第106話 新部長は誰だ!?
紅伊奈の告白のおかげで、全員何か大事な事を忘れていませんか?
「ところで虫けら共、『新部長』はもう決まったのか?」
「 「 「 あ―――っ!! 忘れてたぁぁ!!」 」 」
そ…そうだった!!
今日の部活の『メイン』は『新部長』を決めるって事だったぜっ!!
「相変わらずお前達はミジンコ共だなっ!!」
「言ってる悪口の意味が分からねぇよっ!! っていうか、ホント口が悪いよな!?」
「ハッハッハッハ!! だからダーリン、そんなに褒めるなよ」
「ほっ...褒めてねぇよっ!!」
「でも......。ど…どうしましょうか? どうやって『新部長』を決めましょうか……?」
「美代お姉ちゃん!! ちなみに私は部長に立候補するのはやめたから!!」
「えっ? 舞奈ちゃん、そうなんですか?」
「うん、そうよ。私は今回ではなくて、来年部長になる事にしたの」
「美代部長…。お…俺が舞奈にお願いしたんですよ。来年も俺が『副部長』をやるから、舞奈には是非『部長』をやって欲しいって……」
「そ…そうなんですね? それは良かったです。これで来年は安心ですね? それでは今回の候補者は二年生の三人の中からという事になりますね......」
「ちょっと待ってください!! 来年でしたら私だって『部長』に立候補しても良いんですよね? 別に今から舞奈が『部長』になるって決める必要はないと思うのですが……」
「なっ…何よ、紅伊奈!? アナタ新人のクセに生意気な事言わないでよ!? 入部したばかりのアナタが『部長』になれる訳ないじゃないの!!」
「フフフ…。舞奈…。アナタは今、自分がとてもおかしな事を言っているって事が分かっているのかしら? 私は新人といってもアナタと同じ一年生で今日、入部したからといって数ヶ月しか変わらないのよ。それに来年になれば『部活動期間』なんて、ほとんど関係ないと思うんだけど……」
オイオイオイオイッ!?
何なんだよ、この二人は!?
せっかく舞奈にとっては聖香以外にも同い年の友達が出来ると思って少し喜んでいたのによぉ……
これじゃあ、まるで二人は『ライバル同士』……『犬猿の仲』じゃないかっ!!
「ま…舞奈、少しは落ち着きなさいよ。今ここで来年の話をしても仕方ないじゃない! 野家乃さん、アナタもよっ!! 今日は『今年の部長』を決める日なんでしょ!?」
聖香、ナイス!!
さすが俺が『唯一普通の性格で信頼できる女子』と認めているだけの事はあるなっ!!
「せ…聖香ゴメン……。聖香の言う通りよね……。私、ちょっと興奮しちゃって……。く…紅伊奈もゴメン……。少し言い過ぎたわ……」
「いえ、私の方こそゴメンなさい……。そして和久塁さんも有難う……。舞奈、来年の事は来年考えましょうか……?」
「そうね。来年に考えましょう……」
はぁぁぁ、良かったぁぁぁ……。一時はどうなるかと思ったぜ。
「でっ、どうするんだミジンコ共!? 『新部長』は一体誰がなるんだ!? ちなみに言っておくが『新部長』の最初の仕事は学期始め恒例の『四大茶部総会』に出席する事だからなっ!!」
「 「 「 えぇ――――――っ!? 」 」 」
そう言えば、そうだな。『四大茶部総会』は毎年三回、学期始めに行われるって前に言っていたよな。
こ…今回もアレかな?
『ネガティ部』だけは二人出席しても良いんだろうか?
「皆さん、そんなに驚く事はないですよ。だってそうじゃないですか? 他の部も、そして生徒会もメンバーが一新されるはずですし……。前の様なとても濃いキャラの方達ばかりではないと思いますので、少しは安心して出席できると思うのですが......」
「美代部長!! そっ…そうですよね? さすがにアレだけの濃いキャラが今度も集まるとは思えませんよね!? 絶対あり得ないですよね!? そっ...そんなのがまた集まったらソレはまさに『奇跡』としか言いようが無いですよ!!」
「ハッハッハッハ!! ダーリン、残念ながら今回の『四大茶部総会』は二週間後に行われる『生徒会選挙』終了後すぐに開催されるんだよ。だから『新旧の部長、副部長』及び『新旧の生徒会役員』全員が揃っての総会になる!!」
え――――――っ!?
最後の最後まで『あの人達』と絡まないといけないのかよ!?
