第107話 新部長は〇〇先輩です!(挿絵有り)
新部長候補の子龍は脱落
そしてテルマも?
ということは......
「で、一矢君は何で私が部長に向いていないと思うのかな? 私が納得できる様な説明を五十文字以内でしてちょうだい……」
「え―――っ!? ご…五十文字以内で、ですか!?」
「えぇ、そうよ……」
テルマ先輩、なかなかの無茶ぶりだなっ!!
「そ…そうですねぇ……」
「今ので七文字ねっ!! あと四十三文字よっ」
「え――――――っ!? いっ…今のカウントするんですか!?」
「今のは『ギャグ』よ……」
またしても俺の上を行くギャグだなっ!!
っていうか、今のは『ギャグ』になるのか!?
まぁ、そんな事はどうでも良いんだけども……
う―――ん……。しかし、これはマズイな。
恐らくテルマ先輩は、子龍先輩の次に自分の名前が呼ばれるとは思っていなかったんじゃないのか?
だからテルマ先輩はそれを納得してなくて、俺に対してこんな態度をとっているんじゃないだろうか……?
よし、こうなったら……
「先輩は『超気にし過ぎる人』だから部長になれば周りからの視線に耐えれず直ぐに倒れるからです!!」
「あっ、四十九文字……かな……? 凄いじゃない。五十文字以内で言えたわね……」
「ふぅぅ……。あ…有難うございます。で、どうですか? 俺の説明で納得していただけましたか?」
「うん、そうね。納得は最初からしてたわよ……。到底、私なんかに『部長』が務まるなんて思っていなかったし……。でも、一矢君のサポートが有れば、こんな私でも『部長』が務まるんじゃないかと少しだけ思っちゃったから……」
へっ? そうなの??
な…何か可愛いぃぃぃ……
「で…でもテルマ先輩? なんだか俺に対して攻撃的じゃなかったですか?」
「フフフ……。 まぁアレね。一矢君がオドオドしたり、悩んだりする顔が見たくて、意地悪な言い方をしてみたかっただけなの。でもそんなに攻撃的過ぎだったかな? それは悪い事をしたわね……。ホント、ひ…一矢君、ゴメンね……。……ニコッ……」
くわぁぁぁあ~~~っ!!
何なんだ、最後に全てを忘れさせる様な、あっ…あの微笑みは~っ!?
何回も言ってしつこいようだけどさ…ほんと、マジでこの人は……
『金髪美少女小悪魔天使』だわっ!!
「あ…あのぉぉ……一矢君……?」
「あっ、はい、菜弥美先輩」
「さっきから、なかなか話に入り辛かったんだけど、よ…要するに一矢君は『新部長』に私を推してくれるって事で良いのかな?」
「はい、そうですよ。俺は菜弥美先輩が一番、部長に相応しいと思ってます」
「そっ…そうなんだぁ……。やっぱり私が『現副部長』ってのが理由なのかな? ま…まぁ普通はそうだもんね……?」
「まぁ、それもありますけど、他にも理由はありますよ」
「えっ、そうなの? どんな理由があるの?」
「それは、菜弥美先輩が『悩み多き人』だからです!!」
「でっ…でもソレって私の『欠点』じゃないの?」
「かもしれませんが、『超人見知り』や『超気にし過ぎ』に比べれば全然マシな方ですよ!!」
「オイオイオイッ! 一矢君、それは僕達に失礼じゃないの!? ぼ…僕は別に一矢君に何を言われても構わないんだけどさ、テルマが……」
「私も別に構わないわ。本当の事だし……」
「あっ、スミマセン。別に二人の悪口を言っている訳ではありませんので……。ただ、菜弥美先輩の『悩み事が多い性格』ってのは『部長』の仕事に、大して差し支えが無いと思うんですよ。だってそうじゃないですか。『部長』なんて仕事は絶対『悩み事』が付きものだと思いますし、菜弥美先輩が『部長』をすれば恐らく『菜弥美の悩み事ランキング』の上位は、ほとんど『部活関連』の事になると思いませんか?」
「そ…そうね……。多分、そうなると思うわ……」
「でしょう!? だったら問題無いじゃないですか!? 今後の菜弥美先輩の悩み事は副部長である俺の悩み事でもあるんですよ!! って事はですよ?お互いの共通の悩み事なんですから、常に相談し合う事が出来ますし、問題解決も早くなると思いませんか?」
「い…言われてみたら、そうよね……」
「俺は『超人見知り』や『超気にし過ぎ』な性格は治せないですが、『悩み多き人』の相談には乗れるって事ですよ。今までだってメールで菜弥美先輩の『悩み事相談』のやり取りしてきたじゃないですか。それと同じ事ですよ」
