表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺しの星辰《ほし》(旧題:不幸な少年と病の少女)  作者: ネツアッハ=ソフ
王国内乱
114/114

エピローグ2

 ・・・機械音が室内に(ひび)いていた。その室内に、一人の青年がベッドに静かに横たわっていた。


          ・・・・・・・・・


 何も聞こえない。何も見えない。何も話せない。指一本動かせない。此処は何処(どこ)だ?今、俺は何処に居るのだろうか?一体どうして、こんな事になった?


 思い出してみる。確か、俺は幼馴染(おさななじみ)と一緒に街を歩いていた筈だ。信号が青になり、一緒に横断歩道を渡ろうとしたその時だ。トラックが猛烈(もうれつ)な速度で突っ込んできた。


 確かに、信号は青だった筈だ。それなのに、法定外の速度でトラックは突っ込んできた。


 それを見て、俺は咄嗟(とっさ)に幼馴染を突き飛ばした。そうだ、俺は暴走トラックに轢かれたんだ。


 ・・・だとすると、此処はあの世か?何とも(さみ)しい場所だ。暗くて寂しい。


「いやいや、君はまだ生きてるよ。奇跡的(きせきてき)に手術が間に合ってね」


 ・・・は?誰だ?


「僕の名は石英。と、それはまあ今は良い。君にはまだやらねばならない事がある。だから、君にはまだ此処で死んで貰っては困るんだ。少しだけ、反則技(はんそくわざ)を使わせて貰うよ」


 反則技?それって一体・・・


「まあ、今は気にするな。君は早く(もど)るべき場所に戻れ・・・」


 ちょっ、待・・・


          ・・・・・・・・・


 次の瞬間、青年の視界は光で()たされた。そのあまりの眩しさに、青年は眉をしかめる。


          ・・・・・・・・・


「・・・・・・此処(ここ)、は?」


 其処は機械に囲まれた部屋だった。恐らく、病院なのだろう。ゆっくり身体を動かそうとする。しかし筋肉が硬直しているのか、身動きが取れない。仕方なく、口元のマスクだけ外した。


 すると、部屋の扉が開いたかと思ったその瞬間。何かを落とす音が聞こえた。


 振り返ってみる。其処には、涙ぐみ身体を(ふる)わせる幼馴染が居た。足元にはタオルが落ちている。


 何と言えば良いのか解らなかったから、思わず苦笑を浮かべた。瞬間、幼馴染が飛び付いてくる。


 わんわん泣きじゃくる幼馴染。その姿に困惑(こんわく)する。しかし、何もしないのもアレだからその背中に手を回して優しく撫でた。すると、余計に泣きじゃくった。一体どうすれば?


 ・・・この日、一つの奇跡(きせき)が起きた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