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カサブタとおうちとエール

作者: 赤い忠



僕って奴はとんでもない奴だ。何ももってないくせに、何かを持ったつもりでいる。この空っぽの両手には何もかもが落ちていって、僕はもう何も持っていない。友達も彼女も周りの人から敬遠されるようになってしまった。さすがに自分でも笑いが出てしまうほど滑稽なことだと思ってしまう。


僕って奴はとんでもないクソ野郎だ。いつもお母さんを困らせて、家族を不安にさせている。いつもいつも八つ当たりみたいな癇癪を起こして、もう家族からも見捨てられた。自分でもこんな感じになるつもりなんてなかったのにね。


僕って奴はとんでもない馬鹿野朗だ。友達すらできずに、学校生活でも一人浮いてて話には置いてけぼり、それはそうだろう。僕は自分のことを何一つ把握してないんだから。


僕って奴はとんでもなく自分が嫌いだ。自己嫌悪って奴だけど。僕の周りの人に比べたら僕は何倍も酷いだろね。昔は向上心に溢れていて、自分に自信をもっていたのにね。いつの間にかそんな感情忘れてしまったよ。


僕はね、小さい頃は正義のヒーローに憧れていたんだけどね。小学校中学年くらいから、怪物に憧れて来たんだよ。理由は簡単、何か自分の役が欲しかったんだ。みんなに嫌われてもいいからね。でもほんとはヒーローになりたかったのはみんなに愛されるような人になりたかったからなんだけどね。


僕は友達に嫌われた。今では一人もいない。自分が悪いことは十分わかっている。僕はね。ただ居場所が欲しかったんだ。クラスで人気な人とケンカをしてしまってね。僕だって人気者になりたかったんだ。もう無理だけどね。


僕はね、人間という種の悪いところだけを詰め込んだ人間なんだ。だらしくて、欲が強くて、すぐ怒るし、すぐ勘違いするし、すぐイライラしたら何か食べるし、そのくせ嫉妬して、傲慢な奴なんだ。最低な人間だよね。


僕は帰る場所もないし、おかえりも言ってくれる人もいない、友達もいないし、誰からも相手にされてない。それでも、僕はそれでも、頑張って前を向くって決めたんだ。こんな自分変えたいからね。夢を見るってことは悪いことじゃない。妄想に浸ることも、現実から逃げることも悪いことではない。でも、立ち上がることができるのなら、手遅れでも立ち上がったほうがいいと思う。挫けてもいいから、立ち上がる勇気を持ちたい。でも、無理なら逃げたままでいいんだ。自分の限界ってのは自分で悟るものであって、人に言われるものじゃない。向上心のない人だっている。だけど、僕はまだプライドは折れていない。プライドさえあれば何でもできる。だから、もういいんだ。今から僕がすることは今まで僕が犯した罪への贖罪なんだから。そんな風な感じでこれから、今から僕は生きていく。じゃあ僕はいってくる。僕も君も帰るおうちが出来たらいいね。


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