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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第3章 少年王とゲルニアン帝国との戦い。激突!公帝戦争っ!!編
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第19話 少年王と激戦の公帝戦争っ!2

マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後9時27分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓の裏街道沿い・キリヤ公国直轄軍所属・キリヤ公国武士軍団・第一武士団・上杉剣信隊及び第九武士団・村上清美隊にて・・・・・・・・・・・・・



第一武士団を率いる上杉剣信と第九武士団を率いる村上清美の二人は、ゲルニアン帝国との国境の都市であるハイネン市とハイネン城へと向って居た。



メイルシュルフラッド独立自治公国に侵攻して来たゲルニアン帝国軍は、前線の補給基地として、この都市と城を占拠して居た。



 これを奪還と奇襲し、メイルシュルフラッド独立自治公国の奥深くに侵攻して、軍が伸び切って居る軍勢の背後を分断し、壊滅させるのが二人の役目だった。


 両武士軍団は二方向から進軍し、その途中で出くわしたゲルニアン帝国軍をあっさりと蹴散らしてしまう。


 二人の軍は、支隊クラスの軍勢の通る道を進軍ルートとして居た事も有ってか、簡単に敵の本陣拠点へと辿り付いてしまうのだった。



「これは・・・・・・毘沙門天のお陰であろう。者共っ!ゲルニアン帝国軍からハイネン市とハイネン城を奪還するっ!」



「掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!」


「「「「「うおおおおおぉぉぉーーーーーーーーーー!!!」」」」」



 奇声の大声を上げて、上杉隊は東側からハイネン市へと突入する。


 

「今じゃっ!!!進めえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」


ウサ耳風の髪飾りを付け、ツインテールを結った黒髪を靡かせ、真っ赤な武者鎧で現れたスレンダーな女の子が、ハイネン市の西門から突撃して行く。



「あれは・・・・村上隊か?」


 剣信は、村上家の上一文字の字が入った旗指物を見て、何処の誰かを見極めたのである。


「抜け目の無い小娘じゃのう・・・・・」



「読みが良いと言うのは良い事だ。」


 剣信の軍師である宇佐美・宇佐・定満は、清美の鋭い攻めの動きに対して、皮肉めいた事を言いつつも、その手腕を誉めていた。

 

 

 村上隊と上杉隊の活躍により、ハイネン市とハイネン城は、開戦から僅か1日で奪還され、この城塞戦に措いては、たったの4時間半で奪還されてしまう。


 戦を終えた剣信と清美達は、メイルシュルフラッド独立自治公国内の大掃除を終えてやって来る予定の後続軍の到着を待つ事に成る。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓の裏街道沿い・キリヤ公国直轄軍所属・キリヤ公国武士軍団・第八武士団・前田慶南隊はでは・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おらおらっ、あたしと死合う度胸が有る奴はっ!前にでやがれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」



「ひいいいぃぃぃーーーーーーーーっ!!」


「くそっ、あの様な熊女と正面からやり合うなっ!」


「命が幾つ有っても足りんぞっ!」


 派手な井出たちの服装と鎧姿に朱塗りの槍を振り回したした女武者に追われて、逃げ回るゲルニアン帝国将兵達。


 彼らは行き成り現れた前田隊に襲われ、あっと言う間に主だった剛の者や部隊長を討ち取られ蹴散らされて逃げていた。


 前田慶南は武人として優れて居るが、変わった生き方と信念を持った傾くと言う考えを好む変わり者で、生家の滝川家、養子先の前田家や信長でさえも、その性格や腕前を扱い兼ねていた。


 かと言って、高禄に靡く女では無い性格をして居た。


 気に入らなければ、どんな相手でも頭を下げないのだ。


 そんな彼女が、移民しないか仕官しないかと言う変わり者の少年王が居るキリヤ公国へと渡ると、謁見した勇治に高印象を抱いた。


 気に入らないなら何時でも言って下さい。


 但しお仕事は止めても良い区切りの有る地点までは、キッチリと勤めて貰います。


 無断退職は、如何なる理由で有っても厳罰に処しますので、その積もりで・・・・・・・・・・


 それを聞いた慶南は大笑い。自分を手元に置いて、好き放題に使ったり、縛り付けるとか言うのでは無く、止める寸前の仕事は最後までキッチリしろと言うのだから、何だかバカバカしくなったらしい。


