14話 VSバンデットゴブリン 後編
押しつぶされなかったバンデットゴブリン2匹は、先ほど一計を案じて命令した、倒されたゴブリンの近くまで後退した。
俺はそれを目撃して、すぐさま命じた。
「倒れているふりをしているゴブリンはすぐ起き上がり、近くの敵のゴブリンを攻撃せよ。」
すると、倒れていたゴブリンは起き上がり、近くにいた敵のゴブリンに向かって剣を振り下ろした。
倒れていたふりをしていたゴブリンの近くには、バンデットゴブリン2匹もいた。突然倒したと思ったゴブリンが攻撃してきたので、対応ができなかったのだろう。バンデットゴブリン2匹も含めて敵のゴブリン7から8匹が動揺し、きり倒された。
俺が一計を案じた作戦がうまいこと功をそうした。俺はうれしくなった。
「まさか、ウィルソンさんの先ほどの作戦がこれだったとは。私もびっくりしましたよ。しかしうまいこといきましたね。」
「ええ、でもまさかこんなに上手くいくとは思わなかったですよ。俺の作戦、死んだふり作戦がうまいこと言ってうれしいです。」
俺はエイブさんに褒められたこともあってうれしく、大いに喜んだ。
喜んでいるだけでなく、すぐさま死んだふりをしていたゴブリン達に命令した。
「死んだふりをしていたゴブリン達は、敵の背後をそのまま攻撃せよ。敵の前面にいるゴブリンとともに攻撃して、敵を挟み撃ちだ。」
命令すると、背後にいたゴブリンはすぐさま動き出し攻撃した。挟み撃ちにされた敵のゴブリンは混乱して、味方のゴブリンに飲み込まれたいった。
「ぎゃ~~~~~」
「が~~~~~~」
「ぐぎゃ~~~~」
敵のゴブリンどもの悲鳴がよく聞こえてきた。
そして、しばらくして敵のゴブリンの悲鳴が消えた。
「ウィルソンさん私たちは勝利しましたよ。」
「はい。ついに俺達はゴブリンに勝利してこの洞窟からでられますね。」
「「ははっははははは」」
俺達二人は勝利したと思い喜んだ。
しかし、その喜ぶ瞬間をかき消すことが、すぐさま起きた。
「バコーーーーン」「グシャアアアアーーーー」
なんと、味方の大勢のゴブリンが巨大なこん棒でたたきのめされていたのだ。
そのこん棒を振りまわしているのは巨大なゴブリンで、巨大なこん棒を振り回しながら敵を叩きのめし、大きく前進してきていた。
「先ほどのバンデットゴブリンに続いて、巨大なゴブリンが現れましたよゴブリン博士。あの巨大なゴブリンはなんなんですかっ?」
俺は驚愕し、エイブさんをゴブリン博士と呼び、巨大なゴブリンのことについて知らないか聞いてみた。
「恐らく・・・あの巨大なゴブリンはボブゴブリンです。とてつもなく巨大で怪力の持ち主です。
しかし頭はそこまでよくはありません。テイムしましょう。」
「ええ、テイムするんですか。あんな巨大なゴブリンの目の前に行けば、下手したら死んじゃいますよ。」
俺は、ボブゴブリンがあまりにも巨大で目の前に立ちたくなく、臆病風に吹かれた。
「しかし、それしか方法はありません。それに、先ほども言ったように頭はあまりよろしくないので大丈夫ですよ。」
「そっ・・・そうはいっても。」
俺が苦笑いしていると突然話し声が聞こえてきた。
「はははっ、人間どもが慌てているぞ。兄貴。」
「当たり前だ。こんな巨大なゴブリンを見れば慌てふためくさ。それにしても、大勢のゴブリンが操られるとはな。」
人間語を話すゴブリンがボブゴブリンの両方の肩に乗っている。
俺は人間語を話すゴブリンを見てさらに驚愕した。
「ま・・・まさか人間語を話すゴブリンがいるなんて・・・。」
「ええ非常に興味深いですね。」
エイブさんはゴブリン研究者として人間語を話すゴブリンに興味を惹かれていた。俺としては、今はそれどころじゃないだろうと思ったが・・・。
巨大なゴブリンと人間語を話すゴブリンに、俺は混乱していた。
一体何がどうなっているんだ。と、こころのなかでびっくり仰天していた。
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