第123話 買いすぎだろっ!そして、えっ!?(挿絵有り)
遂に一矢と『ネガティ部女子』プラス子龍とのデート開始です!!
一体、どんなデートになるのでしょう......
とうとうこの日が来てしまった……
そう、今日は『ネガティ部女子』達と順番に俺が『デート』をする日なのだ。
あっ、ついでに子龍先輩ともだったな……
はぁ……。なんだか気が重いぜ……
べっ…別に俺が今まで一度もデートをした事が無いから、メチャクチャ不安だって事では無いからなっ!!
紅伊奈以外は俺の事を好きでも無いのに、何故俺なんかとデートをしたがるんだろうかと思っていたんだよ。
でも、よく考えてみたら皆、俺と一緒で今回が人生初のデートみたいだから、一回そういうのを経験してみたいんだろうなぁって思ったのさ。
まぁ、この俺を『練習台』にしてなっ!!
で、そう思った俺は『練習台』としての自分の責任の重大さに今頃気付いてしまって、それがプレッシャーで凄く気が重たくなってきたんだよなぁ……
俺とデートをしても全然楽しくないなんて思われたくないもんなぁ……
まぁ、とりあえず『トップバッター』が唯一俺の事を好きらしい紅伊奈で良かったぜ……
他の人達よりは少しだけ気が楽だ......
てなわけで、バイトも無事に終わり、俺は徒歩数分で来れる『ショッピングモール』に来ている。
俺は金曜日に部室でルイルイに渡された今日の予定表通りに動くんだが、まずはルイルイの指定通りに一階の何故か『下着売り場』の前で紅伊奈を待っている。
なんかメチャクチャ恥ずかしいじゃねぇか!!
女性客にジロジロ見られてるし……
ルイルイの奴、絶対に俺を辱める為に仕組んだじゃないのか!?
恥ずかし過ぎて耐えれないぞ!! マジで紅伊奈、早く来ないかな……
「一矢君、お待たせ……」
「おっ…おぉぉ紅伊奈、俺は心の底からお前を待ってたぞ!!」
「えっ? そ…そうなの(ポッ) 遂に私の気持ちが一矢君に通じたのかしら!?」
「いっ…いや、別にそういうつもりで言った訳では無いんだけども……」
でも紅伊奈の私服姿を初めて見たが、やっぱメチャクチャ可愛いよな……
それに大きな胸を強調する様な服を着ているしな!?
ホント、舞奈と良い勝負だぜ……
「一矢君、さっきから私の胸ばかり見ているけど、ほんと男子って女子の胸が好きなのね?」
「バッ…バカな事を言うな、紅伊奈!! お…俺は別に胸が好きな訳ではないぞ!!」
「フフフ……。焦った顔の一矢君も可愛いわね。そういう顔の一矢君も私、大好きよ……」
チッ、紅伊奈にまんまとハメられた気分だぜ!!
「そんな事よりも、他のみんなもルイルイが決めた場所で待っているのか?」
「うん、そうだと思うわ。でもさすがにまだ時間があるから、この時間に来てるのは舞奈くらいじゃないかしら? もうお腹が減って我慢できなくなって『フードコート』で一食分くらいは食べてるかもしれないわね。フフフフ……」
わっ、なんだ? この最後の悪意のある笑いは……
「それで今日、紅伊奈は買い物をするんだろ? 急に痩せたから着る服が足らないって聞いたけど……」
「そうね。ほんと、一矢君のお陰でえらい出費だわ……」
「おっ…俺のせいにするなよなっ!! お前が勝手に痩せたんじゃねぇか!!」
「フフフ……。冗談よ。そんな事よりも時間も無いから早く『下着売り場』に入りましょ……」
「バ…バカな事をあっさりと言うな!! 何で俺まで『下着売り場』に入らないといけねぇんだよ!?」
「だって私と一緒に入れば恥ずかしさも半減するわよ。男子としては『下着売り場』って興味あるでしょ?」
「あっ…ある訳ねぇだろ!! た…多分……。そっ…それに紅伊奈と一緒に入ったところで俺の恥ずかしさは全然変わらねぇよ!!」
「えーっ!? そうなのぉぉ? せっかく一矢君に私の『下着』を選んでもらおうと思ってたのに……。最初から私の計画が狂っちゃうわ……」
「変な計画を立てるんじゃねぇよ!! それに紅伊奈は急激に痩せても、胸はそのままの大きさなんだから別に下着なんて買わなくても良いだろ!?」
「一矢君、よく私の胸のサイズが前と同じだって分かったわね? やっぱり毎日私の胸を観察してたのね? なんだかとてもイヤラシイわ……」
「ちっ…違う違う、誤解だ!! 観察なんてしてねぇし!!」
「フフフ……。冗談よ……」
紅伊奈のやつ、さっきから笑えねぇ冗談ばかり言いやがって……
「あっ、一矢君。ちょっと耳をかしてくれないかな? 別に胸のサイズは変わってないから良いんだけどね……」
「ん? なんだ??」
(小声)「でもお尻のサイズは小さくなったから、新しい『パンティー』は買わなくちゃいけないのよ……ウフ……」
「ウガッ!!!!」
別に俺の耳元で言わなくても良い事じゃねぇかっ!!
