ガンダム哲学 種アンチが抱いた疑問 人物・設定編
種を見ていて思った。
色んな不思議の列挙。
雑多なツッコミ集。
●アスラン「自分が正しくて、自分が気に入らない、認められないものは、みんな間違いだというつもりか」
種死でシンを叱責した、数ある台詞の1つ。
反面教師としてなら、100点満点の説得力。
元々、種ラストでの行動が、
・最新鋭MSの横領
・軍からの脱走
・敵勢力に合流、祖国に造反
・自国の戦略兵器を破壊
と、国家反逆罪による拘束と死刑、抵抗すれば銃殺が当たり前の男だ。
アスランのシリーズ全体での行動から見て。
種での反逆を悔いている、というニュアンスではなく。
俺のやってる事が正しく、他は全て間違い、という意味合いっぽい。
そんな独特の価値観、いわばアスラニズムが読み取れる。
●アスラン「議長は自分の認めた役割を果たす者にしか用はない~いずれ君だって殺される」
種死で偽ラクスを説得した言葉。
議長に始末されそうになった、自分を例にしている。
いや、自分を棚に上げすぎだろ。
「キラとアークエンジェルの動向が分かれば報告する」代わりに特務に着任したが。
これは国家元首と交わした、超法規的な司法取引に当たる。
にも関わらず報告を怠り、秘密裏に接触していたのが明らかになった以上。
国家元首が殺害許可の上で、拘束を指示するのは当然だ。
死刑囚だけどチャンスをやる、と言われて。
自分でチャンスを不意にしておいて、この開き直り。
流石のアスラニズムぶりには、閉口する。
●偽ラクス:いずれ君だって殺されるの不思議
そもそも、この理屈は偽ラクスに通じてない。
月面都市コペルニクスで、ラクス陣営を誘き出す為の。
餌として利用されて、やっぱり結果死んだだろって?
……いや?
この襲撃自体、実は議長主導でない事が確定している。
何しろ劇場版で明らかになる、ラクスの正体の都合上。
議長がラクスを害する事が、100%あり得ない為だ。
ならラクス確保の為、だったのではないか?
しかし最後に偽ラクスが死んだのは、真ラクスを銃撃から庇っての事だ。
これが議長の指示なら、真ラクスの無事は最優先の筈なのでおかしい。
そもそも、議長が偽ラクスを殺す意味が皆無だ。
せいぜいが八つ当たりによる、腹いせにしかならない。
むしろスムーズなプロパガンダの、立役者として知れ渡っている以上。
始末すれば信賞必罰を旨とする、組織の崩壊を招きかねない愚挙となる。
ここで改めて整理すると、実に酷い全体像が浮かび上がる。
アスランの余計な言葉のせいで、疑心暗鬼に陥った偽ラクスが恐怖に駆られ。
護衛のサラ(特殊部隊所属)に半ば、嗾けられる様にして襲撃計画に加担し。
真ラクスを始末する事で、自分が唯一になろうと決心してしまった形だ。
放映当時は議長主導に見えたが、特殊部隊の暴走だったらしい。
死んだ原因、議長に殺されたんじゃなく。
お前が唆したせいじゃないかアスラン。
●レイ「アスラン、シンの態度に問題のあったことは認めますが、いかに上官と言えど今の叱責は理不尽と私も思います」
●レイ「アスランは既に少し錯乱している」
種死、キラを撃墜したシンをアスランが責めたシーンと、アスラン離反時の台詞より。
レイが議長派かどうか以前に。
アスランの数々の言動は、軍人規範から逸脱し過ぎている。
また、政治的・軍事的な立場から妥当で、感情を優先していない。
そんなセリフは、種シリーズでは珍しいと言える。
そうなっているのは大体、ラクス陣営のせいだが。
●レイ「キラ・ヤマトという、夢のたった一人を作る資金のために……俺達は作られた」
種死ラストのレイVSキラの独白。
自分がクローン・代替品である、悲哀から発せられる。
本人なりの悩みとか、積み重ねがあったのはわかるんだが。
「命は、何にだって一つだ! だから、その命は君だ! 彼じゃない!!」
何故かキラにちょっといい事を言われたら、すぐ動揺する。
最終的に自らの手で親の様に慕っていた、議長を撃つ事態にまで発展する。
……え? なんで?
そんな色紙に、マジックで書き殴られて?
路上で1000円とかで、売られてそうな?
安っぽい言葉だけで、説得される奴なんている?
レイ?
お前の人生?
1000円で決めていいのか?
