第18話 少年王と激戦の公帝戦争っ!1
マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後9時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓の裏街道沿い・キリヤ公国直轄軍所属・キリヤ公国武士軍団・第二武士団・津軽乃為隊にて・・・・・・・・・・・・・・
第二武士団・団長の津軽乃為は、南米のインカ帝国のアンデス山脈の街道やスイスの様な入り組んだ山野の地形をしているメイルシュルフラッド独立自治公国内の山道を進んで行く。
出陣から二時間が経過をしていた。
「どうーっ!!どうどうっ!よーしっ・・・・・丁度良い頃合だな。」
「はっ!殿っ!我々の任務は伸び切っている敵の隊列を襲撃する事に有ります。」
津軽隊は高台や山野、谷間等に無数に張り巡らされたメイルシュルフラッド独立自治公国の防衛と迎撃専用に整備された裏迎撃街道と呼ばれる街道を使い、敵を見下ろせる高台に到着した。
その距離は、敵から東へ300メートルの距離だったが、敵からすれば、見え難い位置に在って、乃為から見れば、とても見易い位置にから敵の行列が歩いて居る小さい盆地が丸見えであった。
副将たる元津軽家老の沼田中佐に、総司令部から指示された命令を復唱説明をし終えると、乃為は使い慣れた薙刀を敵の隊列の急所らしき部分に指し示す。
「あそこだっ!あの隊列の後部は歩兵だらけで、伸び切って居る。」
「此処は地形的に小さな盆地。奇襲で襲い掛かるには絶好の場所だろう?」
「はっ、流石は殿です。お国を出られても、津軽の牙狼は健在で御座いますな。」
「そろそろ我が津軽隊の別働部隊も、メイルシュル山脈鉄道とメイルシュル山脈地下鉄道を使って敵の反対側にも到着している筈です。」
「銃歩兵隊と砲兵隊で敵を大幅に減らした後に、私達が突撃し、敵将を討ち取る。」
「大陸での初の大戦です。手柄を上げてキリヤ公国と勇治陛下の名を世界に轟かせようぞっ!」
「ふっ、者共っ!では、やるぞっ!」
「はっ、お心の侭に・・・・・・・・」
「津軽とキリヤ公国の勇士達よっ!我が君を害する夷敵を征伐せんっ!!」
「物共っ!掛かれえええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」
「「「「「「「うおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」
第二武士団の津軽隊は、牙狼の雄叫びを上げて敵へと向って行く。
マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後9時07分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓の裏街道沿い・キリヤ公国直轄軍所属・キリヤ公国武士軍団・第二武士団・津軽乃為隊・別働隊にて・・・・・・・・・・・・・・
さて、東に現れし津軽隊の本隊5千人が、敵軍の完全な包囲と突撃態勢を取るべく移動を開始している頃。
メイルシュルフラッド独立自治公国の国内や国外に知られて居る本街道とその付近には、決して見る事が出きない裏道と勇治のゴッドタブレッドの力による山岳鉄道と山岳地下鉄道の建設と整備は、物流と兵力の移動に革命を齎して居た。
勿論、この事はゲルニアン帝国ですら知らない国家機密事項だ。
鉄道の事は、調べられて居るが、動く箱の玩具と揶揄して、その素晴らしい物である鉄道の力を理解しようとすら出きないのであった。
津軽隊は、西と北からは山岳鉄道と地下鉄を使い進軍する部隊1万人。
南側からは、裏街道を経て5千の兵が集まり、所定の位置へと向って居た。
「急げっ!急げっ!急げーっ!」
「今敵は、予想通りの位置を通って居る。」
「急ぎっ!素早くっ!攻撃態勢を整えるのだっ!」
津軽第二武士団の別働隊は、準備が整うと、射撃態勢と砲撃態勢に入る。
「各隊っ!良ーく、狙って・・・・・・・・・・・」
射撃位置に付いた津軽隊の銃歩兵隊は、のんびりと呑気に街道を通って居るゲルニアン帝国軍3万人を完全に包囲して居た。
「今だっ!撃てええええぇぇぇぇーーーーっ!」
第二武士団の津軽隊は、メイルシュルフラッド独立自治公国を制圧しようとするゲルニアン帝国の一隊を迎撃予定ポイントにて、奇襲攻撃を開始した。
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
「んん?」
「何だっ!この音は?」
「たっ、たた隊長殿っ!あれを・・・・・・」
「何?」
「奇襲ですっ!メイルシュルフラッド公国軍、もしくは同盟国として、この国へと援軍にやって来て居ると思われるキリヤ公国連合国軍の奇襲です。」
「しかも銃を使ってる模様っ!」
「それも数千丁程度の数では有りませんっ!」
「更にっ!四方から囲む様にして、我が方に撃ち込んで居ますっ!
