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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第3章 少年王とゲルニアン帝国との戦い。激突!公帝戦争っ!!編
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第17話 少年王と公帝戦争の開戦っ!

マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午前9時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ゲルニアン帝国・フェリス辺境侯爵領・ガントー地方国境付近・キリヤ公国連合国・ムツ地方自治州区北部地域・ゲルニアン帝国との国境地帯・ハコダテ国境要塞・ゴリョウカク国境要塞郡にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 宣戦布告・・・・・・その通知がユーラシアン大陸南部の諸国とキリヤ公国とその傘下に入る準独立国家に準じているナデシコ地方自治州区地域及び連合加盟国家に対して、ゲルニアン帝国から正式な宣戦布告の外交通知書を送り付けられて来た7月7日。


 それらはマギアンティア世界中の各地の国々の間でも話題を呼び、遂にゲルニアン帝国がユーラシアン大陸を統一する日がやって来たのかと囁かれていた。


 そんな両軍の開戦は、宣戦布告の外交通知書を送り付けられてから二週間後である7月20日以降の何れかに行われる事とする・・・・・と書かれて居た。


 但し、ゲルニアン帝国側の提示された条件を呑むなら戦争は回避されるとも書かれては居るが、当然ながらユーラシアン大陸南部の諸国とキリヤ公国連合国は、これを無視。


 キリヤ公国連合国とユーラシアン大陸南部諸国とゲルニアン帝国との戦争は、これで決定的な物と成る。


 両軍の準備は、既に整いつつある状況で、両者は何時衝突しても可笑しくない状況下に有った。



 この一方的な開戦通知は、ゲルニアン帝国の戦争準備が万準備端に整ったと言う事を示して居た。



 そして、この通知を出したゲルニアン帝国は、自分達に有利な形で戦争を仕掛けたいとの思惑が滲み出て居るのだ。



 何とも卑怯な手口なのだが、国際社会に共通の認識と国際法と言う国家その物を拘束が出来る決まりが無い異世界マギアンティアに措いて、この様な手口で弱小国をいたぶる事は、決して珍しい事では無いのである。



 しかし、実際の事実状況は違って居た。


 圧倒的にキリヤ公国連合国側の方が、質と戦略面と国力の面に置いて、圧倒的な有利で在るのが真実であった。


 既にユーラシアン大陸南部諸国の戦時体制は整えられ、後は宿敵たるゲルニアン帝国を迎え撃つのを待ち受けるたけであった。


 でもユーラシアン大陸諸国以外と一部地域や国家以外の世間では、そうは見てくれて居なかった。


 新参の格下の新興国に過ぎないキリヤ公国連合国に、一体何が出きるのかと見て居て、成り上がりのガキが没落して行く姿を鼻で笑いながら、高見の見物と洒落込んで居るのだ。


 事が終わったら勇治と彼が治めるキリヤ公国連合国への見方が変貌する事は、間違いないのだから・・・・・・・・・・・・・・・・



 ハコダテ国境要塞は、キリヤ公国連合国とゲルニアン帝国との間に東西約100キロ、20ヶ所もの岩山を要塞化した代物である。


 その西側国境にはスイスくらいの国土を持ったメイルシュルフラッド独立自治公国と言う小国があり、今は宗主国をガリアナ王国からキリヤ公国へと変えて、キリヤ公国連合国の傘下の連合国加盟国一つと成って居る国が在る。



 このメイルシュルフラッド独立自治公国は、80年前にガリアナ王国の王族の1人であるリィーゼの祖父が、独立を許されて建国した国で、言わば勇治と似た様な境遇の経て建国された国家と言えた。


 ゲルニアン帝国は、キリヤ公国連合国に宣戦布告に合わせて南部諸国も、桐谷勇治とキリヤ公国連合国に対して、身近な友好国が新参者のキリヤ公国と桐谷勇治を諫める事すらして居ない咎が有ると強引な言い掛かりを付けて、全ての南方諸国らにも宣戦布告を通知した。



