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第122話 デートの順番なんかどうでもいいだろ!

新章スタートです!!

 何とか無事に『四大茶部総会』終えた俺達は十月に入り、遂に『新体制』がスタートした。


 順調にスタート出来ると思っていた俺だったが、一つだけ『問題』が残っていた事をすっかり忘れていた。


 そう、俺は『ネガティ部女子達』と『デート』をしなければならないのだ!!

 うわぁぁああ、どうする俺!?


 デートなんて、今まで一度もやった事の無い俺が『性格に問題がある』彼女達をちゃんとエスコート出来るのだろうか!?


 それに全員『美人』ばかりで俺みたいな『普通』の男と一緒にいたら、はたから見れば釣り合わないだろうしなぁ……。あっ? 俺今、サラッと自分の事を『普通』って言ったよな?


 まぁ、そんな事は今はどうでもいいよな……


 はぁぁぁ……。しかし考えただけで不安でしかたがない……



 【ネガティ部 部室にて】


「という事で、まず一矢君とデートをするのは『言い出しっぺ』のわたくし、紅伊奈だと思うのですが、どなたか反論はありますか?」


「しっ…仕方無いわね。一番は紅伊奈に譲るわよ。でも二番目は私で良いですよね、皆さん!?」


「いやいや、舞奈ちゃん……。そんな勝手な事は『新部長』の私が承知出来ないなぁ……。逆に『新部長』からスタートの方がスムーズじゃないかな?」


「菜弥美こそ、何を勝手な事を言ってるのよ!? いきなり『部長の権力』をかざさないでくれるかしら!? それなら『部長候補から脱落』した可哀想な私からスタートの方が綺麗じゃないかしら!?」


「あ…あのぉぉ……皆さん……。私みたいなのがとても言いにくい事ではあるのですが……。『前部長』として『お疲れ様』という意味も込めて、私が二番目という事でいかがでしょうか……?」


「みっ…美代お姉ちゃん、ズルいわ!! そんな事言われたら誰も反論出来なくなっちゃうじゃない!!」


「ご…ゴメンなさい。舞奈ちゃん……。私みたいなのが出しゃばり過ぎてしまって……」



 なっ…何なんだ、この人達の会話は!?

 たかがデートの順番くらいで、よくこれだけ揉めれるよな!?


「もう、『ジャンケン』かなにかで決めれば良いじゃないですか!? 恐らく話し合いしても、決まらないんじゃないんですか? いくら時間があっても足りない気がするんですけどね!!」


「そっ…そうよね。一矢の言う通りよね……」


「ゴメン、一矢君……。私も『新部長』として少し恥ずかしい気持ちになったよ。どうだろう皆? 一矢君の言う通り、ここは『ジャンケン』で順番を決めないか?」


「 「 「 異議無――――――しっ!!」 」 」


 ふぅぅ……。やっと話がまとまりそうだぜ……

 しかし、こういう時の女子は怖いよな……


「ちょっと良いかな、一矢君……?」


「何ですか、子龍先輩?」


「紅伊奈ちゃんが一番って事に反論も無いし、順番もどうでもいいんだけどさ、僕は違う意味で反論したいんだよ!!」


「ほぉぉ、どんな反論ですか? 一応お聞きしますが……」


「僕の反論はね、何故一矢君とデートをする事を出来るのが女子だけなんだという事だよっ!! 別に男子の僕だって一矢君とデートしたって良いじゃないか!!」


「子龍先輩、俺がイヤなんですよ!! 何で『野郎』とデートをしなくちゃいけないんですか!? 気持ち悪いんですよっ!!」


「僕は別に『野郎』とデートして何か変な事を『やろう』と思っている訳じゃ無いからねっ!!」


 当たり前だろ!! ってか、『変な事』って何だよっ!?


「一矢君が嫌がるのは当たり前じゃない、子龍!! アンタ、デートの意味を分かって言ってるの?」


「なんだよ、テルマ!? じゃぁ、テルマはデートの意味を知っているのかい?」


「えっ? えぇ……、あ…当たり前じゃない……。勿論、知ってるわよ……多分……」


「ほぉぉ、それじゃぁ言ってみてよ」


「デ…デートというのはまず……一緒にお買い物したり……食事をしたり……、映画を観たり……カラオケとか行ったり……かな? ねっ…ねぇ、菜弥美?」


「えっ!? わっ…私に振るの!? でっ…でもそうね。今テルマが言った感じの事を二人でする事がデートじゃないの? そっ…そうですよね? 美代部長…いや、先輩??」


「わ…私はよく分かりませんが、恐らくそういった事を二人でする事ではないでしょうか……?」


「ですよねぇぇぇ!? って事はどれも男子同士で行っても何一つ問題の無い事ばかりじゃないですか!! それなのに女子だけって……。僕だって聖香ちゃんが当選する為に各教室を回って、やりたくもない事を我慢して頑張ったんだよ……」



「ハッハッハッハ!! シリシリ!! 要するにお前はダーリンと二人で遊びに行きたいだけなんだろ!?」


「そっ…そうなんです、ルイルイさん!! 僕は一矢君と二人で遊びに行きたいんですよ!!」


 子龍先輩、それを早く言ってくれよ!! 俺は恐怖のあまり、めちゃくちゃ『防御』に走ってしまったぜ!! 


