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第144話 秘策を早く教えろよ!!

「きょっ…恐竜の人!!!!」


 さすがに根津さんや羽和さんでも、あの巨体に俺達が勝てるわけがないよな……

 まして、俺達『ネガティ部』のメンバーなんかは論外だな。


「オーッ、ホッホッホッホ!! さっきの『マラソン』は『ネガティ部』に勝利を譲ってあげたけど、この『綱引き』に限っては士仙しせん君がいる限り、私達『エグゼクティ部』に敵なしだわ!! オーッ、ホッホッホッホ!!」


 チッ、花持先輩め。調子に乗りやがって……

 でもアレだな。別に『綱引き』まで俺達が一位になる必要は無いよな。


「布津野君、私達がいるから心配しないで!! あんな『エグゼクティ部』なんかに私達が負けるはずがないからっ!!」


「は…羽和さん……。しかし君はいつも元気だな?」


「当たり前じゃない!! 私から『元気』を取ったら何も残らないんだから!!」


 いやいや、それはそれで寂し過ぎるだろ!!


「そんな事ないだろ? 羽和さんは見た目、小さくて『普通に可愛い』んだから、男子からも人気があるんじゃないのか?」


「ふっ…布津野君、何を言ってるの!? 布津野ファンの私はあなたと恋に落ちてはダメなんだからっ!!」


「別に俺はそんな事、言ってねぇぞっ!!」


「布津野君、私をあまり見ないで!! じっと見つめられたら私はあなたの『一ファン』ではいられなくなってしまうわ!!」


「言ってる意味が分からねぇよ!!」



「いやいやいやぁぁ……布津野君!! 今のが有名な『たらしテクニック』なんだね!?」


「はぁああ?? 針切部長も一体、何を言ってるんですか!?」


「誤魔化さなくてもいいんだよ。俺も布津野君みたいな『テクニック』が有れば大石さんをおとせるんだけどなぁ……」


 えっ!? 菜弥美部長を『おとす』??


「ハハハハ!! 針切部長、何をバカな事をおっしゃってるんですか? あなた死にたいんですか?」


「死にたかねぇよ!! ってか羽和!! 『バカな事』って何だよ!? 失礼過ぎるだろ!! 俺は一年の頃から大石さんの『大ファン』なんだからな!!」


 へぇ、そうだったのだぁ……

 でも、あんな『モヒカン頭』をしていたら菜弥美部長が針切さんの事を好きになるとは思えないけどな。



「そういえば越智子さん!!」


「えっ? な…何でしょうか、根津さん……?」


「今日はね、毎日昼休みの最後の十分間、俺に勉強を教えてくれている越智子さんにお礼をする為にもこの『綱引き』では絶対に勝つからね~っ!!」


「べ…別にお礼だなんて……。でも有難うございます。宜しくお願い致します……」


 な…何だか、美代先輩と根津先輩が結構良い雰囲気じゃないか!?

 まぁ、根津さんは美代先輩よりも一つ歳上で頼りがいのある人だしな……

 それに比べて、俺なんかは美代先輩よりも二つも歳下だし……


 って、俺は何でそんな事を考えているんだ!?


 も……もしかして俺は二人に『ヤキモチ』を妬いているのか??


