12話 大勢のゴブリンがいる部屋
牢屋の部屋からでた俺たちは、切り刻まれる部屋に向かった。
道中、何匹かゴブリンがいたが、ゴブリンに連れていかれる俺達の姿をみて、ゴブリンどもは違和感なく素通りしようとしたり、少しだけ立ち止まったりした。
勿論、俺は、すれ違うゴブリンにはテイムしておいた。
テイムした後、「いつも通りにしていろ。ただし俺やエイブさんの命令はよく聞くこと。あと、俺とエイブさんが窮地に立たされたら助けること。」
命令後、すれ違ったゴブリンどもはいつも通りの行動をした。
俺達は、テイムしながら先ほどの文言を言って、切り刻まれる部屋へとついた。
「何匹か道中でゴブリンとすれ違いましたが、うまくテイムできましたね。」
「ええ、ここまでは問題なく行けてますね。」
「しかし、人間の言葉がゴブリンどもに通じるんですね。」
「私も最初テイムに成功したとき、人間の言葉で通じるんだ・・・と思いました。理由はよくわからないのですが・・・」
「なぜ人間の言葉が通じるのか・・・、とても気になりますね。」
「ははっ、研究職のさがというやつですか。エイブさん」
「ええおそらく。」
話していると、切り刻まれる部屋にいたゴブリン4匹と、ゴブリンシャーマンが近づいてきた。
俺はそのゴブリンとゴブリンシャーマンに命じた。
「この部屋にもとからいたゴブリン4匹の内2匹と、ゴブリンシャーマンは俺と共にこい。残りのゴブリン2匹はこの部屋で待機していろ。」
命令を終えると、ゴブリン2匹を加えたゴブリン4匹とゴブリンシャーマンをお共にして、ゴブリンが大勢いる部屋へと俺たちは向かった。
勿論大勢のゴブリンの部屋に向かうまでに、道中で出くわしたゴブリンは、テイムして先ほどの文言通りに命じておいた。
途中、大勢のゴブリンどもがいる部屋と分岐するところにでくわした。
「大勢のゴブリンがいる部屋と違う道の先にはなにがあるんでしょうか。」
「おそらくこれは予想ですが、人間の女性がいるのではないでしょうか。」
「なぜこの道の先に、人間の女性がいるとわかるんですか?」
「あなたがこの洞窟に来る前に発掘作業に向かう途中、私は逃げ出そうとしてこの先の道に行ったことがあるんです。そこには人間の女性とゴブリンどもがいました。何をしていたのかは話したくはありませんが。」
よほどひどい光景を見たのだろうか。その時のエイブさんの顔は引きつっていた。
「とにかく、この道のさきには女性がいるんですね。なら大勢のゴブリンをテイムした後、救出しにむかいましょう。」
「わかりました。では大勢のゴブリンどもがいる部屋へと向かいましょう。ウィルソンさん、そう周りのゴブリンにも命じてください。」
「はい、わかりました。」
俺はゴブリンどもに命じて、大勢のゴブリンがいる部屋へと向かった。
部屋に入ると、60から70匹ぐらいのゴブリンがいた。洞窟内にいるあらかたのゴブリンであろうと察した。
大勢のゴブリンどもは、俺たちと、俺たちが連れてきたゴブリンどもを見て怪しんでいた。
しかし、ゴブリンどもが立ち止まっている今がチャンスだと思い、両手をゴブリンにむけて掲げた。
「テイム!!!」
パァァァーーーーーー!!!
光を放った。
テイムに成功したのか確認するために、回れ右と命じた。すると、多くのゴブリンどもは回れ右をした。テイムに成功したのである。
「やりましたね。ウィルソンさん。」
「ええ、やり遂げました。エイブさん。」
俺とエイブさんは喜んだ。しかし、その時背後からゴブリンが襲ってきた。
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