「まぁ、さっきからお前達の話を聞いていたが、ホント、お前達は『恋愛』やら『デート』に関しては特に『クズの中のクズ』だなっ!!」


「ほっといてよ、ルイルイ!!」


「まぁまぁ、私の話を聞け。私はお前達がダーリンとスムーズにデートが出来る様に『デートプラン』を作ってきてやったんだ!! お前達の話し合いの結果次第では出さないでおこうと思っていたが、どうも無理っぽいからな!! それにお前達はダーリンの『プライベート』を知らな過ぎるしな!!」


「 「 「一矢君のプライベート!?」 」 」


 って事はルイルイは俺のプライベートを知ってるって事かよ!?


「そうだ、『プライベート』だ。お前達はダーリンが休みの日は何をしているのか知っているのか?」


「たしか、一矢君は休みの日は『アルバイト』をされていたんじゃなかったですか?」


「は…はい、そうです。『弁当屋』でアルバイトをしています」


「そうだ。ダーリンは休みの日でも忙しいんだよ。お前達とデートなんかする時間が無いくらいにな!! でも今度の日曜だけはバイトは朝八時から十二時までで終わりなんだ!! その日だけ午後が空いているんだよ。って事は、その日の午後しかお前達がダーリンとデート出来るチャンスは無いって事だ!!」


「ルッ…ルイルイ!! アンタ、詳し過ぎねぇかっ!?」


「フフフ……。ダーリン、私をあなどっちゃぁダメだぞ……」


「あなどってねぇよっ!! 俺の事、知られ過ぎてビビってんだよっ!!」


「まぁ、そんな細かい事は気にするな、ダーリン。それでだ……。私はこの日の十二時から、一時間置きにお前達が順番にデートが出来る様なプランを考えてきた。どうだ? この際、私のプランに乗らないか? どうせ考えたってお前達じゃぁ無理だろぉ〜?」


「ルイルイ? 何でアンタがそこまでするんだ? また何か企んでいるんじゃねぇだろうな!?」


「ハッハッハッハ!! 『今回』は何も企んではいないぞ、ダーリン。私は純粋にお前達に『デート』ってのを経験して欲しいだけだ!! 『普通』の高校生らしい事を今しておかないと、先で後悔する事になるからな。まぁ、私みたいにな……」


「ル…ルイルイ……。今日はなんだかルイルイが『先生』に見えてきたぞ……」


「私は『先生』だよ!! ダーリンも失礼な事を言うな!? ハッハッハッハ!!」



 そして『デート』をした事が無い俺達は大して悩む事も無く、満場一致でルイルイの考えたプランに乗る事にした。


 で、ルイルイの考えたプランがこれだっ!!


 まず、『デート先』は俺がバイトをしている『弁当屋』から直ぐ近くにある『大型ショッピングモール』となった。


 そして一番手の紅伊奈と俺は十二時からその『ショッピングモール内で買い物』……

 「急激に痩せたから服を大量に買う」って言ってるぞ!!


 十三時からは舞奈と『少し遅めのフードコートで昼食』……

 「食べ過ぎて気持ち悪い」って言わないだろうな!?!?


 十四時からは子龍先輩と『ボーリング』……

 あの顔の向きでボーリング出来るのか!?


 十五時からはテルマ先輩と『カラオケ』……

 テルマ先輩、もしかしてマイク持ったら豹変するって事は無いよな!?


 十六時からは菜弥美新部長と『喫茶店でお茶』……

 きっと『悩み事』を沢山、聞かされるんだろうな!!


 十七時から美代前部長と『映画鑑賞』……

 ってか、映画を観てたら美代前部長と全然会話出来ないじゃないか!?



 そして映画終了後から……?


 ルイルイとエンドレスで『〇▽×◇□×〇』……!?


 って、ルイルイ!?


 何をどさくさ紛れに、デートプランに自分まで盛り込んでいるんだよ――――――っ!!??


お読みいただきありがとうございました。


やっと、遂に122話にして『ネガティ部』の日常回みたいなものが書ける所まできました(笑)

果たして『デート』などしたことの無い彼等にちゃんとした『デート』が出来るのでしょうか?

次回をお楽しみに(^_-)-☆

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