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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第2章 少年王、家臣団をスカウトする編
42/321

第6話 少年王と戦国姫武将の国

マギアンティア世界統一暦・1555年・5月30日・午前9時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・ローレライ大海洋海域・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・織田大名王家領・羽柴家委任統治領国・摂津国・大坂市・大坂湾港沖合にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キリヤ公国の北東600キロ沖にある島国、それがアマテラス神皇国である。


 アマテラス神皇国は、日本で言えば、戦国時代から江戸初期くらいの文化レベルの島国。


 ナデシコ地方自治州の転移の影響でナデシコ第二地方地域から更に北東部へと追いやられユーラシアン大陸からかなり離れた島国と成ってしまって居る。


 帝と言う天皇に当たる人物は居ないので、その変わりに各地の大名の中で一番に実力のある者が征夷大将軍王と言う地位を持って治める国。


 現在は第4次内戦の真っ最中で、それまで治めていた足柄家が打ち立てた政権である足柄幕府が崩壊しつつある様だ。


 征夷大将軍王とは、代々のアマテラス皇国内で力在る武士の棟梁がアマテラス皇国を統一した際に名乗る王称号の事。


 国ごとに扱い方が違うので、国王または公王、低い扱いが在る場合は侯爵王扱いの場合が在る。


その将軍王が樹立させるのが幕府と言う政府機関である。


 幕府とは将軍王朝が天下統一を成し遂げた際に樹立する政府機関で、その名乗りと政府機関を樹立させられるには、アマテラス神皇国地方の7割5分を支配して居る事が絶対条件と成って居る。


 将軍王朝の歴史に付いては以下の記述と成って居る。


 此れまでのアマテラス皇国は、最初の内戦であるアマテラス統一戦争を征した田村家による田村将軍王朝を政権を第一将軍王朝を樹立する。


 それから200年後経った世に成ると、田村政権を政略結婚で政権奪取に成功したのが、藤原家が第二将軍王朝を築く。



 それから更に200年経つと、藤原家血筋から成る平家大名王朝と田村家血筋の正統武士王朝から源家大名王朝とが戦う第二次アマテラス内戦である源平合戦を征した第三将軍王朝である源氏鎌倉将軍王朝政権が成立する。



 それから150年が経つと、平家武士王朝家血筋である北条家が鎌倉政権の実権を握り、源一族を傀儡化させた北条執権政治政権を確立するが、ゲルニアン帝国がアマテラス神皇国へと大艦隊を使って大軍を派遣して攻め取ろうとする。


 これをゲル交戦役合戦と言って、アマテラス神皇国は歴史上初めての対外戦争を経験するが、これが原因で北条執権政治政権が没落してしまう。


 その原因は土地を最大の報酬とする恩賞制度の欠陥たる土地不足や軍事費が加算だ事による恩賞の未払いであった。


 それらが気に食わないと考えて居た大名王家の者達は、源氏王朝家血筋であった足柄家と新田家に率いられる形で、北条執権政権を打倒を掲げる太平記戦役が勃発し、北条家を打倒する事に成功する。



 しかしながら、足柄家と新田家の両家による政権争いが勃発し、両家は共に将軍王朝を名乗り、皇都・平庵京を挟んで一五年間に渡る南北将軍王朝戦争をが開戦、これらの内戦状態の事をアマテラス神皇国内では、第三次内戦をとして居る。


 この内戦を征した足柄家は晴れて、正統な将軍王朝を名乗って居る。


 そして現在は、第4次内戦を迎えて居るアマテラス神皇国は、織田家による政権交代・・・・いや、武力統一による中央政権の奪取が見込まれて居る。


第一将軍王朝 田村家


統一成功者・田村・那珂・清麻呂


征した第一次内戦・アマテラス統一戦争


首都所在地・皇都・平庵京 


第二将軍王朝 藤原家


国家を征した政権奪取方法・政略結婚による田村家乗っ取り。


統一成功者 藤原・美知恵・道長


首都所在地・皇都・平庵京 


第三将軍王朝・源家


第二次内戦・源平合戦


統一成功者 源・頼美・頼朝


首都所在地・鎌倉市


副都・皇都・平庵京とし、統一地方行政府・六波羅探題・九州探題・奥州探題・中津探題を設置 


第四将軍王朝・足柄家


征した第三次内戦 太平記戦役・南北将軍王朝戦争


統一成功者 足柄・高子・尊氏


首都所在地・皇都・平庵京 


統一地方行政府・鎌倉府探題・九州探題・奥州探題・中国探題を設置。 


 以上が将軍王朝の歴史である。



 この日、大名王と言う小国を支配する王達の国の群雄が犇めくアマテラス神皇国の近江国を中心とした畿内地方を統治する織田大名王家。


 その中で羽柴家が委任統治を任された一つである摂津国・大坂市・大坂湾沖合に、キリヤ公国連合国から撫子級型戦艦・武蔵を旗艦とし、その他の戦艦級艦艇に長門型戦艦・陸奥が随伴して居る。


 その他にも重巡洋艦・最上と軽巡洋艦・球磨、多磨、北上、由良。


 駆逐艦・陽炎、不知火、舞風、黒潮等々艦艇を併せて計11隻。


 輸送艦20隻、客船30隻、補給艦および燃料タンカー30隻。


 それら全部で合計91隻もの海軍艦隊が突如として現れた。


 更に此処大坂湾以外にも、博多湾、伊勢湾、江戸湾、広嶋湾、仙台湾、陸奥湾にも12隻の戦闘艦隊と輸送艦と補給艦等を併せて、30隻ものナデシコ自治統合海軍艦隊が、一斉に現れたのだ。



 そして、この日の午前9時頃の事である。


 巨大スピーカーを用いて、湾内に在る大坂の都市部へと向って声を発した。



「あー、あー、アマテラス神皇国に住まう全ての者に告げる。」


「我々はキリヤ公国の連合国加盟統治下に在るナデシコ地方自治州区の独立自治軍であるキリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍所属のナデシコ自治統合海軍の海軍艦隊である。」


