第146話 本当は良い奴なのか!?
「ルイルイ!? 一体何なんだよ!? 何で女子達はテニスウェアに着替えているんだ!? 皆さん、とても恥ずかしそうにしているのに大丈夫なのかっ!?」
ルイルイの奴、何を考えているんだ?
こんな格好をしていたら『綱引き』はやりにくいし、『マラソン』の時の舞奈以上に『エロ男子共』の視線にさらされるだけじゃないか!?
「ハッハッハッハ!! ダーリン、まだ私の考えた『秘策』が分からないようだな?」
「わっ…分かるはずねぇだろっ!! どういうことかちゃんと説明してくれ!!」
「私達も無理矢理着替えされたけど、ちゃんとした理由はまだ聞いてないわ。あまり時間が無いから早く説明してちょうだい!!」
「ダーリンもヤミヤミもそんなにカリカリするんじゃないよ。はぁぁ……しかしお前達は本当に何も分からない『ゴミクズ共』だな。分かったよ。ちゃんと説明してやろう……」
やっとルイルイが説明する気になったな。
ホント勿体ぶりやがって……
「まずお前達『ネガティ部女子達』は自分が周りからどう思われているのか全然分かってなさ過ぎだ」
「わ……分かっていますよ……。私は『ドジ』で『ノロマ』で『ブス』で……」
「黙れ、ミヨミヨ!! まずそこが大間違いだ!! ダーリンなら私の言いたい事が分かってきただろう?」
「へっ? 俺が分かってきただって?? うーん……俺が言えるのは美代先輩は『ブス』ではなく『超美人』だってことかな……」
「そうだ!! その通りだ!! お前達は自分に自信が無いみたいだが、学園の奴等はお前達の事を『超絶美少女』だと思っているんだ!!」
「ばっ…バカな事を言わないで、ルイルイ!! 私は『チビ』で『金髪』で『ハーフ』だからいつも皆に物珍しそうにジロジロ見られて苦痛なんだからっ!!」
「テルテルも全然分かってないようだな。お前が周りの男共に思われているのは『金髪美少女小悪魔天使』だっ!!」
うわぁぁああ!! ルイルイの奴、俺がテルマ先輩に言いたくても言えない事をいとも簡単に言いやがったぞ!!
「こっ…『小悪魔天使』って何よ!? それ悪口じゃないの!?」
「ルイルイ先生!! 私は最近知ったのですが、どうも『桃色ナイスバディ』って呼ばれてるみたいなんですが……これも悪口じゃないんですか!?」
「はぁああ?? どこが悪口だ!? 『桃色』はお前の髪の毛の色のことだし『ナイスバディ』という言葉は世界共通の『誉め言葉』じゃないか!!」
「ルッ…ルイルイさん!! 僕なんかはどうも『沈黙の四十五度』って陰で言われてるみたいなんですが……」
「黙れ、シリシリ!! お前には関係のない話をしているんだ!! それとお前の『沈黙の四十五度』は最高の悪口だ!!」
ガ――――――――――――――――――ン!!
子龍先輩、それも決して悪口ではないと思いますよ……
でも今は落ち込んでいる子龍先輩を見る方が面白いから、フォローするのは止めておこう……
「まぁ、いずれにしてもだ……周りから『超美少女』と思われているお前達が『テニスウェア』を着て『綱引き』をしたらどうなると思う? そして男子メンバーが多い『エグゼクティ部』の奴等はどうなると思う? 真剣に『綱引き』が出来ると思うか?」
「あーーーっ!!」
「おっ、ダーリンようやく気付いたようだな?」
なるほど、そういうことか……
『エグゼクティ部』は花持蘭那先輩、上空芽仙部長、師本佳代先輩以外の四名は男だ!!
そして『アクティ部』から助っ人で入っている奴等も全員が男……
つまりだ。七名も男がいるってことだから、目の前に『テニスウェア』を着ながら『綱引き』をしている『ミニスカートの超美少女達』が六名もいたら……
まぁ当然『綱引き』どころじゃないよな……
俺も『エグゼクティ部』側で『綱引き』をやりたいぜっ!!
「一矢君、どういうことか分かったの?」
「えっ? ああ、紅伊奈……俺はよく分かったよ。でももう詳しく説明する時間もないので、皆さんルイルイの『秘策』を信じて『綱引き』頑張りましょう!!」
「さすがはダーリン!! 私の『秘策』を詳しく説明しなくても全て理解したようだな!? ダーリンと私は本当に心が通じ合っているようだ。こうなったら『体育祭』終了後に『式』を挙げようじゃないか!!」
「あっ…挙げねぇよっ!!」
「それと『綱引き』の並ぶ順は『顧問』の私が決めることにする!!」
「 「 「え――――――――っ!!??」 」 」
「ハッハッハッハ!! そんなに喜ぶんじゃないよ!!」
誰も喜んでねぇよ!!
ということで、並び順は半ば強引にルイルイが決めることになったんだが、皆渋々だが従うことに……
そしてルイルイが決めた並び順だが……
先頭がテルマ先輩、続いて紅伊奈、羽和布留名、舞奈、菜弥美部長、美代先輩という女子が前に並ぶことになる。
その後に俺、針切部長、根津先輩、最後に子龍先輩……
早い話、これは『背の順』だなっ!!
「わっ…私、一番前なんて嫌よぉぉおおお!!」
そりゃあ嫌だよな!!
なんてったってジロジロ見られるのが一番嫌なテルマ先輩がよりによって先頭なんだから……
「諦めろ、テルテル!! これも勝つ為だ!! お前が一番前にいないと他の女子達の『テニスウェア姿』を『エグゼクティ部』の男子連中に見せれないじゃないか!! 正面からよく見える様に背の順にしたんだからなっ!!」
なんやかんやとルイルイはマジで俺達が勝つ為の作戦をちゃんと考えてくれている。
それにもし俺がこの並び順を提案したら……皆、反対する可能性があるけど、ルイルイは顧問だし、あの性格だったらゴリ押しできるからな……
ってことはルイルイの奴、最初から俺には提案も説得も無理だと判断して自分が決めるって言ったのか!?
うーーーん……
たまに思うんだが、ルイルイは本当は良い奴なのかもしれない……
俺達『ネガティ部』のことを真剣に考えてくれているのではないか……
あの容姿で性格や言葉遣いも優しかったら『最強の美女』だとなっ!!
「さぁ、ミジンコくらいの根性しか無いクズと共!! ここらで一発気合いを入れて目の前の敵をぶっ倒し、ウジ虫くらいには成長してみろっ!! ハーハッハッハッハ!!」
ぜっ…前言、撤回じゃぁぁああああ!!!!
お読みいただきありがとうございました。
ルイルイの『秘策』はおそらく皆さんが思っていた通りの理由じゃなかったでしょうか?(笑)
いずれにしても六名の美少女のテニスウェア姿なんて想像しただけで、たまりまへんな(笑)
しかし、問題は相手チームの『エグゼクティ部』です。
果たして彼等にこの『秘策』が通用するのか!?
次回、遂に対決!!
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆




