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第13話 普通って言うな!

まさかの美代部長と舞奈は...

そして舞奈もまた..そういう性格で...

「えぇ―――っ!? お二人は従姉妹いとこなんですか!?」


「そうなんです。舞奈ちゃんは私の母の妹の娘さんなんです。ホント、私もビックリしました。まさか舞奈ちゃんがうちの学園に入学してるなんて…。そして先ほど聞いたのですが、今日初めて登校したという事も知りました」


「私もびっくりしたわ。美代お姉ちゃん...。何で私にこの学園にいる事を教えてくれなかったの? 私、この学園には誰一人知り合いがいないと思ってたから入学前からとても不安で不安で…。そうしたら急にお腹が痛くなってしまって、病に院行くと急性胃潰瘍きゅうせいいかいようだと診断されて......」


 なんてメンタルの弱い子なんだ!! 

 

 それに寿志光さんだって、美代部長にこの学園に入学する事を言ってなかったんだろ? 


 じゃあ『おあいこ』じゃん。


 それと、それだけメンタル弱いのに誰一人知り合いがいないこの学園を選んだのは自分なんだろ? …きっと...... 


 う~ん…、何だか謎めいてるよなぁ......

 まさに『名染伊太学園』にピッタリだわ!!


「私が舞奈ちゃん達にこの学園に通っている事を言わなかったのは、実はお母様の言いつけでして......。スミマセン…舞奈ちゃん......。わ...私が『ブス』で、『ドジ』で、『ノロマ』で、『面白い事が全く言えなくて』、『すぐに落ち込んで』、『お母様の言いなり『で……」


「わ~っ! 美代部長それくらいで! なんか全部出し切りましたよね!? これ以上自分を落としてしまうと更にネガティブな性格になってしまいますよ! なっ!寿志光さん、もういいだろっ!?」


「え...えぇ...。私の方こそゴメンなさい...。美代お姉ちゃんの気持ちも考えずに...。それに、叔母様はとてもプライドの高い方だから何か理由があるんでしょうし......。それなのに私ったら、美代お姉ちゃんを追い込むような事を言ってしまって......。私は本当に相手の気持ちを全く考えない『ブス』で、『デブ』で、『最低な女』だわ!!」


 二人ともブスブスうるせ―――よっ!!

 何、超美人同士で言い合ってるんだ!?


 学園の全女子には嫌味だぜソレ!!

 

 それに寿志光さんも美代部長に負けず劣らずのネガティブっぷりだなぁ!!

 

 さすが親戚同士だわ......


「まぁまぁ二人とも、落ち着いて落ち着いて…。ここで待ち合わせた理由はそんな事を言い合う為じゃ無いでしょ…? 俺と寿志光さんの『命』に関わる話し合いをする為だろ?」


「そ...そうだったね、忘れてたわ…。それで、布津野君は私の『モノ』になる気になってくれたの? …で、美代お姉ちゃん。『モノ』になるって、どういう意味か分かる?」


「えっ…『モノ』ですか? あぁ…、それはですね…『仲間になってください』って事ですよね…?」


「『仲間』? そうなんだ、『お友達』って事よね? それなら良かったわ......。何かホッとしたわ......」


 オイオイオイオイ!!

 二人とも『モノ』の意味知らないのかよ!?


 どれだけ『ウブ』なんだよ!!

 

 それに美代部長!!

 『モノ』の意味も知らずに俺を部活に誘っていたの―――っ!?

 

 それに寿志光さん、ホッとしたって......

 一矢は何だかショックです……


「それなら簡単だわ。布津野君、良かったら…いや、死ぬのは絶対に嫌だから、何が何でも私とお友達になって下さい!! 宜しくお願いします!!!!」


「えっ? そ...それは別に良いけどさぁ......。お...俺なんかが友達で良いの? まずはクラスの女子達と仲良くした方が良いんじゃないの?」


「あぁ、それは別に良いわ。私は昔から何故か同級生の女子達とお友達になれなくて......。何故だか皆が私の事を避けちゃうの......。寂しいけどもう慣れちゃったし......。それに一週間遅れで登校したから今更グループにも入れそうにないし......。だ...だから、お友達は布津野君だけで良いわ!!」


 え―――っ!?


 おっ...俺だけで良いの!?

 マジかっ!!??


 さっき俺の心は奈落の底に落ちかけたけど、まさかの再浮上だぜ!!

 

 あと恐らく、寿志光さんが友達出来ないのは子龍先輩と同じ理由だわコレ......




「おーい!! 美代部長に一矢君、部室にも来ないで、そこで何してるんだ?」


 わ~っ!! 菜弥美先輩達来ちゃったよ!!

 中庭にネガティ部員が勢揃いしちまった......


「あれ? 見かけない子が一人いますね? 二人の知り合いですか?」


「えぇ、そうなんです。この子は舞奈ちゃんと言って、私の従姉妹なんです」


「へぇ〜っ!! いっ...従姉妹ですか!? これでスッキリしましたよ。さっきから「誰だろう」って思って考えてたら、また悩みが増えそうになってたんで......。どおりで美代部長の親戚なだけに美人さんなんですね。あ、私は大石菜弥美おおいしなやみって言うんだ。よろしくね、舞奈ちゃん」


 菜弥美先輩、それくらいで悩まないで下さいよ!!

 ホントマジでッ!!


「私はテルマ…。苗字は言いたくないから、一生聞かないでね......」


 テルマ先輩、相変わらず苗字を気にし過ぎてるよなぁ~......

 まぁ、そういう俺も俺なんだけど......


「ぼ...僕は、仁見子龍ひとみしりゅうって言うんだ…。よっ…よろしく......」


 あぁ…子、龍先輩はやはり、ここでも『沈黙の四五度』なんですかっ!?

 沈黙はしてないけどさ......


「み...皆さん初めまして…。私は寿志光舞奈すしこうまいなと言います。布津野君とは同じクラスで、たった今、お友達になったところです。いつお友達を解消されるか分からないので少し不安ですが、頑張りたいと思っています」


 解消って…どんだけ『マイナス思考』なんだよ!?

 まぁ仕方ないんだけどな!!


 ガヤガヤ…ガヤガヤ……


 わ~、何だか中庭を眺めている生徒がメチャクチャ増えてるぞ。

 それに、全員が俺達を見ているし......


 そりゃそうだわな。なんてったって、学園トップクラスの美男美女が一同としてこの中庭に集結してるんだからな!!


「わぁ〜見て~!! ネガティ部の人達よ!! はぁ〜、子龍君やっぱり素敵だわ~!!……でさ、隣にいるあの普通の子は誰なの?」


「お~! 残念部長の落子先輩達だ!! いつ見ても、相変わらずの凄い美人だなぁ~……んで、あの隣にいる普ッ通〜の奴は誰なんだ?」


「なんか見た事無いけど凄いナイスバディで美人がいるぞ!! あの子はネガティ部の新入部員かな!? それにしても、その横にいる普通の子は誰かな?」


 ・・・・・・・・・・・・


 普通普通普通ってうるせ――――――よ!!!!

 俺にメッチャ失礼過ぎるだろーが!!!!


 しまいに俺も落ち込んで悩んで気にし過ぎて首を四五度に曲げてやるぞ――――――っ!!!!

読んで頂きありがとうございます。

また感想いただけると嬉しいです。

次回もお楽しみに~(^_-)-☆

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