第118話 はっ、恥ずかしいじゃねぇか!(挿絵有り)
遂にあの『四大茶部総会』が再び開催されます。
そして今回は新キャラ続出!!
果たしてどんなキャラ達が登場するのか......
【名染伊太学園四大茶部総会開催前】
さぁ、いよいよ『四大茶部総会開催』だ。
な…なんか緊張してきたぞ。
しかし菜弥美先輩は俺以上に緊張した顔をしているなからな。
やっぱ、俺がしっかりしないとだな。俺は一度出席しているしからな。
それに今日は美代部長も一緒だから、まだ気分的には楽だからな……
「菜弥美先輩、大丈夫ですか?」
「一矢君、全然大丈夫じゃないよ!! 口から何か出て来そうな感じだよ!!」
「菜弥美先輩!! それだけは何とか我慢してください!!」
「菜弥美ちゃん、大丈夫ですよ。私は全然お役に立てない『ブス』で『ノロマ』で『頼りない人間』ですが、一矢君がいますからきっと大丈夫ですよ……」
みっ…美代部長、アナタは完全に人任せですね!?
ガラッ…ガラガラッ
「こんにちは海藤会長~。今日はお世話になります……」
「おぉぉ、来たか? 『ネガティ部』の『旧部長』と『新部長、副部長』が……。まぁ君達三名はそこの席に座りたまえ……」
「さぁ、どうぞこちらの席に……」
「あ…有難うございます。卯馬副会長……」
「しかし今回の『選挙戦』は非常に盛り上がったじゃないか。それも布津野君が『推薦』してくれた『和久塁聖香君』の頑張りのお陰だな……」
「そっ…そうですね。俺もまさか聖香があそこまでやれるとは思っていませんでした。でも、本当に聖香が勝てて良かったです」
「それにあの子の人事も見事だわ。敵同士だった仙道君を『副会長』に迎え入れるなんてね……普通なら絶対そんな人事はしないと思うわ。本当、頼もしい子が『新生徒会長』に就任する事になって私も安心だわ……」
「卯馬副会長、俺もあいつの人事には驚きました。それと引き続き『書記』は士余木先輩、『会計』は公認開先輩にお願いしたみたいですね?」
「そうみたいね。あの二人もまさか自分達が引き続き『生徒会役員』をお願いされるとは思っていなかったみたいで、とても驚いていたけど、和久塁さんから『是非、私を助けてください!!』って目をウルウルさせながらお願いされれば断れるはずがないからね…ウフ、本当にあの子は『やり手』だわ。さすが『布津野一派』の子ね……」
「卯馬副会長、ちょっと待ってください!! ふ…『布津野一派』って何なんですか!?」
「えっ? 知らないの? 学園中で有名よ。だって考えてもみなさい。いつの間にかアナタの周りには学園中の個性豊かな人達がドンドン集まって、一つの『派閥』が出来上がってきているのよ……」
「え――――――っ!? そっ…そんな事は……」
ガラッ…ガラガラッ
「おーっす!! 『布津野一派』の根津参上!!」
ねっ…根津先輩、な…何て事を……
「こんちわ~」「お邪魔します!!」
ん? 見た事の無い顔が二人……。あっ、この二人が『アクティ部』の『新部長と副部長』だな?
「ね…根津先輩、いきなり『布津野一派』って言いながら入って来ないでくださいよぉぉ!! もしかして廊下で聞いていたんですか?」
「ピンポーン!! 正解!! それに俺が『布津野一派』ってのは間違いじゃないからね~っ!! 俺は布津野君の事を凄く気に入っているからさっ!!」
「気に入ってもらえているのは有難いですけど、別に『布津野一派』ってのは勘弁してくださいよぉぉ……」
「まぁまぁ、そんな事は別にどうでも良いじゃないか!! それよりもこの二人を紹介させてくれないかい!?」
「あ…あぁ、そうですね。お願いします……」
「それじゃぁ、紹介させてもらうよぉぉ!! まず俺の右隣にいるのが『新部長』で二年の『針切 帝琉』で左隣が『新副部長』で一年の『羽和 布留名』だ。これから宜しく頼むよぉぉ!!」
「あっ、宜しくお願いします!!」
「こちらこそ宜しく、布津野君……。そして『新部長』の大石菜弥美さん!! 僕は今、根津部長に紹介してもらった『新部長』の『針切』です。ちなみに僕は『ダブり』じゃ無いからね!! だから大石さんとは間違いなく同い年だし、布津野君よりは一つ上だけだからねっ!!」
「オイオイオイッ、帝琉!! 今ここでソレ言う必要あるかっ!?」
「は…針切君……、こちらこそよろしくね……」
「うわぁぁぁ!! 嬉しなぁぁぁ!! 大石さんと初めてお話ができたよぉぉ!! 一年の時、同じクラスだったけど一度もお話した事無かったからさぁぁ!!」
「えっ? 同じクラスだったの? ゴメンなさい……、全然覚えていないわ……」
「ガッ、ガ――――――ンッッ!!!!」
こ…この人も根津部長に負けず劣らずの元気で明るい人だな!?
