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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第3章 少年王とゲルニアン帝国との戦い。激突!公帝戦争っ!!編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 決戦っ!!三度ヶ原の戦いっ!! 6

 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月5日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・中部東海地方・遠江国・徳川大名王家国・徳川大名王家・徳川大名王家領・遠江国・北遠江地方・北二俣地域・二俣川源流域・天野家・国人衆領主領・天野藤秀統治領・天野藤秀統治領本拠地・犬居山山麓・犬居谷盆地地方・犬居町・犬居城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 磐田ヶ原付近で織田・徳川連合軍と武田軍とが激突を開始した頃のこと。


 徳川家の遠江国での本拠地である浜松城を陥落させるべく、武田軍は武田・春夜・信玄が率いる本隊軍が二俣城へと向かう中で、武田・夏夜・信繫が率いて居る別働隊が北遠江国の犬居谷地方の要所である犬居城へと進軍をしていた。  


 武田・春夜の双子姉妹の妹である武田・夏夜、高天神城で、念入りに計画された作戦概要通りに事を進めるべく、天竜川と二俣川に挟まれた天然要害に守られた二俣城を落とす為に、南東方向の山岳街道を北西へと移動をしながら犬居城に向かって居た。



 そして、マギアンティア世界統一暦・1555年・7月5日・午前10時10分頃。


 犬居城攻略作戦別働隊は、犬居城を包囲する事に成功しており、南西方向にある二俣城から援軍が来られない様に、全ての街道口を封鎖させ、武田軍の本隊も二俣城を包囲して居た。


 この大攻勢と情報封鎖されて孤立無援と成った犬居谷盆地地方の国人衆領主である天野藤秀は、アマテラス神皇国地方最強と謳われる武田軍の精強ぶりに腰砕けと成ってしまう。



「夏夜様。犬居谷地方の国人衆領主である天野藤秀は、無条件で降伏すると、申し入れをして来て居ります。」


「良いでしょう。この後の事を思えば、小城程度の為に兵を損ねては、姉さんが掲げている武田家による天下統一等と言う大事業に支障を来たします。」


「降伏すると言うならば、直ぐに近隣地域の山々から木材の切り出しをさせ、筏船を作り出す人手を出せば、本領地を安堵すると姉さんが言って居ると伝えなさい。」



「はっ!直ぐに話を纏めて参ります。」


 犬居城攻略作戦別働隊の副将である内藤・凜乃・昌秀は、天野家との降伏条件交渉へと向かい、それを纏め上げて同地を武田領とする事に成功を収めたのであった。


 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月5日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・中部東海地方・遠江国・徳川大名王家国・徳川大名王家・徳川大名王家領・遠江国・北遠江地方・二俣地域・天竜川・天竜川流域山麓及び北遠江地方・北二俣地域・二俣川源流域山麓・武田軍遠江国攻略作戦・木材切り出し部隊・各作業所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  


 カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


「倒れるぞおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」


 ギギッ!!ギイイイイイィィィィィィィーーーーーーードス―ーーーンッ!!



 犬居谷と犬居城の攻略に成功した武田軍は、天竜川と二俣川の流域に在る山々で、二俣城を陥落させるべく、天竜川と二俣川からの水汲み井戸を使用不能にすると言う露骨で効果覿面たる作戦を実行しようと、井戸を封鎖する為の筏船を作り出すべく、木材の切り出し作業を行って居た。



 これらの木材は、戦が終わったら、川から引き揚げて、二次加工を施し、家屋や日用品や武具と言った物の材料素材として活用を予定して居るので、無駄な事には成らないだろう。


 武田四天王の一人ある高坂・春日・昌信と、その師匠であり、武田・春夜・信玄の軍師たる山本・晴幸・勘助の師弟コンビの二人は、裏方仕事の差配をするべく、山野の木材の切り出し作業場を見回って居た。


 カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


 カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


 カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


 ギギッ!!ギイイイイイィィィィィィィーーーーーーードス―ーーーンッ!!


カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


 カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


 カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!カーンッ!!


 ギギッ!!ギイイイイイィィィィィィィーーーーーーードス―ーーーンッ!!