「そして、私はアマテラス神皇国への近畿地区方面への使者として派遣された当艦隊の司令官の南雲夕霧です。」


「この声はアマテラス神皇国各地に住まう人々に届く様にと、各地の大きな港湾地域にナデシコ自治統合海軍の艦隊をそれぞれ派遣して同時中継を行って居ります。」


「我々は貴国や各地の大名王家に対して、戦をしにやって来た訳ではありませんので、如何かご安心ください。。」


「我々の目的は、キリヤ公国の桐谷勇治公王陛下からのお言葉を伝えにやって来ました。」


「アマテラス神皇国に住まう全ての民の方々は、心して我が公王陛下のお言葉を聞いて頂けませんでしょうか?」


 アマテラス神皇国使節派遣艦隊の艦隊司令官である南雲夕霧大将は、勇治からのアマテラス神皇国民と大名王家へのメッセージを読み上げ始めた。


「アマテラス神皇国の皆さん。初めまして、キリヤ公国連合国の公王である桐谷勇治です。」


「この度は、突然の訪問でお騒がせてしまい、申し訳ありませんでした。」


「さて、早速ですが、本題に入ります。」


「貴国へ、我が国の海軍艦隊を派遣したのは、貴国で余っている人材を我が国を呼び込みたいと思います。」


「貴国は内戦を4度も繰り返しており、その度に様々な出自の方々が行き場を無くして居るとの話を我が国に仕官してくれて居る貴国出身の方々から聞き及んでます。」


「更には、住む場所に困ってたり、家が没落したり、職が無く、飢える日々を過ごして居るとも聞き及んで居ります。」


「其処で如何でしょうか?我が国は土地も職場も人手が足りない位に余り過ぎて、とても困って居ます。」


「国軍や官僚に工房関係に農業に魚業と我が国内では、多く職場での人手が足りて居ません。」


「貴国に派遣した艦隊には、第一次応募者50万人が乗れるだけの船をご用意しました。」


「これを機に、我が国へと来て新規一点をして、豊かな暮らしの為に、一緒に働きませんか?」


「皆さんのたくさんのご応募を待って居ます。」


「応募条件は、健康である事。更に如何なる出自と身分を問わない事にします。」


「病気がちの人は、派遣したナデシコ軍の軍医の診察と治療後の経過次第で入国を許可します。」


「仕事や住む場所、そして食べ物、生活用品等は、暮らしが立ち行くまで配給と言うやり方で賄わせて頂きます。」


「最後に、我が国の国民戸籍登録後は、ちゃんと我が国の国法である法律に従うこと、これが我が国に住み続ける最低条件です。」


「悪さを止めない悪い人は国外追放か裁判で、最悪の場合は、極刑か死刑と成りますので、翌々お考えの上で、皆様方は振るってご応募くださいませ。」


「応募地域は、我が国の海軍艦隊が派遣されて居る地域の港が受付窓口です。ご清聴有難う御座いました。」


「以上が勇治陛下からのアマテラス神皇国民の皆様へのメッセージです。」


「それでは、たった今から応募を受け付けます。お気軽にご応募ください。」


「それとアマテラス神皇国の大名王国の国主達に告げる。」


「我らの活動を邪魔するなら容赦は、しないからその積もりで、それではアマテラス神皇国の皆さんお騒がせしました、ご清聴ありがとう御座います。」



 

 夕霧大将は、演説を終えると静にマイクの電源を切った。


 各地に現れた艦隊は、近くの港へと入ると、上陸を開始して各々の仕事を始めて行く。


 この国の貿易港は、その土地を管理している大名王家が貿易の推進を進めている関係で、外国船は滅多な事では出入り禁止と成らない事に成って居た。


 キリヤ公国の行いは、戦争では無く余って居る人材の公募、それも浪人や再起を図ろうとしている元大名王家の様な者達を難民達として自国へと引き入れる事にある。



 そんな物好きな事を邪魔する理由も無いので、取り敢えずは、放置と言う態度を決めたアマテラス皇国の大名家の君主達であった


 そして、アマテラス神皇国の各地の市民達はポカンとした顔付きをしていて、何が起きて居るのかが理解出きなかった。


 だが、それから3日も経てば、ある程度の動きが見えて来る。


 噂や話半分で、お応募に来る様々な身分の者達が続々と集結をし始めたのである。


マギアンティア世界統一暦・1555年・5月30日・午後13時15分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・ローレライ大海洋海域・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・織田大名王家領・羽柴家委任統治領国・摂津国・大坂市・大坂城内謁見の間にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キリヤ公国連合国の使者として現れた、第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合海軍・第二戦隊と、その艦隊司令官である南雲夕霧中将。


 その旗下に在るナデシコ自治統合海軍・第二戦隊は、随伴して居る輸送艦20隻から荷卸し作業を開始。


 キリヤ公国連合国政府としては、地元を治めている織田家の姫武将である羽柴・陽菜・秀良との会談を申し込む。



 因みに羽柴家と羽柴・陽菜・秀良とは何者かと言うと、豊臣秀吉の様な人物であると思って貰って構わない。


 その経歴とはと言うと、猿の様にキャッキャ、キャッキャ飛び回るが如く騒がしい性格で、背格好が小柄で可愛らしい容姿をして居る羽柴・陽菜・秀良は、元は尾張国州の農村である中村の生まれで、木下・陽菜と言う農民の家の長女。


 実家には、母と7人くらいの兄妹達が居る家族の多い貧困層生まれの女の子だった。


 ある日、美濃国との戦に足軽兵として召集され参加して出て行った父である弥右衛門が、敵から受けた手傷が元で、破傷風に掛かって病死。


 一家の大黒柱を失った木下家は、只でさえ貧乏農家であるのに、収入源の稼ぎ柱が亡くなった事で、ド貧乏の底へと転落。


 そんな中で、母親である仲を狙って居た中村の村長の次男坊である竹太と言う男は、戦で留守の木下家へと強引に入る込み、仲と寝屋を強引に強要させて居た。


 弥右衛門が亡くなると、今度は再婚相手だと言って、家に居座る様に成る。


 そんな生活に嫌気がさして居た陽菜だったが、ある時義父である竹太から、デカい娘は小利口過ぎて邪魔だと、近くのブッタ教寺院に小僧として追い出されてしまう。


 頭に来た陽菜は、中村寺院を飛び出し、義父である竹太をボコボコに殴り捲ってから、村を飛び出す。


 其処から当てもない旅へと出たが、日雇いの仕事をしながら東へ東へと流れて、遠江国の国衆で在り今川家臣でもある松下・佳代・之綱に、物乞いをしていた所を拾われる。


 半年間の間に武芸・学問・兵法・経済等の学問を教え、大変に可愛がられたが、献身的に働いてる事が、古くから仕える家臣達に農民の癖にと酷く馬鹿にされて居た。


 これ以上は迷惑を掛けられないと悟った陽菜は、ある日の深夜に黙って松下屋敷を去ろうとした所を呼び止められ、餞別だと言って金子・大小刀・槍・鎧と鎧櫃等の姫武士道具一式を受け取って、お礼を一言を言うと、その場を立ち去る。


 そして、数年ぶり尾張国へと帰ると、松下・佳代から貰った金子を元手に、尾張国各所から搔き集めたりした産物を扱った行商を開業する。


 その時に従業員として雇った幼馴染みの蜂須賀・頃代・正勝と前野・恵那・長康共に清州市へと出稼ぎに出るが、其処で若き日の織田・和紗・信長と出会い、その出で立ちにただならぬ気配を感じて家来に成って一旗を揚げたいと決意する。


