アルカディアで内乱が発生
ある日の朝・・・家で家族とのんびり過ごしていた石英にサファイヤから遣いが来た。老齢の、しかし背筋が通り眼光も鋭い戦士の風体だった。石英が知らない事から、恐らく最近越して来た者だろう。
しかし、それにしても隙が無い。恐らくは山の民の戦士であるシディアにも匹敵するだろう。
「魔王陛下から石英様を呼び出すよう言付かっております。本日の九時過ぎに魔王城へ」
「はあ、何の用事か聞いても?」
「すみません、細かい事は伺っておりませんので・・・」
そう言って、遣いは去っていった。最後まで隙の無い人物だった。一体何者なのか?石英は訝しんだが別段気にする事でも無いと思考を切った。気になるなら、後でサファイヤに聞けば良い。
恐らく、今回の一件と無関係では無いだろう。そう石英は考えた。
・・・・・・・・・
石英は早速準備を済ませ、魔王城に向かった。魔王城に着くと、石英をムーンが迎える。その眼には寝ていないのかくまが出来ていた。何だか眠そうだ。今にも寝てしまいそうである。
「大丈夫か?眼の下にくまが出来ているぞ?」
「大丈夫だ・・・何一つ問題無い・・・・・・zzz」
いや、お前一瞬寝ただろう?全く大丈夫じゃない。
かなり眠そうなのだが・・・そう思ったが、石英は口には出さなかった。
「ところで、今朝遣いに来た老齢の男。見た事もない男だったが、新人か?」
「ああ・・・、アルカディア国王の側近だよ」
アルカディア国王の側近・・・。という事は、タイガ=アルカスの側近という事だ。
石英は怪訝そうに首を傾げた。アルカディアの人間が一体何の用だ?石英は違和感を覚える。
「そのアルカディアの者が一体何故?今回の一件に関係があるのか?」
「ああ、詳しくはサファイヤ様に聞いてくれ・・・」
そう言って、ムーンは石英と共に玉座の間のすぐ外に転移した。こんっこんっ、扉を静かにノックするとその奥から魔王サファイヤの声が聞こえた。
「どうぞ、入りなさい」
何時になく口調が固い。一体何があったのか?石英は再び違和感を覚える。
取り敢えず、石英は扉を開けて玉座の間に入る。其処には、サファイヤの姿があった。しかし、その目元にはくまが出来ている。若干女性にあるまじき顔だ。
本当に、一体何があったのか?石英の疑問は更に深まる。
「コラン、一体何があったんだ?目元にくまが出来てるぞ?」
「昨晩から一睡もしていないのです。ふぁ・・・・・・」
「何かあったのか?」
サファイヤが眠そうに目元をこすり、何とか用件を告げる。
「アルカディアで内乱が発生、大国アルカディアは事実上二つに分裂した」




