27話 VS昔から脅してくる者達
俺とエイブさんは、互いに伝えたかった話を終えた。
エイブさんは、ゴブリンについての本をいくつか借りた。
俺達は、用事を終えたので、魔物図書館を出た。
魔物図書館を出た後、俺達は、近くの大通りを歩いていた。
大通りには、大勢の人が行き来していた。その近くから、悲鳴みたいなものが聞こえてきた。
俺達は、びっくりしたが、悲鳴が聞こえたほうに向かった。
「悲鳴は、裏通りの方から聞こえたようなきがしました。」
「私も同感です。悲鳴のあったところに向かってみますか?」
「ええ。」
俺達は、悲鳴の元へ、走って向かった。
悲鳴が聞こえたと思う裏路地につくと、女一人に対して、男三人がちょっかいを出していた。
「・・・いいから、お金をよこせよ。そしたら、許してやるからよ~。」
「「お金をよこせ、よこせ!!」」
「・・・いやです、このお金は渡せません。」
「なんだと・・・この・・・」
女が断ると、男の一人が手をおげようとした。
「何をしているんだ。君たち!!」
エイブさんが大きな声で、男三人に声をかけた。
「ああ、なんだてめえは・・・って、ウィルソンじゃねえか?」
「ウィルソンさん、この人たちをご存じなんですか?」
「ええ、昔から俺をからかっていたやつらです。いつも5人組で行動していますが、今は3人のようです。」
嫌な記憶を呼び起こした。
「ウィルソン、そいつはお前の親友か。格好つけてるつもりか知らんが、所詮、能力なしと変わらないやつの親友なんて大したことないだろ。」
「・・・・・・・・・・」
俺は、黙っている。
「そんな奴らが・・・この俺に向かって偉そうに言いやがって・・・」
そういうと、他の男二人に俺を攻撃するように命じていた。
「「ウィルソン、関わらなければ痛い目に合わなかったものを・・・」」
「やめて、あの人は関係ない・・・」
「そうはいかない、俺に向かって偉そうに言ってきたんだ。落とし前をつけさせる・・・」
すると、男二人が攻撃してきた。
「エイブさん、あいつらの相手は私がやります・・・」
「大丈夫ですか・・・」
「今の俺なら大丈夫だと思います。それに試したいことがあるんです。」
そういっている間に男二人は、俺にパンチをくりだしてきた。
俺は、その二人のパンチを簡単にかわすと、一人に向かってパンチを繰り出した。
「がっつ・・・」
パンチをくらった男はその場で倒れた。
「はっ・・・」
「おい、ウィルソンなんかに倒されてるんじゃねえよ・・・」
もう一人の男が倒れている男に話しかけている。
俺は、そのすきを突き、もう一人の男にけりをくらわした。
「がはっ・・・」
もう一人の男もその場で倒れた。
「なっ・・・何をやっているんだお前ら、ウィルソンなんかに倒れやがって」
リーダー格の男が倒れた二人の男に向かって発言した。
だが、二人の男は悶絶して言葉を返せない。
「あとはお前だけだな・・・」
どうやら、洞窟で酷使された影響と、テイムしたゴブリンの力によって、俺は以前よりだいぶ強くなったらしい・・・。
今の俺なら、こいつらを倒せる。
「なっ・・・なめやがって、痛い目にあわせてやる」
そういうと、リーダー格の男は呪文をぶつぶつと唱えた。
唱え終わると、男の全身に赤い紋章が見えた。
「身体向上を行った。これでお前は終わりだ。」
そういうと、男は俺に突っ込んできた。
普通の人よりは、速いスピードで突っ込み、パンチを繰り出してきた。
俺はそのパンチをよけた。
「よくよけたな・・・だが、俺のパンチは速いだろ。なんせ通常よりも3倍強いからな。」
確かに先ほどの男たちのパンチよりは速い。だが、バンデッドゴブリンの攻撃に比べたらだいぶ遅い。
男はまたしてもパンチを繰り出してきた。だが、次のパンチも俺はよけた。
(今の俺ならこいつを倒せる。今までさんざんやられて、悔しかった思いををこの拳に込める)
俺は嫌な思い出を思いだしながら、今までの仇をはらさんと、思いを込めて殴った。
俺の思いを込めた拳は、リーダー格の男の顔を殴っていた。
「がはっ・・・・」
男は、吹き飛んだ。
男は倒れたままで、起き上がらなかった。
「くっ、クソ、なぜこの俺が、ウィルソンなんかに・・・」
声は聞こえる意識はあるようだ。
「これに懲りたら二度と俺の目の前で人をからかったりするな・・・」
俺は、からっかていたやつらに発言した。その後は、女の方に向かった。
「もう大丈夫ですよ。からかっていたやつらは、俺が懲らしめておきました。」
「あ・・・ありがとうございます。」
「どういたしまして。では失礼します。」
「あっ・・・あのできればお名前を・・・」
「名前ですか。俺の名前はウィルソンです。」
「ウィルソンさんですか。私の名前は、エマです。本当にありがとうございます。」
「いえ、無事で何よりです。エマさんですね。またお会いすることがあればその際はよろしくお願いします。」
「あっ・・・はいわかりました。」
「では、お達者で」
「はい・・・お達者で・・・」
こうして、俺は今までからかっていた奴らを返り討ちにし、エマさんに挨拶して、その場をあとにした。
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