 その後陽菜は足軽組頭の身分で、和紗の付き人として、草履取り仕事からスタートし、清州城の修繕をたった1週間で仕上げたり、岡ヶ狭間の戦いで今川義本の動きを探ったり、墨俣城を一夜で作り上げ、美濃で有名な軍師を調略して見せた。


 また、越前金ヶ崎の戦いでは、朝倉軍と浅井軍の連合から味方を守るべく殿を引き受けたり、反旗を翻した元同盟国である浅井家の居城である小谷城攻略の総大将を務めたりと目覚ましい活躍を見せた。


 農民だったにも関わらず数々の活躍を見せたりして居た彼女は、何時しかアマテラス地方でも一躍有名な最底辺から出世を成し遂げた武将の一人と成って居た。 


 現在は北近江5万石と播磨国州50万石と摂津国州20万石あわせた75万を領している。


 家臣団には故郷の幼馴染みや親戚、身分の低い者や浪人者等が多く採用され、異色の家臣団と成って居る。



 その羽柴家への使者と成るのはナデシコ自治統合海軍・第二戦隊の司令官である南雲夕霧中将が任されて居た。


 一方の羽柴家はと言うと、突如として降って湧いて来た寝耳に水な話であった為に、その対応は後手後手に回ざる負えなかった。



 この日、羽柴家と南雲夕霧中将は大坂城内で会談と成って居た。



 大坂城は、摂津国は大坂丘陵地帯に在る石山に建てられた巨大城郭都市を基本とした和風建築の城で、その様相は、今や資料が少なくて正確な姿形が分からない豊臣秀吉が建てたと言う大坂城と酷似しているかも知れない。


その石山とは?



元々は石山大坂ブッタ教本願寺。 


 通称名・石山本願寺と言う摂津国は大坂丘陵地帯に在る石山に寺院を構えるブッタ教 ブッタ教寺院の宗派の一つで、ブッタ・一向宗とも呼ばれて居る僧や信者達が崇めて居る寺院の総本山が在った土地の事である。


その様相は、寺と言うよりも要塞城と言った方が良いと言われて居り、麓の門前町商店街や大坂湾の港を利用した交易に、寄進と言う寄付が在るお陰様で、大名王家と張り合えるだけの軍事力と経済力を持った一国家とも言うべき力を持って居る厄介な武装宗教組織。



 織田・和紗・信長は、この寺院を数年掛かりで攻め落とし、大坂ブッタ教本願寺・一向宗・第11代門主である本願寺・顕如を降伏させ、石山本願寺を開城させた。


 しかしながら、長男教如が反発していた為、半年間ほど開城が遅れてしまったが、資金と食料不足が鮮明に成って居る事から、渋々本願寺を開城。


 その後は父親である顕如と決別し、和紗は本願寺勢力の分裂と両者の争いが面倒な事に成らない様にするべく、顕如一派と教如一派らに、それぞれ皇都・平庵京に新たな寺院を建てる事に成る事で、喧嘩をさせないようにするのであった。


 これが後のアマテラス西本願寺とアマテラス東本願寺が生まれた主な理由である。

 

 こうして大坂ブッタ教本願寺・一向宗は、准如の西本願寺と教如の東本願寺とに分裂する事に成り、石山本願寺の跡地には、中津国地方・毛利攻めにを命じられた羽柴・陽菜・秀良が新領地の本拠地として整備し、大坂城を建て居る。



 そんな経緯が在った大坂城で、ナデシコ海軍の南雲夕霧中将は、羽柴家の重臣との会談に臨む事に成る。


「初めまして、私はキリヤ公国連合国・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合海軍・第二戦隊司令官、南雲夕霧中将と言います。」


 夕霧は、童顔でボブショートヘアーで眠たそうな目付きをした人物で、夜は親友と称する位に夜戦と夜戦雷撃戦術を得意として居るが、昼間は常に眠いと豪語する位に低血圧な事で知られて居た。


 そんな彼女が丁寧な口調で羽柴家の重臣達と相対して居た。



「此方こそ宜しくお願い致します。某は羽柴家次席軍師にして、播磨国・姫路城主の黒田・雫・隆孝と申します。」


「生憎と我が主は、織田・信長様のご命令により播磨国攻略の真っ最中でありまして、大坂城を留守にして居ります。」



 夕霧の交渉相手は、羽柴家の次席軍師である黒田・雫・隆孝であった。


  羽柴家の軍師にして、播磨国州の秀才と謳われて居る人物。


 黒頭巾を被った小柄なおかっぱ頭の風貌で、機内での戦いで荒木城にて、荒木村重の手によって1年間の投獄生活を強要されて居た事も在るせいか、右足を悪くしてしまって居る。


 羽柴軍の2枚参謀看板の一人で、美濃国州の天才と謳われし竹中・半那・治重と雫半軍師と略され並び呼ばれる名参謀としてアマテラス神皇国内では知られて居た。


 この二人が居れば、アマテラス神皇国の天下が取れると言われて居るが、本人達にはその気は無いらしい。


 竹中が軍略に長け、黒田が戦術に長けている為か、この二人が立てる軍略は実に相手を翻弄し、簡単に決着が着くとされて居る。


今のこの大坂城には、木下・陽菜は留守であった。


 何せ陽菜が使えて居る織田家は、アマテラス神皇国地方の天下統一まであと少しの所まで来ていると言われて居る大名王家。



 その中でも陽菜と明智家の明智・十華・光秀の両名は、織田家の中でも一・ニを争う出世頭と言われて居る。


 そんな陽菜は、織田・和紗・信長の命令により、毛利家と奪い合いをして居る播磨国の攻略の真っ最中であった為の、筆頭軍師の竹中・半那・治重と共に前線へと赴いて居た為に留守であった。 


「はい。存じて居ります。」と言う夕霧は、楓の配下の忍び衆から今のアマテラス神皇国地方に付いての情報を得て居たので、陽菜が留守である事は知って居た。


「それで其方のご用件はと聞くの野暮でしたな。」と雫は聞くが、夕霧が何を交渉にやって来て居るのは理解して居た。



「はい。此方の交渉要望は4つ、堺市港と大坂市港の利用を許可願いたい。」


「そして、我がキリヤ公国連合国に保護下に入りたいと言う如何なる出自・事情・問題を抱えた人物であっても妨害をしない事。」


「それに各地の大名王との交渉調整の仲介をお願いしたい。」


「それは織田家に取っての敵対勢力で有ってもですかな。」


「その通りです。相手方が文句を言うのならばキリヤ公国連合国の名を使ってもらって結構です。」



「これを引き受けた場合の織田家と我が主に何か利する物があるのですかな。」


「その辺は面倒くさいので、これを・・・・・・・・・・」と言うとも夕霧は部下に命じて金塊を5000本ポンと出して見せた。


「おおっ!!これは凄い。」と驚く雫は、目を丸くして驚いて居た。


「港湾施設の利用料と各種仲介料です。足りない場合は本国から届けさせます。」


(・・・・・ふむふむ。)


