1/1
幸福花
【遺書】
「○×□△・・・。ごめんね、電線は私を下ろしたら直して下さい。私は死にました。私の傷あとを、「見てていい?」って言ってくれたのは、娘以外であなただけでした。とても、うれしく感じました。ただただ、幸せでした。これ以上はない、そう思える日々でした。」
【故郷】
「「あんたの顔なんて見たくねぇんだよ!」そこに、なにもなかったかのように振る舞った俺は、親を捨てた。事実なにもなかった。妹は絵本を読んでた。6才にもなれば、俺が吐く言葉の意味を理解してたに違いない。悪いことをした。なんで、こんなこと今思い出すのか不思議だ。子供のころの遊園地や、公園の記憶なんて断片的なのに、なぜか鮮明に思い出す。」