 宣戦布告をしたゲルニアン帝国は西からオルトランタ商業連合国、ガリアナ王国、メイルシュルフラッド独立自治公国に対して、軍隊をそれぞれ30万人づつ派兵する。



 そして、ゲルニアン帝国の海軍30万人と予備兵力80万人を合わせて加えると総兵力は330万人の派遣にも上った。



 そして、キリヤ公国連合国の本土であるキリヤ公国方面軍には、100万人の陸軍と30万人の海軍と軍船3万隻を差し向けたのである。


 これで中央世界ユーラシアン大陸の覇権は、ゲルニアン帝国の物だと各文明圏の大陸の人々は思って居る様子。


しかし、後の歴史家達は、こう言って居る。


「この戦をしなければ、ゲルニアン帝国は、後数百年は続いたであろう」とね。


 後世の世界史では、公帝戦争と呼ばれ、彼のゲルニアン帝国の終焉が始まったとされる戦争が、これから始まろうとして居た。



「板垣閣下、我が国へと差し向けられた敵軍の総兵力は、凡そ陸軍100万人と海軍30万人だと言う偵察部隊からの偵察報告と、キリヤ公国秘密工作諜報情報部局での調査結果の報告で、敵側の陣容に付いての事柄が判明して居ります。」


「ご苦労、引き続き警戒を怠るな。」


「はっ!」


 伝令官が立ち去ると妙子は、岩山の岩石等の地形を生かしつつ、コンクリートと組み合わせて造られて居るゴリョウカク国境要塞郡の司令塔が置かれて居る要塞山頂の覗き穴から双眼鏡で、眼下に居並ぶゲルニアン帝国軍を眺め見て居た。



 ゲルニアン帝国側の平野には、大量の爆薬が仕掛けれられていた。


 今回の戦争に措いて、キリヤ公国連合国統合司令部では、地雷を仕掛けるのは見送られた。



 アマテラスから遠征に来て居る連合加盟国の独立君主等が率いる各国軍とキリヤ公国に仕官した武士軍団が居る事も有り、此方も戦況次第の場合によっては、敵国への侵攻軍派遣も有り得るので、その侵攻の邪魔に成るとの判断からだった。


「板垣閣下、海軍の山本総司令官閣下からです。」


「読み上げろっ!」


「はい、読み上げます。」


「明日、午前8時頃に、我がナデシコ自治統合海軍とキリヤ公国海軍の連合国海軍艦隊は、ゲルニアン帝国海軍の敵艦隊と開戦予定。」


「十二分に敵ゲルニアン帝国陸軍を引き付けられたし・・・・」との事であります。」


「さて、敵はどう出て来るか・・・・・・・」


 キリヤ公国連合国統合副司令長官職兼ナデシコ自治統合陸軍元帥である板垣妙子は、北からやって来たゲルニアン帝国軍勢を睨み、万全の体勢で開戦の時を待った。





マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午前5時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓・ゲルニアン帝国との国境・ハイネン地方・ハイネン地方州・ハイネン市・州都・城塞都市ハイネン城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 

 公帝戦争の最初の開戦は、メイルシュルフラッド独立自治公国のゲルニアン帝国との国境にあるハイネン地方・ハイネン地方州の州都、城塞都市ハイネン市にて始まったとされて居る。



 ゲルニアン帝国軍30万人の軍勢が、北から南へと下る各所の街道に雪崩を打ったかの様にして進軍して行く。



 国内人口が、たった4万人しか居ないこの小国に、約7.5倍もの大軍勢が迫って居た。


 ハイネン城を守備して居る兵士は、凡そ3000人と、この国の約3分の一に当たる兵力を当てて居た。



 ゲルニアン帝国の各軍の配置が終わった翌日の早朝マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午前5時00分頃。


 ゲルニアン帝国軍のメイルシュルフラッド公国攻略方面軍・司令官であるシェーミッヒ・バンデル将軍は、国境の要地であるハイネン城の総攻撃を命じていた。


「掛かれえええぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!」


「「「「「うおおおおぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!」」」」」


 ゲルニアン帝国は、キリヤ公国連合国の本土たるキリヤ公国とガリアナ王国両方へと通じる街道を持ったこの国を討ち倒して、キリヤ公国本国の首都である公都キリヤ市へと通じ、その裏口にもあたる街道から一気に攻め入る算段で居た。