(やはり聞きしに勝る国力が在りそうですな。)


(異界から現れたと言うナデシコ地方自治州区成る土地と軍隊により、キリヤ公国は大幅に国力と軍事力を増大させたと聞く。)


(しかしながら、魔法の様な手口が果たして本当か如何かと言う疑心暗鬼も囁かれて居たが、予もや金塊を五千本をいとも簡単に差し出すとは、此処は下手に敵対をしない方が得策と言うもの。)


「分かりました。其方のご要望のお答えする方向で主と話し合いたいと思います。」



「ですが、この話を我が主である秀吉様とで進めて決めるのは、信長様のご勘気に触れる恐れが・・・・」と言い掛ける。


「それは問題ありません。今頃は尾張方にもナデシコ艦隊が言って居る頃です。」


「ほう、それでは信長様にも?」


「はい。其処に在る金塊は全て羽柴様へのお支払いと成ります。」


「万が一、信長公が何かを言われて来ても此方で対処をしますので、ご安心ください。」


「それは重畳ですな。」


「それでは、交渉成立ですね。お支払いはお幾らに成りますか?」


「そうですな・・・・・(此処は吹っ掛けも良さそうですな)」と雫は思った。



「金塊100万本をご用意下されば、大抵の事は、何でも引き受けましょう」と雫は大きくキリヤ公国連合国へと支払い金額を吹っ掛ける。


 雑費経費で金塊5000本をポンと差し出すのだから、羽柴家うちの方にもぼったっくりをしても、問題は無いだろうと、この場で吹っ掛けて見る事にしたのであった。


 上手く行けば、羽柴家で使われて居る経費の足しにでも成るだろうと思ったて居た。


(流石にやり過ぎかも知れませんね。どの道値段交渉をして来るでしょうが、30万本から40万本くらいが、相手から分捕れば良い筈ですな。)と心の中で最終的な値段を付ける雫。


 今の羽柴家は戦続きで戦費も幾らあっても足りない状況であるので、この交渉でのお小遣い稼ぎは有り難い話であった。


「100万本ですか?」


「お高い様なら応交渉には応じますよ。」


「お安い。それで港を好きなだけ借り受けられて、しかも仲介の仕事もして下さるとは、有り難いですね。」と言う夕霧。



(ひゃっ!!ひゃっ!!百万本が安いですと?!)


(キリヤ公国連合国とは、どれだけの予算が使えると言うのですかっ?!)と驚愕をしてしまう雫。



「それでは金塊を即払いしますので、お受け取り下さい。」と夕霧は言うと、無線機で港に停泊中の輸送艦隊へと連絡をして、金塊を届けさせたのであった。


「それと、最後にもう一つお願いが有ります。」


「はぁ、何でしょうか?」


「桐谷勇治陛下から、貴国の足柄将軍王である足柄・一輝・宗輝との謁見の段取りをお願いしたいのですが・・・・・・」


「畏まりました。お約束通り、支払って頂いた分は、お働き致しましょう。」と雫は答える。


(思わぬ臨時収入でしたが、これはこれで中々の情報を得られたようですな。)


(キリヤ公国連合国・・・・・・・彼の国とは決して敵対をしては為らないと、陽菜殿と信長様に申し上げねば・・・・・・)



 後に黒田・雫は、キリヤ公国連合国内で、羽柴・陽菜は豊臣独立自治大公藩国・豊臣軍・総軍総参謀長と成ると共に、キリヤ公国連合国・国防総省・キリヤ公国連合国総司令部付属総合参謀庁へと出向する形で、本国政府の軍幹部と成り、名参謀と呼ばれる人物と成る。



 彼女がキリヤ公国連合国との初接触をした際の感想は、逆らっていけない大国として、陽菜と和紗の二人に意見書を進言して居たと言う記録が残って居た。


 

 マギアンティア世界統一暦・1555年・6月3日・午後13時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・織田大名王家保護領・足柄将軍王家領・山代国・皇都・平庵京・室町幕府・足柄将軍王御所殿にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 此処はアマテラス神皇国の首都が置かれて居る山代国・皇都・平庵京である。


 その上京区画に置かれ居ている室町幕府・将軍王御所殿は、アマテラス神皇国の代々の将軍王が政治の中心地として住んで来た伝統的な建物である

 

 現在は足柄室町幕府将軍王朝政権が運営して居る政治中枢だが、200年も続いた足柄室町幕府王朝も、此処数十年ほどで急速に力が衰えて、遂にはガタ来てしまっていた。



 30年前に起こったアマテラス神皇国元号期・桜仁5年の桜仁の大乱で、当時の将軍王である足柄義正は、自分の跡継ぎ問題で親族や家臣と揉めてしまう。



 その揉め事は、親族と家臣同士を二分にさせ、遂には山代国・皇都・平庵京中心とした大戦争に発展し、その戦火が今だに続いていた。


 当時、戦乱を起こした者達は、もうこの世には居ないが、戦乱を利用して成り上がろうとする戦国大名王家が乱立し、下剋上とも言われる下級身分の者達も大名王家として立ち上がる者が続出し続けて、事態の収拾が付かなく成ってしまって居た。



 そんな中で、10年前に将軍王と成った足柄・一輝・宗輝は、文武両道の才を持って居る剣聖将軍と言われる程の腕前を持って居る人物であった。


 しかしながら、当時の情勢下では、細川家と守護代家であった三好家との間で政権の主導権を求めて争って居た時に、両者の戦に巻き込まれてしまう。


 両者は機内各地で壮絶な戦いを繰り広げられ、その裏では松永・久秀が、その両者を手玉に取り、首都の皇都・平庵京・足柄将軍王御所殿を両軍に襲わせたのである。


 細川と三好の両者の目的は、アマテラス皇国足柄幕府将軍王朝一三代目の足柄・一輝・宗輝の身柄の確保であった。


 それに乗じて松永久秀は、一輝を暗殺し、従姉妹の足柄・栄花・義栄を擁立させようと目論んで居た。


 だが、一輝は寸での所で塚原・伝江・朴伝を始めとする味方に助けられ、兼ねてから助けると言って居た織田・和紗・信長の元へと脱出し、織田・徳川軍の手を借りて首都の皇都・平庵京を奪還したのだった。


 これが世に言う足柄将軍王御所殿の乱と言われる政権争奪事変戦争の顛末であった。


 その後は尾張国の大名王である織田・和紗・信長に助けを請う形で、混乱して居たアマテラス列島中央部を掌握する事に成功して居る。



 だが、傀儡政権と言える足柄・一輝・宗輝政権は、アマテラス神皇国の中央を抑えて居るだけで、3年前に始まった反織田を掲げる勢力との戦いに突入。


 未だに天下統一への戦いの決着が見らぬままだが、機内を抑え、四国地方・東海地方・北陸地方を抑え始めた織田家は、残るは中部地方の武田家と中国地方の毛利家を下せば、大体の大名王家は織田家との連携を申し出て居た。