「何だと?我が帝国でもマスケット銃の生産と配備が進められているが、各方面軍に5千程度有れば良い方だぞっ!」
「包囲軍は凡そ1万数千っ!」
「ああっ!!有り得んっ!そんな数の銃を保持して居る国など、我が帝国を除いてあり得る訳が無いのだっ!!!」
「何時の間にそれだけの銃を生産して居たと言うのだっ!!」
そう、鉄砲はこの世界では、まだまだ手に入れるには値段が高い代物で、作れる技術を持った国も、金と鉱山を多く持っている事に比例していた。
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
「各砲座っ!!うちーかーた、よーい・・・・・・・」
「撃てえええぇぇぇーーーーっ!」
ダダッ、ダダアァァーーーーン。ダダッ、ダダアァァーーーーン。
ダダッ、ダダアァァーーーーン。ダダッ、ダダアァァーーーーン。
ダダッ、ダダアァァーーーーン。ダダッ、ダダアァァーーーーン。
各地から一斉に起動90式野砲と94式軽迫撃砲が撃ち放たれた。
ヒュウウウゥゥゥゥゥーーーーーーーッ・・・・・・・・・・・
「だんちゃーーーーーくっ・・・・・・・・・今っ!」
ドカドカドカッカーン。ドカドカドカッカーンッ!!
ドカドカドカッカーン。ドカドカドカッカーンッ!!
ドカドカドカッカーン。ドカドカドカッカーンッ!!
ドカドカドカッカーン。ドカドカドカッカーンッ!!
「各隊っ!効力射っ始めっ!」
ダダッ、ダダアァァーーーーンッ!!ダダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
ダダッ、ダダアァァーーーーンッ!!ダダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
ダダッ、ダダアァァーーーーンダッ!!ダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
ダダッ、ダダアァァーーーーンダッ!!ダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
ダダッ、ダダアァァーーーーンダッ!!ダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
ダダッ、ダダアァァーーーーンダッ!!ダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
「くそっ!!今度は大量の砲弾の雨だとおおおおおぉぉぉぉぉーっ?!」
「大砲の大量生産まで、可能として居るとはっ?!」
「一体全体っ!!どうなって居るんだ?キリヤ公国とか言う小国はっ!?」
「只の小国の成り上がりガキが治めて居るだけのゴミ屑様な国じゃ無かったのかよっ!」
ゲルニアン帝国軍の一隊を率いる隊長は、大混乱に見舞われた自軍の姿を安全な窪みに隠れながら、辺りを見渡しつつ呟き叫んだ。
彼の部隊を襲った砲撃は、銃撃と共に15分間続けられ、1万人は居た軍勢は、3千人まで削られてしまう。
其処へ何所からともなく威勢の良い咆哮が聞えて来た。
「銃撃、砲撃共に止んだ様です・・・・・・・・」
「流石に弾切れを起こしたのか?」
「ん?何か聞えて来ないか?」
「・・・・・・・・遠くから蹄の音が・・・・・聞えます・・・・・」
「「「「「うあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「あっ、あれはアマテラス神皇国の武士なる者達です。」
「間者達の調べでは、キリヤ公国連合国へと移民して行った様々な勢力や個人の者等が、彼の国へと渡り、国軍として吸収再編を受け、少年王の直轄軍の武士軍団として組み込まれたらしいとの事ですっ!」
「隊長殿っ!東から現れた武士軍団は、5千人程度と思われます。」
「旗印は第二武士軍団旗・・・・・確か・・・・津軽の牙狼と称される津軽信胤の手勢ですぞっ!」
情報武官が、スパイによって掻き集められたキリヤ公国連合国に付いて集められた情報の中から、敵大将名を見極めて部隊長に報告をする。
「そんな事なんぞは、今は如何でも良いっ!ともかく直ぐに迎撃だっ!迎え討てええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
「もう遅いっ!者共っ!あの大将を討ち取るぞっ!突っ込めええええぇぇぇぇぇーーーーっ!!」
乃為は、迷い無く敵部隊長に向って真っ直ぐに薙刀を振り回し、一撃で敵将の首を上げて見せた。
「第二武士軍団長っ津軽・乃為・信胤が、敵大将を討ち取ったりぃぃっ!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!」」」」」
