第11話 お前、ビッチ、ぼっち、どっちなんだ!(挿絵有り)
いよいよ多田野は置いといて(笑)新キャラの登場です(≧▽≦)
果たしてどんな子なんでしょうか?
チュンチュン…チュンチュン…
う~ん もう朝かよ~…って、まだ六時じゃないか!!
こんな時間に目が覚めるなんて珍しいよな。
逆に疲れ過ぎて目が覚めたのか?
いや、それは無いな......
「母さんオハヨ~。あれ…? 親父は?」
「あら一矢、珍しいわね。こんなに早く起きてくるなんて…あ、お父さん今日は大阪に出張で朝早くから出かけたわよ」
へぇ、親父珍しいな。メチャクチャ仕事嫌いな人なのに出張だなんて......。全然似合わねぇな。
ん?
朝の番組なんて久しぶりに観るよなぁ…『今日の星占い』?
別に興味は無いけど、聞くだけ聞いてやろうか。
…で、蠍座の俺はどんな占いになってるんだ?
「蠍座のあなた......。会社や学校で初めて出会った人を絶対に『モノ』にしないと、あなたは『死ぬ』でしょう。絶対に『モノ』にしてください......」
「・・・・・・」
えぇ―――――――――ッ!!??
ホントにこんな占いがあったのかっ!?
全然知らなかった!!
美代部長が言ってた占いは、嘘じゃなかったんだ!!
『初めて出会った人を『モノ』にしないと死ぬ』……
ふっ...ふざけるな―――っ!!
バカにすんじゃねぇよ!!
お...俺がそんな占いを信じるとでも思っているのかっ!?
しっ…信じるわけねぇじゃねぇか!!
で、『モノにする』ってどういう事だ!?
変な事か?
イヤ絶対違うだろ!!
全然意味分からねーよ!!
もういい!!
少し早いけど......
いや、メッチャ早いけど学校行こ......
「次に、射手座のあなたは今日あなたの許から去って行く人を絶対引き留めて下さい。そうでなければお互いに死ぬでしょう......」
「勝手に言っとけ!!」
そして、俺はいつもより早く学園に行くのであった......
「一矢君。おはようございます」
「あっ、美代部長おはようございます。美代部長、今日はメチャクチャ早いですね?」
「そっ...そうなんです......。なんか今日は居ても立っても居られなくて、つい早く来てしまいました......」
「そうなんですか? 俺もなんですよ。朝からちょっと嫌な気分になって......」
「一矢君の嫌な気分になった理由がとても気になりますので、今日の部活でお話聞かせて下さいね?」
「あ...ありがとうございます。それじゃあまた、部活でお会いしましょう」
いや~、美代部長はなんて良い人なんだ〜…
やっぱ天使の様な人だよな!!
『ずっとこの人を守ってあげたい!!』っていう気持ちになってしまうぜ!!
ガラッ…ガラガラ~
やはり俺が一番乗りか......
一番乗りは小中校合わせても初めてだなぁ......
しかし、教室の中静かだよな~
最近落ち着いた生活をしていないから、たまにはこんな静かな教室で一人黄昏るのも悪くないよな......
ガラッ…ガラガラーッ…
ん?
誰か来たのか?
今日の俺みたいにこんな早い時間に学校に来る奴がいるんだな?…
でもなかなか教室に入って来ないぞ。
何でだろ?
俺がいるからかな?
人影は見える。そしておそらく女子だ。
一体誰だろう?
あっ!?
ようやく教室に入って来たぞ......
ん?
誰だあの子は?
全然見た事が無い子だぞっ!!
それに、何だかキョロキョロしてて挙動不審な感じで歩いているぞ......
あっ?
今、俺と目が合ったよな?
合ったと同時に俺に近付いて来るぞ!?
な〜んか怖いなぁ......
だっ…大丈夫なのか俺!?
アッ...アレっ?
俺の隣の席に座ったぞっ!?
も...もしかして、この子は......