 残るやや強力で抵抗して来る勢力と言えば、島津家・北条家くらいだろうと見られて居る。



 そして現代、織田家優勢の戦国時代たるアマテラス神皇国は、キリヤ公国連合国の出現によって新たなる局面を迎え様として居た。


 アマテラス神皇国の畿内地方・大坂市・大坂湾沖にキリヤ公国連合国の艦隊が現れて数日が経って居た。


 キリヤ公国連合国の使者として現れた 第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍・第二戦隊司令官・南雲夕霧中将は、羽柴・陽菜と織田・和紗の仲介を得て、室町幕府・足柄将軍王御所殿を訪れていた。



「ほう、この私をキリヤ公国連合国の国防大臣にしたいと言うのか、彼のキリヤの小僧は?」


「はっ、既にアマテラス神皇国の200年も続いた足柄室町幕府将軍王朝、そして足柄・一輝・宗輝政権も力が無く、次世代将軍王と別将軍王朝政権が求められている。」


「そう我がキリヤ公国連合国の勇治陛下は見て居られます。」


「ふっ、確かにな。」


「本当なら此処で他国の者や国王から、そんな事を言われ挙句、指摘までされれば、激高して怒る所なのだろうが、私は才と力は在っても、今や織田の虚け姫殿の只のお飾りだ。」



「そう自覚して居るからこそ、何も言い返せん。」



「下手をすれば、何処に潜んで居るか分からぬ者にでも、我が命を狙われて居るやも知れん身だ。」



「くくっ、確かに、その誘いは実に面白いな。」


「そろそろ私もご先祖様から続く、この幕府を閉じるか続けるかを決めかねて居た所だ。」


「織田の虚け姫殿の庇護を受けながらの隠居生活も、ソコソコ悪くは無いと思って居たがなぁ~・・・・・・・・・・」


「うん、どうせなら思い切って、誰にも想い付かないような自由な事をしてみたく成ったな。」


「南雲夕霧。帰って主に・・・・いや、我が主と成る桐谷勇治殿に伝えよ。」


「この足柄・一輝・宗輝は、近日中には足柄室町幕府王朝を閉じて、貴公の申し出を受けて、ご奉公を申し上げ、馳せ参じるとな。」


「ははっ!!必ずお伝えします。」


 夕霧が立ち去ると、一人居残った一輝はポツリと呟く。



「ああ、そうだっ!幕府を閉じる序でだから、師匠達や今だ足柄家の家中に忠義を尽くす者達も連れて行くか、あの小僧への良い手土産にも成るだろう。」


「確か人手不足とかで、かなり手が足りないと風の噂で漏れ聞こえるからな。」


 こうして、足柄室町幕府王朝・第13大将軍王である足柄・一輝・宗輝は、足柄室町幕府王朝の閉じると言う電撃宣言をアマテラス神皇国全土に向けて発表し、多くの大名王家とアマテラス神皇国民達に衝撃を受けさせた。



 足柄・一輝を庇護していた織田家は、急遽、足柄室町幕府王朝が抑えていた山代国・皇都・平庵京の防備と統治を近くを治めていた明智・十華・光秀に任せて行く事と決めたのであった。



 この時からアマテラス神皇国は、戦国時代から新たな時代へと向かう事に成る。


 一輝の将軍王の引退宣言は、安土・桜山時代の始まりを迎えた事を意味して居た。


 そして、全国の大名王家は織田家を倒し、皇都・平庵京を取れば、次代の将軍王と成れると考え、更なる群雄割拠を深めて行く事に成った。




マギアンティア世界統一暦・1555年・6月1日・午後14時02分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・播磨国・別所長治居城・三木城付近・三木軍・羽柴軍・激突戦場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



此処はアマテラス神皇国地方の近畿地方西部に在る播磨国。


今、この播磨国は戦国騒乱の只中に在った。


 旧主である細川元晴が織田・和紗・信長に討たれて以来、各地の国人衆達が互いに国土拡大を狙って争い合い、混迷を深めて行くが故に播磨国は、統治者の居ない群雄割拠の国と化してしまう。



 此処を天下統一の為に、国土としようと考えるのは、アマテラス神皇国地方の最大勢力である織田家。


 しかしながら、毛利大名王家国への侵攻がまじかに成って居る事を分かって居た第二の勢力を誇る毛利家は、自国の自衛の為に播磨国への介入を決意する。



 播磨国内に散らばって国土を持って居る国人衆らは、毛利家と織田家に別れて、そん傘下で一進一退の攻防と言う播磨国の奪い合い戦争へと突入して行く。


 それは更なる混乱を呼んでしまう事に成った。


 黒田家前当主である黒田職隆は、御着地方を治める国人衆にして、播磨国御着城主の小寺政職の命令を受けて、織田家への使者を送る事に成る。


 小寺家は混迷を深める播磨国の中で、黒田家の跡取り娘である黒田・雫・隆孝に、このアマテラス神皇国を統一するのは織田家の織田・和紗・信長公であると進言し、小寺政職も様々な角度から考えた末に、織田・信長こそが天下人である判断。


 黒田・雫に岐阜に行くように命じる事に成る。



 この時の黒田・雫は、小寺軍の中で様々な功績を上げて居り、小寺政職も絶大な信頼を寄せて居た。


 そんな黒田・雫は、何時しか播磨国の秀才と謳われて居た。


 その黒田・雫が岐阜城に赴き、織田・和紗と謁見し、小寺家の臣従を申し出ると、「だったら貴様が畿内と播磨国を纏めて見せろ」と言われ、その方面軍司令官として、羽柴・陽菜を採用した事もあり、雫はその補佐を命じられる。



 その後は、近畿地方の平定戦での戦いに措いて、各地を陽菜と共に転戦し、その功績から羽柴家の軍師にも登用される。



 しかしながら、彼女は顔見知りでもあった荒木城の城主である荒木村重へと降伏の使者へと赴く事が在った。


 その時に村重の罠に掛かり、彼の手によって1年間の投獄生活を強要されて居た事も在るせいか、少々右足を悪くしてしまって居る。


 この時に小寺政職も毛利家の誘いに乗り、織田家と敵対し、黒田家は小寺家と袂を分かつ決意をする事に成った。


この一連の策謀を考えたのは、毛利三姉妹の小早川・隆美・影長である。


 更に小早川・隆美は、黒田家を窮地に追いやる為に、織田・和紗に雫が裏切って居るとの噂を流すと同時に、播磨国の国人衆を分断したり、毛利方に寝返らせたりして見せたのである。


