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第117話 聖女誕生!

遂に選挙結果が出ました!!

 『選挙演説対決』から数時間後、聖香の勝利が確定した。

 それも大差での勝利だぜっ!!


「み…皆さん、応援、本当に有難うございました!! 選挙に勝てたのは皆さんのお陰です!!」


「いっ…いやぁ、うちの部員達も苦手な事を我慢してかなり頑張ってくれたけどさ、やっぱりこれだけの大差で勝てたのは聖香の『実力』だと俺は思うぞ!!」


「そっ…そうよね!? 私もそう思うわ!! 聖香の様な子が友達でいてくれて、私とっても幸せよ!!」


「一矢君も舞奈もありがとう……」


「でも聖香……私はアナタが『生徒会長』になった途端に私みたいな『面倒くさい性格』の友達は邪魔になって、いつの間にか私の事を切り捨てるんじゃないかって想像しただけで、お腹が空いてきちゃったわ……」


 まっ…舞奈、お前考えすぎだろ!? っていうか、自分の事を『面倒くさい性格』っていう自覚はあったんだな!?


 それと何故、想像しただけでお腹が空くんだ!? 普通は痛くならいか!?


「舞奈、ストレスでの『やけ食い』は私の『専売特許』だからね!!」


 くっ…紅伊奈、別にそこを争わなくてもいいじゃないか!!



「しかし聖香ちゃん……。この二週間で学園の事を凄く調べられたのですね? 私の知らない事ばかりでとても驚きました……」


「美代部長、私も知らない事だらけでしたよ!! まさか一矢君のお父さん達が『四大茶部発足者』だっただなんて……ビックリです!!」


「私も美代部長や菜弥美と同じで驚いたけど、私が一番驚いたのは『イニシアティ部』が負けたら解散って宣言する事を読んでいた事や、『イニシアティ部』が活動してきた内容を前もって『エグゼクティ部』に移行する根回しをやっていた事だわ……。あれは『普通の子』では考えつかないと思うの……」


「そっ…そうだよな、テルマ!! 僕もアレは驚いたよ。しかし、それにしてもあの花持部長がよく引き受けてくれたよね?」


 ほんと、子龍先輩の言う通りだよ。あの花持部長がそんな面倒くさい事をよく引き受けたもんだな?


「その件は花持部長から提案してくれたんですよ。私が図書室で学園の歴史を調べている時に急に来られて……」


「そっ…そうなのか聖香?」


 し…しかしあの人は見かけによらず、『夏合宿』での『ビーチバレー大会』の提案といい、何かと先を読める『才能』があるんじゃないのか?


 まぁ、『ドッチボール対決』の時は『最悪』な人だったけども……



「おーい、君達お疲れさ~ん!!」「ご苦労だったな」


「あっ、根津部長に津田部長!! お疲れ様です!!」


「和久塁新生徒会長を推薦していたのは布津野君だったんだねぇ? さすが布津野君だよ!! 君は見る目があるね!!」


「そうだな。私もこの子の『演説』を聞いていて久しぶりに鳥肌が立ったぞ!! この子は間違いなく『一流』だっ!!」


「お…お二人共、そ…そんなに私を褒めないでください……。私、とても恥ずかしいです……」


「ハッハッハッハ!! 別に恥ずかしがる事なんてないさ!! 俺達は本当の事を言っているだけなんだからさ!!」


「それはそうと布津野君?」


「えっ? 津田部長、何ですか?」


「君はこの子にあんな『プロポーズ』みたいな事を言って口説き落としたのかい? フフフフ……」


「バッ…バカな事を言わないでくださいよ!! 『プロポーズ』って何なんですか!? お…俺は別にそんなつもりで聖香を生徒会長に推した訳では無いですよ!! いっ、いやマジで……」


 何か、美代部長達の目つきが鋭くなって俺を睨んでいる様に見えるのは気のせいか?


「ハッハッハッハ!! 冗談だよ、冗談……」



「ひ…一矢君……? でもこれから毎日、『生徒会室』には顔を出してくれるんだよね?」


「えっ? ま…まぁ、そうだな……。約束したもんな……」


「だったら私達も毎日、『生徒会室』に顔をだすわ!! ねっ? 皆さん!? それで構わないですよね!?」


「そっ…そうだな。ま…舞奈ちゃん、なかなか良い事を言うわね……」


「そうね。私も舞奈ちゃんの意見に賛成よ……」


「そ…そうですね。私達『ネガティ部』は聖香ちゃんの一番の『支援者』ですからね……」


「ん? 聖香ちゃん、何かガッカリした様な顔をしていないかい?」


「そっ…そんな事無いですよ!! 何を言ってるんですか、子龍先輩!? そう見えたのは子龍先輩の顔の向きがおかしいからじゃないですか!?」


「せっ…聖香ちゃん……、君も言う様になったねぇ……ガクッ……」


「キャハハハハハ!! ほんと、君達は面白い!! 『ネガティ部』は『一流』の集まりだな!! あっ、それはそうと......和久塁さん?」


「な…何ですか、津田部長……?」


「君は『四大茶部』の事を色々と調べた様だけど、布津野君の親父さんと名染伊学園長以外の残り二人の『発足者』の事も知っているのかい?」


「(ニヤッ……)ええ、知っていますよ……」


「ふ~ん…そっか、そっかぁ……。知っているのかぁ……」


「津田先輩? それがどうかされたんですか?」


「いや、布津野君。別に気にしないでくれ……。まぁ、いずれ分かるさ。うーん、そうだな。十一月に行われる『名染伊太学園祭』あたりでな……」


「そろそろ行こうぜ、津田ちゃん!!」


「おお、そうだな。それじゃぁまた、後ほど行われる『四大茶部総会』でな……」


 

 『名染伊太学園祭』……?