「これは堪らんっ!!全軍っ!!退却っ!!全軍っ!!退却っ!!全軍っ!!退却ううううううぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 メイルシュルフラッド独立自治公国軍は、馬や自動車、トラック等を使って、瞬く間に雪崩を打った何の様にして、這う這うの体で退却をして行った。


 ハイネン城は、開戦してから僅か2時間で落城したのである。


「シェーミッヒ将軍閣下、実に楽な戦でしたな。」


「ああ、余りにも簡単過ぎて、汗すら掻かなかったぞ。」


「「「「「「「アハハハハハハハハッ!!!」」」」」」」


 シェーミッヒ・バンデル将軍のジョークを交えた台詞を聞いた周囲の将兵からは、大きな笑い声が、ドッと出ていた。


 因みにゲルニアン帝国を始めとする国々には、メイルシュルフラッド独立自治公国がキリヤ公国連合国へと加盟した事は伏せて在る。


その方が攻め込まれた時に、敵を油断させ、騙せるからだ。


「ヨシっ!荷を運び込めーっ!この城を拠点にして、本格的な南方平定攻略に掛かるぞおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!」



「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!」」」」」」」


 ゲルニアン帝国に派遣されて居た帝国側の友好国や同盟国の観戦武官達は、この緒戦での戦いの結果をすぐさま、それぞれの母国に書簡を送って報せた。


 ハイネン城の陥落とゲルニアン帝国の大戦勝は、間違い無しとの内容をである。





 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午前7時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓・ランブック地方州・ランブック地方・ランブック市・ランブック城内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 一方のメイルシュルフラッド独立自治公国の中部に在る第二の都市、ランブック地方州の州都、ランブック市とランブック城では、セレジアの従姉妹であるリィーゼ・メイルシュルフラッドが、ニヤリと笑みを浮かべていた。