 程なくして荒木村重は、織田軍の猛攻に耐え切れずに逃亡し、村重に投獄されて居た雫は、荒木城から救出されて現在に至って居る。


 この一連の戦いで窮地を脱して黒田・雫は、和紗と謁見した際に、播磨国を3月以内に切り取って見せると宣言。


 羽柴軍は後詰め軍の三好・慶香・長慶、明智・十華・光秀、長宗我部・智華・元親らの協力体制を得て、播磨国各地を転戦して居た。 


 三木城と別所長治軍を包囲した羽柴軍は、その周囲を蟻の這い出る隙間も無いくらいに付け城で塞ぎ、誰も出入りが出来ないようにする。


 後に三木城の兵糧攻めは、黒田の三木の干殺しと言われる事に成る。



 羽柴軍旗下の与力姫武将である仙石・久深・秀久は、三木城を包囲する西側砦を守って居た。 


 しかしながら、それを落とそうと毛利家の同盟大名王家、宇喜多直家軍の一隊が攻め掛かって来た。


「秀久様っ!!宇喜多軍ですっ!!」


「者共っ!!絶対に此処を通すなっ!!」と命じる仙石・久深は、開戦の合図たる法螺貝を鳴らせた。


「ブオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーっ!!」と法螺貝が鳴り響くと、鉄砲隊が砦内から一斉に火を噴いた。


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!



「掛かれっ!!掛かれっ!!掛かれっ!!掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と命じるのは宇喜多家の武将である明石全登である。


「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」



 宇喜多軍は、7000千人の軍勢を持ってして、仙石軍1200人が守る砦へと攻め寄せて居た。


「怯むなっ!!押し返せえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 仙石軍は武名高く、武威に秀でた軍勢で、これまで何度も強敵を討ち破って来た実績を誇って居た。


 両軍は一進一退の攻防を繰り広げ、辺り一帯では怒号や刃物同士が搗ち合う金属音が響き合う。


 そんな激しい攻防を繰り広げる中で、とある一隊が砦近くの雑木林の中に隠れて居た。


 その一隊の旗印は右三階松紋で、凛々しい感じの真面目な顔立ちをしたロングストレートヘアーをポニーテールで髪を結って居り、スラリとした背の高い背丈と女性らしい身体きをして居る人物が、片手に馬上槍を手にしながら、愛馬に跨って居る。



「佳代様っ!!頃合いですっ!!」


「ふぅ、ホンとあの子に仕えてからは、暇な日が全然無いわ。」


「そうですか?佳代様が、今川家にお仕えして居た頃よりは、とても良い顔をして居られると思いますけど?」


「貰った知行地が5千石よ。遠江国時代の領国の5倍なのよ。それで働かないのは怠け者と言われてしまうもの。」


「このまま行くと、何れ佳代様は、お大名王様に成れるかも知れませんね。」


「あはははっ!!そうね、あの子なら其処まで知行地を気前良く、くれるかもね。」


「さぁて、今はお仕事よ。お相手は中国地方・宇喜多家の家老にして、稀代の武将の一人でもある明石全登よっ!!」


「これを撃退すれば、恩賞が間違い無しっ!!」


「いざっ!!掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 彼女の名は松下・佳代・之綱。


かつては遠江国の国人衆にして、今川家に仕えて居た松下家の当主である。



 そして無宿人であった羽柴・陽菜・秀吉を見い出し、世話をした事で、天下に名を轟かせる姫武将に成る切っ掛けを与えた人物でもある。



 今はかつて受けた御恩の恩返しをしたいと言われた陽菜から、知行地を5千石をポンと与えられ、陽菜の家臣として召し抱えられて居た。



「殿っ!!背後から奇襲ですっ!!」


「その数は凡そ2200人っ!!」


「何っ!?」


「明石全登っ!」


「くそっ!!その旗印っ!!遠江の出来人っ!!松下・之綱かっ!!」


「悪いけど、その首っ!」


「させるかっ!」と明石は、1500人を松下軍に差し向ける。


「ちぃっ!!なーんてね。」とにやりと笑う佳代。


「何っ?!」


「今だっ!!横腹を突けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と出て来たのは、山内・伊右衛門・一豊が率いる山内軍1500人であった。



「明石全登っ!!その首を貰い受けるっ!!」と意気込んで、明石全登に向かって槍を突き立てる一豊。



「しまったっ!!罠かっ!!」


「小城だと思って油断して居たわね。」


「大方は兵力が少なく、守りの硬い秀長さんの所を攻め落とす為に、わざと此処を攻めて居るんでしょうけど、残念だったわね。」


「まさか・・・・・」


「家の軍師は優秀、と言うか天才過ぎて困るくらいだわ。」


「其処にあの子、秀吉に仕えるのは、彼女を信頼して居る出自が違う武将達の集まりよ。」


「その全員が出来が良いと言えないけど、結束すれば良家のお侍さまを蹴散らすくらい訳ないものねっ!!」と言いながら佳代は、明石の槍を吹き飛ばした。


「ちぃっ!!その身体付きの何処にっ!!」


「家が落ちぶれ、領国を無くし、主家を無くし、仕える主を無くしても、鍛錬と勉学だけは疎かにはして居なかったわ。」


「それが貴方の様な武将を相手取っても生き残れるくらいの腕前は有る積りよっ!!」



「・・・・・この策は、彼の天才軍師たる竹中の物では無いな。」


「さぁ、如何かしらね。」と惚けて見せる佳代。


「油断した。舐めて掛かった非礼を詫びよう松下・之綱。」


「遠江の出来人の名は伊達ではないな。流石は秀吉の師と言われるだけは在る。」


「それは嫌味にしか聞こえないわ。遠江国時代に、あの子を手元に置いて居たらと、今でも思うもの。」


「今川家の天下の中で、自力で大名くらいには成れたでしょうね。」


「ぬかせっ!!あの今川では、どの道、何処かで倒れて居るわっ!!」


「そうかもね。」と言い終えると、佳代は槍を構える。


「此処は退かせ貰う。殿も攻め切れないなら引き揚げろと仰られて居られたしな。」


「それは懸命ね。」


「今一つ言うならば、きな臭いともな。」と言うと明石軍は撤退をして行った。



「佳代様。」


「あの腹黒い備前狐と言わる直家に褒められても、全然、嬉しくは無いわよね~」と言うと苦笑いをしていしまう佳代であった。



 この日の戦は、竹中・半那・治重の総指揮のもと、全て蹴散らせてしまうのであった。


 その中で松下・佳代・之綱は、自力で敵方を蹴散らしたと陽菜たちから絶賛したと言う記録が残って居る。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・6月1日・午後17時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・播磨国・別所長治居城・三木城付近・羽柴・陽菜・秀良軍本陣・羽柴・陽菜陣屋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 その日の夕方、三木城の攻防戦は羽柴軍を中心に織田軍が優勢の内に幕を閉じて居た。


 羽柴軍総大将である羽柴・陽菜・秀良は、三木城から東へ3キロ地点に在る秀良軍本陣とされた陣屋中に居た。


「先ずは、この度のご戦勝っ!!おめでとう御座います。」と松下・佳代が、参陣して居る武将達を一同を代表して戦勝を賀詞申し上げて居た。



 陽菜の重臣中には、妹の羽柴・竹菜・秀長。

 