そもそもレイがロボットの様に、感情の起伏がなく。
初めて感情を知った、とかならともかく。
レイは血の通う、生きた人間だ。
アカデミーで過ごし、シンやルナと友情を育み。
自らの生に思い悩み傷つく、等身大の人間だ。
そんな人間が、敵方に分かった風に諭される。
それも性質的には、本人の意思ではなくとも。
自らを踏台とした、完成形たる存在の口から。
何よりキラの言う、綺麗事なんか。
とっくの昔から自分でも、何度も考えてきた筈だ。
そもそも理屈として、幾ら正しかろうと。
自分の人生の大部分という、膨大なサンクコストの否定なんて。
簡単に受け入れたりする事が、できないのが人間だ。
というかもっと根本的に、怒りをぶつける先が。
親代わりと慕っていた、議長ではおかしいだろう。
レイを作ったのは議長じゃなく、キラの父親でもあるヒビキ博士だ。
むしろレイが認識している通り、究極のコーディネイター完成の為の研究の。
試作品・成果物として生み出された、という因果関係から。
目の前のにいるキラこそが、最大の憎悪の対象となるべきだろう。
あらゆる点で、感銘を受けるのは不自然で。
怒りにより、激しく拒絶するべき場面だろう。
総じてレイというキャラの、人間としての重みを消し去り。
只の舞台装置に作り変えた、無慈悲な魔法の言葉となる。
キラ達という絶対正義の前に、それ以外のキャラの尊厳は淘汰される。
●空間認識能力の不思議
UCシリーズのNTという概念の、種シリーズ版。
というか、アル・ダ・フラガに至っては。
この能力で未来予知して、投資による巨額の富を得ている。
彼の直系・クローンには漏れなく発現しているので、遺伝的形質らしい。
……え、何それ?
つまりこの能力、何かの位置とか、相手の精神とか、経済ニュースとか。
とにかく情報という概念そのものを集約した、ハイパーリンクを形成して。
脳に直接マッピングする事で、視覚的・直感的に把握できるらしい。
体を動かしたいと思っても、いちいち計算しないのと同様に。
どれ程複雑な情報だろうと、結果を認識できる様になるという事だろう。
……え、何それ?
●ドラグーンの不思議
こちらはUCにおける、ファンネル兵器の種版。
空間認識能力で把握した敵に、子機による攻撃を指示する。
リアルタイムに、多角的攻撃を仕掛けるやつだ。
……これもよく分からない。
ニュートロンジャマーによる、電波かく乱をどう乗り切ったか。
量子通信で乗り切ったらしい。
……だったら、なんで戦争終結に至ってないんだ?
そもそもMSを使っている理由は、電波と核の抑制で。
長距離兵器が無効化されたからだ。
技術により環境を克服したなら、もうMSなんて要らない。
量子通信が実現したなら、ミサイルを遠隔誘導するか。
偵察ドローンによる、弾着観測射撃すればいい。
というか現実世界でも、この方法で攻撃精度を上げている。
NTとファンネルは、不可分な要素だが。
空間認識能力者と量子通信は、独立した別の要素だ。
たかが局地戦用の、攻撃端末にだけ使うのは明らかに勿体ない。
因みに同様に、NTに偵察ドローンをやらせるのは。
システムが属人的過ぎて、NTが戦死等した途端。
組織全体が崩壊しかねないので、到底できない。
種シリーズならではの、ツッコミとなる。
というか、ハイマットフルバーストもそうだけど?
何故に何でもかんでも、1機で解決しようとするのか?
バディなりチームなり組んで?
互いにカバーしたらいいのに?
ボッチなの?
因みにドラグーンは非常に重く。
非搭載機と比べて、重量が20〜30tは重くなる。
更に電力消費量が桁違いで、通常機体では一瞬で干上がる燃費の悪さ。
あらゆる意味で、非効率的な事してるね。
●核動力の不思議
ドラグーンや高出力ビーム類に加え、効率化したとはいえ通電が必須のPS系装甲技術。
それら膨大な電力消費は、ニュートロンジャマーキャンセラーによる、核動力の搭載で解決された。
……いや待て?
どうやって搭載したんだ?
核動力=原子炉で、施設クラスのデカさになる筈じゃ?
設定によると、電磁流体発電が実現された?
……うわーお。
その発電原理は、パイプの中の電極目掛けて、作動流体を流すと電流が発生。
熱にしてタービンを回す等のロスがないので、高いエネルギー効率が実現できる。
そして発電量は完全に、作動流体の伝導率に依存する。
核動力と明言されているので、ウランガス等の超高温プラズマだろう。
つまり数千~数万度に及ぶ超高温、しかも放射線を伴う。
こんな危険なシロモノを、数mレベルに小型化して。
あの小さな胴体部に、乗せてしまった訳だ。
輻射熱と放射線被ばくで、側にいるパイロットは即死だろう。
というか動力そのものが、どうやって耐えているんだ。
種シリーズが大好きな磁場制御で、プラズマを押し込めたんだとしても。
熱と放射線は電荷を持たないので、数mサイズの危険物なのは代わりない。
即メルトダウンを起こして、一帯を吹き飛ばすと思うが。
輻射熱と放射線被ばくを完全に防ぐ、謎の超素材を開発したんだろうか。
その無敵の素材、装甲に使わないのはなんでなんだ。




