第12話 似た者同士、引き付け合うんだなっ!
新キャラ「寿志光舞奈」ちゃん、超美人でナイスバディ
ビッチと思われているが実はぼっち気味...
果たして彼女はどんな性格なのでしょうか?
チョッ...チョット寿志光さん!?
今何て言ったの!?
俺の耳には『私のモノになって』と聞こえたんだが......
まさか、そんなハシタナイ事は言わないよな......??
「ふ...布津野君お願い! わっ...私の『モノ』になってくれないと困るの!!」
えぇ―――っ!?
やっぱり聞き間違いじゃないのか―――っ!!
君...、ホントにソレ言ったのね......?
うわ~…それもクラス中の皆に聞こえる位の大きな声でだよ......
マジでアンタ度胸あるね~…って言ってる場合かっ!?
「チョッ...チョットちょっと待ってくれ寿志光さん! 言ってる意味がまだよく分からないんだが......??」
…ん?
でも待てよ...。
俺もさっきまで頭の片隅に全く同じワードがあったような......。
も...もしかして…アレか?
い...いや、まさかなぁ…『学校や会社で初めて出会った人をモノにしないとあなたは死ぬでしょう』……
はっ!!
寿志光さんはまさに俺にとって『モノ』なのかっ!?
いやいやいや~!!
それは彼女に失礼だろう......
流石の俺もそこら辺はちゃんとわきまえてるぜ。
で...でも……
「お願い布津野君! 私の『モノ』になってくれないとホントに困るの…。わっ... 私、死にたくないのっ!!」
えぇ――――――――ッ!!
やっぱりそうなのか!?
寿志光さんも俺と同じくテレビの占いを聞いたんだな!?
って言うか、俺と同じ蠍座だったのか!?
何だか運命を感じるな!
って、そんな事思っている場合じゃないよなっ!?
「おっ...俺だって死にたくないよ! 占いなんて俺は信用してないけど、なんか気になるじゃん! だからさっ、意味はわからないけど寿志光さんこそ俺の『モノ』になってくれよ!!」
ウワ―――――ッ!
ついに言ってしまった!
俺は思いがけず、なんて事を言ってしまったんだ!!
ほらっ!!
自分が言うのは良いけど、俺みたいな奴に言われると急に勢いが止まって我に返り、自分がどれだけバカな事を言ってたんだと気付くんだよ......
「布津野君! お願いだから私の『モノ』になって!!」
…って、え―――っ!?
全然気付いてないよ、この子は!!
「わ...わかったから寿志光さん…少し落ち着こう…ここは一つ、お互い冷静になって話し合わないか?」
「そ...そうだね…。私とした事が…。ゴ...ゴメンなさい......」
「あの~二人とも~...、ちょっとよろしいかな~?」
ん?
「なんだモブオか...。急に何の用だよ?」
「あのさ~二人とも。あのな? お互いに自分の『モノ』になれとか言い合ってるけどさ、それぜ〜んぶクラス全員が聞いちゃってるから、そこら辺覚悟よろしくね~」
ワ――――――――ッ!!!!
なんてこった!
そうだった!!
ここは教室の中だった!!!
ヤッ...ヤバイぞ…皆が俺達の事、絶対変な目で見てるぞっ!!
寿志光さんの事はきっと、見た目通りの『ビッチ』だと思っているだろうし、俺の事はきっと『普通のクセに己を知らない無謀な奴』とでも思ってるんだろう!?
って普通は余計なんだよ!!
「モブオ…、そ...そうだな。忠告感謝するよ。あのさぁ、寿志光さん...。まだ一日ほど時間あるから、続きは放課後にしないか? その方がお互いに何かと都合が良いような気がするんだが......」
「そ...そうね。そうしましょう。私も今日が初登校だし…、授業もちゃんと受けないと勉強ついていけなくなるし…、テストで赤点取るかもしれないし…、そうなると留年するかもしれないし…、最後に留年が嫌で中退するかもしれないし......」
イヤイヤイヤ!!
まだ入学して一週間しか経ってないんだから、今からそこまで心配をする必要はないだろ!?
彼女もかなりのネガティブだな!?
あっ!
そういえば彼女の名前…『すしこう まいな』だったよな??
ハイハイ皆さん、彼女の名前、名前から苗字へ続けて読んであげてね~!!
「よし、それじゃあ放課後に、学園の中庭のベンチで『この件』についてゆっくり話そうか......?」
はあぁぁぁぁ......
今朝は疲れたな~......
っていうか、入学してからずっと疲れっぱなしだぜ。
全然心が落ち着かないわ......
まさか寿志光さんもあの占い聞いていたとはな......
それも俺と同じ星座で、お互いに初めて出会った人を『モノ』にしないと死ぬなんて......
あまりにも非情過ぎるじゃないかっ!!
ん?
でも本当に非情なのか?
もしかしたら俺は、遂に彼女が出来るビックチャンスが来たのではないのか?
それも、あんなナイスバディの超美人と......ゴクリ......
いやいやいや!
期待なんかしてはダメだ!
今までの俺の人生を振り返っても女子にモテた事なんか一度も無いんだし......
いや、モテた事はあっな。それも年下から......
中学の時に何故か小学生から告白された事があったよな。
でもあまり嬉しい気持ちにはなれなかったけど......
何でだろう?
何で年下にだけモテるんだろうか......??
三日前にも、歩いていたら今度は突然、中学生に声をかけられたからなっ!!
いきなり『私とメル友になってください』って言われたから、俺はビックリして何となくだが怖くなってしまい、思わず逃げ帰ってしまったけど......
という事は、俺は年下にはそこそこモテるが、同級生や年上からしたら全然恋愛対象にはならないという事なんだろうなぁ.....
はぁ…、べ...別に良いけどさ......。フンッだ......
「布津野君! 待たせちゃてゴメンね!」
「一矢君、こんにちは......」
「お...おう…えっ?? …おぉぉぉおおお―――っ!?」
ビッ...ビックリした―――っ!!
なっ...何で美代部長が寿志光さんと一緒にいるんだ!?
いっ...意味がわからんぞ…??
でも...、もしかしたら……
似た者同士が引き付け合ったのか―――――――――っ!!!??
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