 尾張国時代の幼馴染みである蜂須賀・頃代・正勝と前野・恵那・康長の二人。

 

 尾張国・那古野城城下時代に世話に成って居た浅野・将右衛門・長吉と浅野・寧々・長政と言った親子。 


美濃攻めで口説いた天才軍師である竹中・半那・治重。


羽柴家の次席軍師にして、播磨国の秀才と謳われて居る黒田・雫・隆孝。  


 その他に和紗から与力武将とし付けられて居る中村・孫平次・一氏。堀尾・茂助・吉晴。山内・伊右衛門・一豊。仙石・久深・秀久。


 その他に子飼い武将値は以下の通りと成って居る。


  福島・市夏・正則。

  加藤・虎実・清正。

  加藤・茂美・嘉明。

  脇坂・安代・安治。

  片桐・勝乃・且元。

  平野・泰子・長泰。

  加須屋・冴子・武則。

  石田・咲枝・三成。

  大谷・紀子・吉継。



 その中で新参者では在るが、陽菜との付き合いが一番に古い松下・佳代・之綱が羽柴家の重臣扱いなのは、陽菜のかつての主君である事が大きい。


 羽柴家の纏めて役は羽柴・竹菜・秀長で、その下に竹中・半那・治重と黒田・雫・隆孝の二人が居り。


  戦ごとを取り仕切るのが蜂須賀・頃代・正勝と前野・恵那・康長の二人。


 雑務上の裏方仕事を仕切って居るのが、浅野・将右衛門・長吉と浅野・寧々・長政の親子。


 その中で松下・佳代は中間管理職にして、前線を取り仕切れるオールマイティな姫武将であるので、自由に動ける立ち位置に成って居た。


 そんな事から実績よりも経験と恩義の在る佳代は、陽菜旗下の譜代家臣代表の一人として扱われても居た。


「佳代さん。今日も大活躍だった聞くけど。」


「ええ、そうね。予想して居たのよりも、大物が引っ掛かたのが計算外だったわね。」


「そう見たいだね。竹菜ちゃんが守って居た場所に、あの宇喜多直家が出て来たって、騒いで居たけど、逆に向こうは半那ちゃんが居たって事にびっくりして居たよね。」


「はっはっはっ、あの腹黒い備前狐と言わる直家殿を驚かせたと在らば、大変名誉な事ですね。」と余裕綽々な感じて居る半那。


 彼女は権謀術数を得意とする宇喜多直家を相手取り、散々な目に遭わせたと言うのだから油断が為らなかった。


「それよりも、陽菜さん。雫から書状が届いて居ます。」


「???。雫ちゃんから?何だろう?」と雫から書状を開く陽菜。


「・・・・・・・はぁ~」と溜息を吐く陽菜。


「如何したの陽菜?」と聞く佳代。


「噂のキリヤ公国連合国の鋼鉄船から成る大艦隊が、大坂湾に現れたって話は、佳代さんも、此処に居るみんなも、噂なんかで聞いては居ると思うけど、その艦隊司令官からアマテラス地方での活動に敵味方を問わずに便宜を図って欲しいって行って来て居るらしいんだよ。」と言いながら雫の手紙を佳代へと手渡す。


「・・・・ふーん。へぇー・・・・・って金塊が100万本っ!?何よそれっ!羽柴家の半分程度の年間軍事予算じゃないっ!」


「それを楽々払えるって、最近に成って出来たばかりの新興国なのに、一体どれだけの国力が在るのよっ!」と驚く佳代。


「何なら、もっともっと払えるって言われたらしいけど、それ以上は分捕り過ぎると思って湾港使用の期限を区切った期間を越えた場合に限り、追加で貰い受けると言う事にしたらしいね。」


「うーん。でも如何しようか?この播磨国での戦は織田軍優勢で、折角優勢に勝って居るって言うのに、此処で毛利と停戦と成ると国境線がややこしい事にも成るなぁ~」


「小寺家も別所家を始めとして、毛利方に付き従う播磨各地の国人衆も多いですしね。」


「播磨の古い家柄の人物で、時世に聡いのは赤松広秀殿くらいだもね。」と佳代は、やれやれと言った感じに言う。


「それは雫ちゃんのお陰だよ。赤松家とは昔から近所付き合いが多かったって、言ってたからね。」


「それで如何するの?」


「うーん。如何しよう。如何したら良いと思う?半那ちゃん?」


「これは面倒な困り事ですね。下手に断れない事でも有りますし、各地の大名王達も、彼の新興国に逆らう様な事は・・・・と言うよりも逆らえないでしょう。」


「そして、それは信長様も然りと言えますね。」と半那は説明して居る。



 其処へ、とある報せが届く。


「申し上げます。」


「何かな?」


「はっ!毛利家の三女、小早川・隆美・影長様が、毛利家の使者として、起こしに御座います。」


「えっ!?小早川さんが?」


「如何やら先手を取られたようですね。」と言う半那は、小早川・隆美が陽菜の下へと現れた理由に付いては、大体の予想が付いて居る様子である。



「動きが早いな。流石は毛利家の外交官だね。」


「陽菜さん。此処は相手の探りを入れつつも、毛利家の提案を受け入れるべきかと、信長様の方には私が根回しをしますので、話を纏めて下さい。」


「恐らくは、織田家・毛利家ともにキリヤ公国連合国に関しては共同歩調を合わせるべきです。」


「それって、何方がキリヤ公国連合国と大戦に成ったら、敵に回した方が・・・・・」と言い掛けた陽菜は、その結末を想像したたげで身震いする。


「そりゃそうね。あの巨大な鋼鉄船を幾つも建艦できる国家ですもの。」


「歩兵の装備も含めると、このアマテラス神皇国地方の侍たちの装備と軍勢が束に成っても勝てやしないわ。」と佳代は締め括る。


「はい。アマテラス神皇国地方の生き残りと天下統一の覇を争って居る毛利家も、我ら織田家と共倒れに成るのは、流石に利が無いと考えて居るでしょうから、此処は一旦は停戦し、後に講和に持ち込む事に成るでしょうね。」


「そして、その事を信長様は拒否する事は絶対に在り得ない事に成るでしょう。」と半那は、この時期に毛利家が羽柴軍本陣に来訪して来た理由の補足説明を終えた。


「はぁ~、これからアマテラスやこの世界は、どうなっちゃうんだろう?」


 陽菜はキリヤ公国連合国と桐谷勇治に登場で、急激に変化して行く激闘の時代へと突入して行く情勢に対して、心から不安を覚えるのであった。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・6月1日・午後18時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・播磨国・別所長治居城・三木城付近・羽柴・陽菜・秀良軍本陣・羽柴・陽菜陣屋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

