復讐の神へお願いする
国力なし、技術力なし、信仰100の国家。兵力は少なからずあるものの軍事力は他国よりも低い。デメリットだらけで穀物を作ろうとしても外国で売れない。
政治家たちは困っていた。どうすれば、国が豊かになるのか?
神頼みだが復讐の神にお祈りを捧げてみる。この国では復讐の神が信仰対象となっている。なぜなら、地位をはく奪された者たちが最後の神頼みとして侵攻したのが復讐の神である。
しかも、復讐の神を本気で信仰している。
豊穣や慈愛の女神よりも復讐の神が人気なのはそれである。
で、神頼みで復讐の神が祭られている山へ行き復讐の神を召喚することにした。大きな魔法陣を描き魔法陣の中に大量のトマトを置き唱えた。
「来たれ、来たれ、復讐の主よ。汝の力を我ら見せつけよ」
大量のトマトが一瞬で破裂し中から一人の人間があらわれた。その人間はまがまがしい黒い甲冑をまといし戦士だった。
「汝らか? 我を呼んだのは?」
神官は返す。
「はい、そうです」
「用件は何だ?」
「国を栄えるのにどうしたらいいのか……」
「待て!」
「!?」
復讐の神は突如、神官に質問した。
「それ復讐か?」
「え、ええそうです」
「違うだろ?」
「え?」
神官は何もわからなかった。無理もない。
信仰でなりたっている国だから信仰ならいいだろうと思っているからだ。だが、復讐の神はこの考えと真逆である。
「バカ者どもが!! 今は信仰で儲かる時期ではない! 復讐の力を使わず何かしら道を切り開ける方法があるだろ?」
「す、すいません……。神官なので商業はわかりません」
「話にならん! 王を呼べ!」
王と復讐の神は話し合った。やっぱり、能が無かった。商業をする能が。
「ええ、どいつもこいつもアホウばかり! ワシが全てやる! 遠慮はするな!!」
「は、はい!」
復讐の神は指導した。まず、開いている平らな土地を農業政策に使うことにした。できる限り使う。質のいい土があるなら優先でいい野菜の種を植える。
収穫した野菜は交易で売る。そして、儲ける。または、民衆の飯にする。農作業の労働力は手が空いている民衆で事足りる。
次に物を作れる者には弟子をつけるよう言え。弟子をつけてこの土地の特産物を作ってほしい。面白い者ができるかもしれない。
結果、売れに売れて民衆の生活や王の生活がよくなった。復讐の神は別の意味で復讐を果たした。弱かった国を強い国に変えた。
そして、復讐の神は商業の神としてあがめられた。
ちなみに、儀式の時にトマトが必要なのは復讐の神がトマト好きだから。