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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第3章 少年王とゲルニアン帝国との戦い。激突!公帝戦争っ!!編
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第22話 少年王と進撃のっ!キリヤ公国連合国軍っ!! 1

マギアンティア世界統一暦・1555年・7月24日・午前8時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ゲルニアン帝国・フェリス辺境侯爵領・ガントー地方国境付近及び・キリヤ公国連合国・ムツ地方自治州区北部ゲルニアン帝国との国境地帯・ハコダテ国境要塞前・ゲルニアン帝国軍本陣周辺にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ガントー地方の経済の中心地であるチバヤン州・主都キラサラズ市と政治と侯爵領統治の中心地であるガントー地方の内陸州のナフ州・主都ウラガナン市を占領したキリヤ公国連合軍のナデシコ自治統合軍を中心とした全軍は、占領地の地固めを兼ねた休息に入った。


 その間に後続隊の上陸を終わらせたキリヤ公国連合国軍の総司令部は、それまで待たせて居た各陸軍に対して、未占領地への進軍を命じる。



  チバヤン州・主都キラサラズ市とナフ州・主都ウラガナン市の制圧整理を終わらせてから、僅か3日後の事である。


 キリヤ公国連合国軍は、本格的な敵地への進軍する為に、キリヤ列島とナデシコ地方自治州区から輸送船艦隊を使った大規模な物資の大輸送が始まる。



 それが始まると瞬く間に、ガントー地方の占拠を完了してしまうのであった。


ナデシコ自治統合軍の実力を持ってすれば、簡単過ぎて少しも手間の掛からない仕事なのである。




 反転攻勢の準備態勢が整ったキリヤ公国連合国軍は、遂にゲルニアン帝国領内への総攻撃開始をしたのであった。



 各地に駐留していたキリヤ公国連合国陸軍は、通信機で総攻撃命令を受け、北へと前進を開始。


 その中にはメイルシュルフラッド独立自治公国の方面の陸軍勢とムツ地方自治州区・ゴリョウカク国境要塞郡の陸軍勢は、全力侵攻作戦を始めたのであった。



 ガントー地方沿岸部の制圧を命じられた伊達・毛利・上杉連合を中心とした部隊は、6万8千人が北進を開始して行く。


 この部隊には、三式中戦車隊と97式戦車が共に300両が配備されて居た。


 一方のナデシコ自治統合陸軍は、伊達・毛利・上杉軍と同様に配備されて居る機械化部隊と共に、ハイレンツ・グデーリアン将軍が率いる目の前の軍勢を真正面から攻め入る事に成って居る。



 先方部隊として、吉川春美軍の精鋭5千人と伊達成美軍1千と原田軍と白石軍等の部隊合わせて3千人が、ゲルニアン帝国領内への先方部隊として 進軍を開始する。



 その後ろに続くのは、アマテラス神皇国で逃げ大名の小田と揶揄されて居た小田春奈を中心とした関東の武士や、アマテラス神皇国内でお家を失って路頭に迷って居た浪人達で、構成された機甲機械化軍団1万5千人らが、後に続いていた。


 その後ろに藤堂吉与が率いる第五武士軍団の3千人、可児才華が率いる第七武士軍団3千人と続く。



因みに正木時奈が率いる第三武士軍団3千人は、キリヤ公国連合国軍の総司令部からの命令で、メイルシュルフラッド独立自治公国方面軍と合流し、ゲルニアン帝国・ランドー地方の東口街道側を抑えて、敵が東へと入って来れない様にするべく、別働隊として独自の行動に入った。


 本隊軍の先陣を上杉軍が担い。


 伊達軍本隊が中軍を務め、主力毛利軍は後詰部隊を担っていた。


 最後部は補給部隊の護衛軍と補給部本隊と成って居る。


 この時のハイレンツ・グデーリアン将軍は、キリヤ公国連合軍から最後通牒を突き付けられて居た。



「なっ、何だとっ!休戦協定は後二日は有る筈だっ!なのに何故連中は、協定破り等と愚行に出てまで、全攻勢に出る様な事をして居るのだっ!?」



 キリヤ公国連合軍の突然の攻勢進軍の行動に出た事に対して、グデーリアン将軍は訳が分からなかった。


「分かりません。3日も防戦に徹して居たのに、突然の全面侵攻です。」


「何か決定的な理由が有るのか?」


「又は無謀な賭けに出て居るのか?」


「推測の域を超えて居ませんので、何んとも言えません・・・・・・・」



「グデーリアン将軍閣下、キリヤ公国連合国軍及びナデシコ自治統合陸軍の陸軍元帥にして、キリヤ公国連合国軍の総軍の副司令官でもある板垣妙子閣下から、この度の休戦破棄に付いての通知が来ています。」