「腹を空かした獣が、まんまと檻の中へと入った様ね。」


「はい。それでは予てからの予定の手筈通りに・・・・・・・・・」


「ええ、此処も直に引き払うわ。」


「タダで我が国を通れるとは思わない事ね。」



 リィーゼは、既に勇治と結託して、ゲルニアン帝国を叩き出す算段の計画を立てて居た。


 それに莫大な戦費と武器弾薬に兵器、それに加え大量の爆薬も仕入れていた。


 それらを安く入手する為に、15歳の彼女は勇治と婚約を決意したのだった。


 いや、月末払いの長期返済で良いと、彼女との婚約をする事に消極的であり、物凄く渋った勇治だったが、最後はリィーゼに押し切られて居た。


 この国にそこまで借金が出きる国力も無いし、反保に成る様な物も殆んどない。



 国土も差し出せないので有れば、後は女公王である自分の身を差し出して、国を統合するしか無いのだと言われて、泣く泣く彼女の言う事を承諾したのであったりする。


「カエデっ!」


「はっ、此処に・・・・・・」



 リィーゼの近くでメイド姿に変装して、命令を待って居た服部楓が現れる。


「敵をかく乱しなさいっ!出ぎるだけ派手にお願いね。」


「はい。手筈は整って居ます。」


「成らば行きなさいカエデっ!任務を見事に完遂するのですっ!!!」


「はっ!」


 楓は着ていた服を脱ぎ捨てて、忍び装束へと早変わりすると、近くの窓から飛び出して行く。


 良く見ると、30人ものくの一達が、現代の銃火器や近代装備を身に付けた状態で現れ、城外へと飛び出して行った。


「ふふ、あの者達に掛かれば、どんな国の警備網も意味を成さないか・・・・・・・それで、我らも反撃の用意をっ!!」


「ははっ!」



 リィーゼは、自国軍にも反撃に出る命令を下した。


 その近くに白銀の鎧を着た女武者が立って居た。



「リィーゼ殿。我々も出撃態勢に入る。」


「頼むわよっ!剣信っ!」


「任されよ。」


 キリヤ公国から派兵された第一武士軍団を始めとする武士軍団の精兵10万人以上もの軍勢が、メイルシュルフラッド独立自治公国の防衛の為に派遣されて来て居た。



 派遣軍の総大将は、越後の軍神とも龍とも称される上杉剣信である。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午前9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓・ランブック地方州・ランブック地方・ランブック市・ランブック城付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ランブック市の在る場所は北側に観光名所のランブック湖、東西と南に小高い山に囲まれ、その真ん中の小高い丘には、ランブック城と言う山城が聳え立った場所が在り、この辺りの地名をランブック地方盆地と言う高原盆地が在るメイルシュルフラッド独立自治公国の要地。


 

 其処には、国中に繋がる街道が走って居る言わば心臓に当たる要衝の地なのだった。



 今正にゲルニアン帝国軍の凡そ20万人の軍勢が、狭い盆地に在る城を取り囲んでいた。


 ゲルニアン帝国軍・メイルシュルフラッド公国攻略方面軍は、ランドー地方の在る大陸中部の一帯と繋がって居る街道沿いを北部方向から南へと下って行く。


 その進軍途中で目に入った各地の盆地や平野に在る町や村、城砦を襲いながら、メイルシュルフラッド公国の首都であるメイル市を目指して向って居た。



 各地の戦線から次々と敵国領土占領の報せが届いて居り、ゲルニアン帝国軍・メイルシュルフラッド公国攻略方面軍の将校達は、この大勝利に大いに沸き立って居たのである。


「報告ーっ!彼の城内は、正に蛻の殻であります。」


「何だ、あの女公王の小娘は、開戦前に随分と我が帝国を虚仮にする様な威勢の良い事をぬかし居って、一戦もせずに逃げ出したのか?」


「「「「「「わはははははっ!!!」」」」」」


 将校や兵士達が敵の・・・・リィーゼが威勢の良い言葉を言い放った割には、一戦もせずに逃げ出し、何んと情けないのだと言う事に対して、ドッと大きな声で笑い出す。


 リィーゼはゲルニアン帝国軍を殲滅すると、宣戦布告を言い渡した使者に対して言い放って居た。


「将軍っ!逃げ遅れたと思われる町娘を30名を捕らえました。」


「良しっ、今夜の夜伽の相手にでも成って貰うか、占拠した城の牢にでも繋いでおけっ!!」


「はっ!」


 兵士らは、慌てて逃げて行く避難民の最後尾を発見して、襲ったと事も付け加えて報告して居た。


 捕まったのは、その見た目が赤い髪の17歳位の女の子を含めた30人の女性達である。


 しかし、この場に居る者達は、この時点で気付くべきだった。


 敵側の甘い罠に・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後22時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓・ランブック地方州・ランブック地方・ランブック市・ランブック城付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 夜、時刻は22時を回り、将兵は酒や宴に溺れていた。


 上級の将校3名等は、捕らえた若い女を相手に、一発かましてやろうと強引に性行為に及ぼうとベットに押し倒す。


「あああっ!!んんんっ!」


「ぐへへへ、良い声で鳴くじゃねえか。もっと鳴かしてやるからよぉ~」


「ふっ、下種な男にやる物は無いな。」


「何だとっ!?がはあっ!!」


 突然強姦をしようとした町娘の態度が急変したと思いきや、将軍の男は首を一瞬でへし折られて、がっくりと倒れ込む。


 事を終えた楓は町娘の変装を解く。


 この世界の忍者は魔忍術と言う名の魔法を使いこなして居た。


 簡単な衣装での変身から、ドロンと魔法で化ける物まで、様々な変身術を心得ていた。


 その後ろでは、伊賀栗衆のくの一達の5人立っていた。


「お頭さま、他の者も大方片付きました。」


「ふぅ、醜い獣の相手はホンと疲れる。」


「私の穴の初めては、陛下の物なのにーっ!はあああんっ!勇治さまあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 楓は度々、勇治へのねじ曲がったピンク色の忠誠心の発作を発症する。