 その学園祭で一体、何が分かるんだ?

 『普通』の学園祭じゃないのか……?


 でもまぁ、この学園で『普通』の学園祭って事は無いよな!?



「ところで一矢君?」


「どうした、紅伊奈?」


「あのね。今回、和久塁さんは『実力』で選挙に勝ったとは思うのだけど、でも私達も一矢君に言われた通りの『作戦』を実行して頑張ったと思うのよ……」


「そっ…そうだな。それは紅伊奈の言う通りだ。本当に皆、頑張ってくれたと思ってるよ!! ありがとな……」


「それじゃあさぁぁ……、一矢君から私達に頑張った『ご褒美』をくれないかしら?」


「えっ!? ごっ…『ご褒美』だって!?」


「ええ、そうよ。『ご褒美』……。そうねぇ……『ご褒美』として、私達一人一人と一矢君が『デート』をするってのはどうかしら? どう? これ『名案』だと思わない?」


「デッ…デッ…デートだって――――――っ!!??」


「そうよ。デートよ。とっても良い案だと思わない?」


「いっ…いや待て、紅伊奈!! お前はともかく皆さんは俺なんかとデートをしたって全然『ご褒美』なんかにならないんじゃないのか!? 逆に『迷惑』になるんじゃないのか……!?」


「 「 「 「 異議無――――――しっ!!!! 」 」 」 」 


「え――――――っ!? マジですか!? っていうか、子龍先輩まで『異議無し』ってどういう事ですか!?」


 ちょっ…ちょっと待ってくれよぉぉぉ!!


 自慢じゃないが、俺は生まれてこのかた『デート』なんてした事無いんだよっ!!

 そ…それもこんな美女達と『デート』だなんて……

 はっ…恥ずかし過ぎるじゃねぇかっ!!



「あ…あのぉぉぉ、も…盛り上がっているところ、申し訳無いんだけどさぁぁぁ……」


 ん? この声は?


「せっ…仙道先輩!? どっ…どうされたんですか!?」


「い…いやねぇぇぇ、き…君達にお詫びを言わせてもらおうと思ってさぁぁぁ……」


「えっ? お詫びですか? 何のお詫びですか? 別に仙道先輩が俺達にお詫びをしないといけない事なんて何も無いと思うんですが……」


「そっ…そんな事は無いよぉぉぉ!! 僕がいくらパパに騙されたとはいえ、歴史ある、そして偉大な『四大茶部』を解散させようとしたんだからねぇぇぇ……。それに『委員会制度復活』みたいな脅し文句まで言ってしまってさぁぁぁ……、選挙に負けて初めて自分の愚かさに気が付いたんだよぉぉぉ……。恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいだよぉぉぉ……。本当にごめんなさい、反省しています……」


「せっ…仙道先輩!! 顔を上げてください!!」


「わ…和久塁さん……」


「ちょうど良かったです!! 私、仙道先輩に一つお願いがあったんです!!」


「えっ? こ…この僕にお願いだって……?」


「はい、そうです。実は仙道先輩に『副会長』になって頂きたいんです!!」



「 「 「 え――――――っ!? 」 」 」


「せっ…聖香!! マジで言ってるのか!?」


「ええ、マジよ。一矢君……」


「和久塁さん、な…何で僕なんかが君に『副会長』を頼まれるんだい?」


「今回の選挙戦では色々ありましたが、一つ分かった事は仙道先輩は純粋に『生徒会長』になりたかったという事です。学園を良くしたいという気持ちは伝わりました。だから私はそういう人に『副会長』をやって頂きたいですし、何の『ノウハウ』も無い私にとっては仙道先輩みたいな生徒会の事が詳しい方が近くにいてくれた方がとても助かります。だからお願いです!! 是非、『副会長』になって頂けませんか!?」


「わ…和久塁さん……グスン……あ…有難う……まさか君の口から『副会長』のお誘いを受けるなんて……。僕は嬉しくて、感動して涙が出てくるよぉぉぉ……。こんな僕なんかで良かったら是非、君の力にならせてもらうよぉぉぉ……。いや、是非ならせてください!! なんか君が光り輝いて見えるよぉぉぉ。こんな広くて美しい心を持つ君はまさに『聖女様』だよぉぉぉ……」 


「せっ…『聖女様』だなんて止めて下さい!! 恥ずかしいじゃないですか!! それよりも仙道先輩? これから宜しくお願いしますね!? ニコッ……」



 こうして聖香はついさっきまで『敵』だった仙道先輩を『生徒会役員』に迎え入れ、後にその事が学園中に知られた際、学園の全生徒からは『名染伊太学園の聖女様』と呼ばれる様になったのである……めでたしめでたし……


 ってか、俺はナレーターじゃねぇよっ!!!! 


お読みいただきありがとうございました。


この回で『生徒会選挙編』は終わりです。

いかがでしたか? また感想など頂けると嬉しいです。

どうぞ宜しくお願いします(*^▽^*)


そして次回からは『新章』が始まります。

『四大茶部総会』に『各部』と『生徒会』の新旧責任者クラスが勢ぞろい!!

久しぶりにテンテンも登場します(笑)


どうぞ次回も楽しみにお待ちくださいませ(^_-)-☆

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