「何だと?」


「送られた文章を読み上げます。」



「既に決着は付きつつ有る。」


「我が軍は、3日前にガントー地方のナフ州のフェリス侯爵領の主都ウラガナン市とチバヤン州の州都・キラサラズ市を占拠した。」



「それらに続いて、東西に跨る帝国南部領も我が軍と同盟国の勢力下に置かれつつある。」


「もし、このままお帰りに成られるのなら、追撃はしないで置く。無事に、母国へとご帰国されよ。」


「だが、グデーリアン将軍閣下殿が武人と祖国の誇りと名に掛けて、皇帝陛下に忠勤に励んで戦うと決めたと仰られるのならば、致し方ない。」


「お互いに雌雄を決するまでのこと、存分にお相手を仕る。」


「キリヤ公国連合軍陸軍元帥兼統合副司令官・板垣妙子。」




「むう・・・・・・・」




「舐めた事を・・・・・」


「ガントー地方のナフ州・主都ウラガナン市は堅牢な要塞で、その守りは完璧。」


「主都キラサラズ市は、堅牢なる防備を持った城砦と1万もの海軍艦隊が有る港町だぞっ!」


「たった三日程度で、落ちる様な要地では無いっ!!これは敵の欺瞞情報だっ!!」


「その通りだっ!!」



「3日前に占拠したと言うのなら、キリヤ公国連合国の海軍は、各要地をたったの1日で、陥落させたと言う事に成る。」


「そんな馬鹿な事は、我が帝国でも有り得ない。」



「全くだっ!!詰まらんハッタリで、我が軍を混乱に陥れ様として居るのだっ!」



「グデーリアン将軍閣下っ!!我が軍には、まだ60万人もの大軍が控えて居ります。」


「次こそは、寡兵に過ぎない奴らを根絶やしにしてくれますっ!!!」



 幹部将校らは、散々に自分達の都合の良い事を並べて、キリヤ公国を罵っていた。


 しかし、それは数ヶ月前まで事。



 この世界の情勢は、キリヤ公国連合国と桐谷勇治の登場により、常に変化し捲くって居るのだ。


 その変化とは、既にチート過ぎる力を持って居る勇治が王であるという事。


 ナデシコ地方自治州区が、キリヤ公国に編入された事で、互いの国のパワーバランスが崩れて居る事実である。


 それが丸で見えていないグデーリアン将軍配下の幹部達。


 その話は、彼らに限った話ではない。


 ユーラシアン大陸の約7割を支配する覇者だと名乗るゲルニアン帝国内の多くの統治を担っている上流階級の中で、非常に顕著に見られて居る上流階級主義と言う腐敗して居る姿なのであった。



「待てっ!」


「閣下っ!」


「何故お止めに成るですかっ!?」


 グデーリアン将軍は、血気に流行る部下達を制止する。


「皆っ!!バカを申すでないっ!!」



「恐らく・・・・これは策略でも虚言やハッタリの類から言って居る物では無いぞ!!」


「なっ、なっ、ななっ何ですとっ!?」


「1日前から後方との連絡が、全く付かなく成って居るのだ。」


「恐らく何か在ると考えて居たが、単なる味方の前進速度が速過ぎて、後方部隊と補給部隊、それに伝令部隊が遅れて、混乱して居るだけと思って居たが・・・・・予もやこの様な事態と成って居たとはな・・・・・・・・・・・」



「では・・・まっまさか・・・・・・」



「そっ、そんな筈は・・・・・・・・」


「バカなっ!あ、あ、あっ有り得ない・・・・・」



 狼狽して、真実から必死で目を逸らそうとする幹部将校達。



「これはもう真実であろう。」


「もたもたして居ると、60万の軍と言えども、少数の大軍である敵とは言え、完全に囲まれれば、只では帰えれんぞっ!!!」


「あの街道から北進する軍勢は、間違い無く我が国への侵攻軍だ。」


「必死で防戦に徹して居たのも、海軍を使っての我が帝国への侵攻作戦を企んで居たからだったのだ。」


「ですがグデーリアン閣下。その様な大規模な海軍を使った上陸作戦などと言うのは、マギアンティア世界の世界史や戦史に措いて、未だ誰も実行や構想すらされた居りません上に、それを何処かの誰かがやったと言う事すら聞いた事も有りません。」


「そうです。未だかつて無いこの世界の何所の国でも行われた事も無い、大規模且つ奇抜な戦術と戦略、作戦と言えるでしょう。」


「それを如何やって、あの小国は成し得たのでしょうか?」



 首を傾げ捲くってる彼らには、近代戦術の何たるかは、想像し難い事なのだろう。


 序でに言うと、勇治のチート過ぎる力も働いて居るので、彼らに取っては悪夢でしかないのだ。


「どう言う魔法を用いた様な作戦を使ったのかは分からんが、何時の間にか攻守が逆転に転じてしまって居るしらしい。」


「サッサと撤退せねば、お前達を含めた将兵達を犬死させる破目に成ってしまうぞ。」



「分かりました閣下。敵の気が変わらない内に、全軍に撤退を命じます。」


「無念だが、他の味方も引き上げに入って居る筈だ。」


「途中で合流し、再度戦いを挑めば、撃退する機会も得られよう。」


「ううっ・・ぐすっ・・・ううううっ・・・・・・・」



 何の手応えも無いままに、敗戦が決まってしまい。


 啜り泣き崩れる幹部将校や左官幹部達。


 グデーリアンは、勇気の有る撤退と言う選択肢を選び、速やかに陣を畳んで戦線を後退させて行ったのである。



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