 彼女はこの少年王の行く先が見たく成ったらしく、その場で仕える事を決めたのだった。


 それに大陸で一騒動に関わって行く彼に付いて行けば、戦で思う存分に暴れられると踏んだのも理由の一つだった。


「ふう、帝国は噂とは違って、腰抜けばかりだな。」


「早く終わらせて、勇治が用意している戦勝の宴の酒に有り付きたいぜっ!」



 慶南は追撃を続けて行く。一仕事を終えての酒と露天風呂を楽しみにして・・・・・・・・



 こうして、メイルシュルフラッド独立自治公国での戦いは、僅か一日で決着すると言う、前代未聞の結果に、異世界マギアンティアの各国は度肝を抜かれたのであった。


 一方のオルトランタ商業連合国とガリアナ王国での戦いは、ゲルニアン帝国軍が攻め入ったとの報せが、キリヤ公国連合国・国防総省へと報せを伝える無線通信が届いていた、


 その戦いは、キリヤ公国連合国勢力側の味方が、優勢との事である。


 この公帝戦争の戦いは、長い中盤戦に入ろうとして居た。


 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月23日・午前10時34分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ゲルニアン帝国・帝都ベルリナ市・ベルリナ帝城宮殿にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キリヤ公国連合国とゲルニアン帝国と戦争、後の世では通称・公帝戦争が始まって3日が経とうとして居た。


