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初詣の帰り道
今年は、二年詣を初めて経験した。
何時も初詣に行くのは、決まって松が取れた週末の昼前。それが私の家の習慣だった。
「初詣に行こうよ」
そう誘ったのは、彼からだった。大晦日の11時に駅前へ集合して、混雑した参道を二人でゆっくりと進む。大きな賽銭箱の前に到着し、太い鈴紐を手袋をした両手で持ちながら鳴らした。
――無病息災。
後ろの列を気にして、直ぐに退いた。彼は、長蛇の列を気にせず、何やら長く手を合わせていた。
参拝が終わると、温かい甘酒を並んで立飲んだ。
「甘酒なんて初めて。毎年配ってるのかな?」
「そうだね。俺も知らなかった」
毎年、夜に参拝してると思ってたので、意外だった。時計を見ると丁度、新年だった。私達は神社を後に歩きだした。人混みが凄すぎて、御神籤は引き損ねた。
「あのさぁ……俺と、付き合ってくれない?」
白い息を吐きながら彼が言う。私は少し驚いたが、返事の代わりに、はにかみながら、そっと手を繋いだ。