だっ…ダメだ!!
今日の紅伊奈はいつもの紅伊奈じゃねぇ!!
いつも俺に攻めて来る感はあるけどさ……
今日は更に『攻撃的』だし、なんといっても『エロい』!!
はぁ……。俺は最後までもつのだろうか……
【四十分後】
「くっ…紅伊奈、いくらなんでも買い過ぎじゃないか!? 大丈夫なのか??」
「えっ? 大丈夫よぉぉ。まだまだ買い足りないくらいだわ。でも一矢君はこれ以上、私の荷物持てそうにないから、今日はこれくらいで止めておくわ……」
「まだ買い足りないのかよ!? 恐ろしいやつだな!! っていうか今は俺が紅伊奈の荷物を持っているからいいけどさ、あと少ししたら俺は舞奈が待っている『フードコート』に行かないとダメだから、俺は『ショッピングモール』の前までしか荷物を持ってやれないぜ。こんな沢山の荷物大丈夫なのか? それともタクシーで帰るのか? タクシー代はあるのか?」
「フフフ……。本当に一矢君は『普通』に『心配性』でとても『優しい』わね……『誰に対して』もだけど……。まぁ、そういところ全てが私は好きなんだけど……」
「『普通』は余計だろっ!! でも本当に大丈夫なのか?」
「一矢君、私が『ネガティ部』に入部する前はどの『部』に入っていたか忘れたの?」
「えっ? あぁ、『エグゼクティ部』だったよなぁ……って事は!?」
「そうよ。『エグゼクティ部』は『お金持ち』の集まりなの。一応、私の家も『お金持ち』なのよ。もうすぐパパの会社の運転手が迎えに来るから大丈夫よ。でも心配してくれてありがとね(ニコッ)」
はぁ、良かった……。
言われてみればそうだったな。
紅伊奈も『金持ち』なんだよな。それにどこから見ても『金持ち』そうな『海藤前会長』とも従兄妹同士だしな……。納得だわ……
【ショッピングモール前】
「あっ、お迎えの車が来たわ」
「紅伊奈、気を付けて帰れよ」
「うん、一矢君も引き続き頑張って……いや、頑張らなくてもいいわ。他の人達とは適当でいいから……」
「ハハハ……。そんなわけにはいかないだろう……。でも今日はありがとな。なんやかんやと楽しかったぞ。女の子がどんな服が好きなのかとか、どんなお店で買うのかとかも勉強になったしな……」
「フフ......。まぁ、デート時間が一時間しか無いのは不満だけど……、でも私も楽しかったわ。一矢君、今日は私とデートをしてくれて有難う……。あっ、そうだ。一矢君、ちょっと顔を横に向けてくれるかな?」
「えっ? なんだよ? ……こうか? これでいいのか?」
チュッ
えっ…え――――――ッッ!!??
ほっ…ほっ…ほっぺに……キッ…キッ……!!!!
「生まれて初めて私と『デート』をしてくれたお礼よ。皆には内緒にしておいてね。それじゃぁ、バイバイ、また明日学園でね」
ブオォォォォ――――――ン…………
俺はキスをされた右の頬を抑えながら、茫然と紅伊奈を見送っていた。
そして『ショッピングモール』前の広場にある時計台の音が鳴り響く。
ボ―――ン ボ―――ン
!!??
茫然と『ボ―――ン』って聞いてる場合じゃないぞ!!
もう一時じゃねぇか!!??
ヤバイ!! 遅刻だっ!!
早く『フードコート』に行かないと!!
舞奈に殴られちまうじゃねぇか――――――ッ!!!!
お読みいただきありがとうございました。
いかがでしたか?
紅伊奈ちゃん、かなり攻撃的でしたよね?
そして別れ際の......チュッ......(⋈◍>◡<◍)。✧♡
『ネガティ部!(略)』初のキスシーンでございます(笑)
残りの部員達は一矢にどんなアクションを起こすのでしょうか?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆




