始発電車の座席
一月二日の電車は、ガラ空きかと思いきや、どの車両も人が両端に座っていた。始発電車の座席の真ん中に腰をおろし、酔いざましの水をペットボトルであおった。
車内を見渡すが、酔客は自分だけのようだ。こんなに暗くまだ夜と言ってもいい時間に、皆各々どこへ向かうのだろう?と、酔った頭で考えた。どの人もうつむき、目を閉じていたり、スマホを見ている。仕事に向かうのかもしれない。暗めの色のコートをまとった人達は、謹厳実直そうな顔をしていた。
電子改札を通る直前まで、酔って浮かれ騒いだのが嘘のように、車内は静かだった。
「停止信号の為、しばらく停止致します」
慇懃な車掌のアナウンスで、ゆっくりと電車が止まった。驚くほど静まりかえった。
心許なく前を見ると、何にもない暗闇に反射した私の顔が窓ガラスに映りこんでいた。
明らかに正月出勤している人達と比べ、浮いているのが、居心地が悪い。
咳払いをすると、電車は直ぐに動きだした。
改稿
エピソードタイトル
始発電車の座席
一月二日の電車は、ガラ空きかと思いきや、どの車両も人が両端に座っていた。始発電車の座席の真ん中に腰をおろし、酔いざましの水をペットボトルであおった。
車内を見渡すが、酔客は自分だけのようだ。こんなに暗くまだ夜と言ってもいい時間に、皆各々どこへ向かうのだろう?と、酔った頭で考えた。どの人もうつむき、目を閉じていたり、スマホを見ている。仕事に向かうのかもしれない。暗めのコートをまとった人達は、謹厳実直な顔をしていた。
電子改札を通る直前まで、仲間と浮かれ騒いだのが嘘のように、車内は静かだった。
「停止信号の為、このまま、停止致します」
慇懃な車掌のアナウンスで、ゆっくりと電車が止まると、驚くほど静まりかえった。
心許なく前を見ると、何にもない暗闇に反射した私の顔が窓ガラスに映りこんでいた。
正月出勤している人々と比べ、明るすぎる髪色が浮いているのが居心地が悪い。
咳払いをすると、電車は直ぐに動きだした。




