キリヤ公国建国史 第17回 キリヤ公国とアマテラス神皇国地方・天下統一っ!! 5
伊予国連合軍を打ち破り、四国島地方平定が成った織田家は、九州島地方平定戦への準備に移行する事に成る。
その準備に取り掛かり始めたばかりのマギアンティア世界統一暦・1555年・6月25日の事です。
アマテラス神皇国・四国島・四国地方・伊予国・今治市・今治城に九州島地方の主だった大名王家とその家臣達らが、織田家による四国島地方統一平定が成った事への祝賀を述べにやって来て居ました。
彼らは次期織田大名王家領国による連合政権に参加する九州島地方の主要な大名王家でした。
北九州地方・豊前国・豊後国・筑後国の三カ国を治める大名王家の大友家。
大友家は、古くは第一将軍王朝・田村家に仕えた初代の大友能直が、豊後の大分地方を領土として賜り、九州地方へと移り住んだのが始まりとされて居ます。
それ以来、大友家は歴代の将軍王政権に仕えて来た歴史を誇りとして来て居ました。
第13代足柄幕府将軍王・足柄・一輝・宗輝は、自身が居なくても織田家の織田・和紗・信長がアマテラス神皇国を統一するだろうと考えもあり、キリヤ公国連合国からの誘いを受ける形で、足柄室町幕府将軍王朝を閉じてキリヤ公国連合国へと渡海してしまう事に成ります。
そんな青天の霹靂の様な出来事が巻き起こった中で、大友・須江・奏麟は、次代の将軍王と成る人物は、織田・和紗・信長であると見て居ました。
その先読みは、正しかったと証明されたのは、今から三日前に四国地方を平定したとの報せが舞い込んで居ました。
それ以前から大友・須江は、将来的に織田家が九州地方へとやって来るのを見越して、和紗との交流を重視し、ユーラシアン大陸との貿易で手に入れた物珍しい品々を贈り物として送って居ました。
そんな外交努力を続けて来た甲斐が在り、四国統一を成し遂げた事への祝賀を述べようと、大友・須江は隣り近所に成りつつある織田家領土と成った伊予国へと訪問しにやって来たのです。
来るべき九州地方の統一平定戦に向けての地ならしにと、同行者には、大友家の筑後国領主にして与力大名であり、立花家の当主である立花・雪花・道雪と、家老職に在る高橋・紹子・運紹。
また地方大名王家である肥後国の人吉城の相良・晴陽・義陽と日向国の伊東義祐の二人も、大友・須江の仲介で織田家の同盟大名王家と成ろうと、この外交会談へとやって来て居ました。
大友・須江は、同行者達と共に、今治城の謁見の間で、羽柴・陽菜に目通ると、祝いの言葉を述べます。
「この度は織田家による四国地方平定の完遂。心よりお祝い申し上げます。」
「「「「おめでとうございますっ!!」」」」」と同行者達等も祝いの言葉を述べて行く。
「此方こそ、大友家や九州地方の織田家と協力体制に在る大名王家の方々からの手厚いご支援にも感謝を申し上げる。」
「羽柴殿。九州地方へは、いつ頃お入り成るお積りでしょうか?」
「日取りが決まりましたら、是非とも我が家へとお報せ下さい。」
「我が大友家は九州地方の統一に措いて、一働きする所存。」
「まぁまぁ、そう急がずとも。」
「ですが、羽柴殿。昨今は島津四姉妹が何やら怪しげな動き在り。」
「左様、相良殿の仰って居らる通り、聞く所に寄れば、島津家は竜珠王国を支配下に置いたとの事。」
「そろそろ九州北部へと侵攻の兆しが在るやもしれませんぞっ!!」
「逆に龍造寺が大人し過ぎるのも問題だな。」と高橋・紹子・運紹が言うと、ドッと笑い声が広がる。
「しかしながら、島津家は九州地方の古い名家に過ぎない筈ですが、其処まで警戒するほどの事なの?」と陽菜は、名参謀である黒田・雫に聞く。
「陽菜殿は良く知らないようですな。」
「島津家は、確かに大友家・龍造寺家等よりもやや小さなお家の大名王家。」
「領国は先祖代々から受け継いで来た薩摩国と竜珠王国との戦いで勝ち取った天城諸島あまぎしょとうを領有しており、彼の王国の竜珠諸島との交易で栄えて居る為、最近は何かと羽振りが良いとも聞き及びすまな。」
「先代当主である島津貴久殿は、娘達である島津4姉妹が余りにも優秀過ぎて家督を盗られるかの様にして、譲り渡されたとの事です。」
「当主にしてその美貌は西南国随一にして、誠の大将の器と謳われる長女・島津・久実・義久。」
「武勇名高き鬼島津と言われし人物として知られた島津家の次女・島津・弘美・義広。」
「その才智は天下に轟くと期待されて居る冷血なる軍師で島津家の三女・島津・利美・歳久。」
「島津家内の将兵に最も人気を誇り、武勇と統率力に長けた能力を有して居ると評判の良い四女である島津・衣恵与・家久。」
「何れも一軍を率いて戦場に赴けば、10万人の軍勢を手足の様に動かせるとのことです。」
「何だか面倒な相手だね。」
「誠に、ですが・・・・今は大隅国を支配下に置き、日向国の南部領を制圧したとの情報が入っては居りまするが、大友家を始めとする連合軍が相手なら余裕で勝てる筈です。」
「おおっ!!流石は羽柴家の軍師にして、播磨国州の秀才と謳われて居る人物。」
「冷静沈着な判断による分析が為されて居るとは、軍師黒田・雫・隆孝の名は伊達では在りませんね。」と言う大友・須江・奏麟は、黒田・雫の言葉に島津家の脅威による不安感が和らいだ様子であった。
(だが気に成るのは、島津家の動き。特に竜珠王国との戦争に勝った事と、ゲルニアン帝国が裏で暗躍して居ると言う噂話だ。)
(噂ではゲルニアン帝国が、アマテラス神皇国地方での利権を少しでも確保しようと、信長様には貿易での優遇処置を取り、島津四姉妹には貿易と軍事支援などの取り入る様な手引きをして居ると聞く。)
(竜珠王国を支配下に置いて、其処から得られる利益。)
(島津家は武具と金銭。ゲルニアン帝国はアマテラス神皇国地方の大名王家と竜珠王国と言った地域の元首を支配下に置いたと言う宗主国権を手に入れ、影響下に置く事。)
(キリヤ公国連合国が、アマテラス神皇国地方の大名王家に関して、望む望まないに関わらず、盟主王と成ってしまうのは時間の問題。)
(ちょび髭オヤジ皇帝のヒットランは、何が何でもそれだけは阻止ししたい筈。)
(下手をすれば、九州地方統一平定戦は、荒れるやも知れませんな。)
羽柴家の軍師にして、播磨国州の秀才と謳われて居る黒田・雫・隆孝は、不気味に動き始めた島津家の4姉妹の動向に波乱の予感を感じてしまうとの回顧録が残って居ます。




