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第135話 文化部対抗借り物競争が始まったぞ!

『プログラム五番 文化部対抗借り物競争です!!』


 つ…遂に来たぞ!!

 『文化部対抗』の最初の競技が!!


「く…紅伊奈、頑張れよ!!」


「有難う、一矢君……。もし『一番好きな人』を引いたら直ぐに一矢君のところに行くからね……。一矢君、絶対逃げないでよ……?」


「えっ? あ…あぁ……逃げはしないけどさ……」


 何かメチャクチャ複雑な心境だぜっ!!

 紅伊奈に連れて行かれる姿を学園の皆に見られるんだよなぁ……?

 凄く恥ずかしいし……何とか違う札を引いてくれないかなぁ……


 しかし、ルイルイの『策略』で『一番好きな人』と書かれている札が多いらしいからな……

 覚悟はしておいた方が良いかもしれないよな。


「紅伊奈ちゃん、今日はとても緊張されているみたいですね……」


「えっ? そうなんですか、美代先輩?」


「はい、私には紅伊奈ちゃんの緊張が凄く伝わってくるのですが、一矢君には伝わってこないですか?」


「いや、全然……それどころか俺にはワクワクしている様に見えるんですけどね!!」


「フフ……。男性には分かりにくいのかもしれませんね」


「はぁ、そうかもしれませんね……」


 美代先輩の言う通り、本当に紅伊奈は緊張しているのか!?

 俺には学園全員に俺の事が好きだって事を宣言してやる感が漂っているんだが……


 


 そっ、そう言えば他の部の代表選手は誰なんだろうか?


「あっ!! 『ポジティ部代表選手』は前妻木部長じゃないか!! 前妻木部長も頑張ってくださいね!!」


「あらっ布津野君、『敵』である私にも応援してくれるの? 嬉しいなぁ……。それじゃあもし私が『一番好きな人』の札を引いたら布津野君の所に行くわね……?」


「まっ、前妻木部長!! かっ…からかうのは止めてくださいよぉぉ!!」


「フフフ……。『からかう』ねぇ……」


 しかしアレだな。テンテンさんはまだ入院中らしいから、もし前妻木部長が『一番好きな人』を引いたりなんかしたらどうするんだろう? 


 病院まで行って、テンテンさんを無理矢理連れて来たらメチャクチャ面白いんだけどな。

 まぁ、その頃には体育祭が終わっているかもしれないが……



「ひっ…一矢君!!」


「えっ!? あっ!! 花持部長……いや、先輩じゃないですか!? もしかして花持先輩が『エグゼクティ部代表選手』なんですか?」


「そっ…そうよ!! 何か文句があるのかしら!?」


「べ…別に文句は無いですけど……」


 たしか、この人もテンテンさんが好きだったんじゃないのか?


 しかし残念だなぁ……もしテンテンさんがいたら間違いなく前妻木部長と花持先輩とのテンテンさんを取り合うところが見れたのにさぁ……って、なんて俺は悪い男なんだ……


「ら…蘭那さん……。頑張ってくださいね……」


「あら、美代!! 有難う、頑張るわ!! 美代のところの『ネガティ部』に勝っちゃっても恨まないでよぉぉ!!」


「恨まないですよ……。『エグゼクティ部』は『ネガティ部』の仲間みたいなものですし、それに……それに蘭那さんは私の『お友達』ですから……」


「うっ!! みっ…美代……」


 うわぁ、何だかこの二人のやり取りを聞いていると癒されるよなぁ……


「もし私が『一番好きな人』の札を引いちゃったらその時は、ふ…布津野君を借りるつもりだけど、その時は許してね?」


「それは許しません!!」


「 「え――――――――――――っ!!??」 」




 美代先輩のあんな怖い顔、初めて見たぞっ!!


 ってか、『クリエイティ部』の代表選手は津田先輩かぁ!!


「姉さん!! この競技、俺と代わってくれよぉぉ!!」


「はぁぁ? 何を言ってるんだお前は? 何故お前みたいな『転んで泣く』ような『へなちょこ野郎』に譲らないといけないんだ!? バカか、お前は??」


「『へなちょこ野郎』って言い方は失礼過ぎるだろ!? お…俺はこの競技で『一番好きな人』っていう札を引き当てたいんだよ!!」


 ゾーーーーッ!!


 何か今のあいつのセリフを聞いた途端、背筋が凍った感じがしたぞっ!!

 絶対に津田弟なんかがこの競技に出て貰ったら困るぜっ!!


 そんなキャラは子龍先輩だけで十分なんだよっ!!


「一矢君、僕の事を呼んだかな?」


「ゲッ!! しっ…子龍先輩!? 何でこんな所にいるんですか!?」


「そりゃあ僕だって紅伊奈ちゃんの応援くらいするよぉぉ。それに次の競技が『二年生の百メートル走』だから入場門の近くにいないといけなしさ……本当は出たくないんだけど、クラスの人達がいつの間にか僕に決めていたんだよ……。もしかして、これっていじめかな?」


 絶対、いじめでは無いな!!

 どちらかと言えば逆の様な気がするんだけども……


「ああ、あんな一番目立つような競技になんて僕は出たく無いんだよぉぉ……」


 きっとそうだ。


 クラスの人達は子龍先輩に体育祭の『花形競技』の『百メートル走』に心から出場して欲しかったんじゃないのか!?


 それだけ子龍先輩は皆から人気があるって事だろうな。

 まぁ、当の本人は全然気付いてないけどさ……


 っていうか、子龍先輩は走る時の顔はどっちに向いているのだろうか!?

 メッチャ気になるじゃねぇか!!

 俺にとっては本日最大の『注目競技』だな!!



『それでは位置について~、よ~い……』


 パンッ!!


 おっ!! いよいよ『文化部対抗借り物競争』が始まったぞっ!!


「紅伊奈~っ!! 頑張れ~!!」


 でもお願いだから『普通の札』を引いてくれよぉぉ……



「あれ? 何だか紅伊奈が引いた札を見て頭を傾げているぞっ!! どうしたんだろぉ?」


「ひっ、一矢君、大変よ!!」


「えっ? どうしました、菜弥美部長?」


「アレを見てよ!! なんか、津田先輩や花持先輩、それに奈子まで一矢君に向かって走って来てない!? もしかしてあの三人が引いた札って……」


「それにアレを見て、一矢君!!」


「今度はテルマ先輩ですか!? 一体どうしました!?」


「紅伊奈ちゃん、何か様子が変だと思わない? ずっと考え込んでいるみたい……」


 本当だ。紅伊奈らしくない顔をしているよな。

 一体、どうしたんだろうか?


 って、紅伊奈が走り出したぞっ!!

 それに結局、紅伊奈も俺の方に向かって来ているじゃねぇか!!


 でもその前に……



「一矢君!! いえ、ボス!! わっ、私について来てちょうだい!!」

「いえ、私について来てもらえないかしら!?」

「ハッハッハッハ!! バカな事を言うなお前達!! 布津野君はアタシについて来るって決まっているんだよ!!」


「え―――っ!? さっ、三人共、一体どんな内容の札を引いたんですか―――っ!?」


お読みいただきありがとうございました。


一矢を借りに来た三人の女子!!

彼女達は一体どのような札を引いたのか!?

まさか......?


そして遅れて一矢に向かって走り出す紅伊奈!!

何故、紅伊奈は出遅れたのか!?


どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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