「順調に進んで居ますねお師匠さま。」


「確かに、ですが戦と言うのは生き物と同じく、ままならぬ事が多い物です。」


「敵方も必死な抵抗を試みる事でしょうから、勝敗が決するまでは、最後まで気を緩めては成りませんよ。」


「はい。常に心掛けて居ります。」


「お館様からは、二俣城の包囲は成功し、陽動作戦の先手先鋒軍は、磐田ヶ原付近・織田・徳川連合軍と激突したとの報せが来たようです。」


「それでは?」


「概ね我らは作戦を成功させつつあると見て良いでしょう。」


「彼の織田・信長が、徳川家を助けようとする動きは有りますが、その援軍が到着するとすれば、我が武田家が遠江国を落とした後であると見て居ます。」


「まぁ、これは本当に上手く行けばの話なのですが・・・・・」と締め括った





マギアンティア世界統一暦・1555年・7月5日・午後13時45分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・中部東海地方・遠江国・徳川大名王家国・徳川大名王家・徳川大名王家領・遠江国・北遠江地方・二俣地域・天竜川・二俣川流域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 武田軍が各所・各地にて順調な作戦計画を遂行して行く中で、やや計算外な出来事が起こって居るが、全体的に見れば8割方は作戦成功をして居ると言う状況である。


 そんな中で武田・春夜・信玄は、主力軍の本隊である二万人を以ってして、二俣城を完全に包囲を完了して居た。


 その二俣城には、徳川家家臣団の中根正照・青木貞治が守備に就き、城兵1200名と共に、頑強に抵抗を試みようとして居た。


「包囲作戦は概ね成功を遂げたようね。」


「これで筏船が上流から来れば、我が方の勝ちは確実に成るわ。」


 犬居城の攻略に成功し、天竜川と二俣川の上流各地では、二俣城の水汲み場の封鎖の為に、筏船を作り出す材料素材の丸太の切り出し作業が午前10時30過ぎくらいから行われ、間も無く筏船の第一陣が流れて来るとの報せを聞いた武田・春夜は、遠江国での戦の勝ちを確かな手応えを感じて居た。



 先手先鋒軍が磐田ヶ原にて、少々手酷い目には遭ったとの報告を受けては居るが、誤差の範囲内であると思い、取り敢えずは作戦続行するとの判断を下して居た。


「お館様っ!!ご報告を致します。」


「申せっ!!」


「はっ!!先ほど筏船の制作がほぼ完了したとの報せが入り、本日の夕刻までにはは天竜川と二俣川の水面の封鎖が完了するとの事です。」


「勝った。これで浜松城は完全に包囲が出来る。」


 伝令官からの報告を聞いた武田・春夜は、織田・徳川連合軍に完全勝利を確信した時である。


「お館様っ!!」


「何事です?」


「二俣城に、新たな旗印がっ!!」と近習侍の指差す方向に目をやると、其処には在り得ない旗が新たに掲げられて居た。


「九枚笹紋と黒餅紋の大将旗。藤巴紋と藤橘巴紋大将旗ですって・・・・と言う事は・・・・・・」


 流石の戦巧者にして、兵法の知恵者でもある武田・春夜にも、新たに二俣城に掲げられた大将旗と家紋旗を見た事により、厄介な相手が現れたと焦りと冷や汗を掻かされてしまう。


 その一方である二俣城では、武田・春夜が焦りが出てしまう人物達が、武田軍と本陣所を眺めていた。


「はっはっはっはっはっ!!流石の信玄殿も驚いて居るでしょうね。」


「相変わらず、性質の悪い事を思い付きますな。半那殿は?」


「そう言う雫も、水止めを喰らうだろうからと、川の水を城内へと引き込める水道を即興で造り上げるとは、お人が悪い。それも外からは判らない様に造り上げ、頑丈な水門で水害対策も完璧と言う抜け目の無い事もするとは、いやはやこの私でも其処までの事は・・・・・」


「何を言いますか、人を驚かせる作戦を練って置いて、更に挑発すらしてしまうのですから、半那殿も人の事は言えますまい。」


 羽柴軍の2枚参謀看板として名を馳せており、播磨・播州の秀才たる出来人と称される黒田・雫・隆孝と美濃国州の天才と謳われし竹中・半那・治重と共に、雫半軍師しずはんぐんしと略され並び呼ばれる名参謀としてアマテラス神皇国内では知られて居る二人は、丸で悪代官と悪徳御用商人の如く。


 何を言いますかと、お互いの悪巧みを褒め上げていた。


 更に竹中・半那は、武田・春夜にトンデモナイ報せが届く様に手配すらして居るから質が悪すぎると言えた。

 