それにこの人もめちゃくちゃキャラが濃そうだけど、全然覚えていない菜弥美先輩もある意味、大したもんだな……
「針切先輩!! もう良いですか? ってか、もう十分ですよね? 私も自己紹介するので少し引っ込んでてもらえませんか!?」
「え――――――っ!? もう俺終わり!? で…でも分かったよ。羽和ちゃん怒るとメチャクチャ怖いからさぁぁ……。言われた通り、俺は引っ込んでます……」
なっ…何なんだ、この子は!?
一年なのにあの濃そうなキャラの針切先輩を黙らせるなんて……
そして怒るとメチャクチャ怖いって……
これからこの子とはあまり関わらない様にしよう……
「はっ…針切先輩!? ふっ…布津野君の前で何て事を言うんですか!? 私は全然怖くないですからっ!! ふっ…布津野君、本当よ!! お願いだから信じてちょうだい!!」
え――――――っ!?
なっ…何でそんな事、俺に言うんだ!?
それに顔を真っ赤にして、身体も何故かモジモジしているし……
「布津野君……」
「えっ? 何ですか、根津先輩?」
「実はねぇ、この羽和ちゃんはねぇ、布津野君の『大ファン』なんだよぉぉ!!」
「 「 「 え――――――っ!?」 」 」
「ねっ…根津部長!? 何で布津野君にバラしちゃうんですか!? 信じられない!! 根津部長、死にたいんですか!?」
こっ…この子、やっぱりこえぇぇぇぇ!!
「ふっ…布津野君、ちっ…違うのよ!! ファンはファンなんだけど……その……『愛』とか『恋』とか、そういうのじゃなくて……私はアナタの『プレイ』を惚れてしまったというか……なんというか……」
「 「 プッ…『プレイ』ですって!!??」 」
オイオイオイッ!? 見てみろ!!
『プレイ』なんて怪しい単語を使うから美代部長や菜弥美先輩がメチャクチャ反応してしまったじゃねぇかよぉぉ!!
「プッ…『プレイ』って何!? 俺、何か羽和さんに惚れられる様な『プレイ』をしたか!? それに俺は羽和さんの事、全然知らないしさ……」
「わ…私の事は知らなくて当然だわ……。だって私、『八組』だから……」
「八組? 八組といえば、うちの新入部員の『野家乃 紅伊奈』と同じクラスじゃないか?」
「そ…そうよ。あの子とは同じクラスで中学時代からの友人よ。それであの時に……」
「あの時?」
「そう、あの時よ。『ネガティ部』対『エグゼクティ部』との『ドッチボール対決』の時よ!!」
「え――――――っ!? あの時って……。俺は何一つ活躍してないぞ……」
「そっ…そんな事は無いわよ!! だってあの時、布津野君はそこにおられる越智子部長と二人、最後までコートに残っていたじゃない? それだけでも凄いと思ったけど、最後に投げた布津野君のボール……アレが私が布津野君の『ファン』になった『決め手』だったわ……!!」
え――――――っ!?
あの俺が投げた『最後のボール』って……
今、思い出しても恥ずかしくなるやつじゃねぇか!!
俺はあの時、前妻木先輩にパスをしようとしたのに、全然違うところに投げてしまったし、更にボールは高めにいってしまうしさ……
子龍先輩が『スーパージャンプ』をしてくれていなかったら、どうなってたか分からなかったよなぁ……
「いや、アレはさ……」
「あの時の布津野君のボールを見て私、凄く感動してしまったのよ!! きっと布津野君は前妻木先輩に普通にパスをすると花持先輩に読まれる恐れがあるから、あえて高めに、それも一番身長のある仁見先輩めがけてボールを投げたんだと思ったの!!」
うわぁぁぁ、この子……メチャクチャ勘違いしているぞっ!!
「そうよね!? 私もあの時の一矢君のパスは感動したわ!! 絶対に子龍にしか届かないくらいのパスを絶妙なところに投げていたものね!?」
なっ…菜弥美先輩まで何をおっしゃってるのかな……?
全然、絶妙なところじゃ無かったし……
「私もあの時、一矢君と同じコートにいて、それを感じましたねぇ……。一矢君には何か『策』があるに違いないと……。本当にいつも一矢君には助けられっぱなしですね……」
みっ…美代部長、アンタもかっ!?
「おーっ!! お二人もそう感じられたんですね!? 何だかとっても嬉しいです!!」
キャッキャ ワイワイ キャッキャ ワイワイ
オイオイオイッ!! 何か有りもしない事で女子三人が『キャッキャ ワイワイ』しているぞ!?
俺……、メチャクチャ恥ずかしいじゃねぇかっ!!
仙道先輩じゃ無いけれど、俺も穴があったら入りたい気持ちだぜ!!
ガラッ…ガラガラッ
「『布津野一派』の『一流芸術家、津田獏葉様』が来てやったぞっ!!」
「つっ…津田部長、アンタも廊下で待機してたのかよっ!!??」
お読みいただきありがとうございました。
今回は『アクティ部』の新部長&新副部長の紹介回みたいな感じになりましたが、今後のストーリーには欠かせないキャラ達ですので、あと数回はお付き合いくださいませ(笑)
それでは次回もどうぞお楽しみに~(^_-)-☆




