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第102話 変わり過ぎだろっ!(挿絵有り)

あの謎の『黒髪ショート美少女』は一体誰なのか!?

一矢の頭の中はそれで一杯みたいです......

 う――――――ん……

 あの子は一体、誰なんだ!?

 

 俺の事を知ってるって事は転入生ではないし、だからといって同じ中学の同級生でもないぞ。だって、この学園で同じ中学なのはモブオだけだからなっ!!


 それにしても、あの子も美代部長達に負けず劣らずの『美少女』だよなぁぁぁ……

 

 凄く可愛らしかったよな……


 ってか、あの子って何組なんだろうか?


 後でモブオに調べてきてもらう事にしよう!!



「一矢、どうかしたの? 急にニヤニヤしたり、真剣な顔になったり…、顔が気持ち悪いわよ……」


「あっ? 舞奈か……っていうか『顔が気持ち悪い』って何だよ!? お…俺は全然大丈夫だよ。ちょっと考え事をしてただけだよ!!」


「ふ~ん、そうなのぉ? だったら良いけどさ……。今日は放課後に『ネガティ部次期部長』を決める事になってるし、『次期副部長』の一矢がいないと話がまとまらない様な気がするから、体調不良で早退なんかされても困るしさ……」


 そっ…そうだった!!


 今日はみんなで『次期部長』を決める日だったぜ!!


「四人とも、未だに部長になる気でいるんだよな?」


「そうなのよ! 先輩達、全然諦めてくれないのよっ!!」


「舞奈も諦めてないんだろ?」


「もっ…勿論よ!! 一矢が副部長なら絶対に部長も一年生が良いに決ってるじゃない!! 一矢もそう思わない!?」


 う――――――ん……、どうなんだろうなぁ……


 っていうか、皆あれだけ部長になるのを嫌がっていたのに何で急に部長をやりたいって言い出したんだろうか……?

 

 ホント、不思議で仕方が無いぜっ!!


「俺は…、正直言えば、舞奈には次の次の部長になってもらいたかったんだけどなぁ……」


「えっ、何でなの??」


「いや、俺は次の次も副部長をやるつもりだしさ……。俺って性格的に一番上に立つタイプじゃ無いと思うんだ。どちらかと言えばサポートする方が俺には向いていると思うんだよ。だから次の次も副部長のままで新部長のサポートをやりたいなぁって思っててさ……」


「そ…そうなんだぁ……」


「で、このまま行けば次の次で同学年っていえば俺と舞奈しかいないんだし、俺が副部長をやれば必然的に部長は舞奈にお願いしないといけないじゃん。だから今回は二年生の先輩達の誰かに部長をやってもらっても良いんじゃないかと思ってるんだよ」


「い…言われてみればそうね……」


「だから舞奈にはこれから一年間、俺のサポートをやってもらって部長になる為の勉強をやってもらいたなぁって思ってるんだけど、ダメかな?」


「ダッ…ダッ…ダメじゃないわよっ!! 全然良いわよっ!! そっ…それでいきましょう!! 私、一矢の『サポートを全力』でやるわっ!!」


 ん? どこかで聞いたセリフの様な…あっ!?

 俺が前に言ったセリフだなっ!!


「有難う、舞奈…。頼りにしてるぜっ!!」


(ポッ)「まっ…任せてちょうだい!!」


 ふぅぅぅ……


 これで新部長は先輩達三人に絞れたぞ。


「でも私が一矢のサポートをうまく出来なかったら、直ぐに私を切り捨てないでよっ!? 私が頼りなくて一矢が部長と副部長兼任するって言い出したらどうしようって思うと、少し不安になっちゃうわ……」


「切り捨てる訳無いだろっ!! それに俺の兼任なんてのもあり得ないぜっ!!」


 ホント舞奈は相変わらずの『マイナス思考少女』だな……




「お―――い、フツオ!! 今朝の子のクラスが分かったぞっ!! 八組だ、八組!! 今八組の連中も大騒ぎしているところだったぞっ!! それにあの子は……」


「モブオ君、今朝の子って誰の事??」


「えっ? あぁ、舞奈ちゃん……。け…今朝の子ってのはね……。なっ? フツオ!!」


 『なっ? フツオ!!』って何だよ!?

 

 何で俺にふるんだよ?


 まぁ、俺が頼まなくてもモブオが勝手に調べてきてくれたのは有難いけどさ……


「いや、舞奈……。今朝の子っていうのはさ……」



 ガラッ…ガラガラッ


「布津野君......」


「えっ? あっ…あ――――――っ!? けっ…今朝の……」


 なっ…何で俺のクラスに今朝の子が来るんだ?

