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第133話 その提案、断る!!

 『体育祭』……。『文化部だけの裏ルール』……


 一体、どこのどいつがそんな提案をしたんだよ!?

 ほんと冷静に考えれば俺はともかく他の人達にはあんな『罰ゲーム』耐えれる訳無いよな!!


 うーん……これは困ったぞ……


「ねぇねぇ、布津野君?」


「あっ? そういえば何で羽和さんがうちの部室に来ているんだっけ?」


「だっ….だからぁぁ、私はその『裏ルール』を回避する方法を提案する為に今日は来たのよ!!」


「えっ、そうなの? それは有難いけど何でうちの部にそんなに親切にしてくれるんだ?」


「(ポッ……)そっ…それは私が『布津野ファンクラブ会長』だからに決まってるじゃない!! 私は布津野君が困った時にはいつでも現れるつもりなんだから!!」


 そんなに頻繁に現われられても困るんだけどなぁ……

 それにあまり大きな声で『布津野ファンクラブ』っていうのも言って欲しくは無いんだが……

 めっちゃ恥ずかしいし……


「一矢? 『布津野ファンクラブ』って何なの?」


 ほらっ!! 早速舞奈が食いついて来たじゃないか!!


「そ…それは、そのぉぉ……」


「あなたは『桃色ナイスバディ』でお馴染みの寿志光さんね? 私は『アクティ部 副部長』であなたと同じ一年『羽和布留名はわふるな』って言うんだけど、私は前から布津野君のファンで先日の『四大茶部総会』で他の『布津野ファン』と共に『布津野ファンクラブ』を発足したの。どう? あなたも布津野のファンだったら『ファンクラブ』に入らない?」


「だっ…誰が『布津野ファン』よっ!? 私は一矢のファンなんかじゃないんだから……ファンというよりも……(ポッ)……ブツブツブツ……ゴニョゴニョゴニョ……」


 何だ、舞奈の奴? 何を『ゴニョゴニョ』言っているんだろう?

……っていうか、


「おい羽和さん!! そんな事はどうでもいいから、早くここに来た理由を言ってくれないか!?」


「そっ…そうだったわね。私がここに来た理由は先程言った『裏ルール』における『罰ゲーム』から『ネガティ部』が回避する為に部員数名を『体調不良』という事にして『文化部対抗競技』のほとんどを『アクティ部』からの『助っ人』という形で私に出場させてもらえないかしらって事なの!! 実は私、『陸上競技』ならどんな種目でも負けない自信があるから!! どう? この提案、最高に良いと思わない!?」


 なるほどねぇ……

 そういう事かぁ……


 『陸上競技のスペシャリスト』の羽和さんが『助っ人』として参加してくれたら、俺達『ネガティ部』が『罰ゲーム』を受ける確率はグーンと下がるだろうな……でも……


「断る!!」



「 「 「え―――っ!!??」 」 」


「なっ…何で皆さんまで『えーっ!?』何ですかっ!?」


「だって一矢君、羽和さんが『助っ人』してくれたら私達は『罰ゲーム』を免れるかもしれないんだよ!! せっかくの申し入れを簡単に断るなんて……」


「そっ…そうよ布津野君!! 大石部長さんの言う通りよ!! 何で私の提案を断るの!?」


「そうよ、一矢君!! わ…私が周りからジロジロ見られて死んじゃってもいいの!?」


 テルマ先輩、そんな事でアナタは絶対に死にませんから!!


「一矢君……? 私は一矢君の事を信じて今まで来ましたが、この件についても一矢君なりの『作戦』があるのでしょうか……? もしあるなら私はそれに付いて行きますが……」


「美代先輩すみません。今回は俺、何も作戦なんて考えてませんよ。まぁこれから皆で考えようかとは思っていますが……」


「え―――っ!? 一矢君、それでは僕達は『罰ゲーム』をする可能性大じゃないか!? 僕の場合、もし変なメイクや女装をして街中を歩くとなれば、顔が路上側を向いているから僕の変な顔をまともに見られてしまうんだけど!!」


 顔の向きが気に成るなら早く『整骨院』なりに行って治せよ!!