 それもう、年下の男の子に、ヒィヒィと喘いで犯されて喜ぶ自分を想像して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「はぁはぁはぁはぁ、ひぃひぃひぃひぃひぃ、ああんっ!ぐへへへへっ・・・・・・・・・・」


 部下達の目の前で、無意識に忍び衣装のスカートを捲り、パンツ越しに自分を慰めて居る変態姿を晒す楓。


「あのー、お頭さま。急ぎませんと、その陛下とも永遠に会えなく成りますよ。」



「はっ!?ここっ、ゴホン・・・・・・」



 部下に声掛けをして貰って、ハッと我に返る変態。


 桃色ピンクの変態忍者の頭領は、勇治に雇われ以来、忠犬以上に忠誠を尽くす変態ストーカー忍者に成り果てて居た。


「それでは、これよりこの城を爆破する。各自抜かるなっ!」


「「「「「ははっ!」」」」」

 

 散開するくの一達。


 その10分後・・・・・主だった指揮官殺害し、ランブック城を爆破した楓は次の任務先へと移動して行った。


 その様子を遠くで見て居たリィーゼ。


「ふふ、流石ね。」


「とても良い仕事振りよ。カエデ・・・・・・・・」



 爆破炎上して居るランブック市とランブック城の周りに多数の兵を伏せて置いたリィーゼが率いるメイルシュルフラッド独立自治公国軍。


 その中の一つの小高い山から遠めに事の成り行きを眺め見ていたリィーゼ。


 その彼女は女性公王として、伝統的な装飾が施された騎士甲冑では無かった。



 その姿格好は防弾チョッキと近代的な軽装戦闘服を着こなし、頭には鉄帽子、手には38式歩兵銃二式を持って、胸にはホルダーを身に付けて居り、その中には拳銃を提げて居た。


 腰には鋭い刃先を持ったレイピアを挿して居るが、これは最後の手段として使う物である。


 そう、彼女は国土か狭く、兵隊をたくさん集められない自国に最も適した軍隊とは?と言う答えを見付けたのである。


 彼女は短期間の間に、近代式軍隊を自らの手で作り上げたのであった。


 それもスイス見たいに凶悪な国土防衛軍の創設を・・・・・・・・・・


「今こそっ!反撃の時は来たれりっ!」



「者共っ!各部隊に通達っ!撃ち方よーいっ!目標っ!ランブック市内とランブック城付近の全てのゲルニアン帝国軍っ!」



「各砲座、各部隊の戦闘体勢の準備良しっ!」




「各部隊・・・・良ーく狙って・・・・・・」



「・・・・・・・・・・撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!」


 無線で周辺の山や林、塹壕に身を隠して居たメイルシュルフラッド独立自治公国軍は、一斉に大砲や機関銃を撃ち捲くった。


 また、平地では89式戦車群とトラックに牽引して運ばれた牽引式の大砲群が現れ、敵に対して砲撃を開始した。


「うあああっ!!敵だああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」


「あの軍勢は一体、何処から湧いて出て来たんだっ?!」


「それよりも如何するんだ?」


「先ほどの城の大規模な爆破と砲撃で建物の中に居た将軍達は瓦礫の下だぞ。」


「おい、周囲の街道の全てを良く見ろっ!街道全てが塞がれている。」


「さっき逃げ道を探しに行った連中から聞いたんだが、北に向う全ての街道に通じてる渓谷への入口が爆破されても居るぞっ!」


「罠か・・・くそっ!」


 どんなに悪態を付いても仕方が無かった。



「うふふ、どうかしら私を質にして、手に入れた鋼鉄の軍団と鉛と硝煙の香りが漂う生まれ変わったメイルシュルフラッド独立自治公国軍は?」


「タダでは帰えさないわよっ!」


「今日と言う日に向けて用意した持て成しは、たっぷりと在るのだから、我が国のパーティーに招待して居ない招かれざるお客様方には、是非ともデザートまで堪能して行って貰うわよ。」


