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アニメ・ゲーム哲学

ガンダム哲学 種アンチが抱いた疑問 人物・設定編

作者: 忠柚木烈
掲載日:2026/07/31

 種を見ていて思った。

 色んな不思議の列挙。


 雑多なツッコミ集。




●アスラン「自分が正しくて、自分が気に入らない、認められないものは、みんな間違いだというつもりか」

 種死でシンを叱責した、数ある台詞の1つ。


 反面教師としてなら、100点満点の説得力。


 元々、種ラストでの行動が、

・最新鋭MSの横領

・軍からの脱走

・敵勢力に合流、祖国に造反

・自国の戦略兵器を破壊

と、国家反逆罪による拘束と死刑、抵抗すれば銃殺が当たり前の男だ。


 アスランのシリーズ全体での行動から見て。

 種での反逆を悔いている、というニュアンスではなく。

 俺のやってる事が正しく、他は全て間違い、という意味合いっぽい。

 そんな独特の価値観、いわばアスラニズムが読み取れる。




●アスラン「議長は自分の認めた役割を果たす者にしか用はない~いずれ君だって殺される」

 種死で偽ラクスを説得した言葉。

 議長に始末されそうになった、自分を例にしている。


 いや、自分を棚に上げすぎだろ。


 「キラとアークエンジェルの動向が分かれば報告する」代わりに特務に着任したが。

 これは国家元首と交わした、超法規的な司法取引に当たる。


 にも関わらず報告を怠り、秘密裏に接触していたのが明らかになった以上。

 国家元首が殺害許可の上で、拘束を指示するのは当然だ。


 死刑囚だけどチャンスをやる、と言われて。

 自分でチャンスを不意にしておいて、この開き直り。

 流石のアスラニズムぶりには、閉口する。




●偽ラクス:いずれ君だって殺されるの不思議

 そもそも、この理屈は偽ラクスに通じてない。


 月面都市コペルニクスで、ラクス陣営を誘き出す為の。

 餌として利用されて、やっぱり結果死んだだろって?


 ……いや?

 この襲撃自体、実は議長主導でない事が確定している。


 何しろ劇場版で明らかになる、ラクスの正体の都合上。

 議長がラクスを害する事が、100%あり得ない為だ。


 ならラクス確保の為、だったのではないか?

 しかし最後に偽ラクスが死んだのは、真ラクスを銃撃から庇っての事だ。

 これが議長の指示なら、真ラクスの無事は最優先の筈なのでおかしい。


 そもそも、議長が偽ラクスを殺す意味が皆無だ。

 せいぜいが八つ当たりによる、腹いせにしかならない。

 むしろスムーズなプロパガンダの、立役者として知れ渡っている以上。

 始末すれば信賞必罰を旨とする、組織の崩壊を招きかねない愚挙となる。


 ここで改めて整理すると、実に酷い全体像が浮かび上がる。


 アスランの余計な言葉のせいで、疑心暗鬼に陥った偽ラクスが恐怖に駆られ。

 護衛のサラ(特殊部隊所属)に半ば、嗾けられる様にして襲撃計画に加担し。

 真ラクスを始末する事で、自分が唯一になろうと決心してしまった形だ。

 放映当時は議長主導に見えたが、特殊部隊の暴走だったらしい。


 死んだ原因、議長に殺されたんじゃなく。

 お前が唆したせいじゃないかアスラン。




●レイ「アスラン、シンの態度に問題のあったことは認めますが、いかに上官と言えど今の叱責は理不尽と私も思います」

●レイ「アスランは既に少し錯乱している」

 種死、キラを撃墜したシンをアスランが責めたシーンと、アスラン離反時の台詞より。


 レイが議長派かどうか以前に。

 アスランの数々の言動は、軍人規範から逸脱し過ぎている。


 また、政治的・軍事的な立場から妥当で、感情を優先していない。

 そんなセリフは、種シリーズでは珍しいと言える。


 そうなっているのは大体、ラクス陣営のせいだが。




●レイ「キラ・ヤマトという、夢のたった一人を作る資金のために……俺達は作られた」

 種死ラストのレイVSキラの独白。


 自分がクローン・代替品である、悲哀から発せられる。

 本人なりの悩みとか、積み重ねがあったのはわかるんだが。


「命は、何にだって一つだ! だから、その命は君だ! 彼じゃない!!」


 何故かキラにちょっといい事を言われたら、すぐ動揺する。

 最終的に自らの手で親の様に慕っていた、議長を撃つ事態にまで発展する。


 ……え? なんで?


 そんな色紙に、マジックで書き殴られて?

 路上で1000円とかで、売られてそうな?

 安っぽい言葉だけで、説得される奴なんている?


 レイ?

 お前の人生?

 1000円で決めていいのか?


