23話 ソージー街と家に帰る
ウィルソンとエイブは、洞窟の外からソージー街に向けてゴブリンを数匹程度お供につれて出発した。
北西に進みながら森の中をかき分けていった。
魔物には出くわさず、1時間歩いたと思う。辺りを見渡した。すると、突然ソージー街の方角からぞろぞろと魔物の群れが見えた。
「エイブさん隠れましょう!!」
「ええ、何やら群れで来ていますね。」
俺達は、草むらにしゃがみながら隠れた。
俺達の前に、魔物の群れが見えた。その正体は・・・救出した人たちを護衛するよう命じたゴブリンたちであった。
「ウィルソンさん、あのゴブリン達は私が他の皆さんの護衛をするよう命じていた者たちです。」
「ということは、先にソージー街に帰還しようとした人たちは無事街にたどりつけたということですか。」
「ええ、恐らく」
俺達は、草むらから出た。
ゴブリン達は最初飛び出してきた俺達にびっくりしたが、正体をしり礼をして洞窟に帰っていった。
その後、1時間ほどかけて、北西に進み、ようやく、ソージー街に到着した。
「ゴブリン達よ、ご苦労であった。洞窟内に戻っても大丈夫だ。」
ウィルソンに命令されて、ゴブリン達は洞窟内に戻っていった。
「はあ~、ようやくソージー街につきましたね。この街の光景が懐かしいです。」
「結構な日数をあの洞窟で過ごしましたからね。懐かしく感じるのは当然の反応ですよ。私も懐かしくて涙が出そうですよ。」
「ええ、本当に懐かしいです。ようやくこの街に帰ってきたのだと実感しました。」
俺とエイブさんは少しの間、街の様子を眺めていた。
ゴブリンどもにこき使わされていたことや、ゴブリンどもと戦ったこと、それらが終わり無事にソージー街に戻ってきて、感慨にふけっていたのである。
しばらくたつと、エイブさんが一歩踏み出した。
「ここでいったん別れますか。ただ、待ち合わせ場所を決めておいたほうがよさそうですね。」
エイブが発言した。
「そうですね。どこを待ち合わせ場所にしますかね?」
「魔物博物館はいかがでしょうか?ゆっくり話し合う場所がありますし、ゴブリンについて調べるにはうってつけの場所だと思いますので。」
「わかりました。魔物博物館を待ち合わせ場所にしましょう。」
「では、私は研究室に帰ろうと思います。ウィルソンさん、ではお達者で」
「エイブさん、私も家に帰ります。お達者で」
こうして二人は、それぞれの帰るべきところに帰っていった。
ウィルソンは自宅の前についた。
しかし、不安があった。だいぶ帰っていなかったから、両親からきついお仕置きがあるだろうな。
ウィルソンは意を決して、家の玄関を開けた。
「ただいま帰りました。ウィルソンです。」
すると、玄関に向かって駆け足でくる父と母が分かった。
父と母は玄関に来て、俺の姿を確認すると涙を流した。
「全くこれだけの間、一体何をしていたんだ!!」
父が質問した。
「すみません、ゴブリンどもに罠にかけられつかまっていました。しかし、何とか脱出して帰ることができました。」
「「ごっ・・・ゴブリンにつかまっていた・・・。」」
そういうと、父と母は俺のほうに向かい抱き着いた。
意外なことに、俺は茫然とした。
「1か月も家に帰っていないから心配したんだぞ。だが、ゴブリンにつかまっても見た感じ無事そうだからよかった・・・本当に帰ってきてよかった。」
父が涙を流しながら言った。
「本当ですよ。これだけ長い間、あなたが帰ってこなくて生きた心地がしませんでした。でも・・・でも無事で本当に・・・よかった」
母も涙を流しながら言った。
俺は父と母が抱きしめて涙を流しながら、心配していた、帰ってきてくれてよかった、という言葉を聞き涙を流しながら言った。
「ただいま・・・父さん、母さん・・・」
こうして、家に帰り暖かく両親が出迎えてくれた。俺はその後、ごはんをたべ、お風呂に入り、ベットで寝た。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
「面白そう」「続きが気になる」と感じましたら、「ブックマーク」と「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしていただけると嬉しいです。
是非協力よろしくお願いいたします!




