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第153話 完全勝利だ!!(挿絵有り)

『波乱の体育祭編』最終話です!!

「 「 「美代先輩、頑張れ~っ!!」 」 」


 二人共、凄いスピードだっていうか、ルイルイの言う通りテンテンさんの足の速さは半端ねぇな!!


 でも美代先輩も負けてはいないぞ。それにあの表情は『本気の本気』だ!!



「ミヨミヨ~っ!! 君とこうして一緒に走れるのも今日が最後だと思うと少し寂しい気がするよ~っ!!」


「そ…そうですか? 私はこれで最後だと思うと嬉しくて仕方がありませんが……」


「ハッハッハッハ!! ミヨミヨも言う様になったね~っ!! 出会った頃は無口だったのにさ~っ!!」


「私は『ネガティ部』のお陰で変わろうとしています。いえ、変わりたいんです!!」



「一矢? 今度は美代先輩達が何か話をしながら走ってるわよ。疲れないのかしら?」


「そ…そうだな舞奈……」


 一体どんな話をしているんだろうか?

 もしかしてテンテンさん、走りながら美代先輩を口説いてるんじゃねぇだろうな!?



『さぁ、二人共一歩も譲らず遂に残り半周となったぞ~っ!!』



「贅太のバカッ!! 『ポジティ部』の『メガネっ子』に見とれて失速するなんて、最低の男だわっ!! ほんと男って……」



 花持先輩も何か叫びながら走ってるけど、しかしもう『エグゼクティ部』が一位になるのは絶望的だな……


「まっ…前妻木ちゃん? いや、前妻木部長さん? 良かったら今夜の『後夜祭』で俺と一緒に踊ってくれないかな!?」


「えっ? ああ、『エグゼクティ部』の『ぜんざいさん』でしたっけ?」


「違う違う!! 俺は『斬麻伊ざんまいだ!! 布津野君みたいなことを言わないでくれるかな!! いや、そんな事よりもさ……」


「お断りします。私はこのリレーが終わり次第、病院に行く事になりますから」


「えっ? 病院だって!? どこか悪いのかい!?」


「いえ、私ではありません……」




「少しテンテンさんがリードしているわね? 美代先輩、大丈夫かしら?」


「大丈夫よテルマ!! 美代先輩はきっと勝つわ!! じゃないといつまでもテンテンさんにつきまとわられるんだから!!」


「くそっ!! 僕がもっと頑張っていたら……前妻木さんの作戦に動揺しなかったら……」


「子龍先輩は何も悪く無いですよ。『いつになく』凄く頑張ってましたから」


「紅伊奈ちゃん、『いつになく』って言葉が少し引っかかるけど……あ…有難う……」



『さぁ、残り五十メートルの直線だ~っ!! 勝つのはどっちだ~っ!? 天翔さんか、それとも越智子さんか~っ!?』



「ミヨミヨ~っ!! ラストスパートだよ~っ!!」


「いっ…言われなくても分かっています!!」


「僕はこの最後の直線で『再び告白』をしちゃうよ~っ!!」


「えっ!?」


「ミヨミヨ~っ!! 好きです!! 僕と付き合ってくださ~いっ!!」


「お断りします!!」


「そんな返しじゃ僕は諦めないよ~っ!! 僕を完全に諦めさせるには言葉が足らないんだよ~っ!!」


「足らないってどういうことですか!?」


「ミヨミヨは今、好きな人がいるのか~い!?」


「えっ!? すっ…好きな人!?」


「そうだよ~っ!! 僕はね~、ミヨミヨに好きな人ができるまではいつまでも君に告白するつもりなんだよ~っ!! だから僕を諦めさせるにはミヨミヨに好きな人がいるってのが条件になるんだよ~っ!!」



 最後の直線でもあの二人、何か話しているぞっ!!

 

 それにテンテンさんの方が少しだけリードしているし、マズイなぁ……

 これは今後のことも考えておかないといけないし、美代先輩が負けても安心できるような言葉をかけてあげないといけないような気がするぞ!!


 よしっ!!


「美代先輩!! 頑張れ~っ!! もし負けてテンテンさんにこれからも言い寄られても俺がずっと美代先輩のことを守りますから安心してくださ~いっ!!」



「ひっ…一矢君!?」


 い……います……


「えっ? ミヨミヨ、何か言ったか~い!?」


「います!! 私には『大好きな人』がいます!!」


「ほぉぉ!? それでミヨミヨの好きな人は僕が諦めれる様な納得のいく人なのか~い!?」


「わっ…私の好きな人は!!」


「 「 「ワ――――――――――――――――――ッ!!!!」 」 」



「……君です!!」


「オッケー!! ミヨミヨ~っ!! よく言ってくれた~っ!! そして……今までよく頑張ったね……これで僕も安心だ……」


「えっ? テンテンさん……?」



「ショウショウ先生!!」


「前妻木さん、大丈夫だ。もうタクシーは呼んであるから!!」


「有難うございます!!」



『なっ…なんと、天翔さんが突然走るのを止めてしまったぞ~っ!! そして他の『ポジティ部 部員』達がそうなることが分かっていたかのように天翔さんのところへ駆け寄って行ってるぞ!?』


 テンテンさんに何があったんだ!?


『そして、越智子さんが、そのまま一着でゴールインしたーーーっ!!』


「 「 「うぉぉぉおおおおお!!!!」 」 」


『文化部対抗リレーも『ネガティ部』が一着となり、文化部対抗競技完全制覇となりました~っ!!!!』



「うわぁぁあああ!! 美代先輩!!」


「勝ったぞ~っ!!」


「美代先輩、おめでとうございます!!」


「ハァハァハァ……み…皆さん、応援ありがとうございました……ハァハァハァ……」


「美代先輩……?」


「ひっ…一矢君ポッ プイッ


えっ? 美代先輩に今、プイッてされたぞ?