 そのトンデモナイ報せが入った武田・春夜はと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「何ですってっ!!織田・和紗・信長の本隊三万人が間も無く浜松城へとやって来るですって?」


「はっ!!信長は密かに軍勢を少しずつかき集めるかのような方法等を取り、清州城や岡崎城に手持ちの軍勢を掻き集めさせて居たらしく、その動きは徳川家への援助物資の輸送部隊に紛れて居た為に、殆んど判りませんでしたっ!!」



「やられたっ!!この私と晴幸を出し抜いて、驚かせるなんてっ!!やってくれたわね羽柴の2枚看板っ!!」



 武田家の軍師たる山本・晴幸・勘助と総大将・武田・春夜・信玄を出し抜いて、一杯を喰わせる事に、悔しい想いをさせられた武田・春夜は、近所たちの前で歯ぎしりをしてしまう。


「こうなったら、此方も手段を選んでなんて居られ無いわっ!!」


「此方も援軍が必要よ。」


 武田・春夜は、直ぐに筆と紙を用いて、叔母であり、北条家当主たる北条・九江・早雲に助け欲しいとの嘆願書を書いて伝令官に手渡した。




  マギアンティア世界統一暦・1555年・7月7日・午前9時45分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・中部東海地方・遠江国・徳川大名王家国・徳川大名王家・徳川大名王家領・遠江国・北遠江地方・二俣地域・天竜川・二俣川流域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 羽柴軍の2枚参謀看板として名を馳せており、播磨・播州の秀才たる出来人と称される黒田・雫・隆孝と美濃国州の天才と謳われし竹中・半那・治重と共に、雫半軍師しずはんぐんしと略され並び呼ばれる名参謀としてアマテラス神皇国内では知られて居る二人によって二俣城攻略作戦は、水攻めだけに水泡に帰してしまった。


 武田家当主にして、武田全軍の総指揮を取って居た武田・春夜は、あと一歩の所まで敵方を追い込んで居た積りであったが、逆に自分の策謀を逆手に取って追い詰められたと成ると、撤退する他に無かったのである。



「所で雫。この信玄殿が残して行った二俣川と天竜川を塞ぎ、城攻めの足場にする筈だった筏船。如何しましょうか?」


「嫌がらせ行為の為に残して行く。流石だと言いたい所ですが・・・・信玄殿、勘助殿、昌信のらも存外、慌てて撤退して行った様子。」


「そうですねぇ~、私ならこれらの材料素材で、家一軒くらい建てて見せる所です。」


「他にも材料が撃ち捨てられ、放置された状態の様です。半那殿。」


「はっはっはっはっはっ、分かって居ます。雫も悪巧みが大好きですね~?」


「半那殿ほどではありませんよ。」


「ふっふっふっふっふっふっ・・・・・・・」


「はっはっはっはっはっ、何を仰っりますか、これでも至極真っ当な常識人である積りなのですよ?」


 丸で悪代官と悪徳御用商人の如く二人は、又もや悪巧み的な策謀を思い付いたようである。




 武田・春夜と高坂・春日と、その師匠であり、武田・春夜・信玄の軍師たる山本・晴幸と言った三人は、羽柴家の雫半軍師と言わる二人に二俣城攻めを阻止されしまった事に由り、武田軍は、当主と参謀軍師の二人らと協議により、二俣城攻略作戦の中止をその日の内に決定。


 速やかなる撤退へと移行するが・・・・・織田・徳川連合軍の動きを警戒して居た為か、二俣城攻めで使用する予定だった山で切り出して来た丸太や筏船をそのままにして放置してまったで、高天神城へと引き上げてしまう。


 これで後にチョッとした失敗と窮地に追い込まれてしまう。


 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月6日・午前9時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・関東地方・北条家大名王家国・北条家大名王家本拠地・相模国・小田原市・小田原城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 武田家によるアマテラス神皇国地方・天下統一平定戦の為に、織田・徳川を討ち破ろ試みる一戦が行われる遠江国から東へ数百キロ。




 北叔母であり、北条家当主たる北条・九江・早雲が治めている北条家大名王家国・北条家大名王家本拠地・相模国・小田原市・小田原城へと姪っ子たる武田・春夜からの嘆願書が送り届けられて居た。


