ヤンデレを引き当てまくる姫乃くん
俺はそこら辺にいる、ただのDKだ。
あ、ドン○ーコン○じゃないぞ?男子高校生って意味だ。俺は人並みに勉強をして、仲のいい友達も何人かいて、ちょっとだけ鍛えているだけのただの男子高校生。今、俺は悩み事がある。それはそう、隣の席に座っている、生徒会長の玲那さんの距離のつめかたが、以上である事だ。ついこの前、細かく言うと5日前に、たまたま玲那さんがシャーペンを落として、それを俺が拾い上げてからだ。拾ったときは何も思わなかったし、考えもつかなかった。けれども、それから事あるごとに話しかけてくる様になって、昨日なんか玲那さんがお弁当を俺に作ってきたと言うのだから、距離感と言うか、何と言うかおかしい。何なんだ。何でこんなに距離感がバグっているんだ。そう、いろいろなことを考えながら帰路を辿っていたらすぐに家に着いた。
「ただいまー」
何も帰ってこない。当然だ、俺は一人暮らしで、家の中には誰もいないのだから。帰ってくるはずのない返事に、何を期待してたのだろうか。考えれば考えるほど自分が何をしたいのか、何を考えているのかわからなくなってくる。だから最近は家に帰ったらすぐに寝てしまう。特に意味はないのだが、何となく寝てしまう。
(眠たすぎる…意識が薄れてい…く…)
そうして俺は夢の中に意識が沈んでいくのであった。
ピーンポーン、ピーンポーン。チャイムが鳴った。さっきまで夢に深く沈んでいた意識を叩き起こし、玄関の扉を開けにいく。
(何か俺頼んだっけか?)
扉をガチャリと開けた。
「久しぶり、姫乃くん」
そこには玲那さんがいた。しかし学校で見ていた時とは明らかに様子の違う、目の奥が霞んでいて、とてもまともな状態ではない玲那さんが。
「久しぶりって、なんですか?ご用意は一体何です?」
俺はまだ少し寝ぼけた状態で玲那さんに質問する。
しかし帰ってきたら返答は、質問にあっていなく、何か、一方的な物を感じた。
「ねぇ、姫乃くんこのチェーン、開けてくれない?じゃないと姫乃くんの家に上がれないでしょう?
お願い。」
玲那さんはそう言って、扉についているチェーンをがちゃがちゃと触っている。流石の俺も直感的に危機を感じたのか、目が覚める。
「いや、無理ですよ。今の玲那さん、普通とは言えないですし、話がまともに成立していませんし。」
やはり玲那さんは扉をどうにか開けられないか、鍵あたりを触ったりしている。しかし、外側からは開けられないか仕組みになっているので、ドアは開かない。
「なんで?私のこと好きなんでしょう?4日前に私のシャーペンを拾ってくれた時、すごく笑顔で、優しく話しかけてくれたんだし、もうそれは私のことを好きってことでしょう?私も姫乃くんのことが好き。だから早く開けてよ?ね?ね?ね?ね?ね?」
「え?俺は別に恋愛的には玲那さんならことは好きではありませんよ?第一俺は玲那さんのことあまり知らないし…」
「うんうん、恥ずかしくて好きって素直に言えないんだね。大丈夫!私はちゃーんと姫乃くんのその気持ち、わかってるよ。でもさ、いくら恥ずかしいからって、ドアくらい開けてくれないと悲しいよー」
ダメだ、玲那さんやっぱりおかしい。人の話1ミリも聞いてないし、理解するかもない。と言うか決めつけてるなこれ。
「…そんなにドア開けてくれないならもういいよ…」
そう言うと玲那は持っていたバックからなにか大きいペンチのような物を取り出した。
「これ、何かわかる?チェーンニッパーって言うんだけど、ここのドアのチェーンみたいなのを壊すための道具なんだよね。」
そう言ってパチン!と音を立ててチェーンを切った後は、玲那は無理くりに姫乃の部屋の玄関に押し入った。
「本当にひどいよ姫乃くん…私とーっても悲しい。何でそんなに私から離れるの?…….そんなにひどいことするなら、このペンチで姫乃くんの小指、切り取るよ?そんなに嫌そうな顔したってさ、しょうがないじゃん、姫乃くんが私から離れようとするんだから。」
「いや、冷静に考えて下さいよ玲那さん。人の家に勝手に押し入って、小指取るとか言ってくるような人に近づく阿呆はこの世の中にほぼいないですよ。
あと、それ以上近づくなら、そのペンチ、奪いますからね。」
「…へ?う、奪う?姫乃くんが?絶対無理だよ!!諦めた方がいいよー!」




