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掌編

足音

作者: 須藤香一

 静寂に包まれている真夜中の道を男がひとり帰途に就いている。

 聞きなれた自分の足音のみが男の耳に聞こえている。

 もう何年も通い続けている道だ。

 街灯の光だけが頼りの薄暗い道をただただ歩いている。


 ふと男は足を止めた。

 なにやら自分の足音以外の音が聞こえた気がしたのだ。

 振り返ってみたが後ろには誰もいない。

 男は前を向きまた歩き出した。

 周りの音に耳を澄ましながら歩き続ける。

 暫くすると自分の足音とは別になにやら湿った感じの足音が確かに聴こえてきた。

 男が止まる。

 するとその足音も止まる。

 男が走り出す。

 その足音もそれに合わせるかのように響く。

 男はもう一度立ち止まり後ろを振り向く。


 男はまた前を向いて歩き始めた。

 もう足音は一つしか聞こえてこない。

 夜の静寂の中で湿った足音のみが聞こえている。

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