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第105話 欲しいものは手に入れるだと!?(挿絵有り)

紅伊奈に『告白を』された一矢!!

一矢はどうするのか!?

そして他の女子部員達の反応はいかに!?

 ま…ま…まさかの告白だと――――――っ!!??


 し…信じられないぜ!! これは夢じゃないのか!?

 きっ…きっとそうだ。俺はこの学園に入学してからずっと疲れていたからなぁ……


 恐らく俺は今、布団の中にいるに違いない!!



「一矢君。返事を聞かせてくれないかな?」


 フフフ……。夢なのに、紅伊奈の声が物凄く良く聞こえるよなぁ……

 こんなリアルな夢なんて初めて見るぞっ!!


「くっ…紅伊奈!! いきなり一矢に告白するなんて、アナタ何を考えてるのよっ!?」


 フフフ……。舞奈の怒っている声も良く聞こえるぜっ!!

 次は美代部長あたりの声が聞こえるのかな……?


「く…紅伊奈ちゃん……。少し冷静になりませんか? 紅伊奈ちゃんと一矢君はまだ出会って間もないのですから……」


 フフフ……。やはり美代部長の声が来た~っ!!


「そっ…そうだぞ、紅伊奈ちゃん!! 急に告白しても、ひ…一矢君が困るだけじゃないか!!」


 フフフ……。今度は菜弥美先輩かぁ……

 じゃあ次は、テルマ先輩でお願いします。



 バシッ!!


 イテッ!?


「フツオ!! さっきからお前、何を『フフフ……』ばかり言ってんだよっ!? ボケっとしないでこの状況を何とかしろよっ!!」


「へっ?? モブオ?? こっ、これは夢じゃないのか……??」


「何を寝ぼけた事を言っているんだっ!? 夢なんかじゃねぇよっ!! これは現実だよ!!」



「一矢君……。私は『ドッジボール対決』の時にアナタが太っている私の事を『普通の女の子』として差別なく接してくれた事にとてもキュンってしたの……。そしてその日から、私は一矢君の事ばかり考えてしまって……」


 オイオイオイオイッ!!


 夢じゃないのはモブオのゲンコツで理解したけど、紅伊奈の俺に対する告白はまだ続くのか!?


「でも、このままの私では一矢君は振り向いてくれないと思ったの……。だから今回、久しぶりにダイエットに踏み切ったわ……。だって、私が生れて初めて好きになった人に振り向いて欲しかったから……」


 オイオイオイッ!?


 これ『ラブコメ』だよなっ!?


 っていうかさ、さっきから紅伊奈の奴、俺の心をキュンキュンさせる様なセリフばっかり言ってくるじゃないか!!


 俺は一体どうすれば…………



「紅伊奈ちゃん……。一矢君から離れてくれない? まだ付き合ってもいないのに一矢君にくっつき過ぎよ……」


「スッ…スミマセン、テルマ先輩。私としたことが……。告白した事で気持ちが舞い上がってしまい、私の身体が勝手に一矢君にくっついてしまったみたいです……。でも本当はこのままくっついていたいですが、皆さんの反応を見たら、離れたほうが良さそうですね……」


 テッ…テルマ先輩!?


 何かいつものテルマ先輩とは違う表情をしているぞっ!!

 間違いなくコレは、本気で怒っている表情だ!!



「いずれにしても紅伊奈ちゃん。君の告白のお陰で僕は舞奈ちゃんにボコボコにされずに済んだけど、いきなり部室で告白なんてさ……。それも皆がいる場で告白なんてするもんじゃ無いんじゃないかな?」


「子龍先輩!! 部活終わってからボコボコにしますからっ!!」


「ヒッ、ヒエ―――――――――ッッ!!!!」



 しかし困ったぞ。実に困った!!

 こんなに可愛くなった紅伊奈に告白されて悪い気分ではないんだけども……

 それも俺に振り向いて欲しいが為に、これだけのダイエットをしたんだからなぁ……


 で…でも……



「一矢君……。お願い、返事を聞かせてくれるかな?」


「く…紅伊奈ゴメン……。今は返事できないよ。俺の事を好きになってくれたのはメチャクチャ嬉しいけどさ……。でも俺は紅伊奈の事をまだ全然知らないし、紅伊奈だって俺の事をよく知らないだろ? だから、しばらくは部活を頑張ってお互いの事を知っていく事からにしないか? 返事はそれからでも遅くないと思うんだけど……。ど…どうかな?」


「わ…分かった……。別に、ふ…振られた訳じゃ無いもんね。もし今、一矢君に振られたら、きっと私…振られたショックでまた『やけ食い』をして一学期の様な体型に戻るところだったわ……」


「い…いや、『やけ食い』は体に悪いから絶対するなよっ!?」


(ポッ…)「やっぱり一矢君は『普通に優しい人』ね……」


「ここは別に『普通』ってワードはいらないんじゃないのか!?」



「 「 「 はぁぁぁぁぁ~、とりあえず良かったぁぁぁ~ 」 」 」



 ん? 何か皆疲れ切った表情だな……??


