祭でも恥ずかしい思いをさせる気なの!?」


「オイオイ……ヤミヤミ、それは『女子テニス部』の奴等に失礼じゃないか? あいつ等は毎日、あの短いスカートでプレーしているんだからな!!」


「ぐっ…ま…まぁ、そうだけどさ……。でも私は『テニス部』じゃないし、あんな短いスカートを一日中着ながら過ごすなんて絶対に無理だわ!!」


 いやぁ……俺は菜弥美部長のテニスウェア姿は最高だと思うんだけどなぁ……

 『ネガティ部女子』の中で一番似合っているし……


「ふーん、そうか……。嫌なら仕方が無いな。それではヤミヤミには選択肢を三つやろう」


「えっ? 他にも衣装があるの?」


「ああ、そうだ。だからそこから選んでもらおう。但し、その三つは既に『クリエイティ部』の奴等に頼んでいるから、それ以外はもう無いからな!!」


「わ…分かったわよ……。それでテニスウェア以外のあとの二つはどんな衣装なの?」


 嫌な予感しかしねぇな!!


「フフフ……一つ目は『女子プロレスラー』の衣装、そしてもう一つは『バニーガール』だ!! さぁ、どれにする!?」


「テニスウェアでいいわよ!!」


 早っ!!


「ハッハッハッハ!! ほんとヤミヤミは面白い奴だな」


 ち…ちなみに俺はどの衣装も見たかったけどな!!

 特にバニーガールは捨てがたいよなぁ……って、俺は何を考えているんだ!!



「あのぉぉ……」


「おぉぉ、ミヨミヨは何か文句でもあるのかい?」


「そ…そのぉぉ…..私みたいな地味な人間がいきなり『金髪ギャル』というのはどうなんでしょうか……? あまりに違い過ぎてお客様が引いてしまうのではないかと思うのですが……やはり、やるからにはたくさんのお客様に来て頂きたいですし……」


 美代先輩の『金髪ギャル』かぁ……

 見てみたい気はするじぇども……


 でもソレって『コスプレ』になるのか!?


「何を言っている、ミヨミヨ!? お前は何も分かっちゃいないなぁ……お前みたいな地味な女だからこそ、この『金髪ギャル』になる意味があるんじゃないか。これはいわゆる『逆萌え』だな。日頃、お前の『黒髪ロングヘアー』に見慣れている男子共からすればギャップがあり過ぎて『超萌え萌え』になること間違いない!! きっと『コスプレ喫茶』は大入り満員になることだろう!!」


 ルイルイ、さっきから俺をいつになく納得させ過ぎだぜっ!!

 ってか、あんたは『その道のプロ』なのか!?


「ダーリン……私はプロではないぞ」


「なっ…何で俺の心の声が聞こえるんだ!?」


 この女、マジで恐ろしいぞ……


「分かりました。少し不安はありますが、今回はルイルイのお言葉を信用させていただきます......」



「ル…ル…ルイルイ先生!!」


 でっ…出た~っ!! ラスボスの登場だ!!

 舞奈の奴、よくここまで大人しくしてたよな!?


「マイマイ、どうした? そんな泣きそうな顔をして……」


「泣きそうになるに決まっているじゃないですか!? なっ…何で私だけ『戦隊もの』何ですか!? 他の人はある意味『世の中に存在している衣装』なのに、何故私だけ『架空の世界の衣装』なんですか!?」


 舞奈の奴、えらいややこしい言い方をするよな?


「あれぁぁ? おかしいなぁ……マイマイは『戦隊もの』の衣装が不服なのか?」


「勿論です!!」


「うーん……おかしいなぁ……。私はお前の夢を叶えたつもりだったんだがなぁ……」


 ん? 夢だって?


「えーっ!? 何でソレを……って、何を言っているのか分かりませんけど!!」


「私は職業柄、色々と調べるタイプでなぁ……」


 職業柄って、それはこないだまでやっていた『本業』の『インチキ占い』を当てる為に事前に調べ倒していただけじゃねぇか!! それも『アーカイブOB』やら『盗聴器』まで使ってな!!


「なっ、何を調べたんですか!?」


「前に言わなかったかい? 私はマイマイの母親とも知り合いだってことを……」


「マッ…ママがどうしたっていうんですか!?」


「だからぁ……私はお前の家に行ったんだよ。そしてお前の母親の許可ももらってお前の部屋にも入らせてもらったのさ……」


「えーっ!? 私の部屋に入ったんですか!? ソレって不法侵入じゃないですか!?」


「だから今、お前の母親の許可をもらったと言っただろ? ソレに心配する必要は無い。私が見たかったモノは直ぐに見つかったからな」


「も…もしかして……」


「そうだ。そのもしかだ……。マイマイの小学生の頃の『卒業文集』だ!!」


 ガ――――――――――――――――――ンッ!!


「どうした、舞奈!? 急に膝間ついて!! 大丈夫かよ!?」


「うぅぅぅ……」


「その『卒業文集』には皆、『将来の夢』が書かれていたんだが……マイマイの『将来の夢』というのがだな……」


「うわぁぁぁあああああ!! もうこれ以上何も言わないで!! 分かったから、分かりましたから……私は『戦隊もの』でいいですから……」


「ハッハッハッハ!! これで全員、私が考えた衣装で決まりだな!!」


 最後は何か脅しめいたものを感じたが……


「舞奈、本当にいいのか? 大丈夫なのか?」


「だ…大丈夫じゃないけど……仕方ないし……」


「でも俺は舞奈の『戦隊もの』の衣装も楽しみだぞ。出来ればだけど、俺が小さい頃に観ていた『金欠戦隊タマランジャー』の『タマランピンク』の衣装を着てくれたら最高なんだけどな!!」


「えっ!!?? 一矢、『タマランピンク』が好きなの!?」


「あ、ああ……恥ずかしいけどそうなんだよ……って、舞奈も『タマランピンク』を知ってるのか?」


「う…うん、まぁね……」


「ハッハッハッハ!! 最高だよ!! うまくいき過ぎて怖いくらいだ!!」


「うっ…うるせぇよ、ルイルイ!!」




 【将来の夢】 寿志光 舞奈


 私は将来、大きくなったら『金欠戦隊タマランジャー』に出てくる『タマランピンク』の様な美人でグラマーなヒーローになりたいです。その為にも『タマランピンク』の大好物のお菓子をたくさん食べたいと思います。


お読みいただきありがとうございました。


なんやかんやとルイルイの考えたコスプレ衣装は的を得た感じだが、果たしてその衣装を着ながら彼女達はちゃんと『コスプレ喫茶』ができるのか!?


次回から新章、『学園祭準備編』をお送りします!!

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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