 九江は、その嘆願書に関する事を相談するべく、近年に成って己が妹である北条・勝実・正成から、家督相続を果たした姪っ子を呼び出して居た。


 その相手とは、相模国の東側地方の要衝である玉縄城を任されて居る事から玉縄北条家と呼ばれて居る北条家一族の当主であり、北条五色備軍団・北条黄備え軍団を率いる地黄八幡と謳われる猛将として知られて居る姫武将の北条・紗英・綱成も、この一件に関しての相談役として同席して居た。 



「はぁ~、春夜はまんまと羽柴家の二枚看板軍師と鞠華の罠に掛かって、全く以って面倒な事に成って居るわね。」



「流石はアマテラス神皇国地方を代表する軍師、播磨・播州の秀才たる出来人と称される黒田・雫・隆孝と美濃国州の天才と謳われし竹中・半那・治重。噂通り世間からは雫半軍師しずはんぐんしと略され並び呼ばれる名参謀ですね。」



「御身城様。如何なさるのですか?」


「背後の敵を気にしなくて良いからと言って、織田・徳川との戦を仕掛けると言うのは、キリヤ公国と少年王の坊やを刺激するかも知れないから、断りたいのだけれども、姪っ子の春夜からの嘆願書とも成ると・・・・無視するのは世間体が良くないわね。」


「ですが、それでは私戦にての戦いにキリヤ公国を巻き込む可能性が在るやも知れません。」


「其処なのよ。今の情勢下で居残って居る大名王家だけで大戦をすれば、伊達家・上杉家・毛利家の様に居残る為にキリヤ公国本国政府に頼み込み。」


「国体の保持を目的とした臣従または加盟政権体制への移行と成るのは必定なのよね。」


「今の所は伊達家・上杉家・毛利家らは、アマテラス神皇国地方での内戦には中立を宣言して居るけれども、余りも戦が激しく決着が付かないと成ると、キリヤ公国本国政府と少年王の坊や加盟国と加盟申請と言った地域の保護を目的とした、アマテラス神皇国地方の武家勢力を調停としようして介入して来るかも知れないわね。」


「もしくは織田・徳川勢力圏がごっそりとキリヤ公国連合国への加盟ですか?」


「そう、それが一番に厄介な可能性なのよねぇ・・・・・」と頭を悩ます北条・九江は、取り敢えずは多くの兵力を派遣してキリヤ公国本国政府と少年王・桐谷勇治を刺激させまいと、全軍から見て、1割程度の派兵に留めた一万二千人と言うまずまずな軍勢を援軍として派遣する事を決めた。



マギアンティア世界統一暦・1555年・7月3日・午前10時35分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・東海地方・織田大名王家領・尾張国・津田市・津田湊にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 話は2日ほど遡るが、尾張国・津田市・津田湊では、アマテラス神皇国・東海地方・尾張国を領する織田大名王家国とも言うべき織田家への対応にあたって居る。


 第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍の海軍たるナデシコ自治統合海軍艦隊の第四戦隊・司令官・黒島亀代大佐と草鹿美佐枝大佐の二人が、キリヤ公国連合国の本国であるキリヤ公国本国の首都、公王都・キリヤ市に在るキリヤ公国連合国・国防総省と定時連絡を取って居た。


 今のキリヤ公国本国の首都である公王都・キリヤ市に在る国防総省では、ゲルニアン帝国との大戦争を控えたキリヤ公国連合国軍出陣観閲行進式の準備と加盟諸国の外交調整の準備で大忙しであった。


 第四戦隊の司令幹部の二人は、ゲルニアン帝国との大戦争が近々開戦と成るのを前に、いつ頃に成ったらアマテラス神皇国地方からキリヤ公国本国へと引き揚げるのかの調整を伺いつつ、本国政府と国防総省との連絡を密にしようとするべく無線通信機器で会議が始まろとして居た所である。


会議に参加するのは以下の通りと成って居た。


キリヤ公国連合国の統合司令官兼海軍提督の山本五十鈴


キリヤ公国国防大臣の足柄・一輝・宗輝 


キリヤ公国外務大臣・結城・梅晴・春宗 



「それで・・・・五十鈴。いつ頃引き揚げれば良いの?」


「その事に付いてなんだけどね。ごめんなさい。一輝と梅さんとの話し合いの結果、織田家の信長を牽制と引き続き、移民政策の推進の為に、第四戦隊以外のナデシコ自治統合海軍艦隊の中核艦隊は引き揚げるけれども地方艦隊は、航路防衛の為に残留する事に決まったわ。」