 ゲルニアン帝国の首都である帝都ベルリナ市に、二つの早馬が到着し様として居た。


 ヒットラン・アドルフラー皇帝は、戦況の第一報が届くと言う報せを、今か今かと皇帝執務会議室で、主要な閣僚等と共に待ち侘びていた。


 ヒットラン皇帝を始め、政府閣僚や軍幹部らは、この戦は楽勝過ぎて欠伸が出てしまうと高を括って居た。


 会議室内では、和やかにお茶会をしながら呑気に伝令官の到着を待って居る姿が見受けられていた。



 そんな楽観的な雰囲気が漂う中に、吉報の報せを届けに現れたと思わしき伝令官が、会議室へとやって来た。


「申し上げますっ!」


「首尾は?」


「はっ、我が軍は南部諸国軍へと侵攻し、メイルシュルフラッド公国・オルトランタ商業連合国・ガリアナ王国領内へと攻め入り、快進撃を続けて居るとの事です。」


「なお、キリヤ公国連合国の本国であるキリヤ公国ですが、我が軍100万と対峙して身動きが取れずに、縮こまって居る様子。」


「同盟国にすら援兵派遣する余裕も無く、連合国加盟国からの援兵すら他国に回せない模様です。以上で有りますっ!」


「ご苦労だった。下がって良いぞ。」


「ははっ!」


 会議室を粛々と退出して行く伝令官。


 その伝令官が立ち去ると、閣僚達は勝ったも同然と、今後手に入る新領地をどうするかを話し合い始めて行くのであった。


 まだ勝っても居ないのに、何とも気の早い者達である。


「さて、南部の新領地だが、如何する?」


「メイルシュルフラッド公国は、ハッキリ言って山ばかりの使えない土地だ。在ると言えば、景観の良い大自然くらいだろう。」



「精々別荘を建てて、保養地にするくらいしか価値が無い。」



「ふふ、とか言いつつ、貴公は夏が楽しみの様子に見えるぞっ!」


「あはははっ!そんなバカなっ!」


「「「「「がははははっ!」」」」」


「私はオルトランタ商業連合国の国庫に眠っている大量の金貨や銀貨に宝石類を今から如何するかが、実に楽しみで仕方がないな。」


「全くだっ!これで此度の戦で戦地に行かせた、多くの貧乏な下級貴族共に十分な恩賞を与えらる。」


「当面、やつ等の恩給は、この財源で困る事は無いですな。」


「全くだ。」


「「「「「がははははっ!」」」」」



「ガリアナ王国も、大変豊かで肥沃な土地だ。我が国の半分の国民や将兵等を養い切れる位にな。」


「その土地で更なる軍備拡大と領土拡大をするのも夢では無くなった。」


「何れは我が帝国が世界の覇者と成るのも間違い無いぞっ!」



「「「「「がははははっ!」」」」」




「そして、キリヤ公国だが、我が皇帝に逆らう少年王の小僧を始め、連合加盟国全ての王族・重臣・軍幹部や幹部官僚等を悉く根絶やしにして、残った者共は奴隷や戦奴隷として一生扱き使ってくれましょうぞっ!」


「全く以って、その通りだっ!ゲルニアン帝国万歳っ!」


「ゲルニアン帝国万歳っ!」


「ゲルニアン帝国万歳っ!」


「ゲルニアン帝国臣民で無ければ、人に有らずだっ!」


「おお、良い事言うな。正に我が世の春だなっ!」


「「「「「がははははっ!」」」」」


 全くもってこの連中は、そんな事を行ってると、とある異界の武系貴族の様に、痛い目に遭うと言うフラグを立てると言う前触れに、何故気が付かないのだろうか?


「この世界はゲルニアン帝国皇帝陛下の下で、統一されなければ成らない。」


「笑いが止まらないな。」


「「「「「がははははっ!」」」」」


 そんなバカな笑いをして居る上位貴族だけが占めている政府閣僚らは、まだ、飲んでも居ない勝利と言う名の美酒に酔い痴れていた。


 其処へと、新たな一報が舞い込んで来た。


 バタンとドアが強引に開かれると、ぜーはーっ!ぜーはーっ!ぜーはーっ!と息を切らして居る伝令官が、ゆっくりと喋りだした。


「もっ、も・・・・も・・申し上げますっ!」


「如何致した?」


「どうせ、新たな良い報せであろう。」


「であるな。」


「「「「「がははははっ!」」」」」


「はぁはぁはぁはぁ、ちっ、ちがっ・・・・違いますっ!」


「メイルシュルフラッド公国方面侵攻軍30万人は、その日の内に敗退っ!」


「シェーミッヒ将軍は、援軍として派遣されて居たと思わしきキリヤ公国本国軍の武士軍団に追い立てられ、敗走中との事ですっ!」



「何だと?!シェーミッヒの奴めっ!しくじり居ったな!」



 ヒットラン皇帝は、怒りの余りに、声を張り上げて、怒鳴り散らす事をしてしまう。



「申し上げますっ!」とまた別の伝令官が大慌てで、駆け込んで来た。


「オルトランタ商業連合国・ガリアナ王国に攻め入った我が軍は、敵の罠に掛かり壊滅っ!!」


「更には敗走中との事・・・・・・・・・・」



「申し上げますっ!」


「キリヤ公国本土に攻め入った我が軍は、現在も果敢に攻めて居ますが、突破する事は叶わず、逆に攻め立てられて居るとの事ですっ!!」


「申し上げますっ!」


「我が国の内陸に在る補給物資を集積所に次々と空から攻撃を受けて、集積地である城塞が破壊し尽くされて居りまするっ!!」



「何だと?!」


「何故だっ!何故っ我が軍が、こうも簡単に敗退するのだっ?!」


「相手は弱小国で、我が軍よりも兵数の劣る寡兵なんだぞっ!!」


「分りませぬっ!!ですが、各方面からの報告では、敵の中に奇妙な兵器や連射する大砲に、連射する多数の銃を持った兵士が見られるとの事です。」


「何をバカな事をっ!大砲や銃が連射が出きる訳が無かろうっ!」


「もっと良く調べるのだっ!」


「ははっ!!」


「全く偽情報の精査すら出来んのか?」



 ヒットランは愚痴を言いながら、すっかり勝利の美酒の酔いから冷めてしまった会議室で、閣僚らに援兵や戦況の様子を探る様に命じたのだった。


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