 そもそもレイがロボットの様に、感情の起伏がなく。

 初めて感情を知った、とかならともかく。

 レイは血の通う、生きた人間だ。


 アカデミーで過ごし、シンやルナと友情を育み。

 自らの生に思い悩み傷つく、等身大の人間だ。


 そんな人間が、敵方に分かった風に諭される。

 それも性質的には、本人の意思ではなくとも。

 自らを踏台とした、完成形たる存在の口から。


 何よりキラの言う、綺麗事なんか。

 とっくの昔から自分でも、何度も考えてきた筈だ。


 そもそも理屈として、幾ら正しかろうと。

 自分の人生の大部分という、膨大なサンクコストの否定なんて。

 簡単に受け入れたりする事が、できないのが人間だ。


 というかもっと根本的に、怒りをぶつける先が。

 親代わりと慕っていた、議長ではおかしいだろう。


 レイを作ったのは議長じゃなく、キラの父親でもあるヒビキ博士だ。

 むしろレイが認識している通り、究極のコーディネイター完成の為の研究の。

 試作品・成果物として生み出された、という因果関係から。

 目の前のにいるキラこそが、最大の憎悪の対象となるべきだろう。


 あらゆる点で、感銘を受けるのは不自然で。

 怒りにより、激しく拒絶するべき場面だろう。


 総じてレイというキャラの、人間としての重みを消し去り。

 只の舞台装置に作り変えた、無慈悲な魔法の言葉となる。

 キラ達という絶対正義の前に、それ以外のキャラの尊厳は淘汰される。




●空間認識能力の不思議

 UCシリーズのNTという概念の、種シリーズ版。


 というか、アル・ダ・フラガに至っては。

 この能力で未来予知して、投資による巨額の富を得ている。

 彼の直系・クローンには漏れなく発現しているので、遺伝的形質らしい。


 ……え、何それ?


 つまりこの能力、何かの位置とか、相手の精神とか、経済ニュースとか。

 とにかく情報という概念そのものを集約した、ハイパーリンクを形成して。

 脳に直接マッピングする事で、視覚的・直感的に把握できるらしい。


 体を動かしたいと思っても、いちいち計算しないのと同様に。

 どれ程複雑な情報だろうと、結果を認識できる様になるという事だろう。


 ……え、何それ?




●ドラグーンの不思議

 こちらはUCにおける、ファンネル兵器の種版。

 空間認識能力で把握した敵に、子機による攻撃を指示する。

 リアルタイムに、多角的攻撃を仕掛けるやつだ。


 ……これもよく分からない。


 ニュートロンジャマーによる、電波かく乱をどう乗り切ったか。

 量子通信で乗り切ったらしい。


 ……だったら、なんで戦争終結に至ってないんだ?


 そもそもMSを使っている理由は、電波と核の抑制で。

 長距離兵器が無効化されたからだ。

 技術により環境を克服したなら、もうMSなんて要らない。


 量子通信が実現したなら、ミサイルを遠隔誘導するか。

 偵察ドローンによる、弾着観測射撃すればいい。

 というか現実世界でも、この方法で攻撃精度を上げている。


 NTとファンネルは、不可分な要素だが。

 空間認識能力者と量子通信は、独立した別の要素だ。

 たかが局地戦用の、攻撃端末にだけ使うのは明らかに勿体ない。


 因みに同様に、NTに偵察ドローンをやらせるのは。

 システムが属人的過ぎて、NTが戦死等した途端。

 組織全体が崩壊しかねないので、到底できない。


 種シリーズならではの、ツッコミとなる。


 というか、ハイマットフルバーストもそうだけど?

 何故に何でもかんでも、1機で解決しようとするのか?


 バディなりチームなり組んで?

 互いにカバーしたらいいのに?

 ボッチなの?


 因みにドラグーンは非常に重く。

 非搭載機と比べて、重量が20〜30tは重くなる。

 更に電力消費量が桁違いで、通常機体では一瞬で干上がる燃費の悪さ。


 あらゆる意味で、非効率的な事してるね。




●核動力の不思議

 ドラグーンや高出力ビーム類に加え、効率化したとはいえ通電が必須のPS系装甲技術。

 それら膨大な電力消費は、ニュートロンジャマーキャンセラーによる、核動力の搭載で解決された。


 ……いや待て?

 どうやって搭載したんだ?

 核動力=原子炉で、施設クラスのデカさになる筈じゃ?


 設定によると、電磁流体発電が実現された?

 ……うわーお。


 その発電原理は、パイプの中の電極目掛けて、作動流体を流すと電流が発生。

 熱にしてタービンを回す等のロスがないので、高いエネルギー効率が実現できる。


 そして発電量は完全に、作動流体の伝導率に依存する。

 核動力と明言されているので、ウランガス等の超高温プラズマだろう。

 つまり数千~数万度に及ぶ超高温、しかも放射線を伴う。


 こんな危険なシロモノを、数mレベルに小型化して。

 あの小さな胴体部に、乗せてしまった訳だ。

 輻射熱と放射線被ばくで、側にいるパイロットは即死だろう。


 というか動力そのものが、どうやって耐えているんだ。

 種シリーズが大好きな磁場制御で、プラズマを押し込めたんだとしても。

 熱と放射線は電荷を持たないので、数mサイズの危険物なのは代わりない。

 即メルトダウンを起こして、一帯を吹き飛ばすと思うが。


 輻射熱と放射線被ばくを完全に防ぐ、謎の超素材を開発したんだろうか。

 その無敵の素材、装甲に使わないのはなんでなんだ。


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