「おーーーっほっほっほっほっほっ・・・・・・・・・・・」



 リィーゼは皮肉たっぷりにゲルニアン帝国軍を南の本営から眺めて高笑いと共に嘲笑って居た。


 暫くするとナデシコ統合軍の陸軍と空軍の航空爆撃大隊が、メイルシュルフラッド独立自治公国の空を舞って居た。


 地上からモールス信号でナデシコ自治統合軍の陸・空軍航空爆撃第隊の各隊に連絡が入る。


「地上のキリヤ公国秘密工作情報部局部隊から通信。」


「各地の敵指揮官や要塞、駐屯地の撹乱に成功せり、これより地上軍各部隊は、敵の追撃に移るべく進軍を開始っ!ナデシコ自治統合軍の陸・空軍航空爆撃第隊の各部隊には、その支援を請うものなり。」


「了解っ!!これより地上爆撃を開始するっ!!!」


「良し、各機に告ぐっ!第一攻撃を開始っ!」


 ナデシコ自治統合軍の陸空軍からなる爆撃大隊は、メイルシュルフラッド独立自治公国を含めた同盟各国やキリヤ公国連合国の各地の空を通り過ぎて、敵後方拠点の爆撃攻撃を開始した。


「撃ち方やめっ!抜刀っ!掛かれええええぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


「「「「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


 リィーゼとメイルシュルフラッド独立自治公国軍は、焼け野原に成りつつあるランブック市内とランブック城で生き残って居るゲルニアン帝国軍に総攻撃を掛けた。



 生き残った将兵は負傷者合わせてたったの5千人程度であった。


「メイルシュルフラッド独立自治公国っ万歳ーーーっ!!」


「キリヤ公国っばんざーーいっ!!」


「リィーゼさまとユウジ陛下に祝福あれえぇぇぇーーーーーっ!!!」


 奪還したランブック市に堅牢なアルクス山脈と城と騎士の紋章が描かれたメイルシュルフラッド独立自治公国旗と赤に丸の白地に鎌と鉄鎚と鳩と桐の花が描かれているキリヤ公国旗の旗が掲げられて居た。


「メイルシュルフラッド独立自治公国っ万歳ーーーっ!!」


「キリヤ公国っばんざーーいっ!!」


「リィーゼさまとユウジ陛下に祝福あれえぇぇぇーーーーーっ!!!」




この時に初めて世界は、メイルシュルフラッド独立自治公国がキリヤ公国の傘下に居る事を知ったのである。


 この勝ち戦と同時にメイルシュルフラッド独立自治公国の国内では、奪還した各ヶ所で、メイルシュルフラッド独立自治公国旗とキリヤ公国旗が掲げられている。


「メメイルシュルフラッド独立自治公国っ万歳ーーーっ!!」


「キリヤ公国っばんざーーいっ!!」


「リィーゼさまとユウジ陛下に祝福あれえぇぇぇーーーーーっ!!!」




 勝利と歓声の声は、メイルシュルフラッド独立自治公国の山脈地帯に、大きく響き渡って居た。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・7月20日・午後9時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国加盟国・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓の裏街道沿いにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、上杉剣信の総大将とするキリヤ連合公国軍・第一武士団を始めとする軍勢に加え、第二武士団の津軽乃為。第八武士団の前田慶南。


 第九武士団の村上清美と第十武士団の真田幸恵12万の軍勢は、リィーゼから国家機密に指定されて居るメイルシュルフラッド独立自治公国の山間部内を通って居る裏街道の地図を見ながら、敵を迎撃しようとして居た。


「では、此処で・・・・・・」


「決して無理はするな。我々は生まれた国は同じだが、生家も主張も違う武士の家に生まれた。」


「だが、縁が有って我らを受け入れてくれた陛下の為にも・・・」


「生きて第二祖国たるキリヤ公国の為に尽くさん。」


「いっちょ派手に歌舞いてやろうぜっ!」


「皆に軍神毘沙門天の加護が有らん事を・・・・・・・・・」


 5人は、それぞれの2万軍勢を引き去れて、迎撃予定地へと向って行ったのだった。




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