はぁぁぁぁぁ……。気が滅入るぜ……
「そ...そう言えばモブオ?」
「え? 何だ?」
「お前んとこの『アーカイ部』の『新部長』はもう決まっているのか?」
「あぁ、結構前から決まっているぜ」
「へぇ......。で、誰なんだ? 俺達が知ってる人なのか?」
「うーん、そうだな……。少しは知ってるかもな。二年で『アーカイブ 放送担当』の『法曽 信也』先輩が次の部長に確定しているんだ!!」
「『ほうそ しんや』? ん!? あ…あの、『ドッジボール対決』で訳のわからん事ばかり言ってた奴かっ!? よぉぉく覚えているぜっ!! アイツは俺の事を『ボロクソ』に言ってたからなっ!!」
「ハハハ……。でも悪い人ではないんだぜ。どちらかと言えば後輩思いの優しい人だぞ......」
「フンッ! 俺には全然、優しくなかったじゃねぇか!!」
「で、ダーリン!! 『新部長』は誰にするんだ!?」
「いや待て、ルイルイ!! 何で俺に聞くんだよ? 俺はまだ一年だぞ。先輩達三人で話し合って決めたら良い事じゃないか!?」
「でもダーリンが次の『副部長』だろ? それならダーリンが一番やりやすい人間を『新部長』に任命すれば良い事ではないか?」
「ひ…一矢君……」
「えっ? 何ですか、菜弥美先輩?」
「ルイルイの言う通り、『新部長』は一矢君が決めてくれないかな?」
「え――――――っ!? おっ…俺が決めるんですかっ!?」
「う…うん……。私は一矢君が決めた『新部長』に従うよ。だって『新部長』になる人はやはり『副部長』がやりやすい、サポートしやすい人がやるべきだと思うし……」
「そうね。菜弥美の言う通りね。私も一矢君が決めてくれたら良いと思うわ」
テ…テルマ先輩まで……
「ひっ…一矢君!! 僕も君が決めた『新部長』だったら何も文句は言わないよ!! だって僕は君の『永遠の傘下』だからねっ!! ボス!!」
し…子龍先輩……
マジで一度、ぶん殴りましょうか……?
「皆さんが、そ…そこまで言われるのなら……。わ…分かりました。それじゃあ、俺が『新部長』を決めさせてもらいますね?」
「 「 「 オッケー!! 異議なし!! 」 」 」
「そ…それでは……」
うわぁぁぁ!! みんな凄い緊張した顔をしているぞっ!?
メチャクチャ責任重大じゃないか……
「子龍先輩!!」
「え――――――っ!? ボッ…僕が『新部長』なの!?」
「いえ、違います。子龍先輩が一番『部長』にふさわしくありません。だって、そうでしょ!? 『超人見知り』だし『顔は常に横向いてる』し……」
「で…でも今月から『整骨院』に通おうと……」
「致命的な理由がもう一つ!! それは子龍先輩は……子龍先輩は『トップタイプ』じゃなくて、どちらかと言えば『家来』タイプってところですね。そんな人が『部長』なんて到底無理ですよ!!」
「ガ――――――ンッッ!!」
うわぁぁぁ…子龍先輩、かなりショックを受けたみたいだな?
でも直ぐに復活させれるんだけどな……
「子龍先輩、そんなに落ち込む事は無いですよ。カッコ良く言えば子龍先輩は『参謀タイプ』なんですよ。ほらっ、子龍先輩のお父さんと同じ名前で『三国志』に出てくる『諸葛亮孔明』みたいな『軍師』って事ですよ!!」
「う…う…うぉぉぉぉおおおお!! 復活ぅぅぅううう!!」
自分で『復活』って言うなよっ!!
「そ…そっかぁ……。そうなのかぁ……。僕は『参謀』『軍師』タイプなんだね? そっかぁ……。一矢君、良く分かったよ!! 僕はこれから『一矢新副部長』の『参謀』として、命懸けで頑張るからねっ!!」
「しっ…『新部長』の『参謀』をしてくれよっ!!」
それに『命がけで頑張る』部でもないだろ!!
とりあえず子龍先輩は何とかできたぜ……
残るは二人……
「テッ…テルマ先輩!!」
「えっ、私!?」
「はい、テルマ先輩です……」
「子龍の次に私の名前を言われたら、どう考えても私が『部長』ね……」
「いっ、いや違うでしょ!? ぎゃ、逆でしょ!?」
「『逆』? 今のは『ギャグ』よ……」
テルマ先輩、たまに俺の上を行く『ギャグ』を言う時があるから油断できないぜっ!!
「今のは『ギャグ』だったんですか?」
「そうよ。『ギャグ』よ。だって子龍の次に呼ばれたら、いくら私だって『部長』じゃないって事くらい分かるわよ。一矢君、私を舐めてるの? それとも舐めたいの? 別に舐めてもいいけど……」
「なっ…舐めてませんよ!! それに舐めたくも…………ないですよっ!!」
「なんで今、一瞬『間』があったのかしら?」
「いっ…いや、今そこは突っ込まないでくださいよ……」
「アレ? 『突っ込み』は一矢君の『専売特許』じゃなかったかしら??』
テルマ先輩、今日はやけにグイグイと攻めてくるよなぁ……
それにこの人はどうも俺がアタフタしている姿を見るのが好きみたいだな!?
ほっ…ほんとこの人は……
『金髪美少女小悪魔天使』だわ――――――っ!!
って、声に出して叫びてぇぇぇぇぇぇええ~っ!!!!
お読みいただきありがとうございました。
さぁ、いよいよ次回、『ネガティ部 新部長』が決まります。
まぁ、今回の話でほとんどバレてますけどね(笑)
そして迫りくる『生徒会選挙』に再び『四大茶部総会』
波乱が無いわけがありません(笑)
ほんまネタがつきない小説です(笑)
マジで1000話まで連載するんじゃないのか!?
私の身体がもちまへん(苦笑)