俺、何か気に障る様なことをしてしまったのか!?


それに顔がめちゃくちゃ赤いな!? 大丈夫なのか?

まぁ、あれだけ『本気の本気』で足ったんだから顔が熱くなって赤くなるのも当然だな。


「いずれにしても美代先輩も他の皆さんもお疲れ様でした!! 俺、めちゃくちゃ感動しましたよ!!」


「一矢君のお陰ね?」


「えーっ? 今回は俺、何もしてませんよ。って何も出来なくて凄く歯痒かったですし……」


「何を言ってるのよ、一矢君? 本来なら部長である私が色々と考えなきゃいけないところを一矢君が全て考えてくれたから、私達は競技に集中できたんだからね……」


「菜弥美部長……」


「そうよ。菜弥美部長の言う通りよ、一矢!! アンタが上手い事人選してくれたお陰で、全ての競技で一位になれたんだと思うわ」


「ま…舞奈……」


「あ…あのぉぉ、一矢君……?」


「はっ…はい、美代先輩」


「テンテン君が急に足るのを止めたので……一応私が勝ちましたけど……あんな勝ち方で良いのかどうか分かりませんが……勝ちは勝ちといいますか……でも……」


「大丈夫です、美代先輩!! 勝ちは勝ちです!! 約束通り、こんな俺でいいのなら今度また『デート』しましょう!!」


(ポッ)「はっ…はい!! よろしくお願いいたします!!」(ニコッ)




「おーい、みんな、よう頑張ったなぁ? おっちゃんめちゃくちゃ感動したで」


「あーっ!? おっ…親父!?」

「 「 「一矢君のお父さん!?」 」 」


「ヒトヤン様~っ!!」


 ガバッ!!


「わっ!? ルイルイいたのかよっ!?」


「おいおいルイルイ、息子の前で俺に抱きつくなや!!」


「なっ…何で親父がこんなところにいるんだよ!?」


「ハッハッハッハ!! この学園のOBの俺がここにいてもおかしくはないやろう? それに今回は何かと『体育祭』の運営に携わっていたしな……まぁまた今度、詳しいことは話すわぁぁ」


 親父が『体育祭』の運営に携わっていただと?

 何かめちゃくちゃ嫌な予感がしたんだけど……


「それよりも『アーカイ部』のカメカメ君を連れてきたぞ!! 一矢、あれやろ? 前にお願いしてたんやろ?」


「あっ、そうだった!! 亀羅馬先輩、俺のお願いを聞いてくださり有難うございます!!」


「ハッハッハッハ、お願いだなんて何を言ってるんだい。こんなんこと簡単なことだし、俺からお願いしたいほどだよ!!」


「ひっ…一矢? 亀羅馬先輩に何をお願いしたの?」


「いや、俺達『ネガティ部』の『集合写真』をお願いしたんだよ。よく考えてみたら俺達全員が写っている写真が無いことに気が付いたんだよ。それで前の『四大茶部総会』の後に亀羅馬先輩に『体育祭』が終わったら『ネガティ部』の『集合写真』を撮って欲しいって依頼させてもらったんだ……それに美代先輩にとっても良い思い出になるんじゃないかと思ってさ……」


「ひ…一矢君、有難うございます!! 皆さんと一緒の写真だなんて……一生の宝物になります!!」


「ドロドロの体操服姿だけどいいのかしら……?」


「テルマ先輩、それが良いんじゃないですか!!」




 ブォォォオオオオオオン


「天翔さん……いえ、高雄君……大丈夫?」


「ハハハ……ムキムキには格好の悪いところを見せてしまったねぇ……」


「格好悪く何てないわよ……その逆よ……」


「でもさ、何とか『最後の体育祭』に少しでも参加ができて良かったよ。それにミヨミヨもあれだけ変われたんだからね……『ポジティ部冥利に尽きる』ってもんだよ……悔いは無いなぁ……」


「グスン……でも……無理し過ぎよ……」


「まぁ、仕方無いよ。あの『二代目異端児』の『ヒトヤン大先輩』の話を聞いたらさ……僕もドンドン気合いが入ってきたし、それにルイルイさんも『元ポジティ部部長』として結構、裏から頑張ってくれていたしね。『前部長』の僕だってこれくらい頑張らないとと思ったし……でも次は……」


「うん、次は私の番ね……。高雄君みたいにはなれないかもだけど、精一杯頑張るわ。そんなことよりも早く病気を治して早く学園に復帰しないと、来年私と同じ学年ってことになるわよ……」


「ハハハ……ムキムキと同じ学年かぁ……それもいいかもね……」


「バ…バカ……」





「さぁ、みんな笑顔で頼むよ~っ!!」


『おーっと!! 我らが亀羅馬前部長が『ネガティ部』の集合写真を撮ろうとされているぞ~っ!!』


 イヤ、そこ実況いらねぇだろっ!?


「みんな、もっとスマイル、スマイル!!」


 亀羅馬先輩の顔が怖すぎて笑顔になりにくいってことは言わないでおこう……


「それでは、みんな撮るぞ~っ!! ハイ!!」



「 「 「 「 「 「 「チーズ!!」 」 」 」 」 」 」 」



カシャッ



イラストは灯油様

挿絵(By みてみん)


お読みいただきありがとうございました。


長かった『波乱の体育祭編』はこれで終了です。

最後までお読みいただき有難うございました。


次回から『新章』開始!!

果たしてどんな展開が一矢達を待ち構えているのか!?


どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆


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