毛利家三姉妹の三女、小早川・隆美・影長。 年頃は17歳。



 毛利三女で、小早川家へと政略目的で養子へと入って居る人物で、毛利家では主に水軍や外交に諜略を行う某を司って居た。



その見姿とは、ショートの黒髪で、やや背の低い小柄なロリ巨乳スタイルと普段から眼鏡をして居り、その性格は大人しいと言う。


 後に勇治にベタ惚れをした事で、愛妾妃と言う地位で勇治に嫁ぐ事に成るのは、まだ先のお話。



 小早川・隆美は、毛利軍の一軍である小早川軍を率いて播磨へとやって来て居たが、此処に来て、とある出来事が切っ掛けで、状況が一変してしまった事から、毛利家本国領である安芸国に居る姉である毛利・輝実・隆宗から織田家と停戦するようにとの命令を受けたからであった。



「初めまして秀良殿。私が毛利家三女、小早川・隆美・影長です。」 


「此方こそ初めまして、羽柴・陽菜・秀良です。」


「本日の戦は見事の一言に尽きます。流石は秀良殿です。すっかりやられてしまいましたね。」


「いいえ、全ては家臣達のお陰です。」と言って謙遜をする陽菜。


「本日、私が此処に来たのは、姉である隆宗から、織田家と停戦せよとの命令を受けたからです。」


「停戦ですか?(半那ちゃんが言ってた通りだ。)」


「我が毛利家にもキリヤ公国連合国の鋼鉄船艦隊が広嶋湾へと現れ、アマテラス地方での活動に協力をして欲しいとの要望が有りました。」


「それも敵味方を問わずにです。」


「その事に付いては、私も聞いて居ます。」


「なるほど、大坂湾にも艦隊が現れたと言うのは本当でしたか?」


「はい。しかしながら、毛利家との停戦は、正直言って面を喰らって居ます。」


「そうでしょうね。私も驚いて居ます。」


「ですので、其方に停戦の意思が無ければ、期間を区切った形の停戦でも良いとも言われて居ります。」


「あのー、それってキリヤ公国連合国が原因なんですよね?」


「その通りです。我が毛利家は、今回の騒動で織田家と戦をして居るどころでは無くなりました。」


「下手をすれば彼の国との大戦ですので、この辺りで播磨から手を引くので、そちらは但馬から手を退いてはくれませんか?」


「それは相互不可侵条約と言う事でしょうか?」


「そう成ります。元々毛利家は天下への野心は在りませんので、生き残る為、本土領土を取られない様に国土を広くしただけですので、これ以上織田家と戦っても利する物が有りません。」


「分かりました。取り敢えずは停戦と言う事で構いません。毛利家と織田家との不可侵条約に付いては、信長様にお伺いを立てからに成ります。」


「それは良かった。出来れば信長公とは不可侵条約を結びたいものです。」


「それと、直ぐにでも停戦条約を結びたいのですが?」


「それは、キリヤ公国連合国へと渡りたいと言う人達の為にですか?」


「その通りです。両家には色々な事情から敵味方に分かれて仕えて居る旧家の家臣達が居ますので、早く停戦をして、両家の国内の通行を自由にして置きたいのです。」


「それは良いですね。直ぐにでも起請文を書きましょう。」


「有り難う御座います。」



 こうして織田家と毛利家は、キリヤ公国連合国のナデシコ艦隊の出現により、播磨国を織田家が治め、但馬国を毛利家が治める事で、お互い停戦をする事に成ったのである。


 織田家は中津国地方への進軍を停止、四国地方と九州地方への侵攻計画へと切り替える事に成る。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・6月2日・午後21時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・畿内地方・播磨国・別所長治居城・三木城付近・羽柴軍北西砦内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 大坂湾沖合に、キリヤ公国連合国からナデシコ自治統合海軍艦隊が現れ、移民募集の一報は各地へと流れ始めて居た。



 この日、羽柴軍と毛利軍は停戦条約を結ぶ事に成ったとの話が、羽柴軍内の各防衛陣所にも耳の早い者のらに由って流れ出す。


「姫様っ!!たっ、大変ですっ!!」と駆け込んで来たのは、石見国・出雲国・伯耆国の三カ国の太守であった尼子家の旧臣である筆頭家老姫武将の山中・鹿乃・盛幸であった。


「如何したの鹿乃?そのんなに慌てて?」と聞き返すのは、尼子家の現当主である尼子・勝美・久勝である。



 かつて中津国地方の覇権を巡って毛利基就に戦いを挑んだのは、出雲国を中心に領土を有して居た尼子と言う大名家であった。


 3代に渡って3カ国も国土を治めてきた名家だったが、毛利家との抗争の戦に破れて、そのお家が没落してまう。


 その末裔たる尼子家の現当主である尼子・勝美・久勝は、尼子家の旧家臣達共に、中央で勢力を伸ばしてきた織田・和紗・信長と言う姫大名王の力を借りて、旧領の奪還を成し遂げ様として、毛利家と戦い続けて居た。


今、この二人と尼子家の旧臣達に、運命の転機が訪れようとして居た。



「はいっ!!実は先の攻防戦での戦働きを報告しようと、秀良殿の本陣へと伺った時の事です。」


「毛利家三女、小早川・隆美・影長が、秀良殿の陣所を訪れ、停戦条約に署名したと言うのですっ!!」


「えっ、えっ、えっ!えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「そっ、それじゃぁ・・・・・・」


「はい。無念ですが、毛利家との戦も、最早これまでかと・・・・・・・」


「はぁ~、おっ、お家の再興がぁ・・・・・・」とへたり込む勝美は、ガックリと肩を落としてしまう。


「ですが、姫様っ!心配ご無用にございまするっ!この鹿乃に一計を思い付きました。」


「えっ?」


「今回の両家の停戦条約の原因は、キリヤ公国連合国なる海向こうの新興国が現れた事による物。」


「聞けばキリヤ公国連合国は、新興国で在りながらも、ゲルニアン帝国に匹敵する国力を有する大国との噂が、巷では流れ聞き及んで居ります。」


「でも・・・・それは噂話でしょう?」


「はい。ですが、その噂は本当だと言うのです。」


「大坂へと使いに出た尼子家臣の一人が、鋼鉄船艦隊を見たと言って居ります。」


「そっ、それじゃ・・・・・・・・・・」


「はっ!毛利家との戦は終わってしまいましたが、まだ尼子家の再興の芽は残って居ります。」


「我らはキリヤ公国連合国の公王である桐谷勇治陛下に仕官を申し出れば、少なくとも騎士爵位くらいは手に居られ、新しい尼子家を立ち上げれば良いかと・・・・・」


「うん。鹿乃の言う通りだね。」


「行こうっ!キリヤ公国連合国へっ!!」


 ってな訳で、この二人と尼子家の旧臣達は、キリヤ公国連合国へと渡海する事にしたのであった。


後にこれがキリヤ・尼子家創立と成る発端となる出来事であった。


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