「お...おはようございます。わ...私、本日、この学園に初めて登校してきた......」
「あっ! もしかして寿志光舞奈さん...だよね?」
「えっ…? えっ? えっ?? なっ...何で私の事をご存じなんでしょうか??」
「そ...それはそのぉ…、お...俺には便利な情報屋がいてさ、そいつの情報で事前に寿志光さんの事を教えられていたんだよ」
「そ...そうなんですか......」
しっかしこの寿志光さんのスタイルは何っ!?
メチャクチャ良いプロポーションじゃねぇか!!
こないだまで中学生だったとは思えない位の色気があって......
顔も美代部長達に負けず劣らずの美人だし、胸もめちゃくちゃ大きいし......
こっ…こいつ、絶対ビッチだな!!
イヤ、間違いなくビッチだ!!
…で、そんなビッチが何でこんな早い時間に登校して来たんだろうか?
「あっ、俺の名前は布津野一矢っていうんだ。寿志光さん、よろしくね......」
「はっ...はい! よろしくお願い致します。ふ...ふつの君......」
「寿志光さん。俺達は同級生なんだから敬語で話さなくて良いよ。タメグチで良いからさ」
そういえば、俺より二個も上の超美人が常に敬語なんだけど、まぁ今は別にいっか......
「ゴッ...ゴメンなさい…!! わっ...私、今日が初めての登校だから…、とても緊張していて……」
「そうだったね。緊張する気持ちは俺も良く分かるよ。俺の友達の『多田野』ってのが同じ学園にいなかったら、誰一人知り合いはいなかったし、俺も不安だったろうなぁ......」
「そ...そうなんだ......。実は、私はこの学園に知り合いが一人もいなくて…。だから、一週間も休んでいる間にクラスの中でグループが出来てしまって、急に私みたいなのが登校してきたら、グループの人達に変な目で見られたり、嫌がらせをされるんじゃないかと想像してしまうと不安で不安で......」
「いや、それは考え過ぎじゃないかな......?」
あぁ、でもあり得る事なのかなぁ...?
女子って特にそういう事があるかもしれないよなぁ......
男子よりもグループ作りたがるところもあるしなぁ......
グループの中で生き残る為には全然興味が無い話題が出ても『ソレな!』って言っていたら大丈夫だって前にモブオが言ってたな。
本当にそんなので生き残れるのか!?
「そ...それと朝の番組の.....」
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
あっ!
そろそろ皆来出したな。なんか俺に言いかけていた寿志光さんも、慌てて前を向いて座りだしたぞ。
うわぁ~、めっちゃ緊張してるよ。
俺の思い違いかな?
この子はどうやらビッチではないみたいだな……
あれから十五分くらい経つけど、やっぱり皆、寿志光さんが気になってジロジロ遠目で見ているぞ......
男はみんな鼻の下を伸ばしてるな!
どうやら思う事は俺と一緒だな!
でもなかなか近付いて来ないよな。
お互い牽制し合ってるのか?
そんなに牽制しなくても普通に声を掛ければ良いじゃん......
それに比べて女子達は......
数人で寿志光さんをチラチラ見ながら、何かヒソヒソと話しているぞ。
きっとあの感じだから良い事は言ってないよなぁ......
それに一週間でクラスの女子達のリーダーみたいになった子が一番見ているというか......
アレは睨んでるな…!!
あぁ〜コワッ。
あっ!
皆の視線に耐え切れず、寿志光さんが立ち上がったぞ!?
そして俺を見た!!
えっ、何で!?
そして俺に近づく!
まっ...マジかっ!?
「ふ...布津野君...。お...お願い、助けて!! わっ…私の『モノ』になってくれませんか!?」
???えぇ――――――――――――――――――ッ!!??
お前、『ビッチ』なのか『ぼっち』なのかどっちなんだよ――――――っ!!!?
最近、姪っ子に「ネガティ部!めっちゃ面白いわ!応援するわ!」って言われて喜んでいる叔父さんです。
もっともっと面白い内容を書いていくつもりですので皆さんよろしければブクマ&評価して頂けるとありがたいです。どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m