「子龍先輩、その時は『ボーリング』の球を持って歩いてください!! ずっとピンに向かって転がすイメージを持ちながら!! そうすれば必ず顔は正面を向くはずですから!!」


「!! そっ…そうだね!! それは良い案だよぉぉ!! さすがは一矢君だ!! あっ、羽和さんだっけ? ぼ…僕もその『布津野ファンクラブ』に入会させてもらうよ!!」


「入会なんてしなくていいよ!!」


「でも何も作戦が無いのならウチの部が勝てる見込みは無いし、結局『罰ゲーム』は避けられないんじゃ……。私、これから凄く悩みそうだわ……」


 ガシッ ギュッ


「えっ? 何、何!? 一矢君、急に私の手を掴んで一体どうしたの!?(ポッ)」


「菜弥美部長、前に俺言いましたよね? これからは菜弥美部長の悩みは一緒に俺も悩むって……。だから心配しないでください!! 俺が常にサポートしますから!! 一緒に頑張りましょうよ!!」


「ひっ…一矢君……」


「それに俺は『インチキ』をして『体育祭』に臨みたく無いんですよ!! どうせやるなら正々堂々とやりたいです!! それにもし負けたとしても良いじゃないですか!? 『罰ゲーム』も楽しくやりましょうよ!? 皆でやるんだから、恥ずかしさもきっと半減しますから!! ねっ? 菜弥美部長……?」


「ひ…一矢君の言う通りだね……。私は部長としてとても恥ずかしいよ……。羽和さん、ゴメンなさいね。アナタの気持ちは嬉しいけど、『アクティ部』からの『助っ人』に頼らず私達だけで頑張ってみるわ……」


「えっ、え―――っ!? そっ…そんなぁぁ!! 私も何か一つだけで良いですから何かお手伝いさせてくださいよぉぉぉ!!」


「それじゃ羽和さん、『綱引き』だけはおそらく人数が足らないと思うからそれだけ『助っ人』として頑張ってくれないか?」


「つっ…『綱引き』ですって!? うーん……分かったわ……。布津野君がそう言うなら私、『綱引き』頑張るわ。って事はこうはしていられないわ!! 今から腕力を鍛えないと!! って事で私はそろそろ『アクティ部』に戻ります!! それでは皆さん、失礼しました!!」



 ガラガラッ パシャンッ


 今から腕力を鍛えるって……

 ほんと羽和さんは『パワフルな』人だな……

 ん? 『パワフルな』……『はわふるな』……


 はぁぁ……


「一矢君、本当に『アクティ部』の応援もらわなくて良かったの?」


「あぁ紅伊奈。俺はそれで良いと思う。インチキして勝ったって何の感動も無いし大した思い出にもならないしな……。それに俺は美代先輩が卒業するまで『最高の思い出』を作るって心に誓ったんだ。だからもし俺達が『罰ゲーム』をしなくちゃいけなくなったとしても、それはそれで『良い思い出』になると俺は思うんだ……」


「一矢君……。私なんかの為に……(ポッ)……」 


 ガバッ スリスリ……


「なっ…何だよ、紅伊奈!? 急に抱きついて来て俺にスリスリするんじゃねぇよ!!」


 むっ…胸が当たってるし……


「だって今の一矢君のセリフに私、『キュン』ってしちゃったから……」


「くっ…紅伊奈、一矢から離れなさいよ!!」


「そっ…そうよ、紅伊奈ちゃん!! 一矢君嫌がっているでしょ? 大至急、離れなさい!!」


 べ…別にそこまでは嫌がってる訳じゃ無いんですけど……


「嫌です!! あっかんべー!!」


「 「 「何が『あっかんべー』よ!! 離れなさーーーいっ!!」 」 」



 はぁ〜……


 こんなまとまりの無い『ネガティ部』がちゃんと『体育祭』で勝つ以前に、無事に当日を迎える事が出来るのか――――――っ!?


お読みいただきありがとうございました。


『体育祭準備編』はこれで終了です。

次回からは新章『名染伊太体育祭編』が始まります。

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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