「そ…それでは紅伊奈ちゃん? もう『告白タイム』はこれくらいでよろしいですね?」


「は…はい……。お騒がせして申し訳ありませんでした……。これから『ネガティ部』で精一杯部活動に励み、一矢君の心をゲットしますので、皆さんどうぞ宜しくお願い致します」


「よっ…宜しくなんて出来ないわよっ!!」


 ま…舞奈ぁぁ、お前なぁぁぁ……


「そうね。私も自分の髪の毛が伸びるまで宜しく出来ないと思うわ……」


 テッ…テルマ先輩!? さっき「髪は伸ばさない」って言ってましたよね!?


「紅伊奈ちゃん……。勿論、私は仲良くさせていただきますよ……。ぶ…部長の間は……」


 みっ…美代部長!? 今のは凄く意味深な言い方に聞こえたんですけど!?


「まぁ、いずれにしても丸く収まって良かったじゃないか。そんな事よりも僕はこのまま『部活』が終わらないで欲しいという気持ちで一杯だよ…ガクガクブルブル……」



「と…とりあえず、新入部員の自己紹介はこれくらいにしましょうか? もうお腹一杯だしさ……」


「な…菜弥美先輩、そうですね。ホント、もうコレくらいにしておきましょう……」



 ガラッ…ガラガラッ


「よぉ!! 遅れてすまなかったな、『虫けら共』!! せっかく新入部員が入るっていう記念すべき日だったのにな!!」


「ルッ…ルイルイ、一体今まで何をしてたのよ!? さっきまで、とても大変だったんだからっ!!」


「ハッハッハッハ!! ヤミヤミ、そんな怒らなくても良いじゃないか。美容に悪いぞ!! まぁ、私も早く部室に行こうと思っていたんだが、面白い話が私の耳に飛び込んできてなぁ……。思わず聞き入ってしまったんだよ」


「部室に来るのが遅れるくらいの話なのか?」


「そうだ、ダーリン。メチャクチャ面白い話でなぁ……。『ネガティ部』の『新入部員』が入部初日になんとなんと、私のダーリンに『愛の告白』をしているんだよ!! それを聞いていたら部室に行く気になれなくてな!! ワッハッハッハッハ!!」


「たっ…立ち聞きしてたのかよっ!? だったら部室に入って来いよ!!」


「立ち聞きだと? 人聞きの悪い事を言うなダーリン。私は立ち聞きなどしていないぞ?テーブルの下に仕込んでいる『盗聴器』を使って『職員室』でしっかり話を聞かせてもらっていたんだっ!!」


「そ...そっちの方がタチが悪いじゃねぇかっ!!」


「いずれにしても、この『泥棒猫』の『クイクイ』も、なかなか面白い奴だな!! 気に入ったぞ。『合格』だっ!!」


「あ…有難うございます……。ルイルイ? 先生……」


 ルイルイに『合否』を決める権利なんてねぇよっ!!

 っていうか、『クイクイ』って呼び名をもう決めていたのか!?



「ところでクイクイ!!」


「はい、何でしょうか?」


「お前は知らない様だが、ダーリンこと『布津野一矢』は私の婚約者だから、その婚約者に『愛の告白』をするという事は『略奪愛』って事になるからな!! それにダーリン!! もし、クイクイの愛を受け入れた場合、それは『浮気』って事だから覚悟しておくようにな!!」


「こっ…婚約なんかしてねぇだろっ!!」


「照れるなよ、ダーリン……」


「てっ…照れてねぇよっ!!」



「分かりました……。いえ、理解しました。ルイルイ先生は私の『恋のライバル』って事ですね? 『略奪愛』上等です!! では、我が『海藤一族家訓』をお教えしましょう……」



 そっ…そう言えば、紅伊奈はあの海藤会長の『従兄妹』だったよな!?


「ほぉぉ、面白い。『海藤一族家訓』だと? よし、言ってみろ!!」



「海藤一族家訓……『欲しいものはいかなる困難な状況でも必ず手に入れろ』です!!」



「ふ――――――ん……。私の考えとよく似ているな……」



 オイオイオイオイッ!!??



 なんちゅう『家訓』なんだよっ!?

 海藤会長、アンタとんでもない一族の人だったんですね!?


挿絵(By みてみん)


お読みいただきありがとうございました。


何とか一矢は返事を先延ばししましたが、今後の『ネガティ部』での活動が見ものですね(笑)

そして他の女子部員達やルイルイは今後......


ようやく『ラブコメ』らしくなってきた(笑)この作品をこれからもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m


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