 いや、まさかなぁ……ハハハハ……はぁ……



「何をシケたツラをしているんだ、ダーリン?」


 ん? その声は……


「ルッ……ルイルイ!? アンタ今までどこにいたんだよ!? いつも大きな行事の時は姿を隠すよな!?」


「ハッハッハッハ!! 私はずっとダーリン達を『草葉の陰』から見ていたぞ」


「顧問なんだから堂々と見ろよっ!!」


「ハッハッハッハ!! 私は照れ屋さんだからな……」


「どの口が言ってるんだ!?」


「ん? この口だが……おっ? 私の唇を奪いたくなったのかい?」


「バッ…バッ…バカな事を言うな!! だ…誰がルイルイの唇を奪うもんかっ!!」


「そういえば前のデートで逆に二人ばかり、ダーリンが唇を奪われてもおかしくない状況になっていたな……」


「シーッ!! ルイルイ、大きな声で言うんじゃねぇよ!!」


 ハグッ…ウーウー……



「一矢君どうしたの? ルイルイの口なんか押えて……」


「テッ…テルマ先輩!? いっ…いや、何でもないですよ!! ただ、ルイルイの奴は口を開くと、ろくなことを言わないんで頭にきて口を塞いでるだけですから!!」


「そ…そうなんだぁ……。はたから見てると二人でイチャイチャしているように見えてしまうんだけど、そうではないのね?」


「まさか!! ルッ…ルイルイなんかとイチャイチャする訳がないじゃないですか!! 誤解ですよ、誤解!!」


「ふーん……。いずれにしてもルイルイが何か言いたそうな顔をしてるから、そろそろ塞いだ手を外してあげた方がいいんじゃない?」


 えっ? でもなぁ……ルイルイの奴、またみんなを刺激するようなことを言い出すかもしれないしなぁ……


「ウーウーウー……ウグウグウグ……」


 口を塞いでもうるさい女だな!!



「一矢君何をしてるの? ってかルイルイの口を塞いでどうしたの? さっきルイルイが私のところへ来て『エグゼクティ部』に勝つ『秘策』があるからって言っていたんだけど、もうルイルイから『秘策』を聞いたのかな?」


「えっ? 菜弥美部長、『秘策』ってどういうことですか??」


 うーん、仕方がないな……

 本当にルイルイは俺達に話があるみたいだから手を外してやろうか……



「ふぅぅ……ダーリン、口だけではなく鼻の穴まで塞いでしまうから、呼吸が出来なくて死ぬかと思ったぞ!! まぁ、好きな人に『窒息死』させられるのもなかなか乙な話だけどな!!」

 

 どこが乙だよっ!!


「それで『エグゼクティ部』に勝つ為の『秘策』って何だよ?」


「ほぉぉ、ダーリンは『綱引き』でも一位になりたいのかい?」


「あっ…当たり前じゃないか!!」


 本当は勝たなくてもいいと思ってるけど……


「そうよ、ルイルイ!! 一矢君は私達『ネガティ部』が勝つ為に今まで色々と考えてくれてたんだから!!」


 テルマ先輩、胸が痛いです……


「そうよ、ルイルイ先生!! 一矢は私達のことを思って凄く頑張ってくれてるんですからっ!!」


 舞奈、もうやめてくれ~!!


「一矢君、大丈夫かい? 何だか顔色が悪いけど……」


「だっ…大丈夫ですよ、子龍先輩……」



「ところでルイルイ!? そろそろ『勝つ為の秘策』ってのを教えてくれよ!?」


「おお、そうだったな。私はダーリンだけを助けたいだけで、本当は『その他ミジンコ共』はどうでもよかったんだが、まぁ、お前達の頑張りに対して一つくらい『顧問』としての役目を果たしてやろうと思ってな……」


「余計な説明はいいですから、早く言ってもらえませんか?」


「フンッ、この小生意気な『泥棒黒猫』がっ!! まぁいい……。それで私の考えた『エグゼクティ部』に勝つ為の『秘策』だが……」


「 「 「うん、その秘策とは……?」 」 」



「お前達が決勝まで勝ち残ったら教えてやろう!!」



「なっ……何じゃそりゃ~っ!? もったいぶるんじゃねぇよ~っ!!!!」 


お読みいただきありがとうございました。


ルイルイ、久しぶりの登場です!!

そして、そのルイルイには『綱引き』で士仙のいる『エグゼクティ部』に勝てる『秘策』があるらしい?


果たしてその『秘策』とは!?

作者の気持ちとしてはその『秘策』を絵に描いて現したいところですが、最近絵を描くと疲れるのでやめています。ということでその『秘策』の場面が出て来た時は皆さん、どうぞ想像してみてくださいね? きっと男子は興奮することでしょう(笑)


ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆

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