乃為は、大音声を上げて高らかに勝どきを宣言する。
「隊長殿が、討たれた・・・・・・・」
「ひえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」
「うわあああああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」
指揮官を失ったゲルニアン帝国の一隊は、雪崩を打って逃げ出して行く。
「追撃戦に移るぞっ!」
「追撃いいいぃぃぃぃーーーーーーーっ!!!」
「1人も逃がすなあああぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!」
「追え、追え、追ええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!」
津軽隊は即座に追撃戦に移って追い駆けて行くのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後9時23分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓の裏街道沿い・キリヤ公国直轄軍所属・キリヤ公国武士軍団・第十武士団の真田幸恵隊・臨時即席城・真田山城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第十武士団を率いるのは、アマテラスで剣信の誘い受ける形で移民を決意した信濃国・下田郷・砥石地方を治めていた国人領主の真田・幸恵・幸昌である。
真名は幸恵で、親しい間柄の物は幸恵と呼ばれて居た。
腹黒い策で武田や北条を散々に痛め付けた戦上手な姫武将として、近隣諸国の領主達に一目置かれる存在でも有った。
だが、長期的な面で見れば、真田の生き残りは無理と判断し、武田に領地を売り渡す形でキリヤ公国に渡海を決意する。
勇治に目通りした際、幸恵の履歴書類を見ると、表裏卑怯者と言われるのは、大いに結構。
新たに創設する武士軍団の一軍団の軍団長に任ずると言うと、幸恵は目を丸くして、平伏して居た。
そして、国人領主に過ぎなかった自分を此処までの待遇で取り立てて貰った報恩に酬いるべく、メイルシュル山脈西側の中腹の盆地に有る砦で、ゲルニアン帝国軍を迎え討とうして居た。
「待てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」
真っ赤な旗に金色の6銅貨銭の旗を差した赤備えの騎馬武者隊が、ゲルニアン帝国軍の一隊に追われて居た。
「んん?あんな所に小城だと?」
「隊長殿っ!敵騎馬隊が目の前の小城に逃げ込みますっ!」
「門を閉じさせるなっ!全軍で突っ込めえええぇぇーーーーっ!」
ゲルニアン帝国軍は、真紅の騎馬武者が逃げ込んだ出城の門に雪崩を打って突撃をして行く。
後続の部隊も周辺に回り込み、別の門から城内の中へと入り込んで行く。
「ふっ、ゲルニアン帝国軍の諸君。我が真田山城へようこそっ!」
「折角のご来場してくれた将兵達の皆様には、我が真田家流のおもてなしをたっぷりと持て成して進ぜようっ!!!」
「各隊っ!鉄砲っ構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」
真っ赤な鎧と鹿角兜を着込んだ幸恵の号令と共に、各所の塀の上から銃歩兵が現れ、真っ赤な旗に金色の6銅貨銭の旗を一斉に掲げる。
「我が家の家紋は、黄泉路への渡し賃。貴様等を冥府へと案内せんっ!」
「放てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
一斉に放たれる銃弾の雨霰に成す術も無く、ゲルニアン帝国将兵達は討ち取られて行く。
「くそっ!」
「隊長殿。此処はお逃げ下さいっ!」
「何をするかっ!!」
ヒヒーンと部隊長の乗る馬を槍で叩き逃がす副官。
その跡に続く将兵も、最低限に纏まった200人程度の部隊と成って散り散りに逃げて行くが・・・・・・
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
「うあああああーーっ!」
「此処にも待ち伏せだと?」
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!
幸恵は複数の部隊を巧みに配置して、ゲルニアン帝国軍の2万を殲滅する事に成功する。
これ以降、ゲルニアン帝国の将兵の間では、真っ赤な旗に金色の6銅貨銭を見付けると、恐怖で恐れ戦く様に成るのであった。