「五十鈴さん、それでは僕らはゲルニアン帝国とは戦わなくても良いのかい?」


「それよりもアマテラス神皇国地方を守って貰った方が良いだろうと思っての結論だ。」


「一輝様の言われる通り、アマテラス神皇国地方にも我らキリヤ公国連合加盟諸国が在る。」


「万が一、織田家の信長殿が、気まぐれにゲルニアン帝国と同盟を組まれても厄介であるし、今の島津家も、キナ臭い動きをして居ると聞く。」


「伊達家の参戦表明に加えて、毛利家・上杉家も我らの戦に援軍を派遣してくれると言うから、そのお陰でナデシコ領以外の陸軍が加わった事により、キリヤ公国本国国土防衛の為に、必要な陸軍の総兵力が揃う大方の目途が立った。」


「キリヤ公国連合国としては、それらの配慮に対して、反対に加盟諸国の在る地域に海上戦力を残して、安心してゲルニアン帝国との本戦に臨んで貰おうと言う物なのだ。」


「まぁ、あの虚け姫が愚かな選択をするとも思えないが、島津家を始めとする。それなりの勢力を持って居る大名王家への牽制の意味を持った外交戦略と言う訳さ。」


「・・・・と一輝と梅さんたちの意見を取り入れた結果、キリヤ公国連合国軍司令部としては、外務大臣と国防大臣の要請を重く受け止め、貴女達二人は、引き続きアマテラス神皇国地方に残って同地の防衛任務に付いて欲しいわ。」


「了解。だけど五十鈴、ゲルニアン帝国には誰が行って戦うの?」


「第一戦隊から第三戦隊を予定して居るわ。祥子達は南部方面の防衛の為に、そろそろ引き揚げに成るから、二人には各戦隊の地方艦隊と連合艦隊を組んで、その指揮を執る事に成るわ。」

「今のところナデシコ第三地方地域・アセアニア地方から更に東方海域には、目立った敵対勢力も居ないし、殆んどが大海に面して居る。」


「南方地域の海域にも大陸や群島諸島が点在して居るとのも情報も在るけれども、其方も近世にも達してすら居ない辺境部族だと聞いて居るから、私たちの当面の敵対勢力は北なのよ。」


「それと、此方も色々忙しく成るから、二人にはアマテラス神皇国地方の同地での緊急事態に対して、独自の独立行動権限を与えて置くわ。」


「我が国が不利益に成らなければ、何をしても構わないと言うお墨付きをだ。」


「それと戦後に成ってからだが、キリヤ公国宰相内閣府大臣の就任が予定している居る。」


「キリヤ公国宰相内閣府大臣に成るのは、メイルシュルフラッド独立自治公国の女公王であるリィーゼ・メイルシュルフラッド殿だ。」


「ゲルニアン帝国との戦争が終わったら、本格的な連合国体制へと移行する事にも成るから、軍部の方も更に忙しく成るからな。二人とも覚悟して居るのだな。」と結城・梅晴は締め括った。


「分かりました。それと、僕と亀代から本国政府に提案が有るんだ。」


「何かしら、美佐枝?」


「近々織田・徳川連合軍と武田軍との大戦が在るらしく、その戦後処理を第三国であるキリヤ公国連合国が敵味方関係無く手伝うと言うのは如何でしょうか?」


「具体的には?」と聞き返す一輝。


「病院船の使用を許可して欲しいんだ。」


「それは良い提案だろう。外交的にもその2家には、大いに恩を売り付けて置けるな。その戦に参加した各国の重臣や将兵達の命を助けたと言う事は、後々の利益にも成るからな。」


「上手く行けば、大名王家同士の内乱にも終止符を打てる矢も知れない。と言いたいが、それを為し遂げるべき足柄家将軍王家だった私の立場としては、責任を和紗の奴に丸投げして放棄した上に、両者には戦を止めろとは、強く言えないがな。」


「美佐枝、と言う訳だから、相手が貴女達の提案を受け入れて、良いと言うの為らば、私たちのも構わないわ。」


「まぁ、言う事を聞かなければ、私の名を使えば良い。少しは効き目が在るだろう。」


「ありがとう。」


てな訳で、キリヤ公国連合国も三度ヶ原の戦いに関わる事に成った。


 これが後にアマテラス神皇国地方の統一平定に一役買ってしまう事に成るとは、今のキリヤ公国連合国政府首脳陣幹部官僚らには思いもよらない事に成ってしまったのであった。


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