 それに、俺に声をかけてくるなんて……


 俺に用事があるのか!?



「布津野君、今朝は急いでいたから挨拶だけでゴメンね。実は私、布津野君に預かっていたものを返したかったのと、是非お礼が言いたくて……」


「へっ? 預かっていたものを返す? それに、俺にお礼が言いたいって......??」


「うん、そうよ……」


「ひっ…一矢!! この子誰? もしかしてさっき言っていた『今朝の子』ってこの子の事なの!?」


 舞奈、急に大きな声を出すなよ!!

 ビックリするじゃねぇか!!


 それに何だか顔が赤くなってるし......


「あ…あぁ……そうだよ。でも俺はこの子の事を全然知らないんだよ……。もしかしたら何処かで会った事があるのかもしれないけど、思い出せないし......」


「布津野君、私の事やっぱり覚えていなかったのね?」


「あ、あぁ…ゴメンな……。全然思い出せないんだよ……」



「ウフッ……。じゃあ、『野家乃やけの 紅伊奈くいな』って言えば思い出してくれるかな?」


 ん? 


 『やけの くいな』だって…………??


 あっ……!!


「あ――――――――――――っ!? って、うっそだろ~っ!?」


「フフ…、やっと思い出してくれたみたいね。そうよ。私は『元エグゼクティ部』で、あの『ドッジボール対決』の途中で退部した『野家乃やけの 紅伊奈くいな』よ。あの時は私の事を心配してくれてアリガトね……」


「ほ…本当にあの時の『やけの』さんなのかっ……!?」


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 イヤイヤイヤッ!!

 

 う…嘘だろっ!?

 全然あの時と見た目が違うじゃないかっ!!


 あの時はデブ...いや、少しふっくらしてたのに......

 今、目の前にいるのは『小柄だけどナイスバディ』で『日本人形』の様な『超美少女』だぞっ!!??


「フフ…、まぁ驚くのも無理はないと思うけど……。あの時よりも三十キロは痩せたと思うから……」


「さっ…さっ…三十キロだって――――――っ!!??」


 この夏休みの間にそれだけ痩せたのかっ!?

 一体、どんなダイエットをやったんだ!?


「アッ…アナタ、一体どんなダイエットをやったのよぉぉ!!??」


 ま…舞奈、お前…興味アリアリみたいだな!?


「えっ? どんなダイエットって……、まぁ簡単に言えば『食べない事』ね……」


「た…食べないだけで、そんなにも痩せれるものなの!?」


「えぇ、まあね。私は慣れてるから……。でもアレよ。『絶食』じゃ無いから。毎日一食、特に朝食は食べてたわよ。ただし、お菓子は絶対『厳禁』ね!!」


「っ!!……。やっぱり痩せる為にはお菓子はダメなのかぁ……」


 舞奈、『お菓子厳禁』と言われた途端、『諦めた感』が凄いよな!?

 どんだけお前、お菓子大好きなんだよ!?



「しかし、あの時の『やけのさん』が、こうも変わるなんて……。何だか夢を見ている様だよ……」


 クラスの奴等も『一体あの子は誰だ!?』みたいな顔をしているよなぁ……

 まぁ、当然の反応だけどな。



「あと、布津野君。あの時に貸してくれたアナタの『ハンカチ』を返したくて……。本当にあの時は有難う……。わ…私、あの時にアナタがかけてくれた『言葉』のお陰で生まれ変わる…いえ、『本来の自分に戻る』決心がついたの……」


「ほ…『本来の自分』??」


「えぇ、そうよ。『本来の自分』よ。あまり時間が無いから詳しい事は今日の放課後に『ネガティ部』の部室でお話させてもらうわね」


「えっ? うちの部室に来るのか?」


「えぇ、行かせてもらうわ。そして部長さんにもお話があるし……」


「み…美代部長にも話があるのか?」


「えぇ……。私、この二学期から『ネガティ部』に入部させてもらおうと思って……」



 えっ?


 え――――――っ!?


「 「 「や…野家乃さんが『ネガティ部』に入部するだって――――――――――――っ!!??」 」 」


お読み頂き有難うございます。

謎の『黒髪ショート美少女』の正体が判明しましたね。

そしてまさかの『ネガティ部』に入部希望とは!!


これは間違いなく『波乱の幕開け』ですよね...っていうか『波乱』にします(笑)

二学期になってまだ登場していない他のネガティ部部員達の反応はいかに!?


どうぞ、次回もお楽しみに~(≧▽≦)



もし面白ければブクマ、評価ポイント、感想、レビューなど頂くと200話に向かって頑張れます。

どうぞ宜しくお願い申し上げますm(__)m

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