「ひ…一矢君……。私も菜弥美ちゃん以上に話に入り辛かったのですが、今の一矢君の説明を聞かせて頂き、『目からうろこ』ですよ……。さすが一矢君ですね。感動しました……」
「美代部長、有難うございます。で、どうですか、菜弥美先輩? 俺の説明で納得してもらえたでしょうか?」
「なっ…納得も何も……。私も美代部長同様に一矢君の話を聞いてとても感動しちゃったわ。それに『部長』になっても何とか頑張れる気もしてきたし……。いえ、絶対に頑張るわっ!!」
「おぉぉ!! 菜弥美先輩、有難うございます!! 来月から一緒に頑張りましょうね!!」
でも実は俺が菜弥美先輩を新部長に推したのには、他にも理由があるんだよなぁ……
前にも言ったが…誰に? まぁ、そんな事は良いとして、菜弥美先輩は俺の母さんの若い頃にメチャクチャ似ているんだよなぁ……
だから菜弥美先輩と居ると何となく落ち着くというか……。『悩み過ぎ』って事以外は普通に今どきの女子だし、それにこのメンバーの中では一番頼りになるもんなぁ……
本当は菜弥美先輩に『一番頼りになる』って言いたかったけど、他の先輩達の手前もあるから、次の機会に本人だけに言おうと思っているんだ。
「お前達、さっきも言ったが『新体制』は来月からだが、二週間後の『四大茶部総会』にはミヨミヨと新部長のヤミヤミ、新副部長のダーリンは出席しないといけないって事を忘れるんじゃないぞっ!!」
ゲッ!! そっ…そうだった!! 忘れていたぜっ!!
「ところでみんな? 一矢君はそう言ってくれているけど、私が次の部長になって本当に良いのかな?」
「全っ然、問題ないですよっ!! 私は大賛成です!! 菜弥美先輩の部長としての動きを来年に向けてしっかり見ていきたいと思います」
「あ…有難う…舞奈ちゃん……。何だかとてもプレッシャーを感じるんだけど……」
「私も問題はありませんよ。菜弥美先輩について行きますよ。まぁ私は入部したばかりで何も言う権利はありませんし、私の頭の中は一矢君と来年の事で一杯ですし……」
「ハッ…ハハハ……。く…紅伊奈ちゃんも有難うね……。色々と心配だけど……」
「私も菜弥美が部長をやる事に異議は無いわ。それがベストだと思う。それと子龍には聞くまでもないわ……」
「テッ…テルマ!! ぼ…僕にもしゃべらせてよ~っ!! ぼ…僕にも感想があるんだよ……」
「ふ…二人共ありがとね……」
「よしっ!! これで来月からの『新体制』が決まりましたね!? まぁ、今までと変わらず、楽しく部活動をやりましょう!!」
「 「 「 「 お――――――っ!! 」 」 」 」
「結局アレだね?」
「ん? 何ですか、子龍先輩?」
「結局、新部長は紅伊奈ちゃんと何も被っていない菜弥美に決まったんだなぁ…て思ってさ……」
「!!!!」
「ん? 一矢君? どうしたんだい、急に下を向いちゃって……?」
「しっ…しっ…子龍先輩……。せっかくその事をすっかり忘れていたのに……よくもわざわざ思い出させてくれたわね……? これで完全に部活終了後に子龍先輩は『ボコボコ』になるのが確定したわっ!!」
「ゲッ!! しっ…しまった――――――っ!? 僕も『ボコボコ』の事をすっかり忘れていたよ――――――っ!!!!」
はぁぁぁぁぁ……。 こ…この人は……
「ひっ…一矢君!! この恐ろしい状況を『新副部長』として何とかしてくれないかい!? おっ…お願いだよ!! ぼ…僕を…君の『傘下』のこの僕を…お願いだから助けてくださ――――――いっ!!!!」
あぁ、本当にこの人はバカだ。
超イケメンで勉強もできるけど、それ以外の一般常識は『超バカ』だ。
だからそんな『超バカ』は……
「舞奈にボコボコにされちまえぇぇ――――――――――――っ!!!!」
「えっ? えぇぇぇええええええ~~~っ!!??」
お読みいただきありがとうございました。
『新入部員&新部長誕生編』は次で完結予定です。
次の章は『生徒会選挙編』に突入します!
果たして『新生徒会長』は誰がなるのか!?
そしてその後の『四大茶部総会』に集まる各部の『新部長』はどんな人達が!?
今